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労務管理士とは?資格の取得方法やメリット、向いてる人の特徴も解説!

シンカキャリア編集部

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更新日:2024/07/13

労務管理の業務全般を任される「労務管理」を皆さんはご存じでしょうか。国家資格である社会保険労務士と混合されている方や、実際の労務管理士の仕事内容を理解していない人が多いと思います。今回は、労務管理士とは何かについて解説します。資格取得のメリットや向いている人の特徴についても解説するので、少しでも労務管理士に興味がある方は最後まで読んでみてください。

目次

労務管理の業務全般を任される「労務管理」をご存じでしょうか。国家資格である社会保険労務士と混合されている方や、実際の労務管理士の仕事内容を理解していない人が多いと思います。

今回は、労務管理士とは何かについて解説します。資格取得のメリットや向いている人の特徴についても解説するので、少しでも労務管理士に興味がある方は最後まで読んでみてください。

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労務管理士とは?

労務管理士とは、労働基準法や労務管理など専門知識を学べる資格です。主に、人事や労務専門の部門で活かせる内容です。

労務管理士の試験は、一般社団法人日本人材育成協会と一般社団法人日本経営管理協会が運営する民間資格であり、国家資格ではないので注意してください。

労務管理士の試験は、20代以上であれば誰でも受験可能です。性別や学歴を問わず、民間資格でもあるため、取得しても意味がないと思う方もいるでしょう。しかし、労務管理士の資格を保有していると、労務管理のスペシャリストということをアピールできるため、実は非常に重要な資格です。

労務管理士と社会保険労務士との違い

労務管理士と社会保険労務士が混合している人は多いのではないでしょうか。以下では、労務管理士と社会保険労務士の違いについて解説します。

2つの特徴を理解したうえで、労務管理士の魅力を知ってください。

労務管理士と社会保険労務士との違い

労務管理士とよく間違われるのが、社会保険労務士です。社会保険労務士は労務管理士とは異なる資格なので注意してください。

それぞれの特徴をまとめます。

【労務管理士】

  • 仕事内容:人事制度の構築や労務管理
  • 活躍の場:企業内
  • 資格種類:民間資格

【社会保険労務士】

  • 仕事内容:人材管理やコンサルティング、書類の作成など
  • 活躍の場:企業内・独立開業
  • 資格種類:国家資格

労務管理士が民間資格であるのに対し、社会保険労務士は国家資格です。そのため、社会保険労務士には独占業務がありますが、労務管理士には独占業務がありません。

社会労務管理士であれば、第一号業務として健康保険や年金保険などの各種書類の作成や提出代行が行えます。また、第二号業務として、労働者名簿や帳簿書類などの書類作成や、第三号業務で人事に関するコンサルティングやアドバイスが可能です。

労務管理士の難易度

労務管理士の難易度は、比較的易しいといわれています。

民間資格である労務管理士は、国家資格に比べると試験の難易度が低く、合格を目指しやすいです。受験するに際し、全国各地で開催されている講座を受講し、所定の試験に合格をすれば資格取得できます。講座に参加できない場合は、オンライン資格認定講座や通信講座も実施しているため、それらに参加しながら勉強し合格を狙ってみましょう。

一定の業務経験がある人は、書類審査でも資格取得を目指せます。自分の業務が当てはまるか気になる人は調べてみましょう。

労務管理士の仕事内容

主に企業内での活躍が多い労務管理士の仕事内容を解説します。

労務管理士が実際にどのような仕事を行っているか、記事を読みながらイメージしてみてください。

雇用契約の締結

雇用契約の締結は、労務管理士の仕事です。

雇用契約の締結では、労働契約書などさまざまな書類が必要になります。雇用契約書には、契約期間や勤務時間、業務内容や賃金など、従業員を雇用する上で明示すべき内容として厚生労働省が指定したとおりに記載します。

その際に、労働基準法の知識を持っている労務管理士が仕事を担うことで、スムーズな書類作成や各種手続きができます。

人事考課

人事考課とは、人員配置や従業員の給与・役職などを決める仕事です。これらは、従業員の能力や適性をもとに、公平な判断をする必要があります。

人事考課が適切に行われると、従業員のモチベーションは向上します。また、適材適所で業務を行うことは、企業全体の業務効率をあげることも可能です。

一方で、人事考課が従業員に理解されなかった場合、「自分は必要とされない」「頑張っているのに役職に就けない」など、従業員に不満を感じるリスクがあります。これらのリスクを阻止するために、一定の知識がある労務管理士の公正な判断をするために、人事考課を担います。

