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公認会計士はやめとけって本当?後悔しないために知っておくべきこととは

シンカキャリア編集部

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更新日:2024/07/11

年収が高く華やかなイメージから公認会計士に興味を持ったけれど「公認会計士はやめとけ」と耳にした方も多いのではないでしょうか。三大国家資格の中に含まれている公認会計士ですが、本当にやめておいた方がよいのかという疑問が生まれてきます。本記事では、公認会計士に向いている人・やめとけといわれる理由・公認会計士の今後について解説していきます。本記事の内容をもとに、公認会計士を詳しく知ってデメリットまで理解したうえで、公認会計士の転職を考えましょう。

目次

年収が高く華やかなイメージから公認会計士に興味を持ったけれど「公認会計士はやめとけ」と耳にした方も多いのではないでしょうか。

三大国家資格の中に含まれている公認会計士ですが、本当にやめておいた方がよいのかという疑問が生まれてきます。本記事では、公認会計士に向いている人・やめとけといわれる理由・公認会計士の今後について解説していきます。

本記事の内容をもとに、公認会計士を詳しく知ってデメリットまで理解したうえで、公認会計士の転職を考えましょう。

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公認会計士とは?

まずは、公認会計士がどのような職業なのかを確認しましょう。

公認会計士とは、監査・会計のスペシャリストです。経済システムの正常性を保持し、人々が安心して経済活動を行えるように、「企業の財務情報の信頼性を保証する」という社会的責務を担う職業です独占業務である「監査」を行うほか、税務処理やコンサルティングなどを行う場合もあります

お金の流れがあるところには必ず会計があり、会計があるところには必ず監査があります。公認会計士は経済社会のあらゆるシーンで活躍の機会に事欠かない職業であり、その能力の応用範囲の広さも魅力です。活躍の場が広い分、監査業務や株式公開支援・ビジネスアドバイザリーとしての活動・独立開業・組織内会計士などの多種多様な働き方を実現できる職業でもあります。

参考:日本公認会計士協会「公認会計士とは」

参考:公認会計士とは?|資格を取得する方法や仕事内容、年収・やりがい・将来について解説

公認会計士はやめとけと言われる5つの理由

公認会計士は会計のスペシャリストとして経済社会に寄与できる魅力的な職業ですが、一方で「公認会計士を目指すのはやめるべき」「公認会計士はオススメできない」といったネガティブな意見も多く散見されるのが事実です。

ここでは公認会計士はやめとけと言われる理由や、公認会計士として実際に仕事を始めた場合の現実について解説します。

①公認会計士試験の難易度が高すぎる

公認会計士がオススメされない理由のうち、最も多いのが試験難易度の高さです

公認会計士は医師・弁護士と並び三大国家資格に挙げられる専門職です。そのため資格試験の難易度も国内最高レベルに高く、受験勉強のあまりの大変さを理由に「公認会計士はやめとけ」と言われることがあります。

実際、2022年度の最終的な合格率は7.7%(1,456人)であり、非常に難関であることが分かります。また、受験に際しては年齢や学歴を問わない一方、短答式試験・論文式試験ともに原則として全ての科目を1度に受験しなければなりません。

そのため複数科目を同時並行で勉強する必要があります。比較的時間の取りやすい学生ならまだしも、仕事と勉強を並行しなければならない会社員にとってはかなりハードなスケジュールになるでしょう。

実際に2022年度の合格者内訳を見ると「学生」および「専修学校・各種学校受講生」が構成比66.1%を占める一方、会社員は6.5%と非常に少なくなっています。

参考元(※1):令和4年公認会計士試験の合格発表の概要について

②仕事が単調な場合もある

公認会計士の業務はどれも責任を伴う重要なものです。しかし一方では、あまりやりがいを感じられない公認会計士も少なくないようです。

公認会計士の仕事にやりがいが無いと感じる理由の中で多いのは「事務作業の単調さ」です。公認会計士の独占業務である財務諸表の監査は、クライアントの財務諸表の誤りをチェックし、その内容を保証する作業です。この事務作業を面白みのない単純作業だと感じる会計士が一定数います。他の業務も基本的にひたすら数字と向き合う仕事であるため、「せっかく努力して公認会計士になったのになんだか地味でつまらない」と思い悩む可能性も考えられます。

マネージャークラスになればより複雑な問題についてクライアントと議論を交わすといった場面も増えるでしょう。しかし、多くの公認会計士は主に事務作業に従事するケースが多いのが実情です。

