目次
※時間がない方へ・・記事を読む時間が無い方でバックオフィス系の転職を検討中の方は、まずは「WARCエージェント」に無料登録してみましょう
財務部の主な仕事内容とは
財務の仕事は、会社がこれから使うためのお金を扱うことです。企業の資金繰りや予算の管理を行います。 より具体的な仕事内容としては次のことが挙げられます。
【財務の主な仕事内容】
- 財務戦略を練る
- 予算や資金の管理
- 資金の調達
- 資金の運用
「戦略」「予算」「資金」など、どれも「これから使うためのお金」に深くかかわります。
それぞれの仕事内容について、具体的に解説していきます。
※時間がない方へ・・記事が読む時間が無い方でバックオフィス関連(経理・人事・法務など)の転職を検討中の方は、まずは「SYNCA(シンカ)」に無料登録してみましょう!
財務戦略を練る
「財務戦略」とは、経営目標を達成するための資金を、どこからどのように集めて、どのように使うのかという計画です。
財務戦略の立案は企業価値の向上にかかわる重要な業務です。選択を誤ると資金不足に陥り、成長が阻害されてしまいます。また財務面の問題があると、信用が落ち企業価値が低くなります。その結果、銀行からの融資が受けられなくなる、株価が下落する、株式・社債が売れなくなるといったことが起こってしまいます。
戦略を練るときは、まず財務諸表などのデータを分析します。そのデータをもとに俯瞰的に資金の調達や運用の計画を決めていきます。データの分析には、貸借対照表や損益計算書など財務諸表の数字を読み解く知識が必要です。財務諸表を読み解くための手法は財務分析と呼ばれ、次のような種類があります。
- 収益性分析
- 安全性分析
- 生産性分析
- 成長性分析
これらの分析方法を活用して財務戦略を立案します。
予算や資金の管理
予算や資金の管理も重要な仕事です。各部署に予算を配分し、配分した後も予算が適切に使われているか、資金不足になっていないかを確認します。場合によっては追加で資金を調達することもあります。
途中で予算不足になれば、事業が行えなくなります。また支払いができなくなれば信用が失墜し、場合によっては倒産することもあります。
管理する予算には、大きく分けて次の4つがあります。
【予算・資金管理】
- 売上予算:売上目標と同じ。市場や為替に左右される業種では、定期的に見直して調整
- 原価予算:原材料や仕入れなどの原価。生産計画と連動。売上によって変動するため、見直しや調整が必要
- 経費予算:企業活動を行う上で必要となる費用。人件費や事務所の賃貸料、光熱費など
- 利益予算:売上から原価と経費を差し引いた予算。売上・経費・原価の3点から管理
これらの管理には、会計の知識や、俯瞰してものを見る力が必要となります。
資金の調達
財務部の業務の1つとして、運転資金や事業拡大・新規事業などに必要な資金を外部から調達することがあります。
調達がうまくいかないと、新規事業の計画が実行できなくなったり、場合によっては運転資金が不足してしまうこともあります。そのようなことがないように、銀行からの融資や株式・社債の発行などによって調達します。それに伴う書類の作成や銀行・投資家に対する交渉も業務の一環です。
交渉力や折衝力などのほか、銀行や投資家との良好な関係づくりも重要です。コミュニケーションの知識やスキルが必要となります。そのほか調達元のバランスや金額が適切かを判断する分析力や判断力も必要です。
資金の運用
資金の運用も財務の業務の1つです。会社の資産のうち運転資金に使う必要のない余剰資金を運用して、利益に貢献します。資産運用で利益を増やすことができると、企業価値を高めるのに役立ちます。
運用の手段としては、M&Aによる企業の買収・合併、有価証券や土地・建物への投資などが挙げられます。そのため、市場や商品価値を判断して投資で利益を上げるための知識が求められます。M&Aでは、決算書を理解する知識と、会社法などの法律などの知識が必要です。
IRや監査対応
IRや監査対応は、企業が外部に対して情報開示やコミュニケーションを行うことを指しています。例えば、決算発表や株主総会などで株主や投資家への説明や回答を行ったり、内部監査や外部監査への協力を行ったりします。
財務と経理の違いは?
経理・財務・会計はいずれもお金を扱うため混同されやすい部署ですが、仕事内容や役割が違います。それぞれの大まかな特徴は次の通りです。
- 財務:未来の会計
- 経理:過去の会計
- 会計:お金の出入りを帳簿する業務(経理を含む)
財務はこれから会社が使う資金の調達と管理が主な業務です。
それに対して経理と会計では、過去に使ったお金や現在使っているお金の流れを管理します。経理は「経営管理」の略であり、会計業務の一部です。会計は、お金の出入りを帳簿にまとめる業務です。また会計はお金の管理のほか、物品のやり取りなどの管理を含みます。お金の管理だけを指すのが経理だと言えます。
このように、経理・財務・会計には仕事内容の違いがあります。過去のお金を扱う会計・経理よりも未来のお金を扱う財務の方が上位に見られることもありますが、財務の仕事は会計や経理がまとめたデータあってこそのもの。それぞれの業務は深く結びついています。
参考:経理部の仕事内容とは|経理になるには?転職や就職に有利な資格を紹介!
