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経営企画採用のコツは?求める経験やスキルを具体化し採用につなげよう

シンカキャリア編集部

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更新日:2024/07/13

経営企画部門は、企業の経営方針を策定し、企業価値を高めるためのプロジェクトを行う重要な部署です。企業成長において重要な役割を担う部署のため、採用時のポイントや未経験者を採用してもよいのかなど、採用活動に悩んでいるという採用担当者は多いのではないでしょうか。本記事では、経営企画採用のコツや求めるスキルなどを解説します。本記事を参考に、応募者のスキル・資格や自社の求める人材像を正確に把握したうえで採用活動を開始しましょう。

目次

経営企画部門は、企業の経営方針を策定し、企業価値を高めるためのプロジェクトを行う重要な部署です。企業成長において重要な役割を担う部署のため、採用時のポイントや未経験者を採用してもよいのかなど、採用活動に悩んでいるという採用担当者は多いのではないでしょうか。

本記事では、経営企画採用のコツや求めるスキルなどを解説します。本記事を参考に、応募者のスキル・資格や自社の求める人材像を正確に把握したうえで採用活動を開始しましょう。

経営企画とは?

経営企画の採用活動を始める前に、まずは経営企画とは何かを把握しましょう。経営企画は主に以下の業務を行います。

  • 企業戦略のポートフォリオ作成
  • ガバナンスの確認

経営企画は自社の企業戦略のポートフォリオ作成を行います。市場調査や社内の組織体制の調査・分析をし、そのデータをもとに企業が成長していくためのビジョンを打ち出していきます。

さまざまな経営課題の解決にも取り組み、生産性向上や業務の効率化なども実施。また、企業の健全な経営を守るためのガバナンスの確認も行うなど、業務内容も高度です。

これらの業務を任せられる人材を見つけるためには、採用担当者自身が経営企画への理解を深める必要があります。まずは、経営企画がどのような業務を行うのかをみてみましょう。

経営企画の役割①企業戦略のポートフォリオ作成

経営企画の業務の一つが企業戦略のポートフォリオ作成です。企業が成長していくために、中長期的な企業戦略を立て、目標達成までの進捗管理を行います。

企業戦略を立てる際には、市場調査や社内の体制の分析が欠かせません。これらのデータをもとに全体的な視点で企業の状況を把握し、事業部門ごとの戦略を立てます。この戦略をもとに事業を進めるため、リサーチ力や分析力のほか、適切な判断力が求められるでしょう。

また、予算の調整も経営企画の重要な業務です。事業ごとの利益計画を策定し、どの事業にどのくらいの予算を割り振るかを決定します。予算計画は会社の経営に大きく関わる業務のため、丁寧な調査や分析をもとにした調整・立案が求められるでしょう。

経営企画の役割②ガバナンスの確認

経営企画はガバナンスの確認も行います。ガバナンスとはビジネスにおいてはコーポレート・ガバナンスと呼ばれ、組織ぐるみの不祥事を防ぐために企業経営を監視する仕組みのことです。

企業が組織ぐるみの不祥事を起こした場合、企業イメージが悪くなり業績悪化にもつながりかねません。また、業績悪化は企業の株主やステークホルダーと呼ばれる利害関係者にも不利益を与える可能性があります。

企業経営の透明性を確保し、株主やステークホルダーの権利を尊重することがコーポレート・ガバナンスの目的です。そのため、適切な情報開示や株主・ステークホルダーへの利益還元に関する業務などを行います。

不祥事を防ぐための行動指針や罰則の策定、監視体制の構築なども行うため、広い視野で物事を捉える力やルール作成能力が求められるでしょう。

経営企画職に求めるスキルは?