③監査法人の仕事は激務  

前述のように仕事が単調なだけなら乗り切れるかもしれませんが、会計監査は激務です。

特に監査法人で働いた場合、クライアントである上場企業の多くは3月決算のため、決算期の4・5月頃が激務になることは避けられません。公認会計士がよく「季節労働者」と言われるのはこのためです。この期間は書類チェック等の量が膨大になり、深夜労働や土日出勤が頻繁に発生します。月100時間残業を超えることも珍しくありません。

最近はワーク・ライフ・バランスや36協定遵守の意識が高まり、あまりに遅い時間になるとPCを強制的にシャットアウトさせる等の施策が取られているようですが、繁忙期には目の回る忙しさになることは事実です。反対に8月や11月は閑散期にあたるため、メリハリをつけて働きたい人には向いているでしょう。

④パートナーになるのが難しい

パートナーとは監査法人の共同経営者のことです。監査法人は5名以上の公認会計士が出資して設立される法人であり、パートナーとは監査法人への出資者を指します。平たく言えば法人の役員であり、会計監査責任者です。一般的にパートナーに昇格するのはおよそ10人に1人であり、入社15~18年程度の会計士であると言われています。

経営者であるパートナーになるには、会計とはまた別の資質や能力が求められます。厳しいですが、こつこつと監査実務をこなしていれば必ずパートナーになれるわけではないというのが現実です。

責任者としての重責に耐えうる責任感や強いメンタル、クライアントや従業員の信頼を勝ち取るコミュニケーション能力や人間的な魅力も求められます。また上に立つ管理者としては、チームを統率するリーダーシップも必須条件でしょう。

⑤AIの台頭

会計監査はコンピューター技術との親和性が高く、将来的には80%程度がAIに取って代わられると言われています。定型作業の自動化や財務情報のデータ分析をAIに代替させることで、業務の効率化や監査品質の向上が図れるという見込みです。そのため、公認会計士が必要とされなくなるのではないかという懸念が抱かれています。

しかし、複雑な会計論点の検討や総合的な判断は人間の手が必要になるため、公認会計士が全く不要になるということはありません。むしろ事務作業をAIに任せることで決算時期の多忙さが緩和されたり、専門家としての判断が求められる経営コンサルティングなどの業務に時間を使うことができるようになります。セキュリティの面からも、漏洩リスクの高い機密情報をAIにすべて任せることは考えにくく、公認会計士の存在意義がなくなることはないと判断できます。

公認会計士の魅力・やりがい

ここまで「公認会計士はやめとけ」と言われるネガティブな理由を列挙してきました。しかし公認会計士にはもちろん良い面もあります。公認会計士を目指すか迷っている際は、メリットとデメリットの両面から目指すべきかを判断しましょう。

ここでは良く知られているものからあまり知られていないものまで、公認会計士の魅力とやりがいをご紹介していきます。

安定した高収入を得られる

公認会計士の収入は非常に良く、高収入を理由に公認会計士を目指した人も多いのではないでしょうか。

厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、公認会計士および税理士の平均年収は746万6,400円です国内の一般労働者の賃金の平均年収が311万8,000円であるため、公認会計士の平均年収はその2倍以上です

役職別に見てみると、監査法人によりますがスタッフ1年目の基本給は月給30万円強とされています。これにボーナスと残業代が加わり、年収は600万円程度と言われています。新卒1年目の給与としてはかなり高い水準でしょう。

約4年目でシニアスタッフに上がれば年収900万円程度、約8年目でマネージャーになれば1,000万円、さらにパートナーになれば1,500万円程度と言われています。

参考(※2):令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省

独占業務である

会計監査業務は公認会計士の独占業務です。公認会計士は財務書類を監査し、その内容が適正であることを証明できる唯一の職業なのです。上場企業や一定要件に当てはまる大規模な会社には監査を受ける義務があるため、公認会計士の存在が必要不可欠となります。

監査業務には大きく「法定監査」と「任意監査」があります。法定監査とは、金融商品取引法や会社法などの法規定によって監査が義務付けられているものです。任意監査は、法定監査以外の全ての監査を指し、会社が自発的に受ける場合や、第三者による監査が行われることがあります。これら全てに公認会計士が必要であるため、企業からの需要が確実にある点が大きな魅力です。

