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公認会計士の試験内容について徹底解説!合格するための3つのポイント

シンカキャリア編集部

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更新日:2024/07/11

公認会計士試験にチャレンジしようとする場合、試験内容や合格のポイントを知っておきたいと考える人は多そうです。公認会計士は難しい資格として知られていますが、攻略方法を押さえて学習すると合格の可能性が高まるでしょう。この記事では、公認会計士の試験内容や合格への3つのポイントを解説します。

目次

公認会計士試験にチャレンジしようとする場合、試験内容や合格のポイントを知っておきたいと考える人は多そうです。公認会計士は難しい資格として知られていますが、攻略方法を押さえて学習すると合格の可能性が高まるでしょう。

この記事では、公認会計士の試験内容や合格への3つのポイントを解説します。

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公認会計士試験の概要

公認会計士を受験するにあたって、まずは試験の概要が気になるところです。問題の出方やテストのスケジュールから、試験の全体像を把握しましょう。

短答式試験と論文式試験がある

公認会計士の試験は短答式試験と論文式試験の2段階です。ここでは、それぞれの試験に関する詳しい内容を解説します。

短答式試験

短答式試験とは、公認会計士の基礎知識をマークシート形式で問うテストです。会計や企業法にまつわる内容が4科目出題されるので、それぞれの内容をまんべんなく勉強し試験に臨みます。短答式試験は年に2回、5月と12月に行われるため、一度不合格になっても半年後に再受験が可能です。一年のうちに2度チャンスがあるので、自身の転職スケジュールに合わせての受験ができるでしょう。

論文式試験

短答式試験に受かったら、次は毎年8月に行われる論文式試験への合格を目指します。短答式試験のマークシート形式とは異なり、各科目への理解度を文章で測るテストです。複数の科目を3日間に渡って受験し、11月の合格発表に名前が載っていれば公認会計士への一歩を踏み出せます。仮に論文式試験が不合格だった場合でも、申請すれば2年間は短答式試験の免除が可能です。

受験資格

公認会計士はほかの難関試験とは異なり、学歴に関係なく誰でもチャレンジできる国家資格です。ほかの難関資格である医師や弁護士になるには専門大学を卒業しなければなりませんが、公認会計士の受験に学歴は関係ありません。高卒者や大学在学中の取得を目指す人もいると言われるほど、幅広い層が受験できる資格です。会計や経理経験者が次のキャリアを目指す際に、公認会計士の取得を考えるケースも多いでしょう。

試験日程

短答式試験は毎年5月と12月、論文式試験は8月下旬の3日間に渡り実施されます。短答式試験は年に2回行われるため、どちらかに合格すれば論文式試験の受験が可能です。論文式試験は短答式試験の合格者のみが受験でき、毎年8月下旬の土・日・月曜日にテストが開催されます。試験は全国10カ所以上で開催されるため、あらかじめ日程と会場を把握した上で受験に挑みましょう。

公認会計士試験の勉強時間の目安

公認会計士試験に合格するための勉強時間は、おおよそ2,500〜4,000時間ほどです。膨大な学習ボリュームとなるため、何年で合格したいかを決めてから必要な勉強時間を計算で求めましょう。公認会計士に1年で合格したい場合は年間で2,500〜3,000時間、日単位で7時間〜8時間半ほどの勉強量が必要です。公認会計士に2年以上かけて合格する場合は年間で最低4000時間、日単位で休日も全て含めて毎日5時間半の勉強量が求められます。

公認会計士試験の難易度と合格率

公認会計士は難しい資格と言われていますが、どれほどの難易度なのか知らない人は多そうです。試験制度やテストの採点基準が、合格率にどれだけ反映しているかを知りましょう。

難易度

公認会計士は医師や弁護士と並ぶ難関試験とされており、出題の難易度が非常に高い資格です。難易度の高さは既述の勉強時間のボリュームだけでなく、テストの合格制度も関係しています。公認会計士試験は、短答式試験・論文式試験それぞれのテストで一度に全ての科目に合格しなければなりません。また、全体の60〜70%の得点で各試験に合格できますが、正答率が40%未満の科目が含まれる場合不合格となる可能性があるので注意が必要です。

