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衛生管理者試験の難易度|仕事内容や年収・やりがい・将来性について詳しく解説!

シンカキャリア編集部

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更新日:2024/07/23

“衛生管理者”とはどのような職業で、どのように目指せばよいのでしょうか。この記事では、衛生管理者を目指す人が知っておくべき仕事内容ややりがい、目指し方について解説します。 免許の種類や試験の難易度に加え、気になる年収や向いているタイプ、効率的な勉強方法などもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

“衛生管理者”とはどのような職業で、どのように目指せばよいのでしょうか。この記事では、衛生管理者を目指す人が知っておくべき仕事内容ややりがい、目指し方について解説します。

免許の種類や試験の難易度に加え、気になる年収や向いているタイプ、効率的な勉強方法などもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

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衛生管理者とは

衛生管理者とは、労働安全衛生法という法律によって定められた国家資格を持つ、衛生管理の専門家のことです。職場における労働者の健康障害を防止する目的で設置されます。

50名以上の従業員を抱える企業は、必ず1名以上の衛生管理者を設置しなければなりません。従業員の数に応じた衛生管理者の必要人数は、以下の通りです。

■衛生管理者の人数

従業員の数

衛生管理者の人数

50〜200名以下

1名以上

200〜500名以下

2名以上

500〜1,000名以下

3名以上

1,000〜2,000名以下

4名以上

2,000〜3,000名以下

5名以上

3,000名以上

6名以上

従業員数が定められた人数を超えているにも関わらず衛生管理者を選任しなかった場合は、50万円以下の罰金が科されます。

参考:安全衛生技術試験協会「衛生管理者(第一種及び第二種)

衛生管理者の仕事内容

衛生管理者の仕事は多岐にわたります。主な仕事内容は、次の通りです。

【衛生管理者の仕事内容】

  • 労働者の危険や健康障害を防止するための措置
  • 労働者の安全や衛生のための教育実施
  • 健康診断の実施
  • 健康保持増進のための措置
  • 労働災害の原因の調査
  • 労働災害の再発防止のための対策実施

等のうち、衛生に関する技術的事項の管理を行います。

また衛生管理者は、最低でも1週間に1回は作業現場などを巡視し、問題があるときは適切な措置をとらなければなりません。

衛生管理者の年収

衛生管理者としての独立した給与体系や年収を設定しているケースは少なく、事業場の規模や業務内容、勤続年数などによっても収入は大きく異なります。大まかな年収目安としては、300~800万円程度といわれています。

【衛生管理者の年収例】

年収例

業種・職務内容

免許の種類

約300万円~

経理・総務

第一種・第二種

約400万円~

介護施設・クリニック受付

第一種・第二種

約500万円~

建築の施工管理技術者

第一種

約600万円~

工場

第一種

約700万円~

保健師

第一種

2020年における会社員の平均年収は、約433万円という調査結果があります。(参照元:[国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-」] (https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/002.pdf))

単純な比較は難しいものの、たとえば保健師など衛生管理者以外の国家資格が求められる仕事に就く場合は、一般的な会社員の平均年収よりも高い収入を得やすくなるでしょう。また、資格手当が収入アップにつながることもあります。

衛生管理者のやりがい

衛生管理者の仕事の大きなやりがいのひとつが、「労働者の健康を守る」ことです。

たとえば、企業が抱える労働上の課題を解決するために、衛生管理者が労働衛生計画を立てたとします。その計画に従って従業員が団結することで労働環境が改善されれば、事故や病気のリスクが減り、従業員の健康を守ることができます。

また、仕事の結果が労働環境の改善という目に見える形で表れやすい点も、仕事に対するやりがいにつながるでしょう。

衛生管理者の将来性

衛生管理者を目指す方にとって、仕事の将来性は気になるところでしょう。

結論からいって、将来的にAIが進化したとしても、衛生管理者の仕事がなくなる可能性は低いといえます。衛生管理者の仕事には、健康上のデリケートな個別相談など従業員とのコミュニケーションが必要な業務も多く含まれていて、人だからこそこなせる細やかな対応が求められる仕事といえるからです。

