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人事労務管理に求められるスキルとは?具体的な業務内容まで解説

シンカキャリア編集部

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更新日:2025/03/21

これから人事に配属になる人にとって、労務管理がどういうものか気になるところです。人事労務管理を適切に行うことで、人材が定着し組織の力を高めることができます。人事労務管理担当者の取り組み方次第で、人材面からの企業の成長が期待できるでしょう。この記事では、人事労務管理に求められるスキルや具体的な業務内容について解説します。

目次

これから人事に配属になる人にとって、労務管理がどういうものか気になるところです。人事労務管理を適切に行うことで、人材が定着し組織の力を高めることができます。人事労務管理担当者の取り組み方次第で、人材面からの企業の成長が期待できるでしょう。

この記事では、人事労務管理に求められるスキルや具体的な業務内容について解説します。

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人事労務管理とは?

人事労務管理とは、人事と労務をまとめて行い人材の定着を目指す取り組みを指します。人事の主な仕事内容は、企業に入社し働いてくれる優秀な人材を探し会社の成長を促すことです。しかし、優秀な人材を揃えただけで働き方のルールやモチベーションを上げる仕組みがないと、いずれ従業員は別な企業に流出してしまいます。

人材を組織に定着させるには、働きやすい会社の仕組み作りとして労務管理が必要です。労務は一般的に、スムーズな組織運営を行うための規則作りや諸手続きを担当します。人事と労務が一体化することで人材が定着する組織作りができ、健全な会社経営に貢献できるのです。

人事労務管理に求められる3つのスキル

人事労務管理を行うにあたって、業務で求められるスキルを知りたいところです。仕事の特性上、事務的な知識だけでなく人との関わり合いが重要であることを理解しましょう。

法的知識に関するスキル

人事労務管理では、従業員の働き方に関するルール作成に携わることがあります。従業員が働ける時間やもらえる賃金についての規定が必要であり、ルールは法律に基づいて作らなければなりません。

特に、労働三法といわれる「労働基準法」「労働組合法」「労働関係調整法」の内容は必ず知っておきたいところです。会社と従業員が互いに納得できるような約束事を決めておくことで、トラブルを防ぐ働きがあります。

ITリテラシーや情報技術に関するスキル

これからの人事労務管理には、ITリテラシーや情報技術に関するスキルが必要だとされています。企業が発展していくには、限られた時間の中でどれだけ業務を効率化していくかを考えなければなりません。

今まで会議を行うには参加者全員が本部へ駆けつける必要があったものの、近頃ではウェブ上で話し合いができます。IT技術を駆使して、コストを削減できる部分を効率化し、会社の成長に繋げる努力が求められるでしょう。

コミュニケーションスキル

人事労務管理には従業員との関わりが多いため、柔軟なコミュニケーションスキルを身につけておきたいものです。どの職種にもコミュニケーション能力は求められるが、人事労務管理では異動や休職、退職など従業員とのデリケートな話題に触れることがあります。

話し方によっては従業員からの信頼を損ねる場合があるので、人事労務管理では特に配慮が必要です。人の気持ちを考え、慎重に言葉選びができるスキルが求められるでしょう。

人事労務管理における人事管理の具体的な仕事内容は?

人事労務管理の中でも「人事管理」部分における、具体的な仕事内容について気になるところです。人事管理は、人材一人ひとりにスポット当てた業務であることを理解しましょう。

採用業務

人事管理では企業で働く人を集めるために採用業務を担当し、求人の掲載から選考まで行います。採用業務ではただ単に人を募集するだけでなく、どのような人をどのくらい採用するかをあらかじめ決めることが必要です。

採用プランを十分に検討してから、募集や面接、選考を実施します。また、新卒者や中途採用だけでなくパートやアルバイトの雇用では内容が異なるので、それぞれにあったプランニングが必要です。

教育・育成

従業員の教育の計画から実行を担い、業務のスキルアップを図ることも人事管理の仕事の一つです。よくある教育・育成の例として、新卒社員に対するビジネスマナー研修や、管理職向けのマネジメント講習が挙げられます。

企業の生産性を上げるには、従業員がスムーズに働けるような適切な教育が必要です。教育・育成の担当者は従業員が組織で活躍するためのスキルを考え、予算設定やスケジューリングを行います。

人事評価・人材配置

人事評価や人材配置について検討し、従業員にとって働きやすい環境を整える役割を担います。従業員は自分の頑張りに気づいてもらえると仕事のモチベーションアップに繋がるため、適切な評価基準の設定が必要です。

