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「往々にして」は失敗やよくない事柄などが起こりそうな場面で使う言葉です。ビジネスシーンでも使えますが、実際には意味をよく理解せず、間違った使い方をしている方がたくさんいます。本記事では「往々にして」の正しい意味・語源・ビジネスで使える例文から、敬語表現・類義語まで紹介します。ぜひ参考にしてください。
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「往々にして」の正しい意味は?
「往々にして」は、その物事がしばしば起こること・何度も繰り返し起こることを意味する言葉です。物事が発生する時間間隔については特に決まっていないので、話し手・その場の状況・受け取り手の感じ方によって変わります。時々起きる程度のことから頻繁に起きることまで幅広く使えるので、ぜひ覚えておいてください。
「往々にして」を使うのは、失敗や問題などネガティブな物事が起こりそうなときです。ポジティブな物事に対して使えない言葉ではありませんが、基本的には使わないようにしましょう。
「往々にして」の語源
「往々にして」の由来には諸説あります。往は、とある場所に向かう・進む、過ぎ去った時間・昔など時間をさかのぼるの2つの意味を持つ漢字です。
「往々にして」は往の字を2回繰り返し、「行く先行く先」「あの時もこの時も」と同じことを何度も繰り返す・何度も起こる様子を強調した表現になっています。
「往々にして」を使えるビジネスシーンと例文
「往々にして」をビジネスシーンで使う際には、状況に応じて正しい表現で使いましょう。目上の方には「往々にしてあります」・「往々にしてございます」「往々にしてございました」と敬語の表現に変えてください。シーンごとに例文を挙げながらします。
失敗が懸念されるときに使用するケース
ビジネスシーンで失敗が懸念されるときに「往々にして」を使う場合は、以下のような例文が挙げられます。
- 往々にして失敗しやすいケースですので、しっかり対策を練るべきです。
- 往々にして時間がかかるものですので、時間を長めにかけましょう。
- 慌てて仕事をして失敗することは往々にしてあります。
- 仕事でミスをすることは、どんな人でも往々にしてある。
実際に使う際は、失敗に対する懸念を伝えるだけでなく、予想される失敗を回避する方法を一緒に伝えると印象がよくなるでしょう。
よくない展開に陥りそうなときに使用するケース
ビジネスシーンでよくない展開に陥りそうなときに「往々にして」を使う場合は、以下のような例文が挙げられます。
- 退職時の引き継ぎは、往々にして十分にできません。
- 準備が不十分なまま仕事に取り掛かると、往々にして失敗します。
- 本日は大変混雑しておりますので、お待ちしていただく場合が往々にございます。
「往々にして」は、未来に起きる可能性がある状況や事柄にも使えます。しかし、予想した状況や事態は確実に起きると断言できないので、相手に伝える際は起こりうる可能性についてだけ伝えるようにしましょう。
リスクを語るときに使用するケース
「往々にして」はビジネスシーンで起こりうるリスクを語るのにも使えます。例文は以下のようなものです。
- 外注するとコストを抑えられるが、往々にして品質トラブルが起こりやすいのが事実です。
- 新商品を発売しても、売れずに在庫だけを抱えることが往々にしてあります。
- 工場を建てると往々にして公害が起こります。
リスクは危険性・悪影響・損失・悪い事柄が生じる可能性を意味する言葉です。現時点ではリスクの危険度や深刻度を測れないので、発生しうるリスクの内容だけを具体的に伝えるようにしましょう。
「往々にして」を使用する上での注意点
ビジネスシーンに限らず「往々にして」を使うときは、二重表現・使用を控えるべき物事に気を付けましょう。以下で詳しく解説します。
二重表現に注意する
「往々にして」は漢字の往を2回使い、物事を繰り返す様子を強調した言葉です。「往々にしてよくある」は二重表現にあたります。「よく」も物事が頻繁に起こる様子を表す言葉ですので、「よく」を使いたい場合は「よくある」と言うようにしてください。
「往々にして」は便利な言葉ですが使い方が難しいと感じる方が多いのも事実です。どうしても苦手な方は無理に使わず、「よくある」だけを使う方が無難でしょう。
ポジティブなことにはあまり使用しない点に注意する
基本的に「往々にして」は、リスクや失敗などネガティブな事柄に対して使う言葉です。仕事に成功するなど、よい物事やポジティブな事柄と一緒に使わない点に気を付けましょう。
また、ビジネスシーンでは顧客へのクレーム対応時に使うのは避けてください。自社側に非がある場合、「往々にして」を使うと顧客に対して開き直っているような印象を与えてしまいます。クレーム対応では「往々にして」ではなく、時々・まれに・しばしばなどの言葉を使って伝える方が無難です。
「往々にして」の類義語は?
