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CFOとは?役割や必要なスキル、キャリアパスについてもわかりやすく解説

シンカキャリア編集部

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更新日:2024/07/13

CFOとは財務・経理部門の最高責任者であり、企業経営にも関わる重要なポジションです。ビジネスにおいてCFOという言葉を聞いたことはあっても、CEOやCOOといった役職との違いや、具体的な業務内容についてはよくわからない方も多いでしょう。本記事ではCFOの担う役割や求められるスキル、CFOを目指すための方法について解説します。CFOになるために必要なスキルやキャリアパスを理解し、理想のキャリアプランを実現させましょう。

目次

CFOとは財務・経理部門の最高責任者であり、企業経営にも関わる重要なポジションです。

ビジネスにおいてCFOという言葉を聞いたことはあっても、CEOやCOOといった役職との違いや、具体的な業務内容についてはよくわからない方も多いでしょう。

本記事ではCFOの担う役割や求められるスキル、CFOを目指すための方法について解説します。CFOになるために必要なスキルやキャリアパスを理解し、理想のキャリアプランを実現させましょう。

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CFOとは?

「CFO(Chief Financial Officer)」とは「最高財務責任者」を意味する言葉で、言葉の通り財務・経理部門における最高責任者です。財務戦略の立案・執行の総責任者として企業のお金に関する活動すべてを統括する立場であり、企業活動をマネジメントする経営陣の一 人としての役割も担っています。

CFOには財務や経理の知識はもちろん、税務や法務、マーケティング、経営に関する知識など企業活動全体を俯瞰しマネジメントするための幅広い知識や経験が求められます。

CFOとCEOの違い

CFOと混同されやすい企業の役職に「CEO(Chief Executive Officer)」があります。これは業務執行役員のトップとして、企業の経営戦略の決定を行う「最高経営責任者」を意味する言葉です。CFOが企業の「財務」に関する活動を統括するのに対し、CEOは「財務以外」の業務執行を統括する、といった違いがあります。

日本企業においてはCEOやCFOに法的な規定がないため、厳密には違う役職ですが、社長や代表取締役がCEOの肩書きを名乗るケースもあります。

CFOとCOOの違い

CFO・CEOの他に「COO(Chief Operating Officer)」もあります。「最高執行責任者」を意味するもので、CFOが「財務」、CEOが「経営」に関する最高責任者であるのに対し、COOは「執行」に関する最高責任者の位置付けです。

CEOが決定した経営戦略や業務を執行し「透明かつ健全な経営」の実現をサポートするのがCOOの役割です。日本企業においては、副社長や部門長といった重役クラスの役員がCOOの立場にあるケースが多く見られます。

CFOと財務・経理部長との違い

CFOと経理部長や財務部長は混同されがちですが、厳密には異なります。経理部長や財務部長は、経理部・財務部のみを統括する立場にあります。一方CFOは、企業の財務戦略の立案から執行までの流れを担当するポジションです。

経理・財務のみならず営業やシステム、研究・開発など企業全体のさまざまな部門を見渡し、事業におけるお金の流れをマネジメントして企業財務のパフォーマンスを高める重要な役割を担っています。

日本の企業にCFOが求められる理由

日本企業にCFOが求められる理由として、バブルの崩壊により資金調達が難しくなった背景が挙げられます。企業活動には資金が不可欠ですが、それまで一般的だった金融機関からの資金調達が困難となり、投資家から自力で資金を調達するための財務戦略が必要となりました。

そうした財務の観点から経営をサポートし、企業価値の最大化をはかるのがCFOです。人にも事業にも精通したCFOを設置することでスムーズな資金調達が実現し、財政面から企業活動を円滑に進めていけるでしょう。

CFOの役割と業務内容

企業財務の責任者であるCFOのミッションは「企業価値の向上」ですが、具体的にどのような業務を行うのでしょうか。CFOの主な業務として以下の4つが挙げられます。

*CFOの主な業務内容*

  • 財務戦略の立案・執行
  • 資金調達
  • 企業会計
  • IPO関連

①財務戦略の立案・執行

CFOの主な役割は企業が安定して利益を生み、事業を拡大するための財務戦略を立案・執行することです。

どの部門にどれだけの資金が必要かを考え、資金の調達や投資、配分に関する一連のお金の流れの計画を立てます。経営方針やコスト削減を念頭に置きつつ、事業計画やKGI(経営目標達成指数)・KPI(組織の目標達成のための重要な業績評価指標)の目標数値を見ながら、現実的な財務戦略を考えていく必要があるでしょう。

②資金調達

CFOにとって最も重要な業務の一つが資金調達です。資金がなければ効果的な投資ができず、資金繰りに行き詰まると会社経営や事業の拡大にも悪影響を及ぼします。

資金調達には「デットファイナンス(金融機関などからの融資)」や「エクイティファイナンス(資本を増やして行う資金調達)」などいくつかの種類があり、CFOは企業にとって最適な方法で資金調達を行います。適切な判断によって借入先や出資先を見極めて資金を調達し、事業成長を加速させることもCFOの重要な役割と言えるでしょう。

