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未経験でもFASへの転職は可能?FASの魅力や成功へ導くポイントを解説

シンカキャリア編集部

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更新日:2024/07/18

財務やM&Aの専門性を活かした転職先として、「FAS」への注目度が高まっています。特に近年はM&Aに意欲的な企業が増えている影響で、FASの業界全体の動きが活発です。しかし、FASでは専門的な知識や経験が求められるため、未経験者では転職できないのではないかと不安に感じている人もいるでしょう。そこで、この記事では、そもそもFASとは何か、どうしたら未経験者でもFASへ転職できるのか、について解説します。この記事を読んでFASへ転職するための必要な動きを抑えていきましょう。

目次

財務やM&Aの専門性を活かした転職先として、「FAS」への注目度が高まっています。特に近年はM&Aに意欲的な企業が増えている影響で、FASの業界全体の動きが活発です。

しかし、FASでは専門的な知識や経験が求められるため、未経験者では転職できないのではないかと不安に感じている人もいるでしょう。

そこで、この記事では、そもそもFASとは何か、どうしたら未経験者でもFASへ転職できるのか、について解説します。この記事を読んでFASへ転職するための必要な動きを抑えていきましょう。

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FASとは?

FAS(Financial Advisory Services)とは、財務アドバイザリーサービスのことです。主に企業やクライアントに対して財務に関する戦略的な支援やアドバイスを提供するコンサルティング企業を指します。

最近、急激に需要が高まっており、転職でも人気の業界です。FASのより具体的なサービスとしてはM&A支援や経営戦略の策定、企業再生支援、インシデント発生の際の原因を調べるフォレンジック調査などがあります。

IBDとの違い

FASとIBD(Investment Banking Division)はどちらも財務に関わる業務で、FASはより幅広い財務アドバイザリー業務を行います。一方、IBDとは投資銀行部門(Investment Banking Division)のことで証券会社の一部門で、企業の資本市場での取引や金融商品の提供に特化しています。

FASの場合は、IBDと違って証券会社の免許が無いため、買収などの資金調達のフローにまで深入りできないという特徴があります。

コンサルとの違い

FASとコンサルティングは、両方とも企業に対して支援を行う点では同じです。しかし、FASは主に財務に関連した業務を専門としています。たとえば、M&Aのアドバイス、企業再生支援などです。

一方、コンサルティングは財務的な支援以外にも、戦略的な問題解決や業務プロセス改善など、より幅広い領域にわたる業務を行います。たとえば、財務的な支援以外にも人材育成や人事制度の設計などがそれにあたります。

FAS業界について

FAS業界は、企業の財務に関わる重要な役割を果たしています。一口にFASと言っても、大手監査法人のFASや独立系FASなどその背景はさまざまです。ここではそれぞれのFASの特徴について紹介していきます。

代表的なFAS・BIG4系FAS

BIG4系FASとは、世界的に有名な大手監査法人の中に設立されたFAS部門を指します。

BIG4は、PwCアドバイザリー・デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー・KPMG FAS・EYストラテジー・アンド・コンサルティングなどが代表的な企業で、グローバルなネットワークを持っています。そのため、豊富な知識とノウハウを活用して、非常に高度なサービスと圧倒的規模による対応業務の幅広さが強みです。

独立系・ブティックFAS

独立系・ブティックFASとは、大手監査法人に所属せず、独自に財務アドバイザリーサービスを提供している企業です。これらのFAS企業は、幅広い業務に対応するBIG4系FASとは対照的に、特定の業界や専門領域に特化していることが特徴です。

独立系・ブティックFASは、中小・ベンチャー企業などを中心に、一気通貫のコンサルティングを提供しやすい体制になっています。また、クライアント企業と直接的な関係を築きながら、サービスを提供する点に重きを置いています。

FASの仕事内容

FASの仕事内容は主に企業に対し、財務に関する戦略的な支援やアドバイスを行うことです。ここでは、FASの仕事内容をより具体的に紹介して、業務のイメージをより具体的にしていきます。

1. M&Aアドバイザリー

M&Aアドバイザリーは、FASで最もニーズが高く、また案件数が多い業務です。企業の合併や買収に関する戦略立案や、投資先の価値リスクなどの調査、交渉支援を行います。財務面の評価やリスク分析を通じて、クライアント企業のM&A活動を成功に導く役割を果たします。また、買収までの支援に留まらず、買収後にクライアント企業の既存事業と買収した事業がどの様に相乗効果を出していくか等の統合支援も行っていきます。