経営企画職の採用時のミスマッチや採用活動の長期化を防ぐためには、業務内容から自社が求める人材像をはっきりとイメージすることが大切です。人材像を明確にすると、経営企画職に求めるスキルも把握できます。経営企画職で特に必要なスキルは以下の3つです。

  • 論理的思考力
  • コミュニケーション力
  • 情報収集力

企業の方向性や将来を左右する業務に携わる重要な職のため、ミスのない判断が求められます。そのためには論理的思考力や情報収集スキルが必要です。また、中長期的な計画の立案や達成に向けて周囲に働きかけるためには、コミュニケーション力も欠かせません。

採用担当者は応募者のこれまでの経験や実績から、自社の経営企画職の業務を問題なく遂行できる人材かどうかを見極めましょう。

論理的思考力

経営企画職に求められるスキルの一つが、論理的思考力です。企業の経営方針や企業戦略の立案は、判断ミスをすると企業運営にも支障が出てしまいます。市場調査や自社の経営状況などの膨大なデータを冷静に分析し、自社の抱える経営課題の解決に向けて正確な判断を行わなければなりません。

そのために必要なのは、高い論理的思考力です。論理的思考力がある場合は、各データを客観的な視点で捉え、正確に理解したうえで方針や計画を適切に提案できるでしょう。

また、企業戦略や企業の方針は社員が納得できるものでなければ、会社全体の足並みが揃わず思うように進められない可能性があります。客観的な根拠をもとにした論理的な戦略や方針であれば、会社全体の理解が得やすくなるでしょう。

コミュニケーション力

経営企画職には、高いコミュニケーション力も必要です。経営企画職が企業戦略や自社の課題解決のための方針などを打ち出す際には、自社の状況を正確に把握する必要があります。その際、資料だけではなくさまざまな立場の社員へのヒアリングも欠かせません。

質問力や傾聴力を発揮して社員から本音を聞き出し、それぞれの立場での意見を把握することで、自社の強み・弱みや問題点などが把握できます。それにより、より適切な改善策や方針を打ち出せるでしょう。

また、企業戦略や事業の創造などを進めるためには、関連部署の協力が必要です。経営企画職は各部署や経営陣との架け橋となることが求められます。高いコミュニケーション力があれば、適切な情報共有や調整を行えるでしょう。

たとえば、プロジェクトリーダーや社内外のステークホルダーとの調整、利害調整業務の経験がある人材などであれば、立場の異なる人同士の架け橋としての活躍も期待できるでしょう。

情報収集力

経営企画職は、情報収集力も求められるスキルの一つです。適切な企業戦略や方針を打ち出すためには、膨大なデータから適切な判断を行う必要があります。そのためには、自社の営業データや市場の動向など、分析材料として必要なデータの収集が欠かせません。

必要なデータが揃っていないと、判断ミスの原因にもなってしまいます。物事を俯瞰的に捉え、情報に対するアンテナを常に高く持っている人材であれば情報の収集不足によるミスを防げるでしょう。

コンサルタントやアナリスト、マーケティング職の経験がある人材であれば情報収集力が高い傾向があります。経営企画職未経験者であっても、目的意識を持って情報収集できる人や、幅広いジャンルへの興味関心を持っている人であれば、経営企画職での活躍が期待できるでしょう。

経営企画職に求めるキャリアは?

経営企画職の採用時には、前職でのキャリアを確認することも大切です。経営企画職は企業規模によってはそもそも部署として設けていないケースもあり、経験者からの応募が少ない可能性があります。

そのため、経営企画職の経験者だけに絞っていると採用活動が長期化してしまいかねません。経営企画に活かせる経験・キャリアを持っていれば、未経験であっても経営企画に採用しても力を発揮できるでしょう。続いて、経営企画に活かせる経験・キャリアを解説します。

海外勤務経験者

海外への進出を考えている場合、海外勤務経験者が経営企画職として活躍できるでしょう。海外進出やグローバル展開を考えている場合、当然ながら取引先と外国語でやりとりしなければなりません。また、経営企画職では海外市場の動向調査や、現地社員とのコミュニケーションなども円滑に行える語学力が必要です。

