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社会保険労務士は「やめとけ」?向いている人、向いていない人の特徴を徹底解説

シンカキャリア編集部

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更新日:2025/04/09

社会保険労務士は本当に「やめとけ」なのかを解説します。仕事内容や年収の実態、向いている人・向いていない人の特徴、キャリアを築くための具体策を紹介。資格取得を迷っている方は参考にしてみてください。

目次

「社労士って本当にやめた方がいいの……?」そんな不安を抱えて、資格取得をためらっていませんか?社会保険労務士は、労働や年金といった社会制度のプロとして活躍できる国家資格です。しかし一方で、「年収が低い」「地味で大変」といったネガティブな声もあります。

こうした疑問や悩みを解消するため、この記事では「やめとけ」と言われる理由とその実情、さらに向いている人・いない人の特徴まで、徹底的に解説していきます。社会保険労務士を目指すかどうか悩んでいる方は、どうぞ最後までご覧ください。

社会保険労務士とは

社会保険労務士は、労働や社会保険に関する法務手続きを専門とする国家資格者です。企業の「人」に関する課題を解決するプロフェッショナルとして活躍しています。

とくに近年では、労働環境の変化や法改正の影響で、企業の人事・労務に対する関心が高まっており、社労士の役割はますます重要になっています。

社会保険労務士の仕事内容

社会保険労務士の主な業務は以下のとおりです。

  • 社会保険や労働保険の手続き代行
  • 就業規則や労使協定の作成・改定
  • 給与計算や勤怠管理のサポート
  • 労務トラブルやハラスメントへの対応助言
  • 労働基準監督署や年金事務所への対応代行

これらの業務を通じて、企業のコンプライアンス強化や職場環境の改善に貢献します。

近年では、働き方改革やメンタルヘルス対策に関する相談も増加しており、社労士には法律知識だけでなく、現場感覚と柔軟な対応力が求められています

▼社会保険労務士の仕事について詳しくはこちら

社労士の年収や仕事内容|社労士がキャリアアップして年収を上げる方法とは?

「社会保険労務士 やめとけ」と言われる理由とは?

一部で「社労士はやめとけ」と言われる背景には、いくつかの厳しい現実があります。代表的な理由について、以下で詳しくみていきましょう。

理由1、年収が思ったほど高くない

社労士の平均年収は、ほかの士業と比べて高いとはいえません。勤務社労士の年収は400〜500万円程度が相場で、会社員と大きな差がないケースも。独立すれば年収1,000万円以上も可能ですが、顧客ゼロからのスタートになるため軌道に乗るまでに数年はかかります。

また、年収の差は営業力やマーケティング力によるところが大きく、資格を取っただけで高収入になるわけではありません。収入面を重視する人にとっては、期待外れに感じることもあるでしょう。

理由2、競争が激しく顧客獲得が難しい

社労士業界は、毎年多くの新規登録者が増え続けており、独立開業を目指す人にとっては競争が激しい状況です。すでに信頼関係を築いているベテラン社労士が多数いるなかで、新人が新規顧客を獲得するのは容易ではありません。ネット集客や営業活動、セミナー開催などの工夫が不可欠になります。

また、企業側も複数の社労士を比較検討する傾向が強くなっており、価格競争やスピード対応も求められます。「資格があるから仕事が来る」という時代ではないのです。

理由3、事務作業が多く地味な仕事

社労士の仕事は法律知識を活かす華やかな職業に見えるかもしれませんが、実際はデスクワークが中心です。各種手続きの申請書類作成、給与計算、労働時間の集計など、ミスが許されない細かい事務作業が大量に発生します。WordやExcelを日常的に使い、単純作業の繰り返しが続くこともあるでしょう。