2. 企業・事業再生支援

企業・事業再生支援では、経営危機に直面する企業の現状分析や改革策の提案、資金調達の支援などを行います。M&Aアドバイザリーの業務に次いで案件が多く、企業や事業再生支援の場合は、会社が危機的な状況のため、かなり迅速な対応が求められます。

一般的には早期退職者を募り、役員報酬をカットするなどして、財務改善や組織再編などをアドバイスします。企業にとって無駄なコストや支出を小さくし、企業の持続的な成長をサポートしていきます。

3. 経営戦略・高度化

経営戦略・高度化では、企業の長期的な成長戦略の策定や業績向上のために、財務知識を活用し、経営戦略や事業の高度化のための必要なアドバイスを行います。

クライアント企業が行っている各事業の収益分析や市場分析を行った上での競争戦略の立案や見直しなどを行います。また、ITやグローバル化に対応できるように、海外案件や海外支部のマネジメントにも対応しています。これらのアドバイスは一時的な改善ではなく、持続可能な成長戦略を意識して行われ、企業価値の継続的向上に貢献しています。

4. フォレンジック

フォレンジックは、不正行為の調査や証拠収集、訴訟サポートなどを行うサービスです。主に取引データや記録を分析し、不正行為や不審なパターンを特定していきます。

フォレンジックの手法には、データの復元、不正行為の証拠の特定、盗聴やハッキングの調査、不正な口座やトランザクションの追跡などが含まれています。FASのフォレンジックは、企業や金融機関における不正行為の早期発見や防止に役立ち、信頼性の高い財務情報を保護するために重要な役割を果たしています。

FASの魅力

ここまでFASの業界や業務の内容について解説をしていきました。ここではFASに転職するにあたって、魅力となるポイントについて紹介していきます。

年収が高い

FAS業界は高収入が魅力の一つです。クライアントの重要な課題に取り組むことで、高い報酬を得ることができます。Big4系ともなると、FASの中でも知名度や事業規模ともにトップクラスを誇ります。各社の平均年収はおよそ1,000万円がベースとなっています。

独立系FASだと、少数精鋭で一人当たりの利益率が非常に高い場合があります。中には平均年収が約2000万円以上を超える企業も存在します。

やりがいを感じられる

FASはクライアントの成長や企業再生に貢献することができるため、やりがいを感じられます。

また、通常の会社員では触れることがない経営や財務に深く関わるため、コンサルに成功した場合の達成感は大きいものがあります。プロジェクトをチームで実行することも多く、一つの目標を目指す仲間で仕事を成功させる喜びも味わえます。加えてFASでは幅広い業種の案件に対応していくため、視野が広がるのも大きな魅力の一つです。

ファイナンス職のキャリアパスにも最適

FASの経験はファイナンス職のキャリアパスにおいても有利です。幅広い業務経験や専門知識を身につけることで、将来的な管理職や専門家としてのポジションに進むことができます。FASの経験は財務分析、戦略企画、投資バンキングなど、様々なファイナンス関連の職種で活かすことができます。

また、FAS業界は国内外のクライアントとの関わりがあり、グローバルなビジネス環境に身を置く機会も得られます。

FASの採用動向

FAS業界の採用動向は活発であり、M&A案件増加と比例するようにニーズが増えている状況です。特に大手監査法人のFAS部門や優良な独立系・ブティックFAS企業からの求人が増えています。

BIG4系FASは年間で会社規模の2~3割程度を中途採用で採用しており、未経験での転職市場でも今が絶好のチャンスと言えます。

また、グローバルな視野や幅広い業務経験を持つ人材が求められており、採用プロセスでは経験やスキルに加え、個人のポテンシャルや適応力も重視されています。

FASに求められるスキル・能力

採用市場でも人気が上昇傾向にあるFASですが、仕事自体は非常に難易度が高いと言えます。転職の際には求められるスキルや能力を把握する必要があります。ここではFASへの転職の際に求められる能力について紹介します。

財務会計分析能力

FASの仕事が求められるのは、その膨大な知識の裏付けのもと的確な課題解決を行っているからです。そのため、財務データを的確に分析し、クライアントの財務状態を評価する能力が求められます。財務諸表の読解や財務指標の解釈、数値モデリングなどのスキルが重要です。

そのため、転職の際には、財務に詳しい米国公認会計士(USCPA)や公認会計士資格保有者が重宝されます。

M&A関連知識

M&A業務においては、M&Aプロセスや法律・税務上の知識が必要です。企業の評価方法やデューディリジェンスの手法について理解しており、M&Aに関するトレンドや市場動向にも精通していることが求められます。

