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Microsoft認定資格プログラムとは?ロールベースの定義と受験方法を解説

シンカキャリア編集部

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更新日:2024/07/11

昨今のビジネスシーンではMircosoft製品を取り扱う技術が不可欠なものになってきています。このような流れの中、Microsoft製品に関する知識および技術を有すると証明できる資格である「Microsoft認定資格(MCP)」に興味を持っている方も多いのではないでしょうか。ここではMicrosoft認定資格の受験を検討している方に向けて、Microsoft認定資格(MCP)の概要および体系、ロールの定義や受験方法などの情報をご紹介します。

目次

Microsoftは世界中で最も普及しているとも言われる、知らない人はいないほどの巨大ベンダーです。昨今のビジネスシーンではMircosoft製品を取り扱う技術が不可欠なものになってきています。AIやセキュリティ、データサイエンスなどの最先端技術にもMicrosoft製品が使用されていることも多いでしょう。

このような流れの中、Microsoft製品に関する知識および技術を有すると証明できる資格である「Microsoft認定資格(MCP)」に興味を持っている方も多いのではないでしょうか。ここではMicrosoft認定資格の受験を検討している方に向けて、Microsoft認定資格(MCP)の概要および体系、ロールの定義や受験方法などの情報をご紹介します。

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Microsoft認定資格プログラム(MCP)とは?

マイクロソフト認定資格プログラム(MCP:Microsoft Certification Program)とは、マイクロソフト製品に対する知識と技能をレベル別に認定する試験体系です。日本マイクロソフト社が同社の製品に対して、IT技術者の知識を認定するために実施を開始したメーカー認定の資格です。

受験者数や合格者数は残念ながら公開されていませんが、メディアの情報によると日本国内での合格者数は10万人を超え、全世界でも100万人を優に超える人数であると言われています。また企業情報に社内の有資格者人数を掲載している企業も多いため、社会人のスキルとして重要視されていることが分かるでしょう。

MCPには製品・ロール・レベル別に非常に多くの試験に分かれており、単一または複数の試験に合格することで資格の保有を認められる仕組みになっています。

MCP各資格の有効期限は1年

MCP各資格の有効期限は1年間となっています。これはMicrosoftが常に最新で有用なスキルや知識を保つことを重要視している点が理由の一つです。しかしMCPの資格を更新するためには、同じ試験を再度受験する必要はありません。更新するにはMicrosoft Learnで受験できる「更新アセスメント」をオンラインで受験し、これに合格するだけで有効期限を更新できます。更新アセスメントは本試験より短くシンプルであり、あらかじめMicrosoft Learnで更新のための学習もできるため、難易度はさほど高くありません。なお受験料も無料です。

また、更新は有効期限の半年前から可能です。1年が経つ前に更新したとしても、有効期限はその時点での有効期限プラス1年で更新されますので、忘れないうちに更新することをおすすめします。

ロールによる9つの分類(製品やレベルで分類される体系)

現在のMCPは、ロール(役割)をベースとしながら製品やレベルごとに分類される体系となっています。現在は9つのロールが公開されており、それぞれのロールにはさらに、Fundamentals・Associate・Expertの3段階のレベルが設定されています。

Fundamentalsは初級、Associateは中級、Expertは上級(最高難度)のレベルです。さらに使用する商品によってより細分化されるため、全体的な試験体系は非常に複雑になっています。内容や分類には変更も多いため、受験の際は必ずMicrosoft公式サイトを確認しましょう。

参考:Microsoft「Microsoft 資格情報」

Developer(開発者)

Developer(開発者)ではクラウドソリューションの設計や構築、テスト、保守業務を担うIT人材が想定されています。ソリューション設計者や顧客と提携して、アプリケーションとサービスを実装する業務を行っている方に有益に働く資格です。

具体的な試験では「Microsoft Certified: Azure Developer Associate」や「Microsoft 365 認定: 開発者アソシエイト」「Microsoft 認定: Dynamics 365: Finance and Operations アプリ開発者アソシエイト」などがDeveloperに該当します。

なお、以下すべてのロールと同様に、開発者の認定パスもFundamentals、Associate、Expertの3つのレベルごとにそれぞれ用意されています。

クラウドアプリケーションの設計・構築・保守からMicrosoft 365の取り扱い、IoTやデータベースまで、一連のIT技術に応じた様々な試験が用意されています。エンジニアとしての信頼や技術を高めたい方には挑戦する価値が高いと言えるでしょう。