財務部のやりがい
財務部は会社の中でもエリートが集まる部署と言われます。それには理由があります。
財務部は、お金を扱うという重責があります。とくにこれから必要となるお金を調達するのは、企業活動にとって重要な業務です。そしてそれをこなすためには、高い能力が求められます。そのほか企業判断にも大きく関わり、経営陣とも近い部署です。これらの理由でエリートと言われるのですが、中には責任の重さからきついと感じる人がいるかもしれません。
責任が重い分、やりがいも大きいでしょう。経営陣の意思決定に重要な役割を果たすことができます。また自社の業績向上に関わっていると実感することもできます。専門的な面も強いですが、仕事内容が多様性に富んでおり、刺激も多い部署だと言えます。
財務部に転職するメリット
次に財務部へ転職するメリットを考えてみましょう。
経営戦略に関われる
財務部門は、会社の収益や資金繰り、投資や資金調達など、経営に直結する重要な業務を担っています。そのため、財務部門は経営陣と密接に連携し、経営戦略の立案や実行に関わることができます。財務への転職は、会社のビジョンや方向性を理解し、影響力を持って働きたい方にとって魅力的なキャリアです。
専門性が高く市場価値が高い
財務部門は、会計や税務、法律などの知識やスキルが必要な専門的な業務です。また、国際的な取引や規制に対応するために英語力やグローバルな視点も求められます。そのため、財務部門では高度な専門性を身につけることができます。このような専門性は市場価値が高く、他の部署や企業への移動も比較的容易です。
幅広い業界や企業で活躍できる
財務はどんな業界や企業でも必要とされる基幹的な機能です。そのため、財務への転職は自分の興味や適性に合った分野で働くことができます。また、財務部門ではさまざまな事業やプロジェクトに関わる機会が多くあります。これは自分の知識や経験を広げるだけでなく、ネットワークを築くことも可能です。
財務部に転職するデメリット
メリットの次はデメリットも考えてみましょう。
繁忙期や決算期は残業が多くなる可能性がある
財務は会社の収益や資金繰り、投資や資金調達など、経営に直結する重要な業務を担っています。そのため、繁忙期や決算期には業務量が増え、残業が多くなる可能性があります。ベンチャー企業ではCFO(最高財務責任者)への転職もあり得ますが、その場合はさらに責任とプレッシャーが大きくなるでしょう。
経営陣からのプレッシャーが強い可能性がある
財務は経営陣と密接に連携し、経営戦略の立案や実行に関われる職種です。その反面、経営陣からのプレッシャーも強い可能性があります。特に不況や競争激化などの厳しい環境下では、収益改善やコスト削減などの対策を求められることも多いでしょう。
経理から財務へのステップアップが難しい
経理と財務は似ているようで異なる業務です。経理は会社の収支や資産を記録や報告することが主な役割ですが、財務は会社の将来の収益や資金繰りを予測や分析することが主な役割です。そのため、経理から財務への転職は、単に数字を扱うだけではなく、戦略的な思考やビジネスセンスが必要になります。また、財務に求められるスキルや知識は企業や業界によって異なることもあります。
財務部の仕事に必要なスキルと資格
財務部で働きたい場合、絶対に必要だという資格はありません。また経験者が優遇されるのは事実ではありますが、未経験であっても財務部に転職することは可能です。
ただし人気の部署なだけに、財務の役割をこなすのに役立つスキルや資格を持っているとほかの希望者と差をつけることができます。具体的には、経理・会計・財務関連の知識や資格を持っていると、転職をはじめ昇給やキャリアアップに有利に働くことが多くあります。
次に、財務部で働きたい人におすすめのスキルと資格をご紹介します。
財務部で働きたい人におすすめのスキル
未経験でも財務部の仕事はできますが、ある程度の知識は蓄えておく必要があります。財務部で働きたい場合、次のスキルを磨いておくことをおすすめします。
財務部で働きたい人におすすめのスキル
- パソコンスキル
- 正確性
- 簿記の知識
- 金融の知識
財務部では、Excelなど表計算ソフトや会計ソフトのスキルは最低限必須です。またお金を扱うので、作業の正確性も大切です。簿記の知識は、決算書を理解するために必須です。転職前から身に付けておくことをおすすめします。金融の知識は資金調達で必要となります。
財務部で働きたい人におすすめの資格
財務部で働きたいなら取っておくといい、目指したい資格をまとめます。なお繰り返しにはなりますが、これらの資格がないと財務の仕事ができないということではありません。
財務部で働きたい人におすすめの資格一覧
- 日商簿記検定
- 公認会計士
- ビジネス会計検定
- FASS検定
- ファイナンシャルプランナー
当然ですが、財務や会計、経理などに関する資格がおすすめです。上記の中では公認会計士は最難関資格の1つでもあり新たに取得するのは大変かもしれませんが、そのほかの資格はある程度勉強すれば取得できます。ただし財務での仕事に役立てたいのなら、級が分かれている資格は低い級に甘んじることなく上位の級を目指しましょう。
参考:FASS検定(経理・財務スキル検定)とは?概要やメリット、転職での活かし方
財務部への転職ならSYNCAがおすすめ
財務部はただでさえ求人数も少なく、少ない求人の中から自分の希望に合った会社を探すのはさらに至難の技です。財務の仕事を希望するなら、求人数の多い転職サイトで仕事を探すことが成功の秘訣となります。
「SYNCA」は、管理部門に特化した転職サイトで、財務部の求人も多く掲載されています。マネージャーの募集から未経験可の財務事務まで、希望に合う財務の仕事が見つかるかもしれません。またさまざまな業種の求人があるため、現職の業種の知識を活かした転職ができる可能性もあります。
まずは以下のリンクから求人の検索結果の一覧だけでもチェックしてみてください。
財務部への転職は未経験でもチャンスあり
財務部の仕事は責任が重い分、待遇もよくやりがいもあります。経理の経験だけではアピールポイントになりにくいのは事実ですが、未経験でも可能性のある職種です。財務職に興味があるならば、会計や金融などの知識やスキルを身に付けてチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
その際は、スキルアップして転職市場での自分の価値を上げると同時に、転職しやすい転職サイトで活動することも大切です。ぜひSYNCAを活用してみてください。