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公認会計士資格の難易度|税理士や簿記試験とも比較!合格するためのポイントも解説

シンカキャリア編集部

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更新日:2024/07/23

最難関の資格の1つとして知られる公認会計士。しかし実際に難易度はどのくらい高いのでしょうか。また公認会計士を目指す場合、どのようにすれば難易度の高い試験を突破できるでしょうか? この記事では、公認会計士試験の難易度を中心に、合格するためのポイントや合格後の流れの概観についてまとめます。公認会計士の試験を検討している人はぜひ参考にしてみてください。

目次

最難関の資格の1つとして知られる公認会計士。しかし実際に難易度はどのくらい高いのでしょうか。また公認会計士を目指す場合、どのようにすれば難易度の高い試験を突破できるでしょうか?

この記事では、公認会計士試験の難易度を中心に、合格するためのポイントや合格後の流れの概観についてまとめます。公認会計士の試験を検討している人はぜひ参考にしてみてください。

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公認会計士の難易度

公認会計士は三大資格と呼ばれる資格の1つで、企業の監査業務が行える唯一の国家資格です。弁護士・医師に続き難易度が高いと言われ、取得するのが最も難しい資格の1つとなっています。

公認会計士試験に合格するのはどのぐらい難しいのでしょうか?合格率をほかの資格と比較してみましょう。

資格名

合格率

公認会計士

10%前後

簿記1級

10%前後※

宅建士

15~18%

税理士

15~20%

社労士

6~7%

弁護士

20~40%

※参考:簿記2級は15~30%弱

公認会計士は、合格率だけを取ってみても10人に9人は落ちる難関資格だということがわかります。

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公認会計士の難易度が高い理由

公認会計士の難易度が高いのには理由があります。次にその理由を示します。具体的には次の2点が挙げられます。

【公認会計士の難易度が高い理由】

  • 試験科目が多い
  • 内容が複雑

一言で言うと、幅広い分野について、単なる暗記では対応できないような内容が問われるということです。付け焼刃のような勉強ではなく本質的な学習をしなければ、難しい問題を解くことができません。合格後にも必要となる知識でもあり、難しい理由を理解しつつしっかり対応できるよう対策を練ることが必要です。具体的に見ていきましょう。

試験科目が多い

まず理由として公認会計士の試験は科目が多いことが挙げられます。試験は「短答式」「論文式」の2段階となっていますが、短答式は4科目、論文式は5科目の計9科目あります。科目数をほかの資格と比較してみましょう。

資格名

科目数

公認会計士

9科目

簿記1級

4科目※

宅建士

4科目

税理士

5科目

社労士

10科目

弁護士

7科目+選択1科目

※参考:簿記2級は2科目

科目数の上でも難易度が高いことが見て取れます。共通の教科があるため実質的には必須5科目と選択1科目の計6科目にはなりますが、それにしても科目数が多いと言えるでしょう。

短答式試験

短答式試験とは、基本的な専門知識を幅広く理解しているか確認する試験です。マークシートの択一式となっています。試験は年に2回、第Ⅰ回試験が12月に、第Ⅱ回試験が5月に行われます。科目・試験時間・問題数は次の通りです。

  • 財務会計論(120分/40問)
  • 管理会計論(60分/20問)
  • 監査論(60分/20問)
  • 企業法(60分/20問)

合格の基準は総点数の70%です。40%に満たない科目があると不合格になる場合もあるので注意してください。短答式試験に合格した人のみ論文試験を受験することができます。

なお、短答式に合格すると2年間有効となり、仮に論文試験が不合格だったとしても2年間は短答式が免除されます。そのため短答式に合格した後で論文対策の時間を取り、翌年論文試験を受ける人も多くいます。

論文試験

論文試験は、専門的な知識の体系的な理解に加えて、思考力・判断力・応用能力・論述力などを判定する試験です。形式は記述式ですが、科目によって問題の形式が異なります。年1回、8月のみの実施です。短答試験の第Ⅱ回試験の合格発表後に行われます。

科目は必須4科目と選択科目1科目の計5科目です。必須4科目は次の通りです。

  • 会計学(財務諸表論および管理会計論)
  • 監査論
  • 企業法
  • 租税法

さらに、次の4科目の中から1科目を選択します。

  • 経営学
  • 経済学
  • 民法
  • 統計学

もちろんどれを選んでも問題ありません。また論文試験も科目合格制度があり、合格した科目は2年間試験が免除されます。

内容が複雑

公認会計士の試験は、科目が多いだけでなく内容も複雑です。試験内容は簿記や税金のような計算からその理論の理解、法律の条文の理解など多岐にわたります。数学的な力や考え方を理解し身に付けなくてはなりません。さらに監査基準や法律の条文の内容を理解し引用できる力も必要となります。