海外勤務の経験がある場合、海外との取引に必要な語学力を身につけているだけではなく、海外でビジネスを行うためのノウハウも身につけています。経営企画未経験であっても、採用後には高い語学力とグローバルな視点を活かし、海外の取引先との折衝や関係構築など即戦力としての活躍が期待できるでしょう。

なお、選考時にはどの程度の英語力を求めるかをあらかじめ決めておくことが大切です。

大手外資系コンサルティングファーム出身者

大手外資系コンサルティングファーム出身者も、経営企画職での活躍が期待できる人材です。コンサルティングファーム出身者の場合、前職でさまざまな企業を相手に経営や企業戦略のコンサルティング経験を積んでいます。

企業規模や状況にあわせた企業戦略を立案し、確実に実行していくノウハウを身につけているでしょう。特に大手外資系コンサルティングファーム出身者の場合は、スピード感や高い処理能力を身につけていると期待できます。

ただし、コンサルティングファームと一口にいっても、企業戦略に力を入れている場合や、財務関係を得意としている場合などさまざまです。応募者が経験してきた分野が自社が求めるものとは異なるケースもあるため、選考時にはこれまでの実績とあわせてどのような分野に取り組んできたのかも確認しましょう。

マーケティング職経験者

マーケティング職経験者も経営企画職としての活躍が期待できます。マーケティング職は、市場を理解し、事業を成長させるための的確なマーケティング戦略の立案や実行を行う職種です。

マーケティング戦略立案時には市場調査やデータの分析などを行うため、情報収集力や論理的思考力が必要です。さらに戦略を実行していくためには、社内の関係部署や取引先などとの調整も行うため、コミュニケーション力も求められます。

そのため、マーケティング職経験者であれば、経営企画職に求められるスキルを身につけていると期待できるでしょう。特に、自社の事業に近い分野でのマーケティング経験があれば、これまでのノウハウやスキルを活かして即戦力としての活躍が期待できます。

プロジェクトリーダー経験者

プロジェクトリーダー経験者も経営企画職としての活躍が期待できる人材です。プロジェクトリーダーを経験している場合、プロジェクト成功のためにプロジェクトの進行管理やメンバーのとりまとめなどの経験を積んでいます。

経営企画職は企業を成長させるというプロジェクトのとりまとめ役ともいえる存在であり、会社全体をまとめるリーダーシップが必要です。プロジェクトリーダーとして大小のプロジェクトを率いたことがあれば、経営企画職でもその経験を活かした活躍が期待できます。

選考時には経験や実績を確認することが大切です。どのような規模のプロジェクトを担当していたかや、プロジェクトの結果などを確認しておくと、リーダーとしての力量が把握しやすいでしょう。

経営企画職に求める資格は?

経営企画職を採用する際には、書類選考で所有する資格を確認しましょう。資格は応募者のスキルを客観的に証明するものです。経営企画職になるために必須の資格はありませんが、所有していれば経営企画職で活かせる知見を有していると考えられるため、採用後も即戦力として期待できるでしょう。

ただし、資格によって確認できるスキルは異なるため、自社の求めるスキルにあわせた資格を有しているかを確認することが大切です。続いて、経営企画職の求職者に求める資格を解説します。

MBA(経営学修士)

MBA(経営学修士)は、会社経営に関する問題点を解決に導くための知識の習得を示す学位です。海外では社会人を対象としたビジネススクールで授与される資格であり、日本では大学院や専門職大学院での修士課程を修了すると授与されます。働きながら取得できる資格であり、キャリアアップのために取得している人も多い資格です。

MBA(経営学修士)は、経営戦略やマーケティングなどの幅広い経営スキルを身につけている証明になります。データ分析や財務分析など、ビジネスの現場で活用できるスキルを身につけているため、採用後も即戦力として活躍が期待できるでしょう。

FP&A(経営企画スキル検定)

