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エニアグラム・タイプ6:忠実な人の特徴
忠実な人は、周囲と仲の良い関係を保ちたいという気持ちが強く、協調性を重視する人です。まじめで誠実に働き、会社や家庭などの組織での役割を果たそうとする傾向があります。責任感が強く、感情表現も豊かです。
誠実でお人好しな一面があるため、面倒見がいい人と思われることが多いでしょう。心の中に不安を抱えていることがあり、自分を取り巻く環境が安心安全であることを求め、慎重に行動します。間違いを恐れる気持ちから規律や規範を重要視してしまう傾向もあります。ルールを守ることで安心感を得るからです。
物事を自分1人で決定したり行動することが苦手で、結論を先延ばしにする傾向があるため、仕事では、自分で会社を経営するといった決断をする人は少ないでしょう。権力に従順で命じられたことを忠実に実行する反面、不信感を抱くこともあります。
エニアグラム・タイプ6:忠実な人の強み・弱み
次に、忠実な人の持つ強みや弱みを紹介します。自分の強みや弱みを知っておくと、置かれた状況に対してどのような思考や行動を取りがちなのかがわかり、冷静に対処できます。
忠実な人の強み
忠実な人の強みは責任感があることです。安心安全を重視するという考え方が原動力となり、組織の中でより良い環境を作ろうとするため、忠実で誠実な行動をします。ルールを守る意識が強いので、厳しい規律などがある仕事でも苦もなくやりとおせます。
忠実な人は、進んで仲間グループを作りそこで幹事など何らかの役割を果たせるタイプです。上司や仲間から寄せられた期待に応えようと、誠心誠意尽くし、うまく進めることで自らは安心感を得られます。
優れた洞察力を持っており、人の意見を受けてより良い考えを導き出すことができるため、まとめ役としても頼られることが多いでしょう。温厚で仲間思いな面も、忠実な人の強みです。
忠実な人の弱み
自分に自信が持てず慎重になりすぎるため決断力に欠けるという弱みがあります。また、変化を嫌い現状維持する気持ちから、組織でも保守的な発言をしてしまうことがあるでしょう。感情が表に出やすく、何かあるとすぐに動揺してしまい、気分の浮き沈みが激しいタイプです。
問題があると普段よりさらに神経質になり、防御的になります。疑り深く、頼れる人がいないと不安になってしまい、疑念を晴らすのに時間をかけ、フットワークが鈍くなりがちです。普段は権力に対して従順ですが、ときに不信感を抱き、被害者意識を持ったり、反抗的になる面もあります。
エニアグラム・タイプ6:忠実な人の仕事スタイル
忠実な人の強み・弱みは、仕事のスタイルにも影響します。責任感があり誠実で、職場の和を重視する忠実な人は、職場でも堅実な存在感を発揮するでしょう。
堅実かつ忠実に仕事を進められる
忠実な人は与えられた仕事を堅実かつ忠実に進められる人です。ルールが定められた仕事に対しては特に優れた対応力を発揮します。規格化された体制の中で、より柔軟性や客観性を発揮できるタイプです。
また、チームワークを重視するという特徴もあり、複数の部門や組織がまたがるような仕事もバランスを取って活躍できます。与えられた仕事はきちんと最後までやり遂げますが、一方で自分の立場を守ろうと保守的な行動をとることがあります。
上司に細かく確認する
忠実な人は上司やリーダーなどに与えられた仕事の達成度やゴールまでの道のりなどについて細かく確認する傾向があります。このタイプは仕事でも不安を抱えており、自分の上司が不安を受け止めてくれる人物なのか確認したいため、このような行動をしてしまうのです。
一旦、守ってくれる人物だと思うと忠誠を誓い、従順さを発揮して期待に沿うような働きをしてみせます。逆に、頼れる人がいない状況では、不安にとらわれ思うように仕事が進められないこともあります。
仕事が止まってしまう
忠実な人は自分の考えに自信が持てないことが多いため、なかなか行動に移せずに仕事が遅くなることが多々あります。仕事の手順を考える力はあるものの、その考えが正しいと自信を持って判断できないからです。
特に長期のプロジェクトの場合、責任感からゴールまでのさまざまな不安を考えるあまり、仕事をやらなくなってしまうこともあります。不安は頑張っていることの裏返しなので、自分を褒めてあげることも大切です。
エニアグラム・タイプ6:忠実な人のコミュニケーション傾向
忠実な人は人間関係ではどのような行動を取りがちなのでしょう。このタイプのコミュニケーションの傾向を紹介します。
人に誠実に向き合う
忠実な人はプライベートだけでなく、職場でも安心安全であることを望むため、職場の人間に対して誠実に向き合う傾向があります。人の意見をくみ取る力もあるため、良い人間関係を築けるでしょう。
