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税理士試験の難易度・受験資格|働きながら試験に合格するためのポイントを紹介

シンカキャリア編集部

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更新日:2024/07/18

難関の国家資格として知られる税理士試験でも、働きながら勉強をしたり、独学で合格したりする人はいます。この記事では税理士を目指す方に向けて、税理士試験の日程や試験科目といった概要とあわせて、働きながら税理士試験合格を目指す方法について解説しています。 税理士に向いている人のタイプ、税理士の求人探しのコツについても触れますので、参考にしてください。

目次

難関の国家資格として知られる税理士試験でも、働きながら勉強をしたり、独学で合格したりする人はいます。この記事では税理士を目指す方に向けて、税理士試験の日程や試験科目といった概要とあわせて、働きながら税理士試験合格を目指す方法について解説しています。

税理士に向いている人のタイプ、税理士の求人探しのコツについても触れますので、参考にしてください。

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税理士試験とは

税理士試験とは、税理士になるために必須の国家試験です。税理士になるために必要な知識や、応用能力を有するかどうかを判定するもので、難易度は高いといえます。

幅広いさまざまな仕事のなかで、税務に関わる業務に携わることが法律で許されているのは税理士だけです。税理士は税理士法において、独占業務として、税務代理、税務書類の作成、税務相談などを行うことができます。

また、一度取得した税理士資格は一生涯有効で、更新の手続きなどは必要ありません。

税理士試験の日程

税理士試験は、年に1回、毎年8月に実施されています。

受験場所は、国税庁から発表される「税理士試験受験案内」に記載されている都道府県のいずれかです。2022年度は、北海道、宮城県、埼玉県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福島県、熊本県、沖縄県、さらに追加で群馬県、神奈川県、京都府でも行うと発表がありました。受験場所は自分で選択することができず、具体的な受験会場は受験票に記載されます。

税理士試験の申し込みは、4月半ばから5月半ば頃に各国税局もしくは沖縄国税事務所で配布される申込用紙を使っておこないます。受付期間は5月の10日間ほどしかないため注意しましょう。書類の送付もしくは国税電子申告・納税システム(e-Tax)で申し込むことができます。

税理士試験の受験資格

税理士試験の受験資格は以下のうち、どれか1つの要件を満たせば良いと決められています。

【学識に関する受験資格】

  • 大学・短大または高等専門学校を卒業していて、社会科学の科目を1科目以上履修していること
  • 大学3年生以上で社会科学の科目(※)を1科目以上含む62単位以上を取得していること
  • 一定の専修学校の専門課程を修了した者で、社会科学に属する科目を1科目以上履修した者
  • 司法試験合格者
  • 公認会計士試験の短答式試験に合格した者

(※)令和5年4月1日以降から、科目の範囲が緩和され、税理士試験を受けやすくなりました。改正前は「法律学に属する科目」もしくは「経済学に属する科目」に限定されていましたが、社会科学に改められたことで受験資格が緩和されました。

【資格に関する受験資格】

  • 日商簿記検定1級に合格している
  • 全経簿記検定上級に合格している

【職歴に関する受験資格】

  • 法人または個人事務にて会計に関する事務に2年以上従事している
  • 銀行、信託会社、保険会社等において、資金の貸付け・運用に関する事務に2年以上従事している
  • 税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助事務に2年以上従事している

これまでは高校生や大学1~2年生が税理士試験を受験する場合、日商簿記1級などに合格している必要がありました。2023年度からはこれが撤廃され、高校生以上であれば誰でも「簿記論」と「財務諸表論」の試験を受けられるように改訂されています。ただし税法3科目は他の条件を満たした上での受験が必要です。

税理士試験の試験科目

税理士試験の試験科目には、以下の5教科があります。

【税理士試験の必修2科目】

  • 簿記論
  • 財務諸表論

【税理士試験の選択3科目】

  • 所得税法
  • 法人税法
  • 相続税法
  • 消費税法
  • 酒税法
  • 国税徴収法
  • 住民税
  • 事業税
  • 固定資産税

「簿記論」「財務諸表論」の2科目は必修で、いずれも合格する必要があります。選択科目については、9科目のうち3科目を選択し、受験することが可能です。ただし「所得税法」か「法人税法」は、いずれか1科目を必ず選択する必要があります。

