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「お陰様での正しい使い方が知りたい」「お陰様では目上の人や社外の人に使ってもいいの?」と思われている方も多いのではないでしょうか。
この記事では「お陰様で」の使い方や、使う際の注意点、類語などについて例文を交えて解説します。ビジネスシーンでもよく使われる言葉なので、言葉の語源や意味を知り、正しく使える参考にしてください。
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おかげさまでの意味
「おかげさまで」とはお世話になった人に感謝の気持ちを謙虚な印象で表現できる言葉です。漢字では「お陰様で」と書きます。
「おかげ」とは神仏から加護を与えてもらうという意味の「御蔭」に「さま」を加えて丁寧な言葉になったと言われています。
「おかげさま」は漢字、ひらがなどちらも同じ意味で使えますが、状況や相手により使い分けるといいでしょう。ビジネス文書などを作成する際などの形式的な場面では漢字の「お陰様で」を使い、同僚や親しい先輩など少しフランクな場面ではひらがなの「おかげさまで」を使うことが多いです。
おかげさまの使い方・例文
「おかげさまで」は日常生活やビジネスシーンで頻繁に使われます。目上の人や取引先の人に対して謙虚な気持ちを伝えられる表現です。
頻繁に使われる言葉だけに正しい意味と使い方を知っておくことが大切です。ここからは、「おかげさまで」の使い方を例文とともに紹介します。
直接的な感謝を伝える
「おかげさまで」は相手の協力や親切に対して、直接的な感謝を伝えるときにも使える表現です。たとえば、ビジネスシーンで上司から仕事についてアドバイスを受けたときや、指導や支援をしてもらい、相手のおかげで何かを達成できたことへの感謝を伝えるときに使います。
例文
* おかげさまで、今回のプロジェクトは成功できました。
* おかげさまで、今月の売り上げ目標を達成でき、先月を大きく上回りました。
間接的な感謝を伝える
「おかげさまで」は直接的に関わっていない場合でも、いろいろなものに助けられ達成したことへの間接的な感謝の気持ちを伝えるときにも使える表現です。この場合、多くの人が間接的に関わっていることへの感謝のため、特定の人物ではなく、不特定多数の人をさします。
例文
* おかげさまで、今回のイベントは大盛況に終了できました。
* おかげさまで、弊社は創業100年を迎えました。
おかげさまでを使う際の注意点
「おかげさまで」は日常生活やビジネスシーンで頻繁に使われる言葉です。使用する際には、適したシーンや抑えておきたいルールがあります。頻繁に使われる言葉だからこそ、正しい使い方を知っておくことが大切です。
ここでは「おかげさまで」を使う際の注意点について説明します。間違った使い方をしないよう、ポイントをしっかりおさえておきましょう。
目上の人にも使える
「おかげさまで」は目上の人や取引先の人、顧客など幅広く使用できます。「自分ひとりではうまくいかなかった」という謙遜の意味も込められているため、相手にへりくだって、感謝の気持ちを伝えることのできる表現です。
「おかげさまで、プロジェクトは順調に進んでおります。」という形で使用します。
「おかげさまで」は、相手に謙虚な姿勢を伝えられるので、良好なコミュニケーションのためにも、積極的に使うと良いでしょう。
必ず文頭で使う
「おかげさまで」という言葉は、必ず文頭で使います。「おかげさまで」のあとには、「おかげさまで〜しました」のように、その人の行いや行動が入ります。「おかげさまで」を文中や文末に使ったり、「おかげさまです」という言い方はしないので注意しましょう。
特定の人に対して感謝の気持ちを示したい場合は「成長できたのは○○さんのおかげです」「︎○○さんのおかげで無事合格できました」という使い方をします。
多数の人にも使える
「おかげさまで」は特定の個人に対して使う場合もありますが、不特定多数の人に対して感謝を示すときにも使えます。
「おかげさまで70周年を迎えられました」「おかげさまで多くの方にご参加いただき、イベントは大盛況に終えられました」という使い方ができます。
特定の人ではなく、サポートしてくれたすべての人に対して感謝の気持ちを伝えられる言葉でもあるのです。
ネガティブな内容には使わない
「おかげさまで」は相手への感謝の気持ちを表したり、謙虚な姿勢を示す意味もあるため、ネガティブな内容には使わないようにしましょう。基本的にイベントの成功報告やプロジェクトの達成、取引の成功などポジティブな意味合いで使用する言葉です。
「おかげさまで今回のイベントは盛況とまではいかず終わりました」という表現は不自然です。
ネガティブな意味合いで「おかげさまで」を使うと、相手を不愉快な気持ちにさせることがあるため注意しましょう。