人と接することを期待して資格を取った人にとっては、ギャップを感じやすい部分かもしれません。派手さやクリエイティブさを求める人には地味に映るでしょう。

理由4、専門分野の幅が狭い

社労士は、労働・社会保険関連に特化した国家資格であり、法務・税務・経営全般にわたる広範囲な業務は基本的に対象外です。このため、キャリアの選択肢に幅を持たせたい人や、幅広い業務を通じて成長したい人には物足りなさを感じることもあるでしょう。

中でも、経営コンサルティングや財務アドバイスなどを視野に入れている人にとっては、業務範囲の制限がネックになる場合もあります。

理由5、ストレスやプレッシャーが大きい

社労士は法律に基づいた正確な処理が求められるため、常にミスの許されない緊張感と隣り合わせです。さらに、企業の人事・労務トラブルに関わることも多く、従業員とのトラブル対応や経営層との調整など、精神的な負担も大きくなりがちでしょう。

法改正にも常にアンテナを張る必要があり、勉強を続けなければならない点もストレスにつながる要因の一つといえるでしょう。

社会保険労務士に向いている人の特徴

社労士は「人」と「法律」に関わる仕事であり、適性によって向き不向きがはっきりと分かれます。以下のような資質を持つ方は、この職業に強く向いているといえるでしょう。

法律や制度に関心が高い

社労士は法律や制度に強い関心を持ち、継続的に学べる人に向いています。社会保険や労働法は、毎年のように改正されるため、最新情報をキャッチし、実務に反映させる能力が欠かせません。法改正の影響で手続きが大きく変わることもあるため、常にアンテナを張っておく必要があります。

たとえば「育児・介護休業法」や「労働時間の上限規制」などの制度改正は、企業の運用ルールに直結するため、社労士が正確に把握し、アドバイスする役割が求められます。机上の知識だけではなく、「制度が現場でどう使われるのか」に興味が持てる人にとっては、やりがいの大きい仕事です。

数字に強く、正確な事務処理ができる人

社労士の仕事には「計算力」と「正確さ」が欠かせません。給与計算や社会保険料の算出はもちろん、労働時間の集計や有給休暇の管理など、数字に関わる場面が多くあります。わずかな計算ミスが従業員の給与や企業の信用に関わることもあるため、几帳面さと注意力も重要です。

また、行政への書類提出では、指定された様式や期日を守る必要があります。期日を過ぎると罰則が科されるケースもあるため、事務処理能力の高さが仕事の質に直結するでしょう。数字を見ることや細かい作業にストレスを感じない人、コツコツとした作業を継続できる人は、社労士に適性があるといえます。

高い倫理観とコミュニケーション能力を持つ人

社労士は「信頼される存在」であることが最も大切です。企業の就業規則や給与情報、労使トラブルなど、機密性の高い情報に日常的に触れるため、強い守秘義務意識と倫理観が求められます。また、経営者からの相談に応じたり、従業員と面談したりする場面もあり、人と円滑にやりとりできる力が必要です。

コミュニケーション能力といっても「話し上手」を目指す必要はありません。むしろ、相手の立場を理解して丁寧に説明したり、冷静に意見を伝えたりする姿勢が大切です。トラブルを未然に防ぎ、組織の健全な運営を支えるという意識が持てる人には、社労士は非常にやりがいのある職業となるでしょう。

社会保険労務士に向いていない人の特徴

一方で、社労士としての業務に適性が合わないと、資格を取得しても実務で苦労するケースがあります。以下のような特徴が見られる方は、仕事内容とのミスマッチが起きやすいでしょう。

細かい作業が苦手な人

ミスを防ぐために緻密な作業が求められる社労士の仕事は、雑な性格の人や確認作業を面倒に感じる人には不向きです。労働保険の年度更新や社会保険の算定基礎届などでは、従業員の給与明細や勤務状況を正確に把握しなければなりません。少しの誤差や記入ミスが、クライアントの損失や信頼低下につながるため、作業精度には常に気を配る必要があります。