Administrator(管理者)

Administrator(管理者)にはMicrosoftのソリューションを実行・監視・保守を行う人材が該当します。計算・ストレージ・セキュリティ・ネットワークに関連した主要サービスを含め、Microsoft Solutionの実行・監視・保守を行う業務担当者におすすめのロールです。

具体的には「Microsoft 認定:Azure Administrator Associate」「Microsoft Certified: Azure for SAP Workloads Specialty」「Microsoft 認定: Azure Virtual Desktop Specialty」などがAdministratorに該当します。

昨今の需要が高いMicrosoft Azure環境を実装・管理・監視するスキルにとどまらず、SAP用Azureワークロードアーキテクトや仮想デスクトップ技術に関連した試験も用意されています。

Solutions Architect(ソリューション アーキテクト)

ソリューションアーキテクトは、コンピューティング・ネットワーク・セキュリティ・ストレージに関する専門技術者を対象としている試験です。

具体的には「Microsoft Certified: Dynamics 365: Finance and Operations Apps Solution Architect Expert」「Microsoft Certified: Azure for SAP Workloads Specialty」「Microsoft Certified: Dynamics 365: Finance and Operations Apps Solution Architect Expert」が該当します。

なお「Microsoft Certified: Azure for SAP Workloads Specialty」は2022年1月に更新されています。以前から学習していた方は変更内容を確認しましょう。

また、これまで存在していた「Microsoft Certified: Azure Solutions Architect Expert」(試験 AZ-303 と 試験 AZ-304)は2022年3月に廃止され、代わって新しい試験「試験 AZ-305: Microsoft Azure Infrastructure Solutions の設計」(AZ-305)が受験可能となっていますので注意が必要です。

データエンジニア 300

データエンジニアの試験はすべてのデータサービスを使用したデータの管理・監視・セキュリティ・プライバシーを設計および実装している方を対象とした試験です。

具体的には「Microsoft Certified: Customer Data Platform Specialty」「Microsoft Certified: Azure Data Engineer Associate」が該当する試験です。

幅広くKPI・データ保持・検証・視覚化・準備・照合・断片化・セグメント化・機能強化に関連するプロセスの経験も問われる試験となっていますので、データベースについて総合的な知識を学んでおくことが必要不可欠です。

次にご紹介するデータサイエンティストの試験と被る部分も少なくありませんので、合わせて学習を進めることもできるでしょう。

データサイエンティスト

データサイエンティストは、機械学習技術を適用してビジネス問題を解決するモデルをトレーニングや評価を行う技術者を対象とした試験になります。

具体的には「Microsoft Certified: Customer Data Platform Specialty」「Microsoft 認定:Azure Data Scientist Associate」が該当する試験となります。試験ではDynamics 365アプリに関しての知識のほか、KPI・データ保持・検証・視覚化・準備・照合・断片化・セグメント化といったプロセスそのものの経験も問われますので、実務経験があるとかなり有利でしょう。

またAzure Machine Learning、Azure Synapse Analytics、Azure Data Factory についての概要も理解しておく必要があります。Azureは近年需要が高まっている不可欠なシステムであるため、忘れずに学習するようにしましょう。

AIエンジニア

AIエンジニアはCognitive Services・機械学習およびナレッジマイニングを使用して、Microsoft AIソリューションの設計と実装を行う技術者を対象とした試験となっています。

具体的には「Microsoft Certified: Azure AI Engineer Associate」が当てはまります。要件の定義に加えて設計から開発・デプロイ・メンテナンス・パフォーマンスの調整・監視に至るまで、AIソリューション開発のあらゆるフェーズに参加できるための幅広い知識が問われることが特徴のひとつです。

Pythonなどのプログラミング言語に加え、RESTベースのAPIおよびSDK を使用してAzureでコンピュータービジョンや自然言語処理、ナレッジマイニングおよび会話型AIソリューションを構築する能力も問われるため他のロールよりも難易度の高い試験と感じる人も多いです。AI技術者は時代的にもニーズが高まる一方であるため、今後も活躍を続けていきたいエンジニアにとっては価値ある資格となるでしょう。

