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感慨深いの意味とは?使い方・使用が適していない場面を解説

シンカキャリア編集部

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更新日:2024/07/09

日ごろの生活において「感慨深い」と感じたことはありますか?話し言葉でも書き言葉でもよく使われる「感慨深い」という言葉。きちんと言葉の意味を理解できているでしょうか。ビジネスシーンにおいて正しい言葉遣いは必須のマナーです。今回は「感慨深い」について、正しい意味やビジネスシーンでの使い方、言い換えの表現を紹介します。

目次

日ごろの生活において「感慨深い」と感じたことはありますか?話し言葉でも書き言葉でもよく使われる「感慨深い」という言葉。きちんと言葉の意味を理解できているでしょうか。ビジネスシーンにおいて正しい言葉遣いは必須のマナーです。

今回は「感慨深い」について、正しい意味やビジネスシーンでの使い方、言い換えの表現を紹介します。

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感慨深いの意味とは

「感慨深い」とは、心の底からゆっくりと心に深く感じることや、感動や思いが深いことを表す形容詞です。では、「感慨深い」の詳しい意味や「考え深い」、「感動」との違いはどうでしょうか。使い方について、例文を交えて解説します。

物事に深く心を感じて動かす

「感」は「心が動く」、「慨」は「心を揺さぶる思い」などを意味します。これらの漢字を使った「感慨」だけでも「しみじみと沁みる気持ちになること」や「心に深く感じるさま」を意味しますが、さらに「深い」がつくことでより感情の重みが強調されます。主に、経験や出来事に対して、その意義や価値を深く理解し、心に響く感情を抱く際に使われる言葉です。

感慨深い状況といえば、人生の節目や記念すべき出来事、感銘を受ける出会いや別れ、美しい風景や芸術作品など、さまざまな場面を思い浮かべることができるでしょう。

ビジネスにおいては、「うれしいです」と述べると稚拙に見えかねない場合に、やや格式ばった「感慨深い」を使うケースが見受けられます。

考え深いとの違い

感慨深いと似た読み方の言葉に「考え深い」があります。耳で聞くとよく似ているので誤って使っている人も多いようですが、意味は大きく異なります。考え深いとは「深く考えをめぐらすさま」「深く考え込む様子」を表します。

つまり「しっかり考えていること」を表す言葉です。感慨深いとは違い、物事に深く感じ入って、心を動かすといった意味はないため、混同しないように気をつけましょう。「感慨深い」は、個人的感情を伝えるときに使用しますが、「考え深い」は感情ではなく人やモノ、概念に対して使います。

例文

  • 彼は思いつきで動いているように見えるが、実は考え深い方だ。
  • 部長は考え深い様子でその場を後にした。
  • 彼は年齢の割に考え深い若者だ。

感動との違い

もう一つ、似ているとされる言葉に「感動」があります。感動とは「心が動かされること」です。「感動」とは、物事に深い感銘を受け、心を強く動かされることを意味します。

心に深く感じるものがあるという点では「感慨深い」と共通しますが、「感慨深い」の方が、そこに至るまでのプロセスに思いをはせて、しみじみと感じるというニュアンスがあります。「感動」は「今この瞬間」の心の動きを表す言葉です。「感慨深い」と言う言葉を用いる場面で「感動」と表現したとしても誤りにはなりませんが、ニュアンスが異なって伝わる可能性があります。

例文

  • 雨あがりの虹を見て感動した。
  • 〇〇と言う映画では、最後に主人公と愛する人が再会するシーンに感動して涙が出た。

感慨深いのビジネス上での使い方と例文

「感慨深い」は日常生活でもビジネスシーンでも耳にすることのある言葉です。しかし、感情を表現する言葉のため、公的な文書やマニュアルなどではなく、主に口頭や、気持ちを表現する手紙などで使われます。具体的にシーンに分けて解説します。

成功や成果を達成した時

ビジネスシーンにおいて、「感慨深い」と言う言葉は、何かを達成したときに使うことが多い言葉です。たとえば長期にわたるプロジェクトなど、時間をかけておこなった仕事が無事に終了を迎えたときに携わった人が感想を述べる場面では、使用にふさわしい言葉と言えます。

自分のしたことの成果が出たときなどに、「うれしい」と言うだけでは拙い表現に聞こえてしまう場合があります。そんなときに「感慨深いです」という言葉を使うシーンが度々見受けられます。

例文

  • この商品が販売開始までこぎつけたのは、開発の苦労を考えると大変感慨深い。
  • 3年間温めてきた企画がようやく形になり、とても感慨深い。
  • 彼の苦労を見続けていたため、今回の成功は実に感慨深い。

スピーチでうれしい気持ちを伝える時

「感慨深い」はスピーチの場でも使われます。たとえば、祝賀会などの式典、社員の結婚式のように、改まったあいさつを述べる場面では、「感慨深い」の言葉が使われる場面に遭遇することも少なくありません。長年の努力が実を結んだ話をしたり、成長についてうれしい気持ちを他人に話したりする際に「感慨深い思いに浸りました」「感慨深いものを感じます」と表現すると、しみじみとした落ち着きのある言葉として相手に気持ちを伝えることができます。

例文

  • 本日、この場に立ってご挨拶できますことを、感慨深く思います。
  • 大学から県外に出て10年が経ちました。今ようやく故郷に戻ってくることができて、感慨深い思いに浸っています。

部下の成長を讃える時

「感慨深い」は部下や後輩など、自分が長らく目をかけたり面倒を見てきたりした人が何かを成し遂げたとき、そのしみじみとした喜びを本人や他人に伝える場面でも使われます。たとえば、努力を積み重ねてプロジェクトを完了させたときや、これまでの勤務を振り返るとき、特別な成果をあげたときなどのシーンが考えられるでしょう。