意見の一致を好み、対話による意思決定を求めて周囲の意見を聞きだします。決定が自分に任されると途端に自信がなくなり不安になって、優柔不断さが出てしまいます。また、組織の輪を乱すような人間に対しては嫌悪感を抱いて攻撃することもあるでしょう。
面倒見がいい
忠実な人は自分の持っている不安を理解しているため、他者の不安にも目を向け、同僚や部下に対して自分が欲しいと思うようなサポートができる人です。
自分を過大評価することなく、過度なアピールをすることもないため、自然な態度で人と接することができます。周囲の人からは信頼できる面倒見のいい人と思われることが多く、親しい人間関係を作っていけるでしょう。
疑り深く接することがある
忠実な人は精神状態が健全でないと、人を疑ってしまうことがあります。よく知らない人や未知の状態に対して疑念を抱きやすく、知らない人と仲良くなる前に相手を試そうとする傾向もみられます。相手が本当に信頼できる存在かが確かなものになるまでは、常に用心して簡単には人を信じません。
これは悪いことばかりではなく、この懐疑的な側面が忠実な人の分析力につながっているのです。自分にとって安心安全な人と判断すればその疑いは薄らぎ、神経質さは軽減していきます。
エニアグラム・タイプ6:忠実な人のタイプ別に向いている仕事
忠実な人は、忠実かつ堅実に仕事をこなす力があり、チームワークが重視される仕事やルールが設けられた仕事に適性があります。献身的に働きますが、受け身なタイプなので、大企業など組織力の強い企業がオススメです。
自分で決定することは苦手なので、決断力や競争力が求められる仕事はプレッシャーを感じてしまうでしょう。体育会系や理数系などタイプごとに向いている仕事を紹介します。
職人系
忠実な人はルールやマナーを重視する傾向があり、組織に対しても忠実なため、職人系の仕事が向いています。職人系の職種は命令系統や上下関係がはっきりしているという特徴があり、体育会系のタイプにオススメです。
たとえば、大工、調理師、美容師、自動車整備士などがあげられます。自分で自分に命令を下せる自営業にも向いており、気配りと温厚な態度で顧客と接することができるでしょう。
技術・科学系
忠実な人の中には細かい数値や事実を分析することを得意とする人もいるため、論理的思考や、細かな分析・検証作業が求められる技術・科学系の仕事が向いています。例えば、プログラマー、ネットワークエンジニア、システムエンジニア、AI開発、宇宙開発技術者などです。
コンピューターや開発の仕事に興味がある人にオススメです。これからますます発展が期待される分野ですので、やりがいを持って取り組めるでしょう。
金融・サービス系
忠実な人は、堅実さが重視される環境を好むため、金融・サービス系の仕事にも向いています。数字やデータを扱うことが得意な人にはオススメです。例えば、営業、銀行員、司法書士、税理士、コンサルタントなどがあげられます。
法律やルールに則って仕事を進めるこれらの職業では、忠実な人の堅実さや面倒見の良さが発揮できるでしょう。
公務員
忠実な人は安定志向があり社会貢献したいと考える傾向があるため、公共に奉仕する職種が向いています。例えば、国家公務員、地方公務員、警察官、自衛官などの職業です。
厳密なルールがあっても忠実に守れ、協調性があって、和を乱すことがないこのタイプに向いています。安定した集団の中で、人の助けになるサポート的な役割を果たせるでしょう。逆境において強さを発揮できるので、警察官や自衛官としても活躍が期待できます。
講師・教育系
忠実な人は安定志向で社会貢献したいと考える傾向があるため、講師・教育系などにも向いています。責任感の強さとサポート力を活かして活躍できます。優れた洞察力を持っているため、生徒の良い所を引き出し、伸ばしていける教育者になれるでしょう。
忠実な人は質問をして相手の言っていることが正当かどうか見極め、表面上だけを鵜吞みにしない姿勢を持っています。相手の深い面にも目を向ける姿勢は教育面でも役立つでしょう。
エニアグラム・タイプ6:忠実な人は堅実で協調性があり、和を尊ぶ日本人気質
エニアグラムタイプ6「忠実な人」は、協調性を重視し、まじめで堅実に働く責任感のあるタイプです。誠実でグループの役に立とうと行動するため、面倒見がいい人と思われます。
一方で、自分に自信が持てず慎重になりすぎて、決断力にかけてしまう面もあります。仕事では堅実な働きぶりで信頼され、規律や規範がはっきりしている職業で力を発揮できるでしょう。
忠実な人は和を尊ぶ日本人らしい気質を持っており、不安にとらわれすぎなければ、比較的どのような職業でも適応していけるでしょう。この記事を参考にして、自分に合った職業を見つけてください。