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「第二新卒で労務職に転職したい」「労務のような企業を支える仕事がしたい」と考えている人は多いのではないでしょうか。
今回は、第二新卒で事務処理や管理仕事など、企業経営に必要な労務への転職を成功させるための方法についてご説明します。第二新卒でも労務への転職はできます。未経験からの労務への転職が成功するように、最後まで記事を読んで役立ててください。
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第二新卒での転職は難しい?
第二新卒での転職はしやすいといえるでしょう。現在、企業の中途採用のニーズは高まっています。中でも、第二新卒を積極的に採用したいという企業が急増しているため、第二新卒での転職はしやすいといえます。
背景の一つには、少子高齢化が考えられます。ひと昔前までは、中途採用というとキャリアを積んだ中堅層を求める企業が多かったですが、少子高齢化で若者の労働力不足が心配される現在、企業は積極的に若い人材を確保したいと考えるようになりました。
また、前職での経験が浅い若手人材であれば、入社後の教育や企業文化を浸透させやすいと考える企業が多いです。新卒よりも社会人スキルがある第二新卒はその点が魅力的なため、企業での第二新卒採用が加速しています。
労務未経験者が第二新卒で転職する前に理解したいポイント
以下では、労務未経験者が第二新卒で転職する前に知っておきたいことをまとめています。企業が出す求人の募集背景や入社後のイメージを膨らませることができるので、お役立てください。
労務で第二新卒を募集している理由
企業が労務に第二新卒を募集する理由はさまざまです。
一般的な理由としては、若い人材を採用する場合、知識がない新卒よりも社会人経験がある第二新卒のほうが、基本的なビジネスマナーがあるためビジネスマナーなどの新人研修にかけるコストや時間が削減できるというメリットがあります。
また、他社で長期間働いていた経験がないので、比較的早く自社の文化に馴染んでくれるというメリットがあります。そのため企業では、新卒よりビジネスマナーがあり、且つ中堅層の中途採用よりも事前知識がない第二新卒を労務に募集する傾向があります。
第二新卒は企業でどのように扱われるか
第二新卒は、基本的に新卒とは異なる扱いを受けると考えておきましょう。
第二新卒は、社会人経験がない新卒と比較すると、一定期間の社会人経験があります。そのため、第二新卒に対して入社後から仕事についての説明や特別な研修プログラムを提供する企業が多く、ビジネスマナー研修などの基礎研修はないと考えておきましょう。また、企業はいち早く戦力になってほしいため、入社後すぐ労務の仕事において必要なスキルや知識を学ぶ場を提供される場合もあります。
ほかにも、企業は第二新卒者のスキルや経験より、成長意欲やポテンシャルを評価する傾向にあるため、中には企業の中心人物になるためのリーダー育成をするケースもあります。
第二新卒で労務に転職する際に持っておくと有利な資格
社会保険労務士(社労士)、衛生管理職、労務管理士、キャリアコンサルタントなどの資格を持っていると、労務への転職の際に有利といわれています。
中でもおすすめしたいのが、国家資格である社会保険労務士の資格です。社会保険労務士は、企業の人事・労務・総務のスペシャリストとして活躍できるでしょう。従業員の就業規則の作成や社会保険、年金関係の手続きなど、快適な職場を作ることが期待されているため、企業には欠かせない存在です。
社会保険労務士の資格を持っていれば、「労務の知識があります」とアピールできるので、まずは社会保険労務士の資格取得を目指してみましょう。
労務の仕事内容は大きく3つに分けられる
以下では、労務の仕事内容についてご説明します。労務の仕事は大きく分けて3つの仕事に分かれています。一つひとつを理解することで、転職後すぐに仕事に馴染めるようにしっかり準備しておきましょう。
①労働法・労務規則の遵守と管理
労務の仕事の一つは、労働法や労務規則の遵守と管理です。
労務では、労働基準法に沿った就業規則の作成や届け出、変更や社内への周知を行います。そのため、労働基準法にまとめられている専門的な知識が必須です。また、就業規則の内容(就業時間・休憩時間・給与・退職時)についても、同じことが言えます。これらのことを怠ると、労使間のトラブル発生や企業イメージ低下につながる危険性があります。