例文

  • 〇〇さん(部下)の企画が先日のコンペで採用されたことは、部長として感慨深い。
  • この難しいプロジェクトを完遂させたあなたの能力には、感慨深いものがあります。
  • 〇〇さん(部下)が入社してから今日に至るまで、大きな成長を遂げたことに感慨深いです。これからも更なる飛躍を期待しています。

感慨深いの使用が適していない場面

ここまで、「感慨深い」の使い方を紹介してきました。大きな感動を表現できる便利な言葉ですが、使用が適切ではないシーンがあるため注意が必要です。ここからは、「感慨深い」という言葉の使用を避けた方が良い場面を解説します。

目上の人を称える場面

目上の人が昇進や栄転した際や、何か功績をあげたことに対して賛辞を述べる場合に、「感慨深いです」と伝えると違和感を与える可能性があります。

たとえば、部下にあたる人が「〇〇部長がご栄転とは、感慨深いですね」「課長が昇進とは、感慨深いものです」といったように、目上の方に対して「感慨深い」という表現を使うと、相手が今まで積み上げてきた苦労や努力をさも分かっているかのように聞こえてしまいます。自身が上司の面倒を見てきたかのような意味合いが出て、皮肉っていると感じられる可能性もあります。

違和感を与えるだけではなく、生意気だ、失礼だと思われる危険性があるため、目上の人を称える場合には使用しないように注意しましょう。

今知った事実を伝える場面

「感慨深い」は、ある程度の期間を費やした出来事や思い出などに対し、長い道のりを乗り越えた喜びを表す言葉です。しみじみと心に感じることであり、今起きたり知ったりした事実そのものに対してというより、そこに至るまでのプロセスに思いをはせるというニュアンスがあります。

そのため、「初めて訪れた〇社の設備が豪華で感慨深かった」や、「さっきふらっと入った、初めて行った店の料理がおいしくて感慨深いよ」といった使い方はふさわしくありません。〇社が設備を入れた経緯や過去などを知らなかったり、お店の料理人が培ってきた努力や苦労というプロセスを知らなかったりするためです。

単発の出来事や、期間を経ていないことには使わないようにしましょう。

感慨深いを言い換える表現

「感慨深い」という表現は、「感無量」や「心に染みわたる」、「感激」などと言い換えることができます。言い換え表現もきちんと意味を押さえておくことで、場面や状況に応じて正しく使い分けられるようにしておきましょう。

表現1:感無量

「感無量」とは、「感慨無量(かんがいむりょう)」を省略した言葉です。無量は、量をはかれないほど多い、という意味であり、大きく心を動かされた様子を表します。そこから、「深く身にしみて、しみじみとした気持ちになること」を意味します。基本的にポジティブな意味で、喜びや感動で胸が一杯になる様子を表すため、「感慨深い」の代わりに使うことが可能です。ただし、非常に大きな喜びを表す言葉であるため、頻繁に使いすぎないよう注意してください。

例文

  • 泣いてばかりいた〇〇君が、こんなにも立派になって感無量だ。
  • これほど大きなプロジェクトを成功させることができて、感無量です。
  • 苦しい時こそ他の方の温かみや優しさを感じ、感無量だった。

表現2:心に染みわたる

「心に染みわたる」は、心に深く入りこむこと、じわじわと心を動かされた様子が感じられるという意味の言葉です。激しく心が揺さぶられるような感動でなくても、静かに奥深く浸透するような気持ちが心に染みわたっている状態です。誰かからの名言や格言、アドバイスをもらった際によく使われます。じわじわとした心情の動きを表すため「感慨深い」と似た意味合いとして使うことができるでしょう。

例文

  • 本日のセミナーでは、心に染みわたるような名言を聞くことができ、感謝しています。
  • 仕事でミスをして落ち込んでいたが、〇〇部長の温かい言葉が心に染みわたりました。
  • 今まで苦労を重ねてきた〇〇さんのアドバイスは、今の自分にとって大変ありがたく、心に染みわたりました。

表現3:感激

「感激」は、「人や物事の素晴らしさを心に強く感じ、気持ちが昂っていく様子」や「心を動かされる強い感動」を表す際に使用します。心情としては、気持ちが頂点に達し、これ以上ないくらいの状態です。今起こった強い感動を表すときに使用するほか、過去の出来事と今をしみじみ思い出して使うこともあるため、「感慨深い」の類語として活用できる言葉といえます。日常生活やビジネスシーンなど、幅広い場面で耳にする機会があるでしょう。

例文

  • 彼らは〇〇さんのプレゼンテーションを聞いて感激している。
  • 皆さんの温かい心遣いに大変感激しております。
  • 定年を迎えた私の最終出社日にサプライズが用意されており、大変感激しました。

「感慨深い」を上手に使って、うれしい気持ちを表現してみましょう

「感慨深い」はしみじみと心に感じ入る状態を意味し、感情が込みあげるさまを表現できる言葉です。成功や成果を達成したときやスピーチ、部下の成長を讃えるときなどに使われます。大きな感動を表現できる便利な言葉ですが、目上の人に対してや、今知ったことなど、使用が適切ではないシーンがあるため注意してください。また、混同しやすい「考え深い」という表現との誤用にも注意が必要です。目上の人に対しては、「感無量」や「心に染みわたる」など、別の表現で言い換える方が良いでしょう。

ビジネスシーンにおいて、言葉を正しく使えると良い印象を与えることができます。ぜひ他の記事も参考に、ビジネススキルの向上に役立ててください。

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