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転職でCFOを目指す場合、就任後の年収相場が気になる人は多そうです。転職する企業によって年収が異なるため、自身が目指したい企業のCFOについて知ると今後すべきことがわかるでしょう。
この記事では、CFOの年収相場や企業ごとの報酬水準について解説します。
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CFOとは?
CFOを目指す場合、社内でどのような立ち回りをする役職なのか再確認が必要です。似ている名称である別の役職と比較しながら、CFOに求められる役割をおさらいしましょう。
CFOの役割
CFO(Chief Financial Officer)とは最高財務責任者のことで、企業のお金の流れに責任を持つ最重要なポジションの一つです。会社のお金の管理や使い道に関するリーダーであり、企業が健全に成長できるように財務面からサポートを行います。
企業のお金を効率的に使えるような判断はもちろん、会社を支えている投資家とのやり取りまで担う、資金面のオールラウンダーです。経理や財務についての専門知識だけでなく、外部の関係者とのコミュニケーションにも気を配る立場でもあります。
CFOとCEOの違い
CFOとCEOは似ている名前であり混同されがちですが、それぞれ別な役割を持つポジションです。CFOは財務担当であるのに対し、CEO(Chief Executive Officer)は企業全体の最高責任者という役割を持ちます。事業方針や経営戦略などの長期目標に対して責任を負うのが、CEOの責務です。
CFOとCEOはどちらも企業の重要な決定を下すポジションであり、経営陣として密な関わりがあります。
CFO経験者のCEOが増えている
日本では1995年以来、CFO経験のあるCEOを生み出す企業が増えています。ソニーの現会長兼社長である吉田憲一郎氏や、ルネサスエレクトロニクスでCFOだった柴田英利氏、NECの森田隆之などです。
長期的な経営方針の決定には、CFOや財務担当による会社の数字の分析が求められます。数字をもとに今後を予測できるCFOに、CEOとして経営全体の責任を任せるケースは今後も増えてくるかもしれません。
CFOに支払われる報酬の種類とは
CFOに支払われる報酬は主に以下の2種類で、両方を組み合わせて支給されます。
- 固定報酬
- 業績連動報酬
固定報酬とは月額で支払われる給与形態のことで、CFOの基本給のような扱いです。受け取れる報酬は、CFOの経験値や市場価値に応じて決定されます。一方、業績連動報酬とはCFOの業績や成果に応じて支払われる、インセンティブ形式のお金です。
上記2種類を組み合わせてCFOに支給することで、モチベーションアップや会社の業績向上の役割を果たしています。
企業レベル別のCFOの年収相場
CFOの基本知識を理解したところで、実際の年収相場が気になる人も多そうです。企業規模別の年収相場を押さえ、目指す会社の報酬感覚を掴みましょう。
企業種別 | 年収の範囲 |
---|---|
ベンチャー企業や新興企業 | 1,000万円〜2,000万円 |
中小上場企業 | 1,800万円〜2,500万円 |
上場企業(グローバル) | 2,000万円半ば〜3,000万円 |
大企業 | 2,500万円〜5,000万円 |
外資系企業 | 2,500万円〜5,000万円 |
ベンチャー企業のCFOの年収相場
ベンチャー企業や新興企業におけるCFOの場合、年収は1,000万円〜2,000万円が相場といわれています。上場の可能性が高まっているベンチャー企業の場合、CFOとして経理や財務の知識がある人材を迎え入れるケースが多いものです。
起業したばかりの企業と比べると、年収ベースは多くて2倍ほどアップすると考えられます。また、ストックオプションが付与され、年収には換算されない価値が与えられるケースも多いようです。
中小上場企業のCFOの年収相場
中小上場企業のCFOの場合、年収は1,800万円〜2,500万円が相場といわれています。ただし、企業ごとに求める人材の質が異なるため、年収の幅はもっと広い可能性もあるでしょう。
大企業のCFOと比べると年収は低いものの、業務量は大手ほどではないケースもあるようです。CFOを目指そうとしているが、ワークライフバランスにもある程度気を配りたい人には狙い目かもしれません。
上場企業のCFOの年収相場
上場企業の中でも特にグローバル展開をしている会社の場合、年収相場は2,000万円半ば〜3,000万円といわれています。グローバル展開をしている上場企業はCFOのポジションを設けるケースが増えており、就任すると高収入が期待できます。
ただし、上場企業では会社に長く在籍する人材が昇格し、CFOになるケースが多いようです。上場企業への転職でCFOを目指す場合は、同規模の会社での実務経験がないと就任は難しいと考えられます。
大企業のCFOの年収相場
大企業のCFOの場合、年収はおおよそ2,500万円~5,000万円が相場といわれています。年収幅は広いものの、M&Aをしながら企業規模を拡大する場合は大きな報酬も受ける可能性が高いようです。
一方、上場しているものの老舗企業の場合、革新的な成長は見込みにくいと考えられます。黒字であれば良いという経営方針の企業であれば、年収は2,500万円前後を想定するといいといわれています。
外資系企業のCFOの年収相場
外資系企業のCFOの場合、年収は2,500万円〜5,000万円が相場といわれています。外資系企業のCFOは、CEOのパートナーとして財務面から会社を支える組織のNo.2という位置付けです。