人事評価を行い、従業員の働きぶりによっては人材配置を変更が必要な場合もあります。従業員一人ひとりの能力や適性を見極め、適材適所な部署に配置を行うのも人事管理の仕事の一つです。

組織構成

組織構成とは各部署が行う仕事を割り当て、セクション同士の関係性を明確にすることで社内の指示系統を定める業務です。会社のスムーズな運営には、上層部からの指示を伝達する流れを明確にしておく必要があります。各部署の役割や関係性、従業員の人数を決めておくことで、効果的な組織運営に役立てられるのです。

社内の関係性は多くの場合ピラミッド型の組織図で表し、企業全体の俯瞰に役立てます。

モチベーション管理

従業員のモチベーション管理に繋がる取り組みの一つとして、日々の関係性作りが重要となります。従業員が定着する組織作りの一環として、モチベーション管理は欠かすことのできない要素です。定期的に面談を行いコミュニケーションを取ることで、生産性の向上や離職防止に繋がります。

面談では従業員に対して目標設定や働きぶりへのフィードバックを行うと、主体的な働き方ができるでしょう。

人事労務管理における労務管理の具体的な仕事内容は?

人事労務管理の中の「労務管理」部分における、具体的な仕事内容についても知りたいところです。人材一人ひとりに焦点を当てる人事管理とは異なり、労務管理では組織作りがメインであることを理解しましょう。

勤怠管理・給与計算

勤怠管理をもとに給与計算を行い、従業員に対して労働の対価である報酬を支払います。従業員に正しく給与を支払うには、時間外労働や有給休暇、遅刻や欠勤などの確認が必要です。従業員は出退社時にタイムカードや社員証で打刻を行うので、記録をもとに一人ひとりの労働時間を計算します。

給与計算は月末から月初にかけて行われますが、支払日が決まっているので計画的でスムーズな作業が必要です。

安全衛生・健康管理

働く環境を整える取り組みの一つとして、安全衛生や健康管理を担います。従業員に安心して働いてもらうには、定期的な健康チェックや安全性の高い環境作りが必要です。法律に定められた基準をもとに、健康診断やストレスチェックを実施するのも労務管理の仕事となります。

また、職場の設備が原因で健康が害することがないよう、清潔で安全な環境を保つための定期的な点検も必要です。

社会保険・福利厚生などの手続き

従業員が安心して働き続けられるように、福利厚生である社会保険の事務手続きを行います。以下の社会保険の加入や脱退の手続きを行うことも、労務管理の仕事です。

  • 健康保険
  • 介護保険
  • 厚生年金保険
  • 雇用保険
  • 労災保険

社会人生活での怪我や病気、高齢に伴うリスクに備えて最低限の保障ができるよう手配します。上記の社会保険は労災保険を除き、誰でも加入できるわけではありません。加入要件の把握や必要書類を知っておく必要があります。

労使関係管理

労使関係管理とは、主に従業員同士で結成する労働組合への対応のことです。労働者は職場で賃金や給与について不当な扱いを受けた場合、従業員同士で労働組合を作ることができます。

企業は労働組合加入の通知があった場合、基本的には交渉に応じなければなりません。労務管理担当者は労働組合との書類のやり取りや、交渉日程のセッティング対応を行うことがあります。

就業規則の見直し

従業員が働く上でのルールである、就業規則の見直しを適宜行うことも必要です。就業規則の中には、労働時間や賃金など法律をもとにして作成する項目があります。

法律の改正により現行の就業規則では対応しきれなくなった時、労務管理担当者によるルール変更が必要です。法律の改正だけではなく、世の中の流れや従業員の要望をもとに就業規則の見直しを行うこともあります。

人事労務管理に資格は必要?

人事労務管理の仕事は、必ずしも資格が必要というわけではありません。ただし、人事労務管理に関連する資格を持っていると、業務の充実や転職の際の自己アピールに役立ちます。次節から人事労務管理の仕事に関連する資格を3つ紹介するので、取得の参考にしてください。

おすすめ資格①キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントとは、労働者に対して職業選択やスキルアップのアドバイスを行える国家資格のことです。従業員の配置を担当する人事労務管理において、個別のキャリア相談に乗る機会は少なくありません。

人事労務管理の担当者がキャリアコンサルタントを取得すると、従業員の希望や特性に合わせた働き方を提案できるようになります。受験資格に学歴は関係なく、キャリアコンサルタントに関する講座の受講や、特定の実務経験があれば誰でもチャレンジ可能です。

おすすめ資格②労務管理士

労務管理士とは、労働基準法をはじめとした労務管理における知識を証明する民間資格のことです。就業規則の作成には、最低賃金や1週間に働いていい時間など労働に関する法律への理解が求められます。

