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企業経営を円滑に進めるに際し、企業の土台を支えるバックオフィスの存在は必要不可欠です。
多くの企業が「バックオフィスの採用を成功させたい」と願う反面、なかなかうまく採用ができていないのではないでしょうか。
今回は、バックオフィスの採用に困っている企業の採用担当者に向けて、採用を成功させるためのコツを解説します。バックオフィスを採用するには、各職種の求人倍率や求職者が望んでいることを理解し、他社と差別化した採用手法やアピールをする必要があります。記事では、これらの要点について解説しているので、参考にしてみてください。
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バックオフィスとは?
バックオフィスとは、その名の通り企業経営においてお客様や外部とのかかわりが少なく、企業の社内で業務を行うことが多い職種のことを言います。
具体的には、管理部門や経理、財務、人事、総務、法務、情報システムなど1日中オフィス内で勤務している人をイメージしてもらうとわかりやすいと思います。
営業職のように、お客さま先に訪問したり、打ち合わせや商談で社外での活動が多い職種のことをフロントオフィスという反面、管理部門や財務のような1日オフィス内で業務を行うことが多い職種をバックオフィスというようになりました。
最近では、バックオフィスへの転職を希望する人が多くなってきています。
なぜバックオフィスの採用が難しいのか?
バックオフィスの採用が難しいといわれる要因について、求人倍率をもとに解説します。採用市場の現状を知ることで、採用を成功させるためのコツやヒントが見つかる可能性があるので、参考にしてみてください。
全職種の求人倍率
大手人材紹介会社の調査によると、2023年5月時点の調査で採用市場にある有効求人倍率は1.32倍という調査結果が出ています。
2020年のコロナ禍で企業の採用活動は一時的に低下したものの、現在はかなり回復をしており、高い数値が出ています。コロナ禍に比べると求人倍率が高いのはもちろん、現在の有効求人倍率は、コロナ以前とほぼ同様の数値のため、完全に採用活動は回復状態にあるといえます。
採用状況が回復している背景には、労働人口の減少が考えられます。少子高齢化が問題になっている日本では、多くの企業が労働力を確保しようと日々採用活動を強化しているため、採用市況は求職者優位の売り手市場化が進んでいます。
そのため、企業の人材獲得競争は徐々に激化しており、採用が思うように成果が出ない企業が増加してきています。
バックオフィスの求人倍率
バックオフィスには、経理や事務、総務や人事などあらゆる職種が含まれます。
それらの職種の求人倍率も右肩上がりで推移しているため、各企業がバックオフィスの採用に力を入れていることがわかります。
特に、企画、管理の求人倍率は3.25倍と比較的高い傾向にあります。管理担当者は、企業経営全体を把握しながら、市場の状況やお客様動向の分析など、あらゆるスキルや知識が求められる仕事のため、最低でも1名は優秀な人材が欲しいと願う企業が多いのです。
そのほかにも、経理や財務など、企業には欠かせないお金回りを担当するポジションの採用を考えている企業は多いですが、最近だとフリーランスや副業などの働き方を望む求職者が多いため、なかなか正社員採用が出来ていない企業が多い状況です。
バックオフィスの採用の際にチェックするポイント
バックオフィスを採用する際のポイントを4つ解説します。どれか1つでもできていない、または1つでもすぐに実践しやすいことがあれば参考にしてみてください。
今回解説する4つのポイントは、今後バックオフィスを採用する際に役に立つポイントになるはずです。
職種ごとの採用市場を把握する
バックオフィスを採用する際には、まず求めている職種ごとに採用市場を把握するようにしましょう。
同じバックオフィスといっても、採用や広報、経理や管理部門では求職者が持っているスキルや知識、求めている環境が違います。また、採用市場にいる人数も異なるため、各職種の採用市場を把握することは重要です。
外資系の企業だと、優秀な人材を効率良く採用するために、採用活動にマーケティングの考え方を取り入れることが多いです。マーケティングの考え方を用いて、採用市場を分析することで、優秀な人材が何を求めているのか、優秀な人材に刺さる自社のアピールポイントは何かを的確に見つけ出すことができます。
そのため、まずは各職種の求職者が何を求めているのか、どういった理由で転職活動をするのかなど、調査するようにしてください。
その後、各社の採用状況や、各職種の求職者が転職する人が一番多い時期に求人票を出し、採用を強化するようにしましょう。
スキルや業務経験を確認する
バックオフィスの仕事には専門的な知識と正確性が求められます。まずは、自社の各部署がどのようなスキルや経験を持っている人物を求めているのかを確認するようにしましょう。
バックオフィスの経験がある求職者でも、その能力や経験には差があります。企業の採用では、自社の求めているスキルと求職者のスキルが合致することが最重要事項です。もし、スキルミスマッチの求職者を採用してしまったら、教育や指導で時間とコストがかかり、採用費用が赤字になってしまいます。そうならないためにも、どのようなスキルを持つ求職者を求めているか、各部署に確認をしてから採用活動を始めましょう。
また、求職者には入社後どのような業務を任せるかも考えておくようにしましょう。
入社後に何を任せたいかで、求める人物像が変わってくるので、この点もしっかりと採用活動をする前に各部署とすり合わせをしておくことが大切です。
コミュニケーション能力を把握する
バックオフィスは、企業経営を支える「縁の下の力持ち」という印象が強く、あまり多くの人とコミュニケーションを交わさなくていいと考えている人が多いです。
しかし、バックオフィスはどこの部署よりもコミュニケーションが重要だといわれています。さまざまな部署の人やお客様、同じ部署のメンバーとのコミュニケーションが必ず発生する業務をバックオフィスでは行っているため、あらゆる人とコミュニケーションが取れる柔軟なコミュニケーション能力を兼ね備えた人物ではないと、バックオフィスの業務は務まりません。