「おかげで」と混同しない
「おかげさまで」と似た言葉に「おかげで」があります。どちらも相手の助けがあり、何かを達成したり成功したときに使う言葉ですが「おかげさまで」は文頭に使うのに対し「おかげで」は文中や文末に使用します。
「○○さんのご指導のおかげで、プロジェクトを成功することができました」という使い方をします。「おかげさまで」は「おかげさまでプロジェクトを成功することができました」と文頭で使うため、混同しないようにしましょう。
「おかげさまです」は間違い
何かを達成したことを相手から祝福されたときに「おかげさまです」というのは間違った表現です。「○○様のおかげです」などと言うことはありますが、「○○様のおかげさまです」とは使わないように注意しましょう
「おかげさまで達成できました」「○○様のおかげで、達成できました」というのが適切な表現です。
おかげさまでの類語
ビジネスシーンでは、良い結果や成果があったときに、お世話になった方へ感謝の気持ちを伝える機会が多くあります。「おかげさまで」の類語や言い換えを知っておくことで、シーンや感謝を伝える相手により適切な感謝の伝え方ができるでしょう。ここからは「おかげさまで」の類語や言い換えと例文を紹介します。
ご支援
「ご支援」は活動をスムーズにするために力を貸して助けるという意味の「支援」に、接尾語の「ご」をつけた言葉です。何かを受け取る行為や、金銭的・物理的な支援に対しても使えます。「ご支援」は「おかげさまで」よりもかしこまった表現で、目上の人や社外の人へのメールや手紙の書き出しにも使えるフレーズです。
例文
* ご支援賜りまして、誠にありがとうございます。
お力添え
「お力添え」は、相手の仕事に対して力を添えて助けるという意味を持つ「力添え」に接尾語の「お」をつけた言葉です。何に力を借りたのか、感謝の対象が具体的になるため「おかげさまで」より、感謝の対象が狭くなることがあります。
「お力添え」は社内の目上の人に対して使うのが一般的で、社外の人に対してはあまり使用しないように注意しましょう。
例文
* 「○○さんのお力添えのおかげで、商談が無事まとまりました」
ありがたいことに
「ありがたいことに」は現在の状況が順調にいっているときに、間接的な感謝を伝える言葉です。使う際には、自分または自社だけが得している、自慢をしていると捉えられないように相手に対しての感謝の気持ちをこめて使うようにしましょう。相手のおかげや、偶然によって自分に良いことが起きた際に以下のように使用します。
例文
* ありがたいことに、新商品の売り上げは好調です。
* ありがたいことに、売り上げが順調に伸びています。
お引き立て
「お引き立て」は名詞の「引き立て」の丁寧語で、相手に特に目をかけひいきにするという意味です。特に関係の深い取引先やお客様に感謝を示す際に使用します。ビジネスメールのひな型にもよく出てくる言葉で、ビジネスレターを出す際や、フォーマルな場所での挨拶としても使用できます。
例文
* 平素は特別なお引き立てをいただきありがとうございます。
○○のたまもの
「○○のたまもの」は日頃の行いの結果として現れた良い結果を表す「賜物」を用いて○○のおかげで良い結果になったという意味です。相手のサポートに対して感謝を示す表現に使い、スピーチやフォーマルな場面で使うと特別な感謝を伝えられます。
例文
* これもひとえに皆様のご支援のたまものと感謝申し上げます
おかげをもちまして
「おかげをもちまして」は「おかげさまで」とほぼ同じ意味で使えますが、「おかげさまで」よりやや丁寧な表現です。
例文
* 皆様のおかげをもちまして、順調に売り上げを伸ばしております。
* おかげをもちまして、無事に退院できました。
おかげさまでの英語表現
海外の企業や担当者とのやり取りがある場合に、感謝の気持ちを伝える「おかげさまで」を英語で表現できるようにしておくと、スマートな印象を与えられます。英語で「おかげさまで」を表現する場合「Thanks to~」ということが多いです。
例文
* Thanks to your help. (ご助力のおかげで)
* Thanks to you,it went well.(おかげさまで上手くいきました)
「お陰様で」の正しい使い方をマスターしてビジネスシーンで活用
ビジネスシーンで頻繁に使用される「おかげさまで」という言葉には、相手への感謝の気持ちを謙虚な印象で表現できます。必ず文頭に使用することを念頭に置き、目上の人にも使えること、特定の人だけでなく不特定多数の人にも使えることなどを知っていると、「おかげさまで」を使う幅も広がります。
正しい日本語を使えることは、ビジネスシーンにおいて自身の評価にもつながるでしょう。
ビジネスシーンで間違った使い方をしてしまわないためにも、この記事を参考に正しい使い方を身に付け、活用してください。