責任は重大ですが、その分やりがいを感じられることでしょう。

社会的信用度の高さ

公認会計士は医師・弁護士と並んで三大国家資格に位置付けられている職業です。具体的な仕事内容をあまり知らなくても、公認会計士と聞くと「頭がいいんだな」「優秀な人だな」と感じる方も多いのではないでしょうか。

特に公認会計士の良い点は、学歴に関係なく「公認会計士」という肩書を手に入れることができる点です。国家資格試験に合格さえすれば、一瞬で高い社会的信用を手にすることができます。さらに監査法人に勤めている場合はより信用力が高いと判断されるでしょう。車や住宅のローンも借りやすくなります。

また異業種への転職を考えるという際も、公認会計士という資格は武器になります。難関国家資格を保持していれば、真っ当な努力のできる信頼に足る人材だという安心感を与えることに繋がります。

男女の区別なく活躍できる

公認会計士は男女による差がなく能力に応じた評価を受けられるため、女性が活躍しやすい職業です。育児や家事と両立しやすいのはもちろんのこと、育休取得などで一旦仕事から離れた後でもスムーズに復帰しやすい環境が整えられています。キャリアが途中で途切れてしまいがちな女性にとって、職場復帰のしやすさは非常に魅力的でしょう。

日本公認会計士協会では女性会計士活躍促進協議会を設置し、女性会計士のさらなる活躍の促進を積極的に行っています。「2030年度までに公認会計士試験合格者の女性比率を30%に上げる」「2048年度の公認会計士制度100周年までに会員と準会員の女性比率を30%に上げる」という2点を目標に掲げており、2016年には協会の会長に初めて女性が選ばれたことからも、今後はさらに女性の活躍が加速すると期待できます。

会社の経営に携わることができる

公認会計士は監査業務において、企業の財務情報を検証します。さらに会計知識を生かしてクライアントの課題解決を行い、その中で会社経営における重要な決定に関与することもあります。仕事を続けていけば企業の経営陣とともに経営の根幹に関わるような話し合いをする場面も少なくありません。会社外部の人間でありながら、クライアント企業の会社経営に深く関わった経営サポートができるのは公認会計士の魅力のひとつでしょう。

また多くの公認会計士が目指す監査法人のパートナーは、監査法人の共同経営者です。監査法人経営の舵取りを行うことで、会計以外の面でも大きな自己成長ややりがいを得ることができます。また経営に深く関わることで、会計業務から視野を拡げて経営コンサルティングといった業務に手を付けることもできます。

キャリアパスの選択肢が豊富

公認会計士試験の勉強では「財務会計」「経営」「税務」などの幅広い知識を同時進行で学んでいくことになります。決して楽な道ではありませんが、沢山の知識が身に付いていることは資格が証明してくれるため、働き方は大きく広がります。

たとえば公認会計士資格があれば税理士登録も可能になるため、税理士として活躍できます。財務会計や経営の知識を活かしてコンサルティング業を主軸に活躍できるでしょう。「必死に努力してせっかく公認会計士になったけれど、監査の仕事が自分には合わなかった」という場合でも、シフトできるキャリアパスの多さは魅力的です。

さらには企業に属するだけでなく、独立したりフリーランスとして活躍する道も選びやすい職業です。スケジュールや仕事量を自ら調整できるため、ワークライフバランスを取りながら自由な働き方を実現している公認会計士も少なくありません。

公認会計士に向いている人

公認会計士に向いているのはどんな人でしょうか。多くの仕事がそうであるように、公認会計士にも向き不向きがあります。むしろ「会計」という専門性の高い業務に携わる以上、向き不向きが比較的大きな職業であると言えるかもしれません。

ここでは公認会計士に向いている人の特徴について解説します。公認会計士は「やめとけ」と言われがちではあるものの、もし自分が公認会計士向きの特性を持っていると判断できれば十分に挑戦する価値があるでしょう。

根気がある人

前述の通り、公認会計士は日本で三本の指に入るほどの難関資格です。根気が無ければそもそも公認会計士に合格することさえできません。

晴れて公認会計士として働き始めた後も根気強さは欠かせません。働き方にもよりますが、基本的には黙々と地道なデスクワークを行うことになります。そのためコツコツした作業をすることが好きな人や、地道な作業ができる人が向いています。

高収入で社会的信頼があるというと華やかな仕事をイメージされるかもしれませんが、公認会計士は会社を支える縁の下の力持ちであることを心に留めておきましょう。黙々と一つのことに集中し、最後まで粘り強く取り組むことができる人は公認会計士向きの性格だといえます。