そのため、労務では労働法・労務規則の遵守と管理が重要であり、労務の大切な仕事といわれています。
②労務管理と労働関係の維持
労使間のトラブルは、企業イメージ低下や従業員の離職の危険性があります。そのため、労務にとって労使間のトラブルが起きないように、労働管理と労働関係の維持は重要な役割になります。
労務では、労使間のトラブル発生時は労働者と企業の間に立ち、賃金や労働時間について課題を解決していきます。労働組合がある企業では、労働組合との交渉役を担うなど、双方の立場を理解したうえで解決を計る重要な役割といえます。
また労務管理では、従業員の個人情報など、機密性の高い情報を取り扱うため、データ管理に対する注意が求められる仕事が多いです。
これらの仕事は、労働環境をよくすること、労使関係を平和に保つために必須の仕事になるため、労務を目指す方はしっかりと覚えておきましょう。
③人事管理と採用活動
企業によっては労務の仕事に、人事管理だけでなく採用活動を任せる場合があります。
人事制度の構築や、人事評価など、人事管理に対する取り組みだけでなく、新たな人材の採用活動のための、応募フロー構築から面接、選考なども労務の仕事に含まれます。入社後の手続きでは、給与規定や社会保険の手続きなどを担当するため、労務では人事管理・採用活動の一貫した知識が求められます。
人材の採用や人材育成は、従業員のキャリア支援だけでなく、企業の資産「ヒト」に大きく関わる仕事です。組織拡大に大きく関与する労務仕事は、やりがいがある仕事なのでしっかりと理解したうえで仕事に取り掛かれるようにしましょう。
労務で求められる3つの能力
以下では労務に求められる能力について説明します。紹介されている3つの能力は特に重要な能力といわれています。説明を最後まで読んで、理解足りないものを今のうちから準備しておくようにしましょう。
①法的知識と分析能力
労務では、さまざまな法的知識が求められます。
労務は、労働基準法をはじめ、改正労働施策総合推進法(パワハラ防止)のような、社会情勢で変化する法改正にも柔軟に対応していく必要があります。そのため、労務では日々法律知識の習得や学習が求められます。
また、知識として吸収した法的知識を瞬時に分析し、活用していく必要があるため、分析能力が必要です。労使間でのトラブル発生時や従業員からの問い合わせがあった際など、異なるあらゆる場面にすべて迅速かつ正確な対応が必須になる労務では、その場の状況を即時に判断し何が正しいのか、正しい行動をしていくことが大切です。
労務になりたい方は今のうちから一般常識の法律から理解できるように法やルールに慣れておきましょう。
②コミュニケーション能力
労務の仕事では、他部署との連携が求められます。
たとえば、労務で給与計算を行った後、実際に各社員の講座に振り込むのは経理担当の仕事であり、労務だけで完結する仕事はあまり多くありません。また、労務は企業の規則を整えている立場でもあるため、従業員から各種手当や出産・結婚・休職などのさまざまな手続きに対する問い合わせを受けることがあります。
労務では「いつ」「どんなときでも」あらゆる部署の人と隔たりなくコミュニケーションが取れるような、コミュニケーション能力が求められます。ただレ売位というわけではありません。労務では、重要な機密情報を扱っているため、話の内容や話す相手によって柔軟なコミュニケーション能力が求められます。特に、個人情報や機密事項を不用意に外部に漏らさないよう、口を堅く守りながら相手に不快感を与えないコミュニケーション能力が重要です。
③問題解決能力と戦略思考
労務の仕事では、労使間のトラブル防止や企業のはたらく環境つくりなど、あらゆる問題を解決することが求められます。そのため、労務では問題解決能力が必須といえます。
予想しなかったタイミングで、企業トラブルは発生します。その際、労務は即座に状況を分析し、問題解決をしなくてはいけません。万が一、トラブル解決が遅れた場合、企業イメージの低下や従業員の離職につながる危険性があります。そういった危険性を防ぐために、労務ではトラブルが起きた際、即座に問題を解決する問題解決能力が必須です。
