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労務職・労務管理の仕事内容とは|労務管理士の資格を取得するメリットや取得方法を紹介

シンカキャリア編集部

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更新日:2024/07/23

労務職・労務管理の仕事内容には、法定三帳簿の管理や雇用契約書の作成などがあります。しかし、労務管理に関する具体的な概要を知らない方も多いでしょう。そこで、こちらでは労務管理の仕事内容や会社における重要性、労務管理士の資格などを解説します。労務管理について知りたい方やスキルアップに繋がる資格について知りたい方に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

労務職・労務管理の仕事内容には、法定三帳簿の管理や雇用契約書の作成などがあります。しかし、労務管理に関する具体的な概要を知らない方も多いでしょう。そこで、こちらでは労務管理の仕事内容や会社における重要性、労務管理士の資格などを解説します。労務管理について知りたい方やスキルアップに繋がる資格について知りたい方に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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労務管理の内容とは

労務管理とは、福利厚生や勤怠管理などを通して従業員が安心して働くための環境を作る役割を担う仕事です。人事部が行うこともあれば総務部が行うこともあり、担当部署は会社によって異なります。

労働管理を行う目的は、従業員1人ひとりの生産性の向上や労働契約条件の維持です。従業員は会社の資産であり、働きやすい環境を整えることは生産性に大きな影響を与えます。労務管理によって適切な労働環境を保てば、結果的に会社の利益に繋がるでしょう。まさに、縁の下の力持ちとなる重要性の高い分野だといえます。労務管理の主な仕事内容は、以下の通りです。

【労務管理の内容】

  • 法定三帳簿の作成・管理
  • 雇用契約書の作成
  • 就業規則の作成
  • 社会保険加入の手続き
  • 勤怠管理
  • 従業員の健康管理
  • 企業と従業員間のトラブル対応
  • 退職手続き
  • 休職・異動手続き

法定三帳簿の管理

法定三帳簿とは、管理・保管が労働基準法によって定められている帳簿を指します。管理・保管を怠った場合は処罰の対象になるため注意が必要です。主に、以下の帳簿の管理義務が定義されています。

【法定三帳簿】

帳簿の種類

内容

労働者名簿

従業員の名前や住所などの個人情報をまとめた帳簿。退職・解雇・死亡の日から3年間の保管義務があります。

賃金台帳

従業員に払う賃金関連の情報を記した帳簿。最後に賃金の記帳をした日から3年間の保管義務があります。

出勤簿

従業員の出退勤に関する情報を記録した帳簿。最後の出勤日から3年間の保管義務があります。

就業規則の作成

10人以上の従業員を常時雇用する場合、就業規則を定めることが労働基準法で定められています。「絶対的必要記載事項」「相対的必要記載事項」「任意記載事項」の3事項を核に就業規則を作成するのが基本です。

まず、職場の状況に合わせて規定を定め、法令に違反していないか確認するためのリーガルチェックを行います。代表従業員の確認後、問題がなければサインと意見書をもらい、労働基準監督署へ提出すれば申請の完了です。なお、規則に変更があった際も届出を行う必要があります。

雇用契約書の作成

雇用契約書は、従業員と会社の双方が労働時間や賃金、休日などの労働条件を確認し、労使契約を交わすために必要なものです。新入社員などを新たに雇用した際に作成します。雇用契約書の作成は任意ですが、労働条件を記した労働条件通知書の交付は労働基準法で義務付けられているため、双方をまとめて作成する場合も多いです。

雇用契約書・労働条件通知書ともに、絶対的明示事項と相対的明示事項の2項目が明示されていれば様式は問われません。なお、正社員だけでなく契約社員やパートタイム・アルバイト、試用期間の従業員も対象となります。

社会保険加入の手続き

従業員を雇用した時は、社会保険(厚生年金保険・健康保険)や雇用保険の手続きが必要です。厚生年金保険は年金事務所、健康保険は会社が加入する健康保険組合、雇用保険は公共職業安定所に届出をします。

従業員を新たに雇い入れた際は保険の資格取得、異動時は住所変更、育児休暇時は各種給付金の申請、辞職したら資格喪失の申請といったように、さまざまな場面で保険関係の手続きが求められるため、期限内に終えられるよう計画的に作業を行うことが大切です。

勤怠管理

勤怠管理とは、始業・終業時刻、休日労働日数、時間外労働日数など、従業員の就業状況を記録するものです。勤怠管理を元に給与計算を行うため、高い正確性が求められます。また、過重労働による従業員の健康トラブルを防ぐためにも欠かせない業務です。

なお、労働基準法では、1日ごと・1週間ごとの労働時間と休日の日数を定めており、基準以上の時間外労働もしくは休日労働させる場合には事前に「36協定」を締結し、労働基準監督署に申請しなければなりません。協定締結を怠ると法律違反となるため、毎年忘れずに申請を行う必要があります。

従業員の健康管理

労働安全衛生法では、労災を防止するための安全衛生管理が義務付けられており、従業員が健全に働くための環境を整える必要があります。従業員に健康診断を受けさせる義務があるほか、インフルエンザ予防接種補助の案内などを通して健康を維持するためのサポートを行います。

