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知的財産管理技能士は3つのレベルがありますが、2級以上を持っていれば転職に有利に働きます。特に知的財産に関わる部門や法務部などで活かすことができるでしょう。ここでは、知的財産管理技能士とはどのような資格なのか、難易度や弁理士との違いを説明します。これから知的財産管理技術の資格の取得を検討している人は参考にしてください。
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知的財産管理技能検定ってどんな資格?
知的財産管理技能士検定とは、知的財産に関する知識や知的財産を管理する技能の習得レベルを証明するための国家資格です。検定試験は厚生労働省の職業能力開発促進法にもとづいて、実施されています。
そもそも知的財産とは、著作物や商標、発明やアイデア、ブランドなどを指します。音楽や映画などの違法ダウンロードによる著作権侵害の問題などテレビでもよく取り上げられる耳にする言葉でではないでしょうか。知的財産権を侵害すると裁判沙汰になり、損害賠償の対象になります。
知的財産管理技能検定の資格を持つ知的財産管理技能士は、企業の知的財産に関する戦略や立案などを行います。侵害された場合の対応や手続きなどは弁理士の独占業務のため、知的財産管理技能士は行うことができません。
知的財産管理技能検定のレベル区分
知的財産管理技能検定は、1級~3級まで3つの区分があります。
- 3級(初級レベル):知的財産管理に関する問題を発見し、解決できる
- 2級(中級レベル):大企業においては上司の指導の下で、知的財産管理の問題の解決ができる
- 1級(上級レベル):知的財産管理に関する業務上の問題を自分で解決できる
知的財産権に関する専門的知識となる弁護士や企業の知財部などへの就職には1級レベルが必要ですが、ものづくりの研究職などであれば、2級でも転職に有利に活用できるでしょう。
検定のレベルと難易度は以下のようになっています。
検定のレベル | 難易度 |
---|---|
1級 | 2~8% |
2級 | 40% |
3級 | 70% |
1級の合格率は2~8%であり、非常に難易度が高いといえます。
弁理士資格との違い
知的財産管理についての国家資格として、知的財産管理技能士のほかに弁理士があります。
弁理士は、特許や実用新案、意匠、商標などの出願手続きを独占業務として付与されていますが、知的財産管理技能士は、独占業務は付与されていません。
知的財産管理技能士は、著作権などのトラブルに対して、具体的な対応や手続きを行うことはできません。弁護士と相談してトラブルに対応する業務は弁理士の業務です。
| 弁理士 | |
---|---|---|
試験の目的 | 能力の証明 | 独占資格の付与 |
認定機関 | 国 | 国 |
業務独占 | なし | あり(知的財産手続きの代理) |
企業との関係性 | 内部 | 外部 |
知的財産管理技能検定の概要
知的財産管理技術検定は、各級学科試験と実技試験の2種類の試験に合格する必要があります。
- 1級:学科試験(マークシート)合格ライン80%、実技試験(記述方式の筆記試験と口頭試問)合格ライン60%
- 2級:学科試験(マークシート)合格ライン80%、実技試験(記述方式の筆記試験)合格ライン80%
- 3級:学科試験(マークシート)合格ライン70%、実技試験(記述方式の筆記試験)合格ライン70%
難易度
知的財産管理技能検定の難易度は以下のようになっています。
資格の種類 | 合格率 | 勉強時間 |
---|---|---|
知的財産管理技能検定3級 | 70% | 50時間 |
知的財産管理技能検定2級 | 40% | 50時間 |
知的財産管理技能検定1級 | 2~8% | 400時間 |
弁理士 | 6% | 3000時間 |
公認会計士 | 7~10% | 4000時間 |
宅建士 | 20% | 300時間 |
税理士 | 20% | 2500時間 |
弁護士 | 39% | 6000時間 |