また、トラブルが起きないよう事前に規則やルールを定めておく戦略思考も重要です。これは、長期的な労働関係の構築や、人事戦略を考慮したうえで取り組んでいく必要がある能力のため、先を見据えながら成功に向かって的確な戦略を立てるスキルや考え方が必須になります。こういった戦略思考を持っている方は、労務に向いているといえるでしょう。
労務未経験者が第二新卒での転職を成功させるポイント
以下では、第二新卒で労務への転職を成功させるポイントについて解説します。未経験だからといって労務への転職を諦める必要はありません。ポイントを読んで、労務への転職活動に活かしてください。
ベンチャー企業は第二新卒でも採用されやすい
ベンチャー企業は、大手企業に比べると会社の平均年齢が若く、積極的に若手採用をしている傾向にあります。そのため、経験より成長意欲やポテンシャルを面接で評価されるため、第二新卒での転職もしやすいといえます。
また、ベンチャー企業では、これから会社を大きくしていくため、今はまだないポジションだったり、新しいポジションの従業員を募集する求人が出ることが多いです。新しいポジションでは、「未経験歓迎」「ポテンシャル重視」と記載されている求人も多いので、気になる企業があれば定期的に求人を確認するようにしましょう。
面接では、ベンチャー企業が重要視している成長意欲をしっかりアピールするようにしましょう。採用担当に「自社で活躍するイメージ」を与えることで、採用担当の印象に残ります。その結果、転職成功につながるので、どのように成長したいかなど自身のキャリアをしっかり考えたうえでベンチャー企業の面接に臨んでみましょう。
履歴書・職務経歴書の書き方を工夫する
履歴書・職務経歴書は、企業の採用担当に自分を知ってもらう最初の手段です。
履歴書・職務経歴書に魅力を感じなければ、企業の採用担当は面接を実施しません。そのため履歴書には、これまでの経験を活かし、どのように企業で活躍するかを具体的に記述しましょう。
特に、労務未経験の場合、履歴書では自分が持っている他のスキルや経験をアピールしたうえで、なぜ労務になりたいかを明確にしなくてはいけません。他の候補者と同じような内容や、ネットに載っている例をそのまま使うのは厳禁です。
自分だけが持っているスキルや経験をしっかりアピールし、「会ってみたい」と採用担当に思われるような履歴書・職務経歴書を作成するようにしましょう。
転職サイトや転職エージェントを最大限活用する
転職サイト転職サイトや転職エージェントには、数千、数万の求人・企業が登録されています。そのため、転職活動の際は利用することをおすすめします。
一人で転職活動をすると、企業を探す手間や自分に合った企業を見つけるまでに時間がかかってしまいます。しかし、転職サイトを利用すれば、自分が知らなかった企業の求人を発見することができるため、労務未経験の求人を見つけやすくなります。
転職エージェントに登録をすると、自分の希望に合わせて担当コンサルタントが複数の企業を紹介してくれるため、自分の希望に合う企業に出会うことができます。また、転職エージェントでは、応募から内定獲得まで二人三脚でプロの視点でアドバイスをくれます。未経験分野への転職は履歴書・職務経歴書、面接対策がとても重要なので、プロの意見を参考に転職活動をするほうが、成功しやすいので活用してみてください。
労務未経験者が第二新卒で転職する時の注意点
以下では、労務未経験者が第二新卒で転職する際の注意点についてまとめています。自分では気にしていなかったことも、企業の採用担当にとってはマイナスな印象を与えてしまう可能性があります。
できるだけ早期退職はしない
前職での在籍期間が1年未満だと、企業の採用担当から「入社してもすぐにやめてしまうかも」とマイナスな印象を与えてしまう可能性があります。そのため、早期退職をしないようにしましょう。
特に、未経験で労務への転職を考えている場合は要注意です。企業は、未経験者を受け入れる際、手厚い教育や研修を用意しています。しかし、未経験で入社したメンバーが入社後1年程度で退職をしてしまうと、研修にかかった費用や時間は無駄になるため、企業は長期的に働いてくれるメンバーを求めています。そのため、前職の在籍期間が短いと企業にとってはリスクがある人材だと考えられてしまいます。今後のキャリアに響く可能性もあるため、できれば1年未満の退職は控えるようにしましょう。
労務に関する知識を事前に学習する
未経験で労務に転職する場合、入社後全くの無知だと仕事に慣れるのに時間がかかってしまうため、入社前に学習をしておくようにしましょう。