状況や相手に合わせた適切な言葉を使いながら会話できるコミュニケーション能力は必須条件です。人事職や経理職、法務職はとくに他部署や社外の専門家、さらには求職者への対応も行うため、コミュニケーション能力が備わっているかは採用の際必ず確認をするようにしてください。
会社の風土が合うか
スキルマッチと同じくらい、企業の社風や風土にあるかは、採用の際の大切な判断基準になります。
たとえスキルや知識が申し分ない求職者であっても、本人の意思と会社の目指している方向性や社風が会わなければ、企業と働くメンバーの関係はうまくいきません。その結果、メンバーの退職や離職率増加につながる可能性もあります。
採用の際は、求職者の人柄や経歴を確認するだけでなく、自社の社風や目標についてしっかりと伝えるようにしてください。その結果、求職者が何を考えたか、どう思っているかを確認することで、互いの意見をすり合わせることができます。
企業と求職者の考えや相性は、企業経営の最も重要な要因です。この点を妥協せず、しっかりとマッチする人材を採用するようにしてください。
優秀な人材を採用するための採用活動のコツ
次は、バックオフィスを採用するためのコツについて5点に分けて解説をします。求人票の書き方や自社のアピールの仕方について解説をしているので、参考にしながら採用活動を進めていってください。
求職者が求める情報を開示する
求人では、求職者が知りたい情報をしっかり記載できているかが重要です。
企業の求人は、求職者にとって代り映えしないというのが正直な感想です。求職者は無限にある企業の求人から自分にあう企業を見つけ出すために、求人に載っているあらゆる情報を比較しています。しかし、求人を出している企業が情報をあまり開示していないと、比べることができません。その結果、求職者は、企業に興味を持つことがなく、応募の意思を得ることができないまま終わってしまいます。
そのため、求人にはあらゆる情報を幅広く載せるようにしましょう。例えば仕事内容、応募資格、休日休暇などが、一般的です。また、募集職種について、どんな業務か、1日の流れや部署メンバーについても記載すると、求職者にとってより分かりやすくなるのでおすすめです。
求める人材像を明らかにする
求人には、どのような人物を求めているかを明確に記載するようにしてください。
「挑戦をしたい人」「スキルアップをしたい人」というマインド面の記載と、「〇〇経験者」「〇〇年以上実務経験がある人」などの具体的な必須スキルを記載すると、求職者が自分に合う求人かを判断しやすくなります。
また、これらを具体的に明記することは、より具体的に求める人物像を記載することになり、採用の際のミスマッチを防ぐことができます。
求職者にとっては、自分が活躍できる環境か、自分のスキルを磨くことができる環境かを判断するために重要であり、企業にとっては採用のミスマッチを防ぐことができるという点で、求める人物像は具体的に明記することをおすすめします。
賃金に関して具体的に記載する
求職者の多くは、現職の給与形態に不満を感じて転職を希望する人が多いです。
そのため、求人には給与などの賃金について、具体的に記載するようにしてください。
たとえば、みなし残業代が入っているのか、入っている場合は何時間分なのかなども求職者は気になります。また、昇給は年何回あり、賞与は最低何か月分なのかもできる限り記載するようにしてください。そうすることで、求職者が給与アップをイメージしやすくなり、応募のモチベーションが上がります。
そのほかにも、実際に働いているメンバーを参考にモデル年収を記載する企業が最近は増えており、おすすめです。モデル年収を記載することで、求職者が自分の年収アップのイメージだけでなく、何年後にはこれくらいのスキルがついているというイメージもできます。
給与は、求職者が1番気にしているといっても過言ではないので、具体的に記載することを意識しましょう。
時代にあった手法・制度を導入する
コロナ禍以降、多くの企業がリモートワークやフレックス勤務、ハイブリット勤務など多様な働き方を導入しています。
最近の転職市場では、こういった柔軟な働き方を求める求職者が増加しています。そのため、もしリモートワークやフレックス勤務を導入している企業であれば、必ず求人に明記するようにしてください。
時代に合った働き方や、他社ではやっていない新しい取り組みをしている企業に対して、求職者は「この企業は柔軟だ!」と認識し、働きやすそうという印象を持ちます。その結果、今後長く働けると考え、選考を希望する傾向があります。
時代に合った制度は、自社の強みにもあります。積極的に求人に記載することで、自社の魅力を求職者にアピールしていってください。
自社の魅力を伝える
求人には、必ず自社の魅力をアピールするようにしましょう。
求職者によって企業に感じる魅力は異なります。まずは、どのような人物を求めているのか、その人物がなぜ転職を考えているのか、その人物が求めている環境は何かなど、ペルソナを考えるようにしてください。その結果、ターゲットに合った自社の魅力を見つけ出すことができます。
一般的に求職者が感じる魅力は、福利厚生や働き方、業務内容や給与と言われています。ただ、福利厚生が充実していることをアピールするのではなく、どのような制度で、実際にメンバーはどれくらい制度を利用しているのか、制度を利用したメンバーの意見なども載せると効果的です。
また、最近は転職活動や就職活動の企業探しをSNSで行う求職者が多いです。SNSは企業の社風や文化、理念やビジョンだけでなく、リアルなメンバーの働き方や職場の雰囲気を気軽に発信できる場です。これらのツールを利用して自社のアピールをすることも有効なので、参考にしてみてください。
コツを理解してバックオフィスの採用成功を目指そう
バックオフィスの採用では、求職者や市場の理解が最も重要です。
求職者が何を求めているのか、採用市場はいまどうなっているのかをマーケティングの観点から理解することで、自社に足りていないものが見えてくるはずです。足りていない要因を解決することが、優秀なバックオフィス人材の採用成功のカギになります。
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