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時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げますとは?意味や使い方、注意点を紹介

シンカキャリア編集部

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更新日:2024/10/31

ビジネスでは、書面での挨拶時に「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」と表現します。かしこまった言い方であるのは分かりますが、「時下」や「ご清栄」など聞き馴染みがない単語があるでしょう。なかには「ビジネスでの挨拶はこの文章」と、意味を理解せずに使用している方もいます。本記事では、使い方・意味だけではなく、類語・英語表記も紹介します。ビジネスで恥をかかないためにも、この記事を読んで正しい意味を理解しましょう。

目次

ビジネスでは、書面での挨拶時に「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」と表現します。かしこまった言い方であるのは分かりますが、「時下」や「ご清栄」など聞き馴染みがない単語があるでしょう。なかには「ビジネスでの挨拶はこの文章」と、意味を理解せずに使用している方もいます。

本記事では、使い方・意味だけではなく、類語・英語表記も紹介します。ビジネスで恥をかかないためにも、この記事を読んで正しい意味を理解しましょう。

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「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」の読み方と意味

「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」は「じかますますごせいえいのこととおよろこびもうしあげます」と読み、「このごろ、より一層あなたの事業が繁栄していることをお慶び申し上げます」という意味になります。単語で区切って意味を解説します。

「時下」は「現在」・「このごろ」という意味です。「ますます」は「益々」と書くこともあり、「より一層」という意味です。次に続く言葉を強調させる役割があり、主に今後の状況が良くなる時やプラスになる時に使います。

「清栄」は「清く栄える」という意味で、相手の健康や事業の繁栄を喜ぶ挨拶で使用します。格式高い挨拶で、立場が上の相手へのビジネスで書面での挨拶時に使用します。

「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」の使い方

「時下」は現在を指すので、季節に関係なく使える便利な言葉です。また、個人にも企業にも使用できます。しかし、「時下」を文頭に持ってくるのではなく、「拝啓」を文頭に持ってきます。

「拝」はお辞儀をする、「啓」は申し上げるという意味で、相手を敬った挨拶になります。「謹啓」を使用する場合もあります。「拝啓」や「謹啓」を使用した場合、文末に「敬具」を付けて締めます。また、「拝啓」や「謹啓」の後は改行してから一文字空けて、「時下ますます〜」と始めます。

時候のあいさつとして使える

「時下」は現在・このごろを表すので、季節関係なく時候の挨拶として使える便利な言葉です。時候の挨拶といえば、「新春の候」など「〜の候」が思い浮かびますが、季節や月ごとに言葉を変える必要があります。

そのためいつでも使える「時下」は便利でよく使われています。「時下」が「〜の候」を表しているので「新春の候、時下ますます」と繋がると時候の挨拶が連続してしまい、おかしな文章になるので「〜の候」を使う場合は「新春の候、ますます」と続けます。

また、「時下」を「貴社」に変更すると「新春の候、貴社ますますの」となり、より丁寧な印象を与えます。

法人宛て・個人宛てのどちらにも使える

「ご清栄」は、健康や経済の繁栄を祈る意味があるので、法人宛てだけでなく個人に対しても使えます。どちらも会話で使うのではなく、メールや書面などの文書で使用します。

法人宛ては、本題に入る前に文書の初めに挨拶として使います。また、個人宛てといっても、親しい間柄には相応しくありません。とてもかしこまった言い方なので、ビジネスでのやり取りで使用します。どの季節でも、法人宛ても個人宛ても使えるとても万能な挨拶です。

基本の文章を覚えておけば、応用が効いて何通りもの文章が作れます。後に詳しく紹介しますが、似ている言葉で「ご清祥」という単語があります。こちらは個人宛てに使用するので、間違えないように注意が必要です。

「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」を使う際の注意点

季節問わず、法人にも個人にも使える万能な挨拶の「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」ですが、使用する時に気をつけるポイントが3つあります。いろいろな場面で使えるので、どのような場合でも使えると勘違いしてしまいますが、そうではありません。

使い方を間違えると不自然になったり、時には失礼に当たるのでしっかり押さえておきましょう。使ってはいけない二つの場面と、頭語を併用する時の使い方を以下で分かりやすく解説します。

普段の会話では使わない

会話ではなくメールや文書などの書面で使う挨拶なので、会話では使いません。また、堅苦しい挨拶なので親しい間柄や友人にも使いません。目上の方や、特別な取引先など、主にビジネスで使用する挨拶です。

しかし、ビジネスならいつでも使用してよいわけではありません。かしこまった表現なので重要な場面や改まった場面でのみ使用し、普段の業務では使用を避けます。丁寧だからと頻繁に使うと、相手が距離を感じてしまう場合があります。相手によっては失礼に当たるので、適切な距離感と場面を見極めて使う必要があります。

お見舞いやお悔やみの連絡では使わない

「ますます」は今後の状況が良い方向に向かう時に使う言葉です。また、同じ単語を繰り返す重ね言葉で、不幸の連続をイメージさせてしまうので、お見舞いやお悔やみの場では使用しません。