「往々にして」にはたくさんの類義語があります。この記事ではよく使われる7つの類義語を例文も付けて紹介するので、参考にしてください。
①しばしば
「しばしば」は「往々にして」と同じように、何度も同じ物事が繰り返し起こる様子を表す言葉です。他人が行動する頻度の表現にも使えます。「しばしば」の例文は以下のようなものです。
- このトラブルはしばしば起こります。
- 子どもたちはしばしば外で遊ぶ。
- 彼はしばしば私を困らせる。
「しばしば」は時間経過を表しますが、「往々にして」ほど広い範囲の発生頻度を含んでいるものではなく、時々程度までの比較的短い時間間隔を表すにとどまります。また、「しばしば」は時間間隔の表現としてはあやふやな面があるので、プレゼンなどでは使わないようにしましょう。
②たびたび
「たびたび」も「往々にして」の類義語です。「しばしば」より頻度が少ない事柄に対して使います。物事を繰り返すだけでなく、手紙を書くなど行動の頻度を表現するのにも使えるのが特徴です。「たびたび」の例文を以下に表します。
- オフィスにたびたび電話がかかってくる。
- 彼女はたびたび旅行に出かける。
- 彼はランチタイムにたびたびコーヒーを飲む。
- たびたびご連絡をいただき、ありがとうございます。
「たびたび」はポジティブな事柄にも使えるのが「往々にして」と異なるところです。話し言葉でも使えますが、基本的には文章の中で使います。
③ややもすれば
「ややもすれば」は、物事を放置しているとそうなりやすいことを意味する言葉です。物事が起こる頻度ではなく、近い未来にどうなるかを表現する際に使います。「ややもすれば」の例文は以下の通りです。
- ややもすると、この部屋は荷物でいっぱいになる。
- 仕事に慣れると、ややもすれば油断しがちになる。
- 彼の話はややもすると独りよがりになりがちだ。
「ややもすると」も「往々にして」と同様、ネガティブな事柄について使う言葉です。実際に使う方は少ないので、覚えておくと職場でも一目置かれるかもしれません。
④ともすると
「ともすると」は「ともすれば」と同じ意味を持つ言葉です。「ややもすると」と同様、近い将来に起こる可能性があるネガティブな物事を示唆するときに使います。それぞれの例文は以下に挙げるようなものです。
- 優先的に対応をお願いします。ともすると、クレームが来る可能性があるので。
- ともすれば、大きな失敗を招いてしまうかもしれません。
- ともすれば、会議の内容を忘れそうだ。きちんとメモを取ろう。
「ともすると」も「ともすれば」も言葉の始めに使います。あまり使う方のいないワンランク上の表現なので、ビジネスシーンで使う言葉としてぜひ覚えておきましょう。会議などで使うときは、予想される物事に対する解決策も添えるのがオススメです。
⑤えてして
「えてして」は漢字で表記すると「得てして」となり、「ややもすると」とほぼ同じ意味の言葉です。物事を放置した結果、ネガティブな状況に陥る傾向があるさまを表現するのに使います。例文は以下に挙げるようなものです。
- 調子に乗るとえてして失敗する。
- 自信家は仕事ができるが、えてして自己判断で仕事をして失敗する。
- 前日によく寝ていないと、えてして昼間の仕事に支障が出る。
「えてして」は、放置していれば必ずこうなると断定する表現ではありません。また、「えてして」は、前文のポジティブな事象を打ち消けす・前文の内容を受けて続けるの2通りの使い方ができます。
⑥間々ある
「間々ある」は時々起こる事柄に対して使います。間々自体が物事と物事の間を表現する言葉なので、頻繁に起こる事柄には使いません。例文としては以下のようなものが挙げられます。