また、複数の手続きを並行して行う場面も多いため、計画的に物事を進められないタイプだと、納期に追われてストレスを抱えることもあるでしょう。

自己研鑽ができない人

社労士は資格取得後がスタート地点であり、そこからの学びが非常に重要です。法改正は頻繁に行われるため、実務に直結する最新情報を継続的にインプットしなければなりません。また、開業社労士として独立する場合は、経営知識やマーケティングスキル、営業力も求められます。

「資格を取れば安泰」と考えてしまうと、実務で通用せずに苦労することになります。常に新しい知識を取り入れ、自らのスキルアップに意欲を持てる人でなければ、資格を活かしきるのは難しいかもしれません。

コミュニケーション能力が低い人

社労士の仕事は単なる事務作業にとどまらず、「人と接する力」が重要です。たとえば、就業規則を変更する際には、経営者の意向をヒアリングしつつ、法令との整合性を保った内容を提案しなければなりません。労働トラブルの相談対応では、感情的になっている従業員と冷静にやり取りすることもあります。

口下手でも構いませんが、相手の話をしっかり聴き、信頼関係を築ける姿勢が求められます。「人と関わるのが苦手」「相談ごとに対応するのが面倒」と感じる方には、社労士という仕事は重荷になる可能性があります。

社会保険労務士に「やめとけ」と言われる理由を乗り越える方法

「社労士はやめとけ」といった声には確かに根拠がありますが、それは裏を返せば、対策次第で乗り越えられるということです。ここでは、実務上の壁をどう克服するか、具体的な方法を3つ紹介します。

専門性を高め、差別化する

「選ばれる社労士」になるには、特定分野での専門性が不可欠です。たとえば、次のようなテーマに特化することで差別化が図れるでしょう。

  • メンタルヘルス対応に強い
  • 障害者雇用支援の実績が豊富
  • IT企業の人事制度に詳しい

こうした専門性を深めることで、単なる手続き代行ではなく、企業にとって「相談できる存在」としての信頼を築くことができます。また、企業規模や業種を絞ったサービス提供も有効です。ニッチな市場ほど競合が少なく、専門家としての地位を確立しやすくなります。

顧客獲得に向けたマーケティング戦略を立てる

多くの開業社労士がつまずくのが「集客」です。しかし、ここに戦略を持てば大きな武器になります。具体的には以下のような方法があるでしょう。

  • ホームページやブログで専門性を発信する
  • SNSやYouTubeで情報を継続的に発信
  • 地元の経営者向けセミナーを開催
  • 同業士業(税理士・弁護士など)との連携を深める

「営業が苦手」と感じる方でも、情報発信を始めるのがおすすめです。専門知識を分かりやすく伝えることで信頼を得ることができ、問い合わせや仕事のきっかけにつながります

ストレス管理と業務効率化の方法を取り入れる

社労士の仕事は「ストレスとの付き合い方」が重要です。労働トラブルやクライアント対応では感情労働も多く、精神的な負担を抱えてしまう場合もあるでしょう。以下のような工夫がおすすめです。

  • ITツールを活用し業務を自動化(勤怠管理・申請代行など)
  • コミュニティに所属して情報交換や相談ができる環境を持つ
  • 案件の受注量をコントロールし、無理のない働き方を選ぶ

このように、ITツールを利用したりコミュニティに所属したりすることで、ストレス管理や業務を効率化する方法を取り入れるとよいでしょう。また、士業は「1人で何でも抱え込む」傾向がありますが、ときには周囲に頼ることも必要です。業務を標準化し、効率的な働き方を整えることで、心身ともに持続可能な働き方が実現できます。

「社会保険労務士 やめとけ」を払拭してキャリアを築こう

「やめとけ」と言われる社労士ですが、適性を見極めて努力と工夫を重ねれば、自分らしいキャリアを築くことができます。専門性の強化や働き方の工夫によって、安定した信頼と報酬を得ることも十分に可能です。将来を見据え、自分の強みを活かせる道として、前向きに検討してみてください。

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