2級と3級は他の資格と比較し合格しやすい傾向がありますが、1級の合格率は1ケタとなっており、弁理士や公認会計士と並んで、非常に難易度の高い試験となっています。
受験資格
それぞれのレベルにおける受験資格は以下のとおりです。
【知的財産管理技能検定3級】
- 知的財産に関する業務に従事している者または従事しようとしている者
【知的財産管理技能検定2級】
- 知的財産に関する業務について2年以上の実務経験を有する者
- 3級技能検定の合格者
- 学校教育法による大学又は大学院において検定職種に関する科目について10単位以上を修得した者
- ビジネス著作権検定上級の合格者
- 2級技能検定の一部合格者
【知的財産管理技能検定1級】 学科試験
- 知的財産に関する業務について4年以上の実務経験を有する者
- 2級技能検定の合格者かつ知的財産に関する業務について1年以上の実務経験を有する者
- 3級技能検定の合格者かつ知的財産に関する業務について2年以上の実務経験を有する者 など
実技試験
- 1級技能検定学科試験の合格者
- 1級知的財産管理技能士
- 1級知的財産管理技能士
試験内容
知的財産管理技能検定の試験内容は以下の通りです。
知的財産管理技能検定の試験内容
検定のレベル | 試験内容・範囲 |
---|---|
3級 | 学科試験・実技試験(戦略・法務・リスクマネジメント・調査・ブランド保護・技術保護・デザイン保護など) |
2級 | 学科試験・実技試験(戦略・法務・リスクマネジメント・調査・ブランド保護・技術保護・デザイン保護など) |
1級 | 学科試験、実技試験(特許宇専門業務、コンテンツ専門業務、ブランド専門業務) |
勉強方法
知的財産管理技能検定1級の勉強時間は400時間程度が目安です。1日3時間程度勉強時間を確保できるのであれば、5〜6ヶ月程度の勉強期間が必要です。資格の専門学校に通う方法もありますが、独学で試験に合格することも不可能ではありません。計画的にスケジュールを立てて勉強しましょう.
知的財産管理技能検定が活かせる仕事
知的財産管理技能検定の資格を活かせる仕事にはいかのような仕事が挙げられます。
【知的財産管理技能検定が活かせる仕事】
- コンテンツの制作部門
- 企業の知財部
- 企業の法務部
- 特許事務所 など
知的財産管理技能検定取得者の年収相場
知的財産管理技能検定を活かした仕事は上記で紹介した通りですが、どのような会社で働くかによって350〜1,000万円と開きがあります。一般的には経験年数やスキルが評価の対象になるでしょう。職業別の平均年収は以下のようになっています。
【知的財産管理技能検定が活かせる仕事の年収】
- 企業の知財部:400~900万円程度
- 企業の法務部:420〜720万円程度
- 特許事務所:350~1,000万円程度
知的財産管理技能検定を取得するメリット
知的財産管理技能検定は、1級になるととても難易度が高い資格ですが、資格を取得することで以下のようなメリットがあります。
知的財産管理技能検定を取得するメリット
- 転職に有利
- キャリアアップしやすい
転職に有利
知的財産管理技能士を取得すれば、転職を有利に進めることができます。役立つことがあげられます。3級は初歩的なレベルですが、2級以上は転職の際に強みになるでしょう。多くの企業が知的財産管理技能検定をもつ人材に対して、採用の要件として評価対象にしています。
- 知的財産管理技能士1級:「専門的な能力がある」「知的財産分野のプロ」であると評価される
- 知的財産管理技能士2級:「基本的な管理能力がある」と評価される
- 知的財産管理技能士3級:「初歩的な管理能力がある」と評価される
キャリアアップしやすい
さまざまな分野でオンライン化が進み、著作権などの問題も複雑化しています。そのため知的財産に関する知識を持った人材へニーズは今後も拡大していく傾向があるでしょう。また知的財産管理技能検定で学ぶ知識は、法律系の資格とも共通する分野であるため、他の資格を目指してキャリアアップもしやすいといえます。
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