税理士試験を受験する際は、1度に5科目の試験を受ける必要はなく、1科目ずつの受験もできます。またいずれの科目も、合格ラインの得点は60%と決められています。

税理士試験の難易度

税理士試験の難易度は、難しいとは言われるものの具体的にイメージできない人も多いでしょう。以下の表で、税理士試験の合格率から難易度を判定してみましょう。

【税理士試験の合格率】

実施年

合格率

2019年

18.1%

2020年

20.3%

2021年

18.8%

年度によってバラつきはありますが、税理士試験の合格率は低いときで15%前後、高くて20%前後です。

税理士試験は5科目で、必修2科目の他に選択式の3科目に合格しなければなりません。選択科目ごとの合格率はそれぞれ13%前後になることが多く、いずれにしても税理士試験は難易度が高いことがわかります。

他試験との比較

税理士試験の難易度を掴むため、税理士とよく比較される公認会計士や簿記検定1級の試験の難易度を見てみましょう。以下の表を参照してください。

2019年

2020年

2021年

税理士

18.1%

20.3%

18.8%

公認会計士(短答式1回)

16.6%

15.7%

12.1%

公認会計士(短答式2回)

12.7%

12.9%

7.9%

公認会計士(論文式)

35.3%

35.9%

34.1%

簿記検定1級

9.8%

13.5%

10.2%

簿記検定1級に関しては、年2回の試験のうち2020年6月の試験は中止になっていることから、11月試験の合格率をそれぞれ参照しています。

こうして見てみると、税理士試験の合格率が必ずしも低くないことがわかります。ただし税理士試験の合格までの目安勉強時間は3,000時間ともいわれており、時間をかけて勉強をした結果の合格率であることも考慮するべきです。

科目別の合格率

税理士試験には、必修2科目と、選択式の9科目、合計11科目があります。それぞれの合格律を確認してみましょう。

2019年

2020年

2021年

簿記論

17.4%

22.6%

16.5%

財務諸表論

18.9%

19.0%

23.9%

所得税法

12.8%

12.0%

12.6%

法人税法

14.7%

16.1%

12.8%

相続税法

11.7%

10.6%

12.8%

消費税法

11.9%

12.5%

11.9%

酒税法

12.4%

13.9%

12.6%

国税徴収法

12.7%

12.2%

13.7%

住民税

19.0%

18.1%

12.7%

事業税

14.8%

13.1%

12.6%

固定資産税

13.7%

13.5%

13.8%

必修科目である簿記論、財務諸表論に関しては、年度によって前後するものの他の科目に比べれば合格率20%前後と、高い水準とみることができます。

選択科目はいずれも12%~13%の周辺となることが多く、どの科目を選んでも簡単ということはありません。自分自身の得意分野をよく見極めて受験すると良いでしょう。

税理士の仕事内容

税理士の仕事内容には、下記のようなものがあります。

【税理士の仕事内容】

  • 税金に関する申告、申請
  • 税務書類の作成
  • 税務相談
  • 決算業務
  • 試算表の作成
  • 会計の指導や相談

税金に関連する仕事は、税理士法によって定められた税理士の独占業務です。このほかに、決算や、会計の指導、相談など、会計関連の業務があります。会計の業務は、公認会計士がいない場合などに依頼されることがありますが、会計に対する監査を行わないことが、公認会計士との明確な違いです。監査は公認会計士の独占業務で、税理士が行うことはありません。

また税理士であっても、社労士資格がない場合は、労働衛生に関連する業務はおこないません。一方、年末調整に関わる業務は税理士の仕事で、社労士が行うことはできません。

税理士の働き方

税理士の働き方は、大きく分けると以下のいずれかとなります。

【税理士の働き方】

  • 税理士法人:税理士が集まって法人化した事務所で勤務税理士として働く
  • 企業内税理士:企業に所属し税務関連の業務をおこなう
  • 独立:自営業の税理士として自分自身の税務士事務所を持つ