合格率

公認会計士・監査審査会(※1)によると、令和4年公認会計士試験の論文式試験の合格率は7.7%でした。論文式試験の受験者4,067名のうち、1,456名が合格したことになります。例年の合格率は全体の7〜11%ほどであり、試験のパス率の低さからも難易度の高さが伺えるでしょう。また、試験は相対評価のため、点数での合格ラインが明確にあるわけではありません。例年の合格点数を取れたとしても、今年は不合格になる可能性があるため最後まで気を緩めずに勉強する必要があります。

(※1)参考:公認会計士・監査審査会「令和4年公認会計士試験の合格発表の概要について」

公認会計士試験5つの必須科目

公認会計士試験には、全ての受験者が必ず受ける5つの必須科目があります。それぞれどのような出題内容でどれほどの学習時間が必要なのか、チェックしましょう。

必須科目1:財務会計論(短答式・論文式)

財務会計論における出題内容や、合格に必要な学習時間は以下の通りです。

学習時間の目安

短答式 600時間
論文式 250時間

出題範囲

簿記・財務諸表論・会計に関する理論

財務会計論は出題範囲が広く、合格に必要な学習時間は最も多めに設定されています。財務会計論は、公認会計士になる上で必須な簿記や財務諸表論についての内容がメインであるためです。計算問題と理論問題のどちらも試験範囲ですが、中でも簿記2級レベルの出題は全体の30%以上を占めます。財務会計論全体の重要な得点源となるので、簿記2級の内容を優先して進めながらほかの科目を反復学習する方法が効果的でしょう。

必須科目2:管理会計論(短答式・論文式)

管理会計論におけるおける出題内容や、合格に必要な学習時間は以下の通りです。

学習時間の目安

短答式 300時間
論文式 200時間

出題範囲

原価計算・管理会計

管理会計論は財務会計論同様、原価計算や管理会計など簿記2級の範囲が出題されます。財務会計論の学習が進むにつれ、管理会計論で出される問題の理解も捗るでしょう。中でも、原価管理基準は出題数が多く、得点に繋がりやすいため重点的な勉強がおすすめです。論文式試験での出題は短答式試験の内容と大きく変わりないので、文章での回答の仕方を覚えておくと良いでしょう。短答式試験を突破した人なら、論文式試験も問題なくクリアできると考えられます。

必須科目3:監査論(短答式・論文式)

監査論における出題内容や、合格に必要な学習時間は以下の通りです。

学習時間の目安

短答式 200時間
論文式 200時間

出題範囲

財務諸表監査・中間監査・四半期レビューや内部統制監査の理論、制度及び実務

監査論は理論問題のみの出題であるため、公認会計士試験の中でもボリュームが少ない科目と言われています。問題集や模試を繰り返し解き、よく出る出題形式は確実に点数に繋げられるようにしましょう。短答式試験で監査論の基礎ができている人は、論文式試験でもそこまで苦労せず突破できます。試験対策では知識のおさらいはもちろん、文章の書き方に慣れるような勉強がおすすめです。

必須科目4:企業法(短答式・論文式)

企業法における出題内容や、合格に必要な学習時間は以下の通りです。

学習時間の目安

短答式 400時間
論文式 300時間

出題範囲

会社法・商法・金融商品取引法・監査を受けるべきこととされている組合その他の組織に関する法

企業法は公認会計士の中でも範囲が広い上、短答式試験ではボリュームが最も多いと言われています。全体像の把握までが大変であるものの、知識問題がメインなので慣れると点数が安定する科目です。模試や問題集を繰り返し解き、苦手な部分が見えてきたら集中的に反復練習しましょう。また、論文式試験の出題内容は短答式試験と異なるため、本番前に集中的な対策が必要です。

必須科目5:租税法(論文式)

租税法における出題内容や、合格に必要な学習時間は以下の通りです。

学習時間の目安

論文式 400時間

出題範囲

租税法総論及び法人税法、所得税法などの租税実体法

租税法は論文式試験だけで出題される科目で、計算問題と理論問題どちらも問われます。論文式試験の中では最もボリュームのある科目なので、学習時間は多めに確保しましょう。法人税法や所得税法、消費税法などは、問題集の繰り返しで力をつけていきます。

公認会計士試験4つの選択科目

公認会計士試験には選択科目があり、4つのうち1つを受験者が自由に選んで回答できます。得意な科目を選べるため、自分に合いそうな分野を見つけて高得点を狙いましょう。

選択科目1:経営学

経営学における出題内容や、合格に必要な学習時間は以下の通りです。

学習時間の目安

論文式 200時間

出題範囲

戦略論、組織論、ファイナンス論

経営学の計算問題は、やや複雑な内容ですが過去問題を繰り返し解き傾向を掴めれば得点に繋がります。また、論述問題は暗記物が多いので、知識を頭の中にインプットした分だけ点数を稼げるでしょう。経営学はほかの3科目と比べると学習ボリュームが少なく、選択する受験者が多い分野です。