FP&A(経営企画スキル検定)はファイナンシャルプランニング&アナリシスを略した資格です。業務管理および財務計画の立案などを行う職種や業務を指し、企業の財務状況を分析して経営方針や経営計画を立案したり、収益モデルを構築したりといった業務を行います。

FP&A(経営企画スキル検定)はこれらの業務を行うスキルを証明するための資格です。経営企画職の業務のなかでも、特に財務関係での活躍が期待できるでしょう。

また、FP&Aの業務を行うには会計管理への知識のほか、ビジネス英語のスキルや高いコミュニケーション力も必要です。FP&Aとしての業務経験がある場合、経営企画職にも必要なスキルも身につけていると考えられます。

中小企業診断士

中小企業診断士は、中小企業が抱える経営課題に対するコンサルティングを行うための資格です。経営コンサルタントとしての国家資格であり、専門的な知識をもとに現状を踏まえたうえでの企業の成長戦略のアドバイスを行います。経済学、財務、経営政策などの知識を有している証明となる資格であり、経営に関する幅広い視野を活かしたアドバイスが期待できるでしょう。

自社の経営課題を的確に分析し、成長していくために必要な戦略の立案・実施を任せられるでしょう。また、中小企業と行政や金融機関をつなぐパイプ役としての活躍する力もあると考えられます。

USCPA(米国公認会計士)

USCPA(米国公認会計士)は国際的な会計基準や英語力のスキルがあることを証明できる資格です。海外と日本では会計基準が異なっているため、海外進出やグローバル展開を行ううえでは、国際的な会計基準への対応が欠かせません。USCPAは国際的な会計基準に関する知識を問う資格であり、アメリカをはじめとする世界で高く評価されている国際的なビジネス資格です。

USCPAを取得するには、会計の知識以外にも財務計画の立案や業務管理なども行うための知識やスキルも必要になります。また、監査に関する知識も有している証明になるため、上場企業や上場を目指すベンチャー企業などでの活躍も考えられるでしょう。

情報処理技能検定士

情報処理技能検定士の資格は、高いエクセルスキルを証明する資格です。経営企画職は財務計画の立案や予算管理などの数字に関わる業務も担当するため、関連データや書類をまとめるためにエクセルを用いる場面が多くあります。

情報処理技能検定士を取得している場合、エクセルの基本機能だけではなく、データ管理のために必要な高度な表計算やデータ処理なども問題なく行えるという判断が可能です。高いエクセルスキルを有していれば、データ処理や整理などの事務的作業に手間取ることなく、戦略立案や分析などの業務にスムーズに取り組めるでしょう。

TOEIC・TOEFL

英語力を示すTOEICやTOEFLも経営企画職の採用時にチェックしておきたい資格です。どちらも国際的な資格であり、点数によってビジネス英語の実力が分かります。海外進出やグローバル展開を行うには英語が欠かせません。それぞれの試験の点数を見れば、自社の求める英語力を有しているかを判断できるでしょう。

TOEICの場合、海外でのビジネスを行うには800点以上が必要といわれています。また、TOEFLであれば総合的な英語力をはかるiBTで70点〜90点ほどであれば経営企画職として活躍できる英語力があると考えられるでしょう。

なお、TOEICやTOEFLは試験の種類によって試験内容や合計点が異なるため、選考時にはあらかじめどの試験を基準にするかを決めておく必要があります。

コツをおさえて経営企画職の採用を成功させよう

経営企画職は企業が成長していくための企業戦略の立案・実施やガバナンスの確認など、企業の経営をサポートする重要な役割を担う職種です。企業の将来を左右することもあるため、採用時には求めるスキルやキャリアなどの人材像を明確にし、慎重に採用活動を行う必要があります。

自社にあった人材がなかなか見つからず、経営企画職の採用活動に悩んでいる方はWARC AGENTの利用がおすすめです。WARC AGENTはハイクラス人材紹介サービスのため、経営企画職で活躍できるスキルやキャリアを持つ人材の採用がスムーズに行えるでしょう。

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