DevOpsエンジニア

DevOpsエンジニアでは、エンドユーザーのニーズおよびビジネス目的を満たすだけの価値のある製品・サービスを継続的に供給することを目的に、人とプロセスとテクノロジーそれぞれの知識を持ったIT人材か否かをチェックする試験内容となっています。具体的には「Microsoft Certified: DevOps Engineer Expert」がDevOpsエンジニアに該当する試験です。

合格するにはAzureの管理および開発の両方に精通した知識が求められ、またラボレーション・コード・インフラストラクチャ・ソース管理・セキュリティ・コンプライアンス・継続的インテグレーション・テスト・配信・モニタリング・フィードバックなどといったテクノロジーと顧客を連携させるための一連の技術に対する深い理解が欠かせません。

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアはセキュリティ制御と脅威からの保護を実装し、IDとアクセスを管理し、データやアプリケーション、ネットワークを保護する人材を想定して作られた試験となっています。

具体的には「Microsoft Certified: Azure Security Engineer Associate」「Microsoft Certified: Identity and Access Administrator Associate」「Microsoft Certified: Security Operations Analyst Associate」がセキュリティエンジニアのロールに該当します。

この分野ではセキュリティ運用アナリストからアクセス管理者、セキュリティエンジニアに至るまで幅広いセキュリティの知識が必要不可欠です。セキュリティはAI業界同様に今後の動向も明るい業界であるため、本試験への勉強を通して確かな知識と技術力を蓄えることをおすすめします。

機能コンサルタント

機能コンサルタントではMicrosoft Dynamics 365 と Microsoft Power Platform を活用して、顧客のプロファイル分析などを通した顧客ニーズ予測を行える人材が想定されています。カスタマーリレーションシップのほか、セールスリソースの管理などの幅広い範囲が該当します。

具体的には「Microsoft 認定:Dynamics 365 Finance Functional Consultant Associate」「Microsoft Certified: Dynamics 365 Customer Service Functional Consultant Associate」「Microsoft Certified: Dynamics 365 Field Service Functional Consultant Associate」が該当する試験にあたります。機能コンサルタントのロールが割り振られている試験は他にも多数ありますので、そのほかの試験については公式ホームページから確認してみてください。

Microsoft認定資格プログラムの試験概要

Microsoft認定資格プログラムを実際に受験する際は、いくつか確認しておくべき点があります。前述の通りMCPは試験体系が非常に複雑であるため、試験内容も種類が多岐にわたります。そのうえ変更も頻繁に行われているため、常に最新の情報をチェックすることが肝要であるといえます。

ここではMCPについて、2023年10月時点の情報をご紹介しています。最新情報は以下の公式サイトからアクセスできますので、受験の際は必ずご覧ください。

参考:Microsoft「Microsoft 資格情報」

資格試験の内容

MCPの試験はどれも1,000点満点となっており、そのうち70%(700点)以上が正答で合格となります。出題数は試験によって異なりますが、およそ40〜60問です。また試験時間はレベルごとに初級のFundamentalsで45分、中級のAssociate・上級のExpertで100分です。ただし実技となるラボ試験が含まれるAssociate・Expertに関しては120分となっています。

MCP試験の内容と範囲は受験するロールによって異なりますが、多くの試験内容は実務のための知識を速やかに選択するものとなっています。難易度によって必要な勉強時間も異なりますが、早いものだと1週間、長いものでは半年ほどかけて学習する方までさまざまです。

なおMCPに受験資格はなく、学歴・年齢・国籍にも制限はありません。誰でも受験することができます。

試験日・試験会場・合格発表

MCPには決まった試験日は存在せず、自分の都合の良い日を予約して受験することができます。試験会場はピアソンVUE公認テストセンター、またはオンライン監督を利用すれば自宅やオフィスからも受験が可能です。オンラインの監督付き試験はピアソンVUEとPSIにより実施されています。

なお、ピアソンVUE公認テストセンターで受験する場合は「MICROSOFT LEARN」のページから「マイクロソフト認定プロファイル」を作成する必要があります。このプロファイルの登録は無料かつ数分で完了できるものですが、あらかじめMicrosoftアカウントを作成しておく必要がありますのでご注意ください。

合否は試験終了後に確認できます。テストセンターでの受験の際は、会場の受付で合否が記載された記録用紙を受け取り、オンライン受験の場合は画面で確認が可能です。

受験料(受験バウチャー料金)

MCPの受験料は試験によって異なりますが、概ね10,000円以上〜20,000円台前半となっています。詳しい料金については自分の受験したい試験の申込ページにて確認するようにしてください。