正確に業務をこなせる人

公認会計士はクライアントである企業の正確性と信頼性を確保する仕事です。そのため高度な専門知識のみならず、業務に対する正確性が求められます。

公認会計士は主に財務諸表のチェックを行いますが、この財務諸表には企業の価値や強さが数値化されており、これらの数字を通して企業の状態を正しく判断することになります。また財務諸表上の数値から虚偽表示を見つけて指摘することも求められるため、とにかく細かな数字に敏感でなければなりません。

自分の仕事がもたらす企業ないしは社会への影響力の大きさをきちんと理解しましょう。責任を自覚したうえで、厳しい目を持って正確に業務をこなすことにモチベーションを感じる人が向いています。

数字やITに強い人

公認会計士の仕事は、どれも基本的に数字と向き合う仕事です。数字に苦手意識がない、または数字に強い人の方が、財務諸表のチェックをはじめとする公認会計士の業務全般をスムーズにこなせると言えます。数字と向き合う中でストレスを感じたり集中力を欠いたりしてしまう人は、公認会計士という仕事そのものに向いていない可能性が高いと考えられます。

なお、会計職における「数字に強い」とは、教科としての数学が得意であることとは異なります。財務諸表は四則演算で構成されるため、算数さえできれば数学は必要ありません。

公認会計士に必要な数字に対する強さとは、物事を数字に置き換えて考える力です。財務諸表はクライアントの企業活動の成果を表すものであるため、企業活動を数字で捉える能力が求められます。事業活動と財務諸表上の数字の関連性などといった物事を数字で捉えて考えることが得意な人が数字に強い人と言えます。

また企業のIT化に伴い、監査法人や公認会計士にもクライアント企業のお金の流れやIT統制を含めた内部統制を正確に理解するためのIT知識・スキルが必要不可欠です。コンサルタンティングを行う場合は会計や経営の知見を含めたIT化の推進を期待される傾向にあるので、そういったニーズに応えられる知識を取得する必要もあります。

コミュニケーション能力が高い人

公認会計士のメイン業務である監査はチームで取り組むため、仲間と協力して仕事を行うためのチームワークは不可欠です。さらに業務は黙々と財務諸表に向かうだけではありません。現場に出向いて資料を調査し、クライアントへの質問や説明を行う場面もあります。また、独立・開業する際には自ら得意先を開拓しなければならず、顧客を獲得できる営業能力が必要となります。

このように、公認会計士はあらゆる場面でチームメンバーやクライアントと信頼関係を構築することが重要な職業です。経営陣や取引先とのコミュニケーションの場において、伝えたい内容は的確に伝え、相手が伝えたい内容を的確にくみ取る能力があれば円滑に仕事を進められます。そのため、コミュニケーション能力はとても重要な要素です。

論理的な考え方ができる人

公認会計士は数字を扱うため、論理的思考が求められます。

論理的思考(ロジカルシンキング)とは、物事の因果関係を整理しながら筋道を立ててわかりやすく考える能力を指します。会計業務では監査基準や会計基準、法律など何かしらの基準に沿って客観的に判断するため、論理的な考え方ができなければなりません。このような論理的思考を得意としていれば公認会計士に向いていると言えます。

ロジカルシンキングは学習を通して後天的に習得することもできますが、すでに普段から筋道を立てて考える習慣が身についている人はより有利です。自分が論理的な考え方ができるかを判断するには「感覚的に判断するより、事実から道筋を立てて考え判断するのが得意か」を考えてみると良いでしょう。

公認会計士に向いていない人

公認会計士に向いている人がいる一方で、あまり向かない人もいます。特に公認会計士は専門職であるため、他のビジネス職と比較して向き・不向きがはっきりと分かれる傾向にあります。

ここでは公認会計士の仕事にあまり適していない人の特徴をご紹介します。もしもこれらに当てはまる場合は、公認会計士以外の選択肢も探してみることをおすすめします。

勉強する時間が確保できない人

前述したように、公認会計士は非常に難関資格です。合格するには2,500〜3,500時間程度の膨大な勉強時間が必要と言われています。 勉強に時間を捧げられる学生と異なり、既に働いている人にとっては膨大な勉強時間を確保するのは至難の業でしょう。そして残念ながら、まとまった勉強時間が取れない人ほど公認会計士の勉強を途中で挫折してしまう傾向にあります。