そのため難易度が上がり、資格取得に必要とされる勉強時間も長くなります。ほかの資格と比較してみましょう。

資格名

勉強時間

公認会計士

4,000時間

簿記1級

500~1,000時間※

宅建士

300~400時間

税理士

3000~4,000時間

社労士

1,000時間前後

弁護士

6,000~8,000時間

※参考:簿記2級は300~500時間

4,000時間勉強するにはどのぐらいかかるのか考えてみましょう。年間休日が100日あるとして、休みの日は8時間、平日は2時間365日休みなく勉強した場合、ちょうど3年です。休日は同じ条件で平日3時間勉強すると2.5年、平日4時間で2.1年強という計算になります。

公認会計士と他資格の難易度を比較

次に税理士・簿記1級と公認会計士について比較します。いずれも会計に関する難関の資格で、公認会計士と比較されることが多くあります。3つのうちどれを受験するか検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。あるいはたとえば簿記1級をすでに受験した経験があり、さらに公認会計士を検討している方がいらっしゃるかもしれません。

いずれにしても上記2つの資格と比較することは、それぞれの違いを理解するのに役立ちます。順に見ていきましょう。

税理士

税理士の主な業務は次の3つです。

  • 税務代理
  • 税務書類の作成
  • 税務相談

上記の業務を独占的に行うことが認められているため、これらを中心に行います。税理士も国家資格であり、試験に合格しないと就業できません。

これに対して公認会計士は、上場企業や各種法人などの財務諸表の監査を行うことが主な業務です。税理士と公認会計士では、税務と監査という業務内容の違いがあります。

試験について比較してみましょう。

資格名

公認会計士

税理士

勉強時間

4000時間

3000~4000時間

合格率

10%

15~20%

偏差値

74

72

試験科目

9科目

5科目

受験資格

特になし

学識、資格、職歴などによる受験資格のうちいずれかを満たす

税理士試験は、公認会計士の試験よりやや難易度が下がるとされています。科目別合格があり、いったん合格すればずっと有効となります。そのため、何年かかけて科目ごとに合格していく方法を取ることができるからです。

簿記1級

簿記1級合格者は、企業の会計・経理の業務に就くことが一般的です。会計や経理では、自社のお金・品物の出入りの管理や記録を行います。それに対して公認会計士は、第三者の立場で財務諸表を監査することが主な業務となります。

では、試験について比較してみましょう。

資格名

公認会計士

簿記1級

勉強時間

4,000時間

800~2,000時間程度

合格率

10%前後

10%前後

偏差値

74

64~67前後

試験科目

9科目

4科目

受験資格

特になし

特になし

計算問題・理論ともに公認会計士の問題の方が難易度が高く、簿記1級の方は基本的な内容も含まれる傾向があります。科目の数なども考え合わせると、勉強時間や偏差値に表れている通り公認会計士の方が合格のハードルが高いと言えるでしょう。

公認会計士の試験に合格するためのポイント

公認会計士の試験に合格するためには、効率的に勉強をする必要があります。資格専門の学校に通えば短期間で合格するためのノウハウを提供してもらえて合格しやすくなります。しかし中には独学で合格する人もいます。

合格するための具体的なポイントは次の通りです。

【公認会計士の試験に合格するためのポイント】

  • スケジュール管理と勉強時間の確保
  • 模擬試験への参加
  • 何度も繰り返し学習する
  • モチベーションの維持

1つずつ見ていきましょう。

スケジュール管理と勉強時間の確保

公認会計士の試験は科目数も多く内容も複雑なため、短期集中で合格できるものではありません。長期的な勉強の計画・スケジュール作成と、それを実行するための日々の勉強時間を確保することが必須と言えます。独学の場合はなおさらです。

次の3つのスパンにおけるスケジュールを立てて実行しましょう。

  • 年間のスケジュール
  • 月間のスケジュール
  • 週間・1日のスケジュール

知識の定着には復習もスケジューリングする必要があり、反復・復習を想定に入れた管理が重要です。

また公認会計士試験に限りませんが、学習においてあれこれ手を出し過ぎるのは禁物です。勉強法や問題集が自分に合っているかどうか客観的に判断することは大切ですが、それと同じぐらい、もしくはそれ以上に、全範囲を終わらせること・最後までやり切ることが大切です。パーフェクトな勉強方法や問題集探しがメインになって、試験内容より勉強方法の知識が豊富になっては本末転倒です。

模擬試験への参加

模擬試験に参加することも重要です。自分のレベルや、自分の得意あるいは不得意な範囲と内容が把握できるからです。そのほか試験の形式がわかり実践力を身に付けることもできます。

また試験は勉強し始めの時期から受けましょう。試験は、リアルタイムの実力と弱点を把握して合格への戦略を練る手段です。その時々で自分のレベルを把握することにより、勉強方法や復習の範囲・勉強時間など対策に反映させることが可能になります。