面接での質問もM&Aに関連する質問が多く出るため、M&A経験者が歓迎される傾向にあります。M&A未経験者であれば、自分で学び事前に答えられるように準備する必要があるでしょう。

コンサルティング経験

コンサルティング経験はFAS業務において役立つスキルです。何故なら、コンサルティングもFASもクライアント企業の課題を解決するという点で共通する部分が多いからです。クライアントとのコミュニケーション能力やプロジェクトマネジメント能力、問題解決能力などを持ち合わせていることが重要です。

また、コンサルティングの中でも財務や経営に関わるコンサルティングの経験があれば、非常に転職に有利になります。

高いコミュニケーション能力

FASではクライアントとの関係構築や報告書作成、プレゼンテーションなど、円滑なコミュニケーションが求められます。そのため、明確かつ適切なコミュニケーションスキルが重要です。

FASでは、企業の代表者、取締役など企業中枢の人間や、財務関係の課題を解決するという業務の性質上、投資銀行・法律事務所・戦略系コンサルティングファームなどとのやり取りも発生します。

その際に、高い交渉能力を発揮出来るかなど、通常の営業や事務より高次のコミュニケーション力が必須です。

リーダーシップ

FASではプロジェクトチームのリーダーシップを取ることがあります。他のメンバーを指導し、タスクを効果的に管理する能力が求められます。自己管理能力やチームビルディングのスキルも重要です。

また、より高次のレベルになると、会社経営に関わる部分でリーダーシップを求められる場合もあります。

チームでの業務になることも多いため、周りと強調し、ある時は説得して引っ張るなど多様なマネジメントスキルが必要になるでしょう。

未経験からFASへの転職を成功させるには

経営や財務に関わるFASはそれだけ求められるものも多く、レベルの高い転職先になります。では、実際に未経験からFASへの転職を成功させるには、どう動いていけばいいのでしょうか。

FASに関連する業界での経験を積む

FAS業界に転職する際には、まずはFASに関連する業界で経験を積むことが重要です。未経験者でも転職が可能ではありますが、何も知識がない人では勝負になりません。

たとえば、会計・監査業界や投資銀行、コンサルティングなどで財務や戦略に関する業務を経験することで、FASに求められるスキルや知識を身につけることができます。現時点で全く知識も経験もなければ、まずは段階的にキャリアアップすることが大切です。

独立系・中小のFASを狙う

未経験からFASへの転職を成功させるためには、独立系や中小のFAS企業を狙うのも一つの方法です。これらの企業では、経験よりも意欲や成長ポテンシャルを重視することがあり、未経験者が転職するにはねらい目の一つとなっています。

規模の大きいBig4系とは違い、独立系・中小FASは仕事を選ばない傾向にあり、多種多様な人を求めています。そのため未経験者にも転職の可能性があります。

入社後も小規模な環境で多岐にわたる業務に携わることで、幅広いスキルを短期で身につけるチャンスがあります。

関連する資格・スキルを取得する

FAS業界への転職を支援するためには、関連する資格やスキルを取得することも有効です。米国公認会計士(USCPA)公認会計士や税理士など、業界で認められた資格を取得することで、自己アピールの材料になります。他にも簿記2~1級、経理・財務部での経験があれば評価の対象になります。また、近年ニーズが高まっている財務分析やM&A関連の知識を独自に学ぶことも重要です。

その他、海外とのやり取りも発生する可能性があるため、財務関連の知識に加えて、TOEICなどの英語の資格も持つと更に良いでしょう。

FASのネクストキャリア

FASでの経験は、将来のキャリアにおいても有益です。一方でFASに勤務するのは30代前半までという人も多いため、ネクストキャリアは早めに考えて行動しておきましょう。FASでの経験は、事業会社の幹部や顧問、M&A事業部へのキャリアパスを切り拓くために役立ちます。

また、FAS業界のグローバルな環境での経験は国際的なキャリアにもつながる可能性があります。将来の展望を見据えてFASでの経験を活かしていくことで、次なるキャリアを築くことができます。

FASへの転職はニーズの高い今が好機

FASへの転職はキャリアの段階を踏んだり、独立系・中小FASを狙うなど工夫をすれば未経験者でも転職が可能です。

そのために、今の自分は資格の取得が必要なのか、それとも段階を踏んだキャリア形成が必要なのか考えて明日から行動に移していくと転職の成功率が高まるかもしれません。

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