税理士は、税理士試験に合格してすぐに「税理士」を名乗れるわけではありません。2年間の実務経験を経て、初めて日本税理士会連合会に、税理士として登録することができます。

税理士として、税理士法人や一般企業で経験を積んだ後は、独立開業や、フリーランスの税理士として働くという選択肢もあります。

働きながら税理士試験合格を目指す方法

ここまで見てきたように、難易度の高い税理士試験ですが、働きながら試験合格を目指すことは可能です。実際に2021年の試験結果をみると、受験者も合格者も、7割超が26歳以上で占められています。

働きながら税理士試験の合格を目指すには、以下のような方法があります。

【働きながら税理士試験合格を目指す方法】

  • 科目合格制度を利用する
  • 働きながら勉強できる環境を作る

それぞれについて詳しく解説します。

参照:国税庁「令和3年度(第71回)税理士試験結果」

科目合格制度を利用する

科目合格制度とは、科目単位で合格を認定する制度のことです。税理士試験で合格しなければならない5科目について、1科目ずつ受験し、合格を目指すことができます。

この方法なら、1年に1科目ずつ合格できれば、5年で税理士資格を取得できます。一度に合格するのは難しい試験ですが、時間をかけて少しずつ前に進めば、着実に資格取得へ近づいていけます。

働きながら勉強できる環境を作る

働きながら勉強できる環境は人それぞれに違います。例えば昼間は今の職で仕事を続け、仕事帰りにカフェなどの集中できる環境で過去問や参考書を利用し、独学を重ねる人もいます。一方、以下のような方法で効果的に勉強を続ける人も多いでしょう。

【働きながら勉強できる環境を作る】

  • サポートありの税理士事務所で働く
  • 資格スクールで学ぶ

税理士事務所のなかには、まだ税理士試験に合格していない人をアシスタントとして雇用しながら試験合格までサポートしてくれるところがあります。試験前の休暇、自習室の確保、勤務時間は専門学校などへの通学時間を避けるといった配慮があり、税理士試験に合格した後には税理士としてその事務所で働けるため、安心して試験に臨めます。

一方、資格スクールは合格までのサポートをしてもらえますが、費用がかかるほか、なかなか自分のペースで勉強できない、会社との両立が難しいなど不向きな人もいます。

税理士にはどんな人が向いている?

税理士には、以下のような性格、スキルのある人が向いています。

【税理士に向いている人】

  • 慎重に作業が進められる人
  • コツコツと作業ができる人
  • コミュニケーション力が高い人
  • 企業の経営に興味がある人

税理士は税金に関連する業務を担うため、ミスの許されない慎重な作業が求められます。業務内容はどちらかというと裏方で、派手さはないですがコツコツと積み上げる必要があり、地道な作業が苦にならない人にこそ適性があるといえるでしょう。

また税理士は、経営者とのやりとり、チームとの情報共有やサポートなど、コミュニケーションを必要とする立場です。企業の経営や税金対策について助言するシーンもあるため、企業経営に興味があり、コミュニケーションも適切に取れなければなりません。

税理士を目指す方向けの求人探しはSYNCAがおすすめ

税理士を目指して就職・転職したい場合は、税理士試験に受かりやすい仕事、勉強しやすい環境のある仕事や、サポートのある仕事を探さなければなりません。しかし税理士の勉強をしながら、自分で適切な仕事を探すのは大変難しいことです。

そこでぜひお使いいただきたいのが、自分の求めている企業とマッチングしやすい求人サイト、SYNCAです。SYNCAでは自分のスキルを登録し、より状況にあわせた求人を見つけられるほか、キャリアアドバイザーによる転職サポートも無料で受けられます。企業からオファーが届くこともあるため、良い条件で転職できる確率もより高いといえます。

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まとめ

税理士試験は難易度の高い国家資格ですが、近年受験資格が緩和していることもあり、興味があればぜひチャレンジしたい試験です。働きながら税理士試験の合格を目指す道もあるため、検討してみることをおすすめします。

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