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公認会計士は資格をとった後も、CPE制度を利用して定期的に単位を取得することが義務付けられています。常に知識や技術を最新のものに更新することで、信頼性や権威性を維持することができます。ここでは、CPEとは何か、単位の取得方法や必要な単位数、仮に単位を取れない場合をどのようになってしまうのか紹介しています。これから会計士を目指す人や試験を受ける人は、CPEについても理解しておきましょう。
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日本公認会計士協会のCPEとは
CPEとは、公認会計士としての資質の維持・能力の向上を目的として日本公認会計士協会が運営している「継続的専門研修制度」のことです。Continuing Professional Educationを略して、CPEと呼ばれています。
公認会計士は常に品格を保持して知識や技能の習得に努める必要があると、公認会計士法によって定められています。公認会計士の資格は、取得したら生涯有効というわけではなく定期的に研修などを受け、専門知識をアップデートすることが義務付けられているのです。
【公認会計士法の第1条の2】
公認会計士は、常に品位を保持し、その知識及び技能の修得に努め、独立した立場において公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。
> https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC0000000103
CPEの履修方法
CPEの履修はCEP ONLINEというCEPのホームページ上から、単位の取得や単離履修の報告などを行うことができます。
CPEで必要な履修科目や単位数
すべての公認会計士は、当該事業年度(毎年4月1日~翌年3月31日)を含む、直前の3年で合計120単位、年間最低1年20単位以上の単位を取得する必要があります。単位を取得した後は、毎年4月30日までに日本公認会計士協会に履修結果を報告しなければ、公認会計士の資格を維持できません。
【CPEの履修科目】
- 職業倫理
- 税務
- 監査
- コンサルティング
- 組織環境 など
また必須研修科目として、職業倫理を最低2単位、税務を最低2単位、など、必須の取得科目と単位数が細かく設定されています。
CPEで単位を取得する方法
CPEで単位を取得するには、以下のようにいくつかの方法が用意されています。
【CPEの単位の取り方】
- 集合研修会への参加
- 自己学習
- 著書の執筆
- セミナーで講義を行う
集合研修会への参加
集合研修会とは、公認会計士が集団で参加する研修会で、セミナー形式で一斉に複数人が受けることができます。日本公認会計士協会や地域が主催する研修、会計士が個人的に開く研修など種類はさまざまです。またCPEオンラインからオンライン研修(e-ラーニング)を受けることもできます。 講義時間1時間あたり1単位として単位をカウントします。
自己学習
自己学習では会計に関する専門図書や専門雑誌記事を読むことや、「会計・監査ジャーナル」「JICPAニュースレター」などCPEに指定されているもののマスターによって単位認定されます。また政府関連団体や地方自治体などが主催する委員会への出席も単位としてカウントされます。
読書の場合は2時間で1単位、最大5単位まで取得できます。委員会は1事業年度で10単位が上限です。
著書の執筆
著書や論文の執筆や雑誌への寄稿も、単位認定の対象になります。4000文字ごとに1単位を取得できます。また1つの著書につき、最大10単位(40,000字)が上限に設定されていますが、年間の上限単位数は設定されていません。
セミナーで講義を行う
日本公認会計士協会や地域会などが主催した講座やセミナーの講師として講義を行った場合も単位認定の対象です。講義時間1時間あたり2単位としてカウントされます。
CPEの必要単位を取得できなかった場合はどうなる?
仮に必要単位を取得できなかった場合は、義務不履行者となります。義務不履行になると2段階の措置が講じられます。
- 第1段階措置:履修指示を受け、公示される
- 第2段階措置:指示違反を公表される
このようなことになると公認会計士として義務を遂行していないことになり、評判や信頼が維持できなくなります。公認会計士事務所などを経営しているのであれば、大きな悪影響をもたらすことになるため、注意が必要です。
公認会計士の知識と技術を常に最新に
公認会計士として業務を続けていくためには、資格を取得して終わりではありません。公認会計士法によって定期的に技術や知識を刷新することが義務付けられています。そのための制度がCPEなのです。公認会計士の仕事をこなしながらの単位取得は大変なことですが、公認会計士としての信頼性や権威性を維持に繋げていきましょう。
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