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「情シスの業務がつらくて毎日しんどい……。どうすれば負担を減らせる?」多くの情シス担当者が、業務の広さやプレッシャーに悩んでいます。しかも、トラブル対応やリソース不足に追われ、改善の糸口が見えないことも珍しくありません。
今回は、「情シスの仕事がきつい理由と対策」をテーマに、負担軽減のヒントをお届けします。効率的な働き方を実現するための具体策を、ぜひ参考にしてみてください。
情シスとは
情シス(情報システム部門)は、パソコンやサーバー、ネットワークといった情報インフラの管理・運用を担当する部署です。社内の業務をスムーズに進めるため、IT環境を整備し、トラブル発生時には迅速に対応する重要な役割を担っています。
具体的には、以下のような業務を担当します。
- 社内システムやネットワークの構築・運用・保守
- セキュリティ対策の実施と監視
- 社員からのITサポート・トラブル対応
- 新しいITツールやシステム導入の検討・支援
- 外部ベンダーとの調整・契約管理
このように、企業活動を支える多岐にわたる業務を担当しているため、情シスは「目立たないけれど不可欠な存在」といえるでしょう。
▼情シスについて詳しくはこちら
情シス(情報システム)とは?仕事内容から必要とされるスキルや役割を解説
情シスの仕事がきついと感じる理由とは?
情シスがきついと感じるのは、単なる業務量だけが理由ではありません。複合的な負担が積み重なっているのが現状です。以下で、それぞれの理由について詳しく解説していきます。
1、業務の幅広さと負担の大きさ
情シスの業務はあまりにも幅広いため、負担が大きくなりがちです。社内のパソコンやシステムのトラブル対応から、新規システムの導入支援、さらには情報セキュリティ管理まで、情シスに求められる業務は多岐にわたります。
たとえば、ある日はサーバー障害の対応に追われ、別の日は新しいクラウドサービスの導入プロジェクトに関わるなど、一つの専門業務に集中できないケースも多いでしょう。業務範囲が広いため、すべてを完璧にこなすことが難しく、常に「やりきれない」というプレッシャーがかかりやすいのが実情です。
2、24時間対応が求められることがある
情シス担当者は「いつ何が起きても対応できる体制」が求められるため、精神的な負担が大きいでしょう。システム障害やサイバー攻撃は、昼夜を問わず突然発生します。そのため、夜間や休日に緊急対応を求められることも珍しくありません。
とくに、24時間365日稼働が求められる業種(例:金融・医療・製造業)では、情シスも常に待機状態を求められることがあり、プライベートの時間が侵食されがちです。結果として、オンオフの切り替えが難しくなり、慢性的なストレスにつながることも多いでしょう。
3、高度な技術力とプレッシャー
情シスは高度な知識を常に最新に保ち続けなければならず、そのプレッシャーが大きいでしょう。IT技術は日進月歩で進化しているため、最新技術にキャッチアップし続ける努力が不可欠です。また、システム障害が発生した場合には迅速な対応が求められ、判断ミスが許されない場面も多々あります。
たとえば、セキュリティインシデント対応では、初動の遅れが重大な情報漏洩につながるリスクもあります。そのため、「絶対にミスできない」という緊張感が日常的に続き、精神的な負荷が高まってしまうのです。
4、他部門との連携によるストレス
他部門との調整業務が情シスにとって大きなストレス要因になります。情シスは、社内のあらゆる部署の要望を受けながら、システム運用を行わなければなりません。しかし、現場部門の要望は必ずしもシステムの都合と一致するとは限らず、板挟みになる場合もあるでしょう。
たとえば、「業務効率化のために新しいツールを導入してほしい」という要望があっても、セキュリティやコストの面で難しい場合もあります。このような調整役を務める中で、不満の矛先が情シスに向いてしまうことも、精神的な負担となるのです。
5、予算やリソースの制約
情シスは限られたリソースで膨大な業務を回す必要があり、過剰な負担を抱えがちです。IT部門は「コストセンター」とみなされる傾向が強く、十分な予算や人員が割かれないケースが多々あります。結果として、少人数で広範な業務をこなさなければならず、疲弊してしまうのが現実です。
たとえば、オンプレミスのサーバー管理をしながら、クラウド化の推進プロジェクトも担当しなければならない、という状況は決して珍しくありません。このような背景から、情シスの現場では「慢性的な人手不足」が常態化しているのです。
情シスがきつい仕事を乗り越えるための方法
情シスの負担を軽減し、働きやすい環境をつくるためには、日々の工夫が欠かせません。きつい仕事を乗り越える方法を具体的に見ていきましょう。
1、業務の優先順位を明確にする
情シスでは「今やるべき仕事」と「後回しにできる仕事」を切り分けることが重要です。業務が多岐にわたる情シスでは、すべてを完璧にこなそうとすると、かえってパンクしてしまいます。そのため、緊急度と重要度を基準にタスクを分類し、優先順位を明確にして取り組むことが欠かせません。
たとえば、システム障害対応は最優先ですが、長期的なシステム改善策の検討は、一定のタイミングで取り組めばよい場合もあります。「今やるべき仕事」を見極める力を磨くことで、精神的な余裕を持つことができるでしょう。
2、チーム内での役割分担とサポート体制
「一人で抱え込まない」ことが情シスにとって大切です。情シスは業務負担が大きいため、チーム内で得意分野を分担し、相互サポートできる体制を整えておきましょう。一人の担当者がすべての案件に対応するのではなく、業務の内容やスキルセットに応じて役割を割り振れるようにします。