従業員の健康管理

従業員の健康管理も、労務管理士の仕事の1つです。

少子高齢化による労働力不足で、企業の人材確保は重要な課題になっています。従業員の健康診断を促進したり運動環境を整備することは、従業員の健康管理のために重要です。

企業にとって従業員は資産であり、従業員が健康で長く働けるような環境整備を労務管理士が担います。

50名を超える企業では、メンタルヘルスチェックが義務化されており、従業員が心身共に健康でいるための健康管理は、労務管理士の重要な仕事です。

労働環境の改善

労働環境に対して、従業員が不満を感じれば働きやすい環境とはいえません。労務管理士は、従業員にとって働きやすい環境を作る仕事を担います。

「残業時間が多い」「休みを取りにくい」「職場になじめない」など、従業員が抱える悩みのほとんどは労働環境です。従業員にとって労働環境が悪いと、離職率が高くなる危険性があります。

労務管理士は、従業員の定着を安定させるためにも、福利厚生を整えたり従業員同士のコミュニケーションを促したりと、労働環境の改善に努めます。企業の課題や従業員が抱える不満を分析しながら、労働環境の改善に努めるのも労務管理士の仕事です。

各保険の管理

企業に雇用されている従業員は、一定条件を満たしている場合、社会保険や労働保険に加入が必要です。社会保険や労働保険は、パートやアルバイトも同様に加入対象になります。

これらの保険に加入するためには、複数の書類が必要です。また、人によっては必要な書類や加入条件が異なるため、ある程度の専門知識が必要とされます。その際に、専門知識を保有している労務管理士が手続きを行うことで、効率的に進めることができるでしょう。

特に、従業員が多い企業だと、これらの手続きには時間がかかるため労務管理士の専門知識とスキルは必要不可欠です。

就業規則の管理

従業員が企業で働く上で、企業はルールを策定する必要があります。これを就業規則といいます。企業によって就業規則の内容は異なりますが、10人以上雇用している企業では、就業規則を定めることが義務化されています。

就業規則が明確でなければ、企業と従業員の間でトラブル発生の危険性があります。労務管理士は、トラブルを発生させないためにも、企業の状態からどのような規則が必要か判断し、規則を作成します。また、作成した規則を管理しながら、従業員に対して促進するのも、労務管理士の仕事です。

給与・勤怠管理

従業員の勤怠管理も、労務管理士の仕事です。

従業員の残業時間や休日出勤の有無を確認し、労働条件に基づいた給与計算を行います。インセンティブ制度を設けている企業では、個々の成績を給与や賞与に反映は必要です。そのため、複雑な仕事と認識しておきましょう。

給与計算に間違いがあると、企業の会計処理への影響や従業員からの信頼を失いかねません。給与計算や勤怠管理は、特にミスが許されない慎重な仕事です。

労務管理士の資格を取得するメリット

労務管理士の資格を取るメリットを解説します。

民間資格である労務管理士の資格は、20歳以上であれば誰でも受験できる、挑戦しやすい資格です。

資格取得のメリットを理解し、積極的に挑戦してみましょう。

労働法規に関する知識の習得

労働法規とは、労働基準法や労働契約法など、労働者を守るための法律です。労務管理士の資格を取得すると、これらの知識を身につけられます。

労務管理士の業務には、複数の労働規則や知識が必要です。資格勉強では、業務に使える知識を身につけることが可能です。

また、身に付けた知識は、自身が一従業員としても知識を活かせます。企業のトラブル発生時に、自分の身を守るために得た知識を活用しましょう。

知識があるからこそ導ける解決策はあるため、積極的に活用してください。

人事業務に活かせる

企業の生産性を向上させるためには、従業員の適性や向き不向きを理解し、適切な場所に配置する必要があります。また、従業員の能力を判断し、適切な役職を用意することが重要です。

労務管理士の資格を保有していれば、人材配置の知識など人事業務に活かせる専門性知識を活かしながら活躍できます。労務管理士の人事業務に活かせる知識は、企業からの需要も高いため、人事課でも活躍することができるので、おすすめです。

資格手当が支給される場合がある

資格手当は、企業が規定する資格を保有している場合、その分の給与が上乗せされる福利厚生です。

企業によって、規定されている資格は異なります。ただ、最近は従業員にとって働きやすい環境を作るために、福利厚生を充実させている企業が増えてきています。その影響で、資格手当の対象となる資格の幅を広げている企業が多く、労務管理士が含まれる場合があります。