- 上司が機嫌を損ねるのは間々ある。
- この辺ではバスが遅れて来るのは間々ある。
- 予期せぬことが起こるのは間々ある。対処法を考えよう。
「間々ある」の間々は、時々や折々の古風な表現です。同じ意味の言葉には、「時々ある」・「たまにある」・「度々ある」があります。
⑦時として
「時として」は、場合によってはその事柄が起こる意味で使う言葉です。カジュアルなシーンでもビジネスシーンでも使えます。「時として」で表現する発生頻度は、「間々ある」とほぼ同じです。使うのは頻繁に起こらない事柄に限りましょう。具体的な例文は以下のようなものです。
- 人間は時として失敗をする生き物です。
- ほとんどパソコンで仕事をするが、時として電話をすることもある。
- 時として晴れ間が見えるでしょう。
- 彼女は時としてまったく話さないことがある。
「時として」は文学的な表現なので、相手に趣がある印象を与えられます。
「往々にして」の対義語は?
「往々にして」には対義語もあります。対義語にあたる言葉はどれも、ほとんど起こりえない様子を表すのに使う言葉です。この記事では、ビジネスシーンで使えるものも含めて、よく使われる3つの言葉を紹介します。
①稀に
「稀に」は、ほとんど発生しない・大変珍しい・とても少ない様子などの意味を持つ言葉です。物事の発生頻度が「往々にして」より少し低い程度の事柄に使いましょう。形容動詞なので、名詞にも動詞・形容詞・形容動詞・助詞・助動詞のどれでも併せられますが、時間や頻度を表すのに使う場合は名詞とあわせてください。
「ごく稀に」とすると、「稀に」より発生頻度の低い事柄を表現できます。「たまに」の敬語表現でもあるので、覚えておくと非常に便利です。
②たまに
「たまに」は「稀に」と同じ程度の発生頻度の低さを表す言葉です。日常生活でもよく使われるカジュアルな表現なので、ビジネスシーンでは同僚・部下・目下の相手などに限って使うようにしてください。
「たまに」は新しいアイデアを提案する・個人的な問題の解決について助言やアドバイスをする・人間関係を深める等のシーンに適しています。使えるシーンは多いですが、実際に使ううえでは相手との関係や現在の状況を測る必要があるのが「たまに」の特徴です。ビジネスシーンでうまく使いこなす自信がない場合は、「稀に」を使うようにしましょう。
③滅多にない
「滅多にない」は事柄の発生頻度が極端に低い、まったくその物事が起こらないほど珍しい
様子を表現する言葉です。度を越した様子などを意味する「滅多」に打消しの意味を持つ「ない」を組み合わせた言葉なので、「滅多」と「ない」の間に動詞を挟んで使う方法もあります。
「滅多にない」は表現としてはカジュアルな部類に入るので、目上の方や取引先の方には使わないようにしましょう。「滅多にない」を敬語にするなら、「稀に」が「ほぼないに等しい」と言い換えてください。
「往々にして」はネガティブな事柄が発生しそうなときに使おう
「往々にして」はビジネスシーンでも使える非常に便利な言葉です。失敗や悪い出来事など、ネガティブな事柄が発生する可能性を伝えるのに使う言葉なので、ポジティブな事柄には使わないようにしましょう。
また、「往々にして」は敬語ではないので、目上の方や取引先の方には「往々にしてあります」や「往々にしてございます」などに語尾を変えてください。「往々にして」の正しい意味を理解して使うと、さまざまなシーンでよい印象を持たれるでしょう。
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