万が一訃報を聞いたら、「お悔やみ申し上げます」や「ご愁傷様です」を使用します。「お悔やみ申し上げます」は会話・文書どちらも使用でき「ご愁傷様です」は会話のみ使用できます。文書では「お悔やみ申し上げます」を使用し「死去」や「死亡」のような直接の表現の使用は控えます。長文を送る必要はなく、お気持ちで言葉を添えるだけで十分です。

「拝啓」や「謹啓」とあわせて使う

「時下」を文頭に持ってくることはありません。「拝啓」のような頭語を文頭に使用し

「時下ますます」と続けます。文末は結語である「敬具」で締めます。

「拝啓」は頭を下げてお辞儀をする、「敬具」はつつしんで申し上げますという意味があるので、主に目上の方へ送る文書で使用します。「拝啓」は改行して一文字空けてから文章を書き始め「敬具」も同じように改行をして最後、横書きであれば一番右側に持ってきます。

類語で「謹啓」と「謹白」があります。「拝啓」「敬具」よりも丁寧な表現で、よりかしこまった場面では「謹啓」「謹白」を使用します。

「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」の類語

「ご清栄」には類語がいくつかあり、法人宛てか個人宛てか、どのような場面かで使い分ける必要があります。今回紹介するのは「ご清祥」「ご健勝」の二つです。

また、よく使われる挨拶で「時下 皆様におかれましては」といった文章も紹介します。似ていますが使うべき相手が違うため、以下で分かりやすく解説します。単語の意味まで理解していると、少し変えるだけでその場にあった文章を作れるので、ワンパターンにならず相手にも良い印象を与えます。

時下 皆様におかれましては~

「おかれましても」は「おいても」をより丁寧にした表現です。相手に敬意を表する言葉で、ビジネスで目上の方への挨拶で文書の文頭に使用します。

「皆様」を「◯◯様」と個人名に変更すると個人宛てに「貴社」に変更すると企業宛てに使用できます。個人名を特定せずに「貴殿」と表記もできます。会話ではなく、文書やメールで使用します。

「おかれても」も丁寧な表現ですが、文章に含まれる敬意の度合いが下がり、失礼に当たります。社内文書では「おかれても」を使用しても良いですが、社外宛ての文書では「おかれましても」を使用しましょう。

時下ますますご清祥のことと存じます

「ご清祥」は「ごせいしょう」と読みます。「めでたい」や「喜ばしい」といった意味を持ち、相手が健康で幸せに暮らしているのを喜ばしく思うといった解釈になります。そのため、相手に不幸があった時の使用は控えるのが望ましいです。

「ご清栄」は健康や経済の繁栄という意味を持つので企業・個人の両方に使用できますが「ご清祥」は相手個人の健康を喜ぶ言葉なので個人に対してのみ使用します。

企業宛ての場合は「ご清栄」を使用することが望ましいです。「ご清栄」と同じように改まった場面のメールやビジネス文書の冒頭に挨拶で使用し、会話や通常業務では使用しません。

時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます

「ご健勝」は「ごけんしょう」と読み、健康で元気なことという意味で、相手が健康で元気に暮らしていることを喜んでいることを表します。そのため、企業に対しては使用せず、個人に対して使用します。

「時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます」は「この頃より一層元気でいらっしゃることをお慶び申し上げます」と解釈できます。「ご清栄」や「ご清祥」と同じく、ビジネス文書の挨拶で使用します。「健康」を喜ぶ言葉なので、相手が怪我をしている時や、体調を崩している時の使用は控えます。

ご清栄をお祈り申し上げます

「お祈り申し上げます」は文書で締めくくりの挨拶として使用します。そのため、企業であれば「事業や経済の繁栄をお祈り申し上げます」となり、個人であれば「健康をお祈り申し上げます」となり、相手のことを気遣う締めの挨拶でよく使われます。

「ご清栄」は組み合わせる文章を変えれば、文書の冒頭の挨拶にも締めの挨拶にも使用できる便利な挨拶です。万能な言葉ですが、使い方を誤ってしまわないように違いを理解して適切な場面で使用しましょう。

「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」の英語表現

「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」を英語で表現すると、「Thank you very much for your continued support.」となります。しかし、実際に英語でのビジネスで使うことはありません。どうしても挨拶を入れる場合は「I hope this email finds you well.」と表現し「お元気のことと存じます」という意味になります。

日本語での挨拶よりもかなりシンプルで、英語では時候の挨拶がなくても失礼には当たりません。いきなり本題に入るのが英語でのビジネスの特徴です。

使い方をマスターして臨機応変に対応する

「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」には似ている言葉と意味があり、それぞれ使える相手や場面が変わってきます。どの場面でも使える 「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」を機械的に使用しても問題はありませんが、細かな使い分けができた方がより仕事ができる印象や、相手に寄り添ってくれる印象を与えられるでしょう。

ビジネスでの挨拶は日本特有で初めは難しいですが、繰り返し使えば慣れてきます。また、「貴社」や「貴校」などを付け加えて応用も可能。送る文書が企業宛てなのか、個人宛てなのか、相手の状況はどうなのかを確認して失礼のないように使ってみてください。

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