資格取得をしていると、知識が増えるだけでなく、給与にも反映されるため年収アップを狙うことができます。

就職・転職・キャリアアップに繋がる

労務管理士の資格は、転職の際に有利になる可能性があります。

労務管理士の資格は、労働法規や人事に関する知識を保有していることを証明できます。企業の採用担当者が書類審査を行うとき、候補者の資格欄を確認することが多いです。資格欄に労務管理士の資格が記載されていると、面接前にスキルを確認でき、書類審査が通過しやすくなります。

企業によっては、労務管理士の資格保有者を募集している企業もあります。転職の際、あらゆる可能性を活かすためにも、労務管理士の資格は保有しておくといいでしょう。

労務管理士の資格取得方法

労務管理士の資格を取得するためには、勉強が大切です。

どのような勉強方法があるのか、また取得するための試験内容について以下でしょうかいします。自分に合う資格取得方法を見つけてください。

①公開認定講座

公開認定講座とは、日本全国で開催されている講座です。公開認定講座を受講すると、公開認定講座で行われる資格認定試験を受験ができます。

公開認定講座では、労務管理士の勉強をしている際にわからないことがあればすぐに講師に質問可能です。そのため、独学で勉強しているときよりも、効率的に学習を進められるでしょう。

講師から直接解説を受けることは理解が深まりやすいので、勉強方法に悩んでいる方はまずは公開認定講座を利用してみてください。

②Web資格認定講座

Web資格認定講座は、公開認定講座を受講できない人に向けた講座です。

公開認定講座には時間がないから通えない人でも、eラーニングを活用して受講することができます。受講をすると、インターネット上で資格認定試験を受験できるので、時間がない方におすすめです。

受験に合格をすれば、労務管理士として登録ができます。

Web資格認定講座は、受講料と受験料が最も抑えられる学習方法であり、受講場所の縛りもないのがメリットです。

③通信講座

公開認定講座が受けられない場合、規定の通信講座を履修して受験資格を得られます。

既定の通信講座をすべて受講後、到達度試験に合格をすれば労務管理士として登録できるようになります。

通信講座は、自宅にいながらも学習ができます。休日や仕事終わり、学校終わりに時間が作りにくいという方には、おすすめの勉強方法です。

④書類審査

以下の条件に当てはまる場合、書類審査のみで労務管理の審査を受けられます。

  • 労務管理に関する実務経験3年以上の証明(経歴書または職務経歴書
  • 労務管理士資格取得者からの推薦

書類の内容に基づいて、協会審査委員会で審査が行われます。審査に通過すれば、労務管理士として登録できるので、経歴や周りに推薦してくれる人がいる場合は、書類審査も検討してみましょう。

労務管理士に向いている人の特徴

労務管理士に適している人には、以下の特徴があります。

  • 几帳面
  • 責任感が強い
  • 人の役に立ちたいと思う
  • 高いコミュニケーション能力

法律に関する業務を行う労務管理士は、正確性や慎重さが求められます。そのため、几帳面な方や正義感が強い方に向いています。

また、人事業務においてさまざまな従業員の適性や性格を見極めるのも労務管理士の仕事です。確かな判断をするためには、他者との良好な人間関係を築く必要があり、コミュニケーション能力は欠かせません。

誰にでも偏見を持たず、関係を築くことができるような人は労務管理士に向いているでしょう。

労務管理士資格の活かし方

労務管理士の資格には、さまざまな活かし方があります。

そもそも、労務管理士の資格を保有していることは、労働法規についての知識があることをアピールできます。そのため、労務管理だけでなく人事など、専門知識を必要とする仕事に携わり、業務の幅を広げられます。

また、労務管理のスペシャリストとして自分の知識をアピールできます。既に労務管理の仕事を行っている人だけでなく、総務や管理など別部署で活躍している人も同様のことが言えます。部署異動や転職を希望する方は、労務管理士の資格で自分のスキルをアピールしてみましょう。

労務管理士の資格を保有で市場価値の高い人材に

労務管理士は、労務管理のスペシャリストです。労務管理は企業経営の土台を支える重要な役目を担っています。近年、コンプライアンスやブラック企業など、あらゆる企業問題が社会的に注目されています。そのため、企業はトラブルを未然に防ぐために、日々取り組みを重ねています。

労務管理士は、これらの取り組みをまとめる重要な役目であり、企業にとって必要不可欠な存在です。

今回の記事を読んで、少しでも労務管理士に興味を持った方は、労務管理士を目指してみてはいかがでしょうか。市場価値の高い人材になるために、積極的に挑戦をしてみましょう。

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