③企業会計

企業会計とは、企業活動から生じたお金の出入りを「財務諸表」として厳密に記録・管理する職務です。財務諸表とは損益算書や貸借対照表、キャッシュフロー計算書といった計算書類のことで、投資家や税務当局などに自社の利益や負債、抱えている資金の運用方法などをわかりやすく説明するのに役立ちます。

CFOはそうした財務諸表から企業の財務状況を分析し、経営戦略や設備投資、研究開発投資等に活かす知識や能力が求められます。

④IPO関連

「IPO(Initial Public Offering:株式の新規公開)」とは、株式をはじめて市場に流通させて自由に売買できる状態にすることです。

IPO前の企業であれば、CFOは準備としてステークホルダー(株主や顧客といった利害関係者)と上場に向けた関係を築き、資金繰りやIPO計画のマネジメントなどを行います。IPO後は企業の成長のため、子会社の管理やM&A(企業の合併・買収)、IR活動(投資家等への情報提供)などの重要な役割を果たします。

CFOに求められるスキル

財務・経理からのキャリアアップや年収アップ、またCEOへの足掛かりとしてCFOを目指す方も多いでしょう。財務部門や企業経営において重要なポジションであるCFOには、どのようなスキルが求められるのでしょうか。

会計・財務・税務・法務分野の専門知識と実務経験

会計や財務、税務に関する専門知識は、CFOにとって基本的なスキルといえます。決算書から企業の現状を分析し、課題を解決したり財務計画を立案・執行したりするのに不可欠なものだからです。CFOには幅広い知識や実務経験が求められますが、資金調達や資本コスト管理、IR、リスク管理といった業務を通してCFOに必要な知識を習得できるでしょう。

また、財務業務は金融や保険業などにも関わるため、金融商品取引法や銀行法、保険業法といった法務の知識も求められます。

コミュニケーションスキル

CFOには高度なコミュニケーションスキルが欠かせません。財務戦略をスムーズに執行するには社内外の人と信頼関係を築き、利害関係のある相手から理解や協力を得る必要があるからです。

たとえば資金調達のため、金融機関や投資家に自社の将来性や事業の魅力をわかりやすくプレゼンし、いかに大きなリターンが得られるか納得させなければなりません。

CFOを目指すなら、日頃から折衝力やコミュニケーションスキルを磨いておくことが重要と言えるでしょう。

リーダーシップとマネジメントスキル

CFOは経営陣の一員であり、CEOのビジネスパートナーとして企業の意思決定をサポートする立場です。そのため経営意識を持ち、目標に向かって周囲を導くリーダーシップが求められます。

さらに財務の最高責任者として組織全体を見渡し、各部署の社員が仕事に取り組みやすいよう環境を整備して、財務計画を滞りなく遂行していくマネジメント能力も必要です。

CFOには周囲の人材を経営目標に向けて先導するリーダーシップと、財務戦略を実現するための業務遂行能力や意思決定力が求められるでしょう。

CFOへのキャリアパス

CFOへの転職を目指す方に向けて、よくあるキャリアパスをご紹介します。CFOは財務や経理、法務、経営など幅広い知識や経験が求められるため、思い立ったタイミングから少しずつキャリアパーツを集めて実力をつけていきましょう。

企業の財務・経理部門

CFOへのキャリアパスとして、企業の財務・経理部門でのキャリアを積んで進む道が挙げられます。CFOにはファイナンスの専門知識が不可欠なので、財務や経理部門の管理職を経てステップアップするのが一般的と言えるでしょう。

経理として働きながらファイナンスの専門知識や経営企画、資金調達、投資、M&Aといった幅広い業務を横断的に経験し、取締役CFO兼執行役員にキャリアチェンジを果たした事例もあります(※1)。CFOを目指すなら、まずは経理や財務でスキルと実務経験を積むことから始めると良いでしょう。

(※1)参考:Manegy「企業再生のプロが選んだ新天地 四期連続赤字を4カ月で黒字に変えたCFOが挑む、まさにエキサイティングな事業改革【CFOインタビュー エキサイトホールディングス株式会社 取締役CFO 石井 雅也氏】」

金融業界

金融業界からCFOへキャリアチェンジするのもよくあるケースといえます。金融機関から直接CFOに転職するケースよりも、他の事業会社の取締役などを経てCFOとして参画するといった経歴が多いようです。

たとえば「金融機関で働きながら経営にも興味を持ち、得意なファイナンス面でスタートアップ企業を数社サポートした後、CFOとして転職した」といった事例もあります(※2)。

ファイナンス関連の知識を活かしつつ経営の経験を積むことで、CFOへのキャリアパスを切り拓く道もあるでしょう。

(※2)参考:Manegy「事業開発や顧客開拓まで企業成長に全方位に関わる “攻めのCFO” の思考に迫る【CFOインタビュー テックタッチ株式会社 中出 昌哉氏】」

コンサルティングファームや監査法人

コンサルティングファームや監査法人は、CFOに必要な経営戦略や経営理論、IPO支援といったスキルを習得できる職業です。CFOを目指すのに有効なキャリアパスと言えるでしょう。

実際に、監査法人や事業会社を経てCFOへのキャリアチェンジを果たした事例もあります(※3)。

監査法人が行う内部監査とは、経営目標に向けて適切な業務がなされているか調査し、企業の財務会計や不正の有無などを経営者に報告する仕事です。実務経験を培うことでCFOに求められるスキを培うことができるでしょう。

(※3)参考:TACキャリアエージェント「監査法人、事業会社を経てCFOの道を歩む会計士 株式会社シンカ取締役 石川祐介さん」

CFOになるには?