なお、MCPでは「受験バウチャー」の利用が可能です。これは試験料金が割引となるバウチャーであり、残念ながら不合格となった場合にも1度だけ再受験が可能な”Exam Replay”がついてきます。受験バウチャーには魅力的なメリットがありますが、利用には有効期限があるので注意してください。

また、バウチャーを購入した場合も試験の申し込みは別途必要であり、さらにバウチャーが適用できない試験も一部存在します。Microsoftの各ラーニングパートナーのページから購入が可能ですので、購入を検討してみてはいかがでしょうか。

Microsoft認定資格プログラム資格取得のメリット

前述の通り、MCPはかなり複雑な試験体系をしており、その受験料もけして安価であるとは言えません。それでも全世界の有資格者が100万人を超える人気資格であるのは、それだけ取得によるメリットが大きいからであると言えるでしょう。

Microsoftの公式サイトでは資格取得のメリットを円グラフで紹介しており「仕事で実行する能力に対して自信を持てるようになった」「仕事の満足度が向上した」などの内容が紹介されています。ここではMicrosoft認定資格プログラム(MCP)資格を取得することによるメリットを大きく3つご紹介します。

IT技術に対する学習意欲の高さが評価される

MCPを取得することで、IT技術に対する学習意欲の高さをアピールできるでしょう。IT業界では資格を保有していないからといって特定の業務を行うことができないなどという場面はほとんどありませんが、ベンダー資格であるMCPは企業からの評価も安定しているため取得する価値は高いです。

実務未経験者の場合、資格があるだけで即戦力として判定されることはあまり期待できませんが、その学習意欲は十分に評価されるでしょう。そのため実務経験に長けた社会人から、IT業界での活躍を目指す学生まで、幅広く享受できるメリットであるといえます。

前述の通り、MCPは試験難易度を選択することができるため、自分にあったレベルを受験してみることをおすすめします。

社内や取引先に対してスキルを証明できる

取得した試験の内容が自分の業務経験の内容に沿っていれば、経験を裏付ける証拠として提示できるでしょう。また、資格取得が社会の昇格や褒賞などの対象になっていれば、それだけでも取得の価値があるといえます。

なおMCPに限らずIT関連の資格の種類は非常に多いですが、業務と関係性が薄いものの取得を目指してもあまり意味を成しません。例えばLinux系OSでのサーバー運用をしているのであればLPIC、ネットワークエンジニアを目指しているのであればCCNPなど、業務に関連している資格を取っていくことで知識やスキルのレベルアップやキャリアアップを実現でき、評価獲得につながります。MCPの試験体系は非常に多岐にわたりますが、自分にとってどのスキルが必要なのかをしっかりと判断し、適当な試験を受けるようにしましょう。

自分の知識体系の整理や補足

上記2つは資格を取得することによるメリットですが、資格取得を目指す過程にもメリットがあります。あらためて知識を学び直し、実務のなかで身に着けてきた技術の棚卸を行うことにより、自分の知識体系の整理を行う事ができるでしょう。また、実務において学んだ知識を生かせるようになるという相乗効果も期待できます。

MCPは製品や職場でのロール(役割)ごとに細かく分類されているため、漠然と取得を目指すには向かない資格であるといえます。自分が「何をやっているのか」「これからどのような業務をやりたいのか」をしっかりと考えた上で試験対策を行うことでより効果的な学習ができたり、足りなかった知識を補足したりできるでしょう。

Microsoft認定資格プログラムに挑戦するならすべき

Microsoft社の製品は世界的に大きなシェアを保有しており、日本でも個人用のパソコンだけではなく企業のパソコンやサーバーでもMicrosoft社製品であるWindowsOSが利用される傾向にあります。今後も色々な場面でMicrosoft社製品の知識が必要となることが予想され、MCPに挑む価値は高いと考えられます。

MCPには非常に多様な試験があるため、受験の際は自分の現在の業務やキャリアアップに必要となる資格がどれであるかをしっかりと整理したうえで適切な学習を進め、有効活用できる資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか。マイクロソフトの認定制度を理解し、受験内容を決定したら、想定ロール別に設定されているラーニングパスに沿って学習を進めるのが効果的です。ベンダー試験であるためラーニングパスが用意されていたり、資格取得後のサポートも用意されていることがMCPの特徴のひとつです。うまく活用して、効果的な学習を進めることをおすすめします。

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