たとえば、サーバー管理はAさん、社内サポートはBさん、セキュリティ対策はCさん、というように分担するイメージです。チームで支え合う体制を作ることで、精神的・肉体的な負担を大幅に軽減することができます。
3、継続的なスキルアップと最新技術の学習
スキルを磨き続けることが、長期的に情シスとして働き続けるための武器になります。
IT業界は技術革新が激しいため、常に新しい知識を取り入れる姿勢が求められます。新しいスキルを身につけることで、業務の効率化が進み、トラブルにも迅速に対応できるようになるでしょう。
たとえば、クラウド技術(AWS、Azure)、セキュリティ知識(SOC、CSIRT運営)などを積極的に学んでいくとよいでしょう。日々の学習を積み重ねることで、「できること」が増え、仕事への自信にもつながります。
4、上司や経営陣とのコミュニケーション
情シスが過剰な負担を抱えている場合、多くは経営層が現場の状況を十分に把握できていないことが原因です。そのため、具体的なデータや事例を用いて、業務量やリスクをわかりやすく説明し、リソース拡充やツール導入の必要性を訴えましょう。
たとえば、「障害対応件数が前年比20%増加している」「新規プロジェクト数が2倍になっている」といった客観的データを添えると説得力が増します。定期的なコミュニケーションの積み重ねが、情シスの環境改善への第一歩となるでしょう。
5、ワークライフバランスの調整
情シスは突発対応が多いため、つい「休んではいけない」「休めない」と思い込みがちです。しかし、心身が疲弊した状態では、パフォーマンスも低下し、かえってトラブルを招くリスクが高まります。
以下のような工夫を行い、ワークライフバランスを調整することが有効です。
- 定期的な有給休暇の取得
- 夜間・休日のオンコール対応ルールの明確化
- シフト制や交代制の導入検討
働きすぎを防ぐ仕組みを整え、自分の時間もしっかり確保することが、必要といえるでしょう。
情シスのきつさを軽減するための具体的な施策
情シスの業務負担を根本から軽減するには、個人の努力だけでなく、仕組みやツールの力を活用することが不可欠です。ここでは、すぐに取り入れられる効果的な4つの施策をご紹介します。
1、転職エージェントを利用する
「環境そのものを変える」選択肢も、情シスにとって重要な手段です。現在の職場がどうしても改善できない場合、転職によって負担の少ない環境へ移るのも現実的な選択肢でしょう。
転職エージェントを活用すれば、自分のスキルや希望条件に合った求人情報を効率的に探すことができます。たとえば、オンコール対応が少ない社内SE職や、情シス専任チームが整備された企業を紹介してもらうことも可能です。
「転職は最後の手段」と構えず、よりよい働き方を目指すための一つのアクションとして前向きに検討してみましょう。
▼情シスでおすすめの転職エージェントについて詳しくはこちら
情シス(情報システム)に強いオススメ転職エージェントを紹介|自分に合ったエージェントはどう選ぶ?
2、自動化ツールの活用
情シスの業務には、手作業で行われている定型業務が数多く存在します。これらを放置すると、人的ミスや時間ロスが積み重なり、ストレスの原因にもなりかねません。
そこで有効なのが、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツールの導入です。たとえば、ログ取得・分析、定期的なシステム監視、レポート作成などを自動化することで、担当者の負担を大幅に軽減できます。
最初は導入に手間がかかるかもしれませんが、長期的には大きな効果をもたらす施策といえるでしょう。
▼情シスのおすすめツールについて詳しくはこちら
情シス(情報システム)の業務にオススメのツール5選|担当者が抱える悩みや効率化を解説
3、クラウドシステムの導入
「物理的な管理を減らす」ことで情シスの負担は飛躍的に軽くなります。従来型の自社内設置型システムは、サーバー管理やトラブル対応に多大な労力を要していました。これに対して、クラウドシステムはインフラ管理の大部分をベンダー側が担ってくれるため、情シスの負担を大きく削減できます。クラウド化を進めることで、障害対応・バックアップ運用などの手間も軽減され、情シス本来の戦略的業務に集中できるでしょう。
4、コラボレーションツールの導入
「情報共有の効率化」がチーム全体の負担軽減につながるでしょう。情シスは他部署との連携が欠かせないため、情報伝達がスムーズに行える環境作りが重要です。プロジェクト管理ツールやチャットツールを活用すれば、口頭やメールだけに頼らず、タスクの可視化や進捗共有が簡単になります。
具体例としては、以下のようなツールが挙げられます。
- プロジェクト管理:Backlog、Jira、Asanaなど
- チャットツール:Slack、Microsoft Teamsなど
これらをうまく活用すれば、ミスや認識違いによるトラブルを減らすことができます。結果として、情シス担当者自身の精神的負担も大きく軽減できるでしょう。
まとめ
情シスの仕事は業務範囲の広さや高いプレッシャーから、どうしてもきつさを感じやすいものです。しかし、業務の優先順位づけやスキルアップ、ツール導入などの工夫次第で負担は確実に軽減できます。
自分に最適な職場を見つけたい方は、転職エージェントに相談するのがおすすめです。自分が希望する条件にあった環境を手に入れましょう。
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