CFOになるために必須の学歴や経歴はありません。CFOになるにはどうすればよいか、具体的な方法を3つ解説します。自分のキャリアに合った方法でCFOを目指しましょう。

*CFOを目指す3つの方法*

  • 社内でキャリアを積む
  • リファラル採用
  • 転職する

社内でキャリアを積む

社内でキャリアアップしてCFOを狙う場合は、経理で実務経験を積んでから財務部門に異動し、さらにキャリアを積んで目指していくのが一般的なルートです。社内での実績が経営陣から評価されてCFOに就任します。

この方法では社内外の関係者から信頼が得られ、自身も企業の財務状況を熟知していることから就任後の業務をスムーズに遂行できるメリットがあります。その反面、キャリアを積むのに時間がかかる、専門知識や経営方針が1つの企業に特化して視野が狭くなりがち、といったデメリットがあります。

リファラル採用

社員や知人などからの紹介で入社・転職する「リファラル採用」も、CFOになる手段の1つです。

CFOは経営メンバーやCEOとの相性が非常に重要なポジションです。リファラル採用は事前に求職者の人柄や経歴などを紹介元の社員から企業に伝えられるため、双方のミスマッチが起こりにくいのが魅力です。

しかしその反面、選考途中で辞退しにくいことや、就任後にトラブルが起きた場合は紹介元の社員との信頼関係に影響が出る、といったデメリットがあるため注意が必要です。

転職する

CFO求人に応募して転職する方法もあります。CFOを企業が採用する場合、ほとんどが「人脈」「ヘッドハンティング」「転職エージェント」経由であり、近年は社外から能力の高いCFOを登用する企業も増えています。

転職エージェントに相談すれば、CFOになるために自分に何が足りないのかといった的確なアドバイスをもらえます。CFOに関しては非公開求人も多いため、そうした案件を紹介してもらうためにも転職エージェントの利用がおすすめです。

CFOに関わる資格

CFOになるために必須の資格はありませんが、取得することでCFOの業務に役立つ知識やスキルを習得できるものもあります。資格によっては転職そのものが有利になったり、権威性を高めたりすることができるでしょう。

CFO資格試験

CFOを目指す資格として近年人気なのが、日本CFO協会が実施する「プロフェッショナルCFO資格試験」です。財務理論に関する基礎知識や経営計画、財務マネジメントなどCFOとして求められるスキルレベルを客観的に測る資格です。

CFOを目指す方はもちろん、金融機関の融資・渉外担当者や企業の財務部門担当者など、企業価値向上を企図する方にとっても有益な知識を習得できるでしょう。

しかしこの資格は、取得しても日本CFO協会を退会すると資格が失効されますので注意が必要です。

公認会計士

公認会計士は会計と監査のプロフェッショナルとして、会計関連の資格の中で最高峰に位置する国家資格です。具体的な仕事内容は財務諸表監査をはじめ財務や経理、IPO、会計コンサルティングなど多岐にわたります。

公認会計士の試験難易度は非常に高いですが、「監査業務を行える唯一の国家資格」として強みの多い資格です。公認会計士を足がかりにCFOを目指す人も多く、会計や監査業務に加えて経営コンサルタントや事業運営に携わり、そこからCFOに挑戦するのもおすすめです。

日商簿記

企業の会計や経理分野において知名度がある日商簿記は、基本的なファイナンス知識を有していることを証明する資格です。

日商簿記2級は経理への転職に有利とされており、さらに希少価値が高い1級は経理のプロフェッショナルである証といえます。日商簿記で得られる知識はCFOとしてだけでなく、コーポレートファイナンスを担当するのにも不可欠な知識です。業務や転職に役立つため、取得しておいて損はないでしょう。

FASS検定

FASS検定(Finance Accounting Skill Standard:経理・財務スキル検定)は、経理・財務の実務に特化した唯一の検定です。資産、決算、税務、資金の4分野から構成されており、これらのスキルレベルをA〜Eの5段階で評価されます。

CFOとして必須のスキルを効率良く学べるだけでなく、実力を客観的に把握できるため、自身に合ったスキルアップ目標を明確化するのにも役立つでしょう。

参考:FASS検定(経理・財務スキル検定)とは?概要やメリット、転職での活かし方

スキルとキャリアを積んでCFOを目指そう

本記事ではCFOを目指す方に向けて、CFOの特徴や役割、求められるスキルやキャリアパスなどを解説しました。CFOは財務の最高責任者であると共に経営陣の一員でもあります。財務分野だけでなく経営や事業成長にも関心を持ち、企業の価値を高めていくことを念頭に置いてスキルを磨いていきましょう。

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