実際、2022年度の合格者内訳のうち「会社員」はたったの6.5%です。働きながら3,000時間以上の勉強をするためには、2年間毎日6時間程度の勉強をしなくてはなりません。働きながら公認会計士を目指す場合は勉強と仕事を両立させる強い精神力と体力が必要になります。また予備校に通う時間を捻出することも難しいため、学習効率の低下やモチベーション維持の難しさも危惧されます。

参照(※3):令和4年公認会計士試験の合格発表の概要について

収入面にのみ魅力を感じる人

公認会計士の収入は一般的な給与所得者よりも高額であり、これをきっかけに公認会計士を目指した人も多いのではないでしょうか。しかし目指す理由が収入だけという人は、あまり公認会計士に向いているとはいえません。

公認会計士になるのは簡単ではありません。何千時間も勉強に充て、晴れて公認会計士になってもその業務はハードかつ責任を伴います。収入だけでなく実際の業務内容や忙しさなどの情報を事前に把握していないと、「こんなはずじゃなかった」「思っていたのと違う」というミスマッチな結果に陥ってしまいがちです。

勉強時間が長く、難しい内容の勉強を長期間にわたって行わなければならない資格であるため、実際の仕事内容についてもしっかりと事前情報を集める必要があります。

公認会計士の今後

合格が困難な分、高収入やキャリアパスの多様さが魅力的な公認会計士。独占業務を有する国家資格であることからも、今後も人気の高い職業だといえます。しかし近年の社会の動きに伴い、公認会計士の業務や必要とされる知識も日々変わりつつあるのが実情です。

ここでは長期的な目線で、公認会計士が今後見据えておくべきポイントを2点解説します。

コンサルティング業務の重要性

前述の通り、監査に関する事務作業は将来的にAIに取って代わられると言われています。これにより公認会計士の事務業務は大幅に削減され、その分AIにはできない、専門家としての判断が求められるような業務が主軸となると考えられます。

昨今は時代の変化とともに、多くの企業が従業員の働き方や仕事の進め方を改善する必要に迫られており、コンサル業界の知見・メソッドを求めています。そのため公認会計士の知識を活かしたコンサルティング業務の需要は今後も尽きることは無いでしょう。具体的にはFAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)や戦略コンサルなどの分野において、公認会計士のスキルや知識を活かすことができます。

公認会計士に求められるコミュニケーション能力や論理的思考力もそのまま活用できるため、現在習得しているスキルが無駄になることもありません。

AI技術の習得が必要不可欠

昨今の企業のIT化推進に伴い、企業の会計においてもIT統制システムが活用されています。監査を行う公認会計士はクライアント企業の経営状態やお金の流れを正確に理解しなければならないため、最低限これらを把握するだけの知識習得が求められます。またコンサルティング業務を行う上でも、AIやデータサイエンス技術を加えることでより多面的なデータに基づく数字を出せるようになるため、身につけるメリットは大きいでしょう。

AIは公認会計士の業務を補完し、効率化を推し進めるツールとして活用されるようになると考えられます。AIに代替されて仕事を失うのではなく、AI技術を理解し活用できる公認会計士こそ、将来的により重要なポジションを占めることになると予想されます。今後も長く公認会計士として活躍するためには、AIの進化に適応して新たなスキルや知識を身につけることが求められるでしょう。

公認会計士を目指すなら覚えておきたいこと

公認会計士は将来性があり、幅広い分野で活躍できる職業です。高収入かつキャリアの選択肢も多いため、憧れる人も少なくありません。

それでも「公認会計士はやめとけ」と言われるのには理由があり、自らの適性や目指す理由、資格取得後の働き方をよく考えないまま公認会計士を目指すのは全くおすすめできません。

  • 公認会計士にはどのような能力が求められるのか?
  • 公認会計士になったらどのような業務をどのような労働環境で行うことになるのか?
  • そもそも公認会計士資格試験に向けて何千時間という時間と気力を捧げる覚悟があるのか?

どんなに努力しても不合格では結果にならないのです。後悔して「公認会計士はやめとけ」と口にしてしまわないためにも、試験勉強に着手する前にしっかりと情報収集し、本当に公認会計士になりたいのかを考えましょう。

それでもやはり公認会計士を目指すと決めた方は、その強い意思を持って知識の習得に励んでください。その場合も試験合格だけを目標にするのではなく、公認会計士になった後の業務内容や長期的なキャリアパスも視野に入れておきましょう。

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