選択科目2:経済学

経済学における出題内容や、合格に必要な学習時間は以下の通りです。

学習時間の目安

論文式 400時間

出題範囲

マクロ・ミクロ経済

ミクロ経済では企業や個人、マクロ経済では国単位での経済活動の分析が出題されます。計算の学習に力を入れる必要があるため、数学が得意な人には有利な科目といえるでしょう。経営学と比べて合格に必要な勉強時間は長いですが、人によっては高得点を狙えます。

選択科目3:民法

民法における出題内容や、合格に必要な学習時間は以下の通りです。

学習時間の目安

論文式 400時間

出題範囲

民放総則・物件・債権など

ほかの科目と異なり計算や数学的な内容は出題されず、法律をどれだけ覚えられるかがポイントとなります。数字に苦手意識のある人は、暗記に力を振り切り民法を選択してもいいかもしれません。ただし、覚える内容は多く、得点に繋げるには学習時間を費やさなければならないため注意しましょう。

選択科目4:統計学

統計学における出題内容や、合格に必要な学習時間は以下の通りです。

学習時間の目安

論文式 200時間

出題範囲

記述統計、確率、推測統計、相関・回帰分析など

統計学は勉強時間が少なく、学んだことがある人には得点しやすい科目といえます。確率や数値の分析で計算が必要となるため、数字に苦手意識のある人は要注意です。公認会計士の実務にも役立つ内容ですが、ほかの科目との親和性はあまりありません。

公認会計士試験に合格するポイント

公認会計士の学習がいくらかでもスムーズになるような、試験のポイントを知りたい人は多そうです。公認会計士試験で使える制度や試験の攻略方法を知り、効率よく合格を目指しましょう。

自分にあった選択科目を選ぶ

論文式試験の選択科目は、自分に合ったジャンルを選ぶと無駄なく学習に取り組めます。選択科目に必要な勉強時間は、民法か経済学なら400時間ほど、経営学か統計学なら200時間ほどです。好きな科目を選べますが、受験者の8割は学習ボリュームの少ない経営学を選択します。ただし、自身に専門知識があり学習時間をそこまでかけなくても解けそうな科目があれば、自信のある分野を選ぶのがおすすめです。

免除制度を活用する

公認会計士試験には科目ごとの免除制度があり、積極的に活用すると空き時間をほかの分野の学習に費やすことができます。免除となる可能性のある要件は、以下の通りです。

  • 大学教授
  • 博士学位取得者
  • 司法修習生となる資格を得た者
  • 税理士などの一定の専門資格者
  • 企業などにおける実務経験者
  • 専門職大学院の修士(専門職)の学位修得者

上記の中でも、商学や司法に関する一定の能力がある場合は科目免除の対象となる可能性があります。ただし、上記の要件を満たせば必ず免除になるわけではなく、事務局での審査を通過しなければなりません。書類の調達や申請が必要となるので、免除の可能性がありそうな人はあらかじめ準備しておきましょう。

実務で試験勉強の理解を深める

公認会計士との関連が深い職種に就き、働きながら試験勉強の理解を深める方法もあります。試験勉強はテキストに向かっての学習がメインになりがちですが、知識を効率的に身につけるには実践しながら覚えるのが一番です。財務や会計、会計士の補助など、試験内容に近いジャンルで働くとテキストの内容がよく身につきます。公認会計士へ順調にステップアップするためにも、関連性のある職種への異動や転職がおすすめです。

公認会計士合格のポイントは効率化

公認会計士試験は出題のボリュームが多く、いかに効率よく知識を取り込めるかがポイントとなります。社会人が学習に費やせる時間は限られているので、選択科目選びや実務での知識定着により最小限の労力で合格を目指しましょう。

また、仕事が忙しくて公認会計士試験の学習時間を取れない人には、転職サイトSYNCAの利用がおすすめです。会計分野に近い部署へ転職すると、勉強効率がより高まるでしょう。

参考:公認会計士とは?|資格を取得する方法や仕事内容、年収・やりがい・将来について解説

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