また、従業員が50人以上いる企業では1年に1度のストレスチェック制度が義務化されています。ストレスチェックによってメンタルの不調を予防し、職場環境の改善を目指すことで健全な会社運営に繋がるでしょう。

企業と従業員間のトラブル対応

企業と従業員間で、セクハラ・パワハラ・マタハラといったハラスメントをはじめとしたトラブルが発生することもあります。セクハラは職場における性的な言動、パワハラは優越的な立場を利用した抑圧言動で労働環境が害される問題、マタハラは妊娠・育休などにおける嫌がらせが挙げられるでしょう。

職場におけるハラスメント防止の周知はもちろんのこと、相談窓口を設けて担当者が適切に対処できる体制作りを行うことが重要です。また、ハラスメントが発生した際には速やかに事実確認を行い、厳正な措置と再発防止に向けた指針を定める必要があります。

退職手続き

従業員が退職をする際には、雇用保険と社会保険の資格喪失申請、労働者名簿の更新、退職手当の支給をはじめとした手続きがあります。また、社員証や健康保険証など、退職する従業員から返納してもらう書類・物品もあるため注意してください。

さらに、年金手帳や退職証明書など、元従業員に渡す書類も多種多様です。退職後もしばらく元従業員と連絡を取り合うことがあるため、滞りなく手続きを終えるためにしっかりと連絡先を把握しておく必要があります。

休職・異動の手続き

怪我や病気、妊娠・出産などで一時的に働けなくなった従業員は、休職手続きを行うのが一般的です。医師による診断書や休職願など、手続きに必要な書類を提出してもらうよう従業員に促す必要があります。また、傷病手当金の請求や休職を理由とする保険給付の申請といった手続きが発生するケースもありますので、従業員の状況を把握することが大切です。

異動の際には健康保険・厚生年金被保険者の住所変更や雇用保険被保険者転勤届などを行います。届出の遅滞が発生しないよう、あらかじめ手続き内容を確認しておくと安心です。

労務管理にいかせる労務管理士ってどんな資格?

労務管理士とは、労務管理や労働基準法に関する専門知識を持ち、適切な労働環境を構築するスキルを身につけていることを証明する資格です。一般社団法人日本経営管理協会と一般社団法人日本人材育成協会が運営する民間資格であり、認定制度の基準は団体ごとに異なります。

労務管理に関する資格として社会保険労務士も挙げられますが、こちらは国家資格であることが労務管理士との大きな違いです。社会保険労務士は労務管理士より合格レベルが高く、将来的に士業で独立したいと考えている人に適しています。労務管理士は国家資格ではありませんが、労務管理に関する知識を基礎から学べるため、企業で労務を担当している人は資格取得を目指して勉強するのもおすすめです。

労務管理士の資格試験

資格名

労務管理士

主催者

一般社団法人日本経営管理協会・一般社団法人日本人材育成協会

対象

20歳以上(学歴・国籍不問)

受験方法

公開認定講座、通信講座、web資格認定講座、書類審査

労務管理士は、認可団体が開催する講座を経て試験を受ければ、比較的容易に合格できるといわれています。未経験者でも取得できる可能性は高いため、挑戦してみてはいかがでしょうか。

労務管理士の資格を取得するメリット

労務の仕事にいかせる労務管理士の資格には、以下のようなメリットがあります。

労務管理士の資格を取得するメリット

  • 転職に有利
  • キャリアアップしやすい

資格は、自分の能力を他人に示すための重要な証明になります。労務管理のエキスパートとしてステップアップするためにも、資格の取得を検討するのがおすすめです。各メリットについては後述していますので、参考にしてください。

未経験からの転職に有利

労務の仕事は専門的な知識を要するものなので、未経験者歓迎の求人は多くありません。未経験から転職を目指す人は、労務管理士の資格を取得することで労務の基礎知識を有していることを証明するのがポイントです。

無資格・未経験より、仕事に役立つ資格を取得していた方が信頼感もあり、よい印象を与えやすいでしょう。少数ではありますが労務管理士の資格を募集要項に入れている会社もあるので、転職先の選択肢を広げるためにも資格取得を目指すのがおすすめです。

キャリアアップしやすい

労務管理士の資格には、労働法規に関する知識を備えられるというメリットがあります。専門知識を持つことで、労務管理だけでなく人事や総務、経営を含めた幅広い業務でスキルを発揮できるチャンスが訪れるでしょう。

特に、労務管理の分野では経営の意思決定権者の近くで業務を行うことも多く、実務で評価を得られればキャリアアップや昇格に繋がります。今よりも一歩先のキャリアへと進みたい時に、労務管理士の資格は強い味方になるでしょう。

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労務職には労務管理士の資格取得がおすすめ

労務管理の仕事は、法定三帳簿の管理や就業規則・雇用契約書の作成など多岐に渡ります。いずれの業務も専門的な知識を求められるため、労務管理士をはじめとした資格を取得しておくとよいでしょう。

資格取得によって専門知識を証明できるようになれば、転職で有利に働いたり、キャリアアップに繋がったりといったメリットがあります。労務管理のスペシャリストとして、働きやすい会社作りを目指してみてはいかがでしょうか。

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