人事労務管理の担当者が労務管理士を取得すると、就業規則の変更や契約行為を正しい知識のもと行うことができるでしょう。企業によっては資格手当の対象になるため、取得を目指すとモチベーションアップにも繋がるはずです。

おすすめ資格③メンタルヘルス・マネジメント検定

メンタルヘルス・マネジメント検定とは、職場における精神的なストレスや病気についての知識を証明する民間資格のことです。近頃では職場のパワーハラスメント問題が深刻化しており、従業員が快適に働くための環境整備が重要視されています。

人事労務管理がメンタルヘルス・マネジメント検定を取得すると、万が一従業員が心の病を患ってもいち早く気づき速やかに対応できるようになるでしょう。

人事労務管理の課題とは?

人事労務管理には、以下のような課題が挙げられます。

  • 多様化する働き方への対応
  • コンプライアンス遵守
  • 業務効率化

ライフスタイルに合わせて働けるように、テレワークやフレックスタイム制など柔軟な働き方を取り入れる企業が増えています。働き方の多様化を受け入れなければならない一方で、労働時間の管理や休暇など新たなルール策定が必要であることも事実です。コンプライアンスを守りつつ、人材が定着する職場作りについて考えていかなければなりません。

また、人事労務管理には、紙書類でないと成り立たない業務が依然として多いことも事実です。在宅勤務の需要が増す中、ペーパーレス化の進め方も大きな課題といえるでしょう。

人事労務管理の課題解決にはシステムの導入がおすすめ

人事労務管理の課題を解決するには、手間がかかっている部分へのシステム導入がおすすめです。前述した通り、人事労務管理は時代の変化を受け、さまざまな課題に直面しています。また、日本全体で働き手不足が叫ばれる中、限られたコストの中で精度の高い業務を行わなければなりません。

人事労務管理システムの導入を行うと、事務作業にかかる時間の短縮が可能です。従業員との面談や採用業務のような、人事労務管理の本質的な業務により力を入れられるようになります。システムを導入することで、長い目で見た組織力の向上や会社の成長にも繋がるでしょう。

人事労務管理業務におけるシステムを導入するメリット

人事労務管理業務にシステムを導入するメリットがあるなら、自社の業務改善に役立てたいものです。システム導入のメリットを知り、手間がかかっている業務の効率化に繋げましょう。

人事労務手続きの自動化

人事労務手続きの代表例として、従業員が入社する際の各種保険への加入業務が挙げられます。従来の紙面上での手続きでは、記入やハンコ漏れがあるとその都度従業員に直してもらうため手間がかかっていました。

各種保険への加入手続きを自動化すると、パソコンやスマホ上で記入できそのまま電子申請が可能です。手続きの簡略化は人事労務管理担当者だけでなく、書類を用意する従業員に対してもメリットがあるでしょう。

従業員・組織情報管理のペーパーレス化

従業員や組織情報管理のペーパーレス化を行い、コストやミスの削減を実現できるでしょう。企業の従業員には、名前や住所、役職や評価などさまざまな個人情報が紐づけられています。

今までの個人情報管理には電子データと紙書類が混在し、修正や変更の際に漏れが発生しやすいという問題がありました。情報管理をペーパーレス化することで内容を一元管理でき、入力漏れを減らせます。

人事評価管理の標準化・共有化

システムを導入することで、人事評価管理がさらに適切に行えるようになります。これまでの人事評価では査定基準が部署や上司によって異なるケースがあり、適切にスキル判断が行えているとはいえませんでした。

人事評価管理にシステムを導入すると、スキルのデータ化によって個人の能力の判断がしやすくなります。評価の根拠もわかりやすくなるため、従業員自らが働きぶりを振り返る際にも活用できるでしょう。

健康管理のシステム化

従業員の健康管理をシステム化することで、働きすぎやトラブル防止に繋がります。近頃のパワーハラスメントや長時間労働問題を受けて、働き方と健康状態を結びつけて考える必要性が出てきました。

健康管理システムを導入すると、健康診断の結果や残業時間、面接記録などをひとまとめにできます。労働災害の防止や、仕事が原因で健康被害が出た場合の速やかな対応に役立つでしょう。

人事労務管理の役割を理解し会社に貢献しよう

この記事で紹介した通り、人事労務管理は事務処理が多い部署でもあります。事務処理に時間がかかると、本来の人事労務管理の目的である企業目標の達成という視点が見失われがちです。管理職の一部として会社の成長に貢献できるよう、人事労務管理の本来の役割を知り、課題への対処方法についても理解しましょう。

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