事前に学習をしておくことは、面接の際に労務について知識があることをアピールすることができます。事前に知識を持っていることを採用担当にアピールすることで、採用担当から「しっかりと準備している」と思ってもらえるため、好印象を与えることができます。また、他者候補者との差別化にもつながるため、事前に学習しておくことをおすすめします。
事前に学習をしておくと、企業に入社してからも勉強した知識を活かし、すぐに仕事に慣れることができます。具体的な労務の仕事については、企業によって方法が異なる場合もありますが、労務仕事に関する法律やルールは企業で違いはほとんどないので、時間がある方は労務について学習をしてみましょう。
転職後も学び続ける姿勢をアピールする
労務の仕事は、法改正や社会情勢によって都度変化をさせる必要があります。そのため、労務で入社してからも常に高いアンテナを持ちながら、情報の吸収や知識を増やすなど、学ぶ姿勢が大切です。
未経験で労務に入社できたからといって学びをやめていいわけではありません。入社後は入社前よりも学びを増やし、仕事に活かしていくことがはたらくうえで重要です。そのため、面接では学び続ける姿勢をしっかりとアピールし、入社後活躍するイメージを採用担当に与えましょう。
具体的な話のほうが面接では伝わりやすいため、実体験として学び続けた結果、成果を出した話をするといいでしょう。前職の経験でもプライベートでも何でもいいので、自分が自信をもって話せる成功エピソードを用意しておくことをおすすめします。
労務未経験者が第二新卒で入社した後に取得するべき資格
未経験で労務を考えている方は、次に紹介する資格取得を目指してみてください。第二新卒の未経験での転職も、以下の資格があれば、有利に労務へ転職できる可能性があります。
社会保険労務士(社労士)
社会保険労務士(社労士)は、企業の人事・労務・総務のスペシャリストとして独占で仕事できる国家資格です。
社会保険労務士の試験では、労働基準法・労働災害補償保険法・雇用保険法などの労働管理や、厚生年金保険などの社会保険に関する一般常識が求められます。難易度は高い資格ですが、未経験で労務に転職をする際、取得しておくと有利になる資格といえます。
社会保険労務士の資格を取得していると、労務に関する知識があることを採用担当にアピールすることができます。また、従業員のために就業規則の作成、賃金体系作り、採用から退職までの労働や社会保険、年金に関する手続きなどを学ぶことができる資格なので、入社後から労務として活躍するためにおすすめの資格です。
参考:全国社会保険労務士会連合会 試験センター「社会保険労務士試験のご案内」
キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントは、国家資格として定められている資格です。労働者の職業選択、職業生活設計や職業能力の開発など、労働者に対して指導を行うキャリアコンサルティングと、企業内のキャリアコンサルタントとしての活動があります。企業内のコンサルタントでは、従業員のキャリア形成支援者として、従業員のキャリアプランを明確にし、それに対して必要な知識・資格の習得を支援します。
試験内容は、学科試験と実技試験があり、両方を合格すると「キャリアコンサルタント」として認定を受けることができます。キャリアコンサルタントの資格を取得しておけば、労務だけでなく人材業界や採用担当としても活躍ができるため、幅広いキャリア選択が可能になります。もちろん労務の仕事に直結する知識を得ることもできるので、取得しておくべき資格といえます。
参考:厚生労働省「キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタント」
第二新卒で未経験労務に転職をするのは可能
履歴書・職務経歴書の書き方や面接でのアピール内容をしっかり対策をしておくことで、転職成功につながります。そのほかにも、今回ご紹介した転職時のポイントや持っておくべき資格など、積極的に取り入れていくことで、労務への転職成功につながるといえます。
自分が希望するキャリアへ進めるように、今回の記事を参考にしっかりと準備をして転職活動に臨みましょう。
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