何度も繰り返し学習する

公認会計士の試験は出題範囲が広いため、覚えたことを忘れないようにする工夫が必要です。また企業法・監査論、財務会計論・管理会計論など、慣れをキープしていないと解けなくなってしまう科目もあります。知識を使いこなせる状態をキープするよう、定期的に問題を解くようにしましょう。

反復することにより、あやふやなところや忘れてしまったことを発見することもできます。間違えた問題や理解が不十分なところを優先的に復習できるように仕組み化して、復習をスケジュールに組み込むとよいでしょう。

具体的には、理解度に応じて〇△×などの印を付けておく方法などがあります。また暗記カードを使う場合、同じメーカーの同じ商品に統一するのがおすすめです。複数の束から間違えたカードだけを集めた束を作ることができ、効率的な復習が可能です。

モチベーションの維持

モチベーションが下がると、学習時間の量も質もキープできなくなります。試験勉強は長期戦で試験の難易度も高いので、モチベーションが下がった状態が続くほど、合格が遠のいてしまいます。

モチベーションを保つ方法の例をいくつか挙げます。

  • 1日単位など目標を細分化する
  • 進捗を可視化する
  • 目標を人に伝える
  • 仲間を作る
  • 自分へのご褒美を用意する
  • オンとオフを切り替える

学習状況ややるべきことを把握しやすくすること・周囲に味方を作ること・メリハリをつけることとまとめることができるでしょう。目標を人に伝えるのは、宣言することで自分を追い込むという意味もあります。モチベーションの維持も仕組み化がカギです。自分に合ったものを取り入れてみてください。

公認会計士の資格取得後の流れ

公認会計士の試験に合格しても、すぐに公認会計士を名乗れるわけではありません。試験合格後にいくつかの要件を満たさなくてはなりません。具体的には次の3つの要件があります。

【公認会計士に登録するための要件】

  • 業務補助
  • 実務補習
  • 修了考査

以上の要件をクリアして初めて公認会計士として登録することができます。要件を満たすためには、監査法人などに就職して経験や学びを積む必要があります。1つずつ見ていきましょう。

業務補助

まず、監査法人などで実務経験を積む必要があります。ここで言う「実務経験」は、厳密に見ると2種類あります。「業務補助」と「実務従事」です。

「業務補助」は、監査業務について公認会計士または監査法人を補助することです。「実務従事」は、財務に関する監査・分析などの実務に従事することです。

業務補助・実務従事のどちらか、あるいは合算で2年以上の経験が必要となります。非常勤などの場合は、勤務時間や日数を常勤と比較して考慮されます。実務経験の時期は合格前・合格後を問いませんが、合格後に行うケースがほとんどです。

実務補習

「実務補習」は、合格者が受講する技能研修です。東京・東海・近畿・九州の全国4か所にある補習所の中から、指定した場所で受講します。講義は平日夜間と土日に、週1~2回程度のペースで実施されます。

補習の内容は次の5つです。

  • 監査
  • 会計
  • 税務
  • 経営・IT
  • 法規・職業倫理

補習中に10回の考査と6回の課題提出があり、必要単位を取得しなくてはなりません。期間は3年間ですが、要件を満たしていれば最短1年間まで短縮されることもあります。

修了考査

「終了考査」は、実務補習で学んだ内容の試験です。内容は「監査」「会計」「税務」「経営・IT」「法規・職業倫理」の5つです。12月第2週目の土日に、2日間かけて行われます。監査法人に勤務している場合、試験休暇が10日与えられるほか有給休暇と組み合わせて勉強する人が多くいます。

仮に不合格だった場合も、その後何回でも受験することができます。合格率は70%前後が続いていましたが、近年下がっている傾向があり50%前後となっています。不合格だった場合はさらに1年間実務補習を受ける必要があります。

上記「業務補助」「実務補習」「修了考査」の3つの要件を満たすと、晴れて公認会計士として登録することができます。登録は、必要書類を準備して公認会計士開業登録申請書類を提出し、書類が完備されているか審査を受けます。書類は17種類と数が多く、中には申請から発行まで時間がかかる書類もあります。早めに準備・登録した方がよいでしょう。

参考:「公認会計士開業登録」日本公認会計士協会

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まとめ

公認会計士は医師・弁護士と並ぶ三大資格の1つです。確かに難易度の高い資格ですが、しっかり勉強した人は合格できる資格であり、取得は決して不可能ではありません。試験内容が幅広く複雑なので長期にわたる準備期間・学習期間が必要となります。スケジュールを立ててそれを実際に守っていくことが合否を決めます。

そして合格できたら、希望に合った就職先で経験を積んで登録をめざしましょう。就職先を探すときには、ぜひSYNCAをご活用ください。

参考:公認会計士とは?|資格を取得する方法や仕事内容、年収・やりがい・将来について解説

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