外資系企業のCFOには、本社から課されるノルマを達成すべく試行錯誤する忍耐力が求められます。高いノルマを課せられるケースが多いものの、成果を上げられた場合は大きな報酬を得ることが可能です。
企業別年収相場からわかること
前章で紹介した企業別年収相場を読み取り、気づきがあった人も多そうです。企業規模と報酬の関連性や、ストックオプションの重要性を理解しましょう。
大企業ほど年収が高い
前章の年収相場の解説からも分かる通り、大企業ほどCFOが受け取る報酬は高くなります。会社が大きいほど、舞い込んでくる案件自体の規模や重要性が高まるためです。大きな仕事を経験できる上、受け取る報酬が高いとモチベーションアップに繋がります。
ただし、重要性の高い仕事が多い分、案件を確実にこなせる信頼性のあるCFOを置く必要があります。課せられる責任が大きい分、報酬を高くしているという考え方もできるでしょう。
ストックオプションの重要性
CFOやほかの役員への報酬として、ストックオプションを付与する企業は多くあります。ストックオプションとは、業績に応じて企業の株を受け取れるシステムです。事業への貢献度に応じたリターンを受け取れるシステムであり、CFOのやる気を高める効果が期待できます。
CFOの報酬は企業規模や成長度合いによって、ばらつきが出るのが事実です。報酬のばらつきを軽減する目的から、ストックオプションを用意する企業は増えています。
外資系企業の方が報酬が高い
外資系はファイナンスを重視しているため、日系企業よりも報酬が高く設定されています。企業内でファイナンスを取り仕切るのはCFOであり、ポジション自体が重要視されるためです。
外資系の報酬が魅力的に感じる人も多そうですが、業務の責任が大きくなる上業績へのプレッシャーも高まります。外資系企業のCFOを目指す場合、スキルや経験だけでなく業績目標に耐えうる忍耐力も求められるでしょう。
有名CFOの年収
CFOの大体の年収相場がわかったところで、実際に就任した場合の事例が気になる人も多そうです。ここでは有名CFOの年収や経歴を紹介するので、知識として知っておきましょう。
森田隆之氏:NEC
2021年にNECのCEOに就任した森田隆之氏の、2023年の報酬は1億4,900万円でした。1983年にNECへ入社し約20年後に部長へ、その6年後には執行役員へ昇進しています。執行役員就任後もさまざまな役職を経験し、2018年にはCFOを任されるに至りました。
芥川知美氏:あおぞら銀行
女性CFOである、あおぞら銀行の芥川知美氏の年収は、1億円ほどであると言われています。大学卒業後にあおぞら銀行へ入社し20年後に財務部長を、その7年後にはCFO副担当に就任しました。現在は執行役員に就任しており、社内で順調に昇進を進めた人物です。
吉田憲一郎氏:ソニー
現ソニーのCEOである吉田憲一郎氏は、CFO時代の年収は3億円と言われています。東京大学経済学部を卒業後、ソニーグループに入社し財務を基礎から学びました。CFOになってからは赤字改善に努めたり、2018年3月期には20年ぶりに営業最高益レベルまで業績を回復させた人物です。
CFOになるには
有名CFOの経歴を読み、転職は難しそうだと感じた人は少なくなさそうです。CFOになるための方法はいくつか存在し、自身に合った手法が最善であることを理解しましょう。
社内で昇進
社内のバックオフィス部門から、部長や執行責任者などのリーダーポジションを経てCFOへ昇進するケースがあります。リーダークラスになると、次第とボードメンバーとして取締役会に参加することもあるでしょう。
経営幹部として会社経営に携わり、長期間に渡り経験を積むうちにCFOに昇進する可能性があります。ただし、財務や経理への基礎知識は必須であるため、日々の業務で会計や経営を学ぶ姿勢が必要です。
リファラル採用
企業の社員から自身を紹介してもらうリファラル採用は、CFO転職の主流の方法と言われています。リファラル採用では自身のスキルや人柄を事前に企業へ伝えられるため、お互いのミスマッチ防止にも効果的です。
ただし、知人からの紹介で採用してもらうと、何か問題があったときに会社を辞めにくくなるケースは少なくありません。リファラル採用の場合は、紹介者との今後の関係性にも配慮しながら入社を検討しましょう。
転職
CFOのような重要ポジションに就く場合、専門の転職エージェントを利用し求人を探すという方法もあります。特にCFOのような役員階級は、企業が信頼している転職エージェントに非公開求人として情報を出しているケースがほとんどです。
専門のアドバイザーの助言をもらいながら転職を進めると、CFO就任へより近づける可能性があります。中でも管理部門専門の転職エージェントは、CFOの求人が見つかりやすくおすすめです。
CFOになるならベンチャー企業と上場企業のどちら?
これからCFOになりたい場合、人によって目指すべき企業は異なります。ベンチャー企業の場合でも、CFOの年収は1,000万円〜2,000万円が相場いわれています。役員レベルになるとストックオプションをもらえるケースが多いため、年収以外の報酬も期待できます。
一方、上場企業はベンチャーよりも高年収が見込まれますが、CFO就任には内部昇格のケースが一般的です。求人数が限られる上、就任すると企業の業績を挙げていけるだけの豊富な経験が求められます。
自身の適性がわからない場合は、転職エージェントを利用するとアドバイザーの意見を聞きながら行動できるためおすすめです。
CFOの年収相場を知り転職に役立てよう
CFOの年収相場は規模が大きくなるほど高くなり、外資系企業の報酬が最も多いとされています。ただし、報酬が多くなる分仕事への責任範囲も増えるため、自身が企業に何を求めるかを吟味することも重要です。
自身の経歴や目指したいキャリアを検討しながら、CFO転職に向けて準備を進めましょう。