また、一定以上の規模の事業場への衛生管理者の設置が義務付けられていることも、将来性につながっているといえます。近年、働きすぎや過労に関する問題や働き方改革などが注目されていることからも、社員の健康を守る役割を担う衛生管理者の将来性が見込まれます。

衛生管理者になるには免許の取得が必須

衛生管理者になるためには、免許を取得する必要があります。国家試験に合格することが、衛生管理者の免許の取得要件となります。

試験は、全国7ヶ所の安全衛生技術センターで毎月1~5回程度実施されています。衛生管理士の免許に有効期限はないため、一度取得すれば更新などは必要ありません。

ただし、国家試験に合格しただけの状態では、まだ衛生管理者を名乗れない点には注意が必要です。合格した後、自分で東京労働局長(全国共通)あてに免許申請し、免許証の交付を受ける必要があります。

参照元:安全衛生技術協会

衛生管理者免許の種類

衛生管理者になるために必要な免許には、以下の2種類があります。

【衛生管理者免許の種類】

  • 第一種衛生管理者免許
  • 第二種衛生管理者免許

第一種と第二種の大きな違いは、対応できる業種の数です。第一種免許の取得者は、すべての業種に対応することができます。一方、第二種免許のみ取得している場合は、有害業務を含む業種の事業場において衛生管理者となることはできません。

第一種衛生管理者しか選任できない具体的な業種は、次のとおりです。

【第一種衛生管理者しか選任できない業種】

  • 農林畜水産業
  • 鉱業
  • 建設業
  • 製造業(物の加工業を含む)
  • 電気業
  • ガス業
  • 水道業
  • 熱供給業
  • 運送業
  • 自動車整備業
  • 機械修理業
  • 医療業
  • 清掃業

受験資格

第一種・第二種の衛生管理者試験における受験資格は、最終学歴と労働衛生の実務経験によって異なります。

最終学歴

労働衛生の実務経験

大学

実務経験1年以上

短期大学

実務経験1年以上

高等専門学校

実務経験1年以上

高等学校

3年

その他

10年

より詳しい要件は、安全衛生技術協会の公式サイトで確認することができます。

なお、対象となる労働衛生の実務経験の例は、次の通りです。

【実務経験の例】

1. 健康診断実施に係わる処理業務

2. 施設の衛生管理業務

3. 労働衛生に関する研究業務

4. 建築物環境衛生管理者の業務

5. 看護師や准看護師の業務

6. 保健所での試験・研究

試験内容

第一種・第二種衛生管理者それぞれの試験内容は、次の通りです。

免許の種類

試験科目

出題数

配点

試験時間

第一種衛生管理者

  労働衛生(有害業務に係るもの)

10問

80点

3時間

            

  労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの)

7問

70点

            

  関係法令(有害業務に係るもの)

10問

80点

            

  関係法令(有害業務に係るもの以外のもの)

7問

70点

            

労働生理

10問

100点

第二種衛生管理者

  労働衛生(有害業務に係るものを除く。)

10問

100点

3時間

            

  関係法令(有害業務に係るものを除く。)

10問

100点

            

労働生理

10問

100点

>安全衛生技術協会

難易度

衛生管理者の国家試験の難易度を、合格率からチェックしてみましょう。参考として、ほかの主な資格試験の合格率と比較した表を用意しました。

資格の種類

合格率

第一種衛生管理者

45%前後

第二種衛生管理者

50%前後

公認会計士

10%前後

簿記2級

15~30%程度

宅建士

15~17%程度

税理士

10~20 %前後

医師免許

90%前後

弁護士

20~40%程度

年によって多少の差はありますが、第一種衛生管理者の合格率は45%前後、第二種衛生管理者の合格率は50%前後が目安となります。ほかの試験と比べても、比較的合格率が高い試験といえるでしょう。また例年の傾向として、第二種よりも第一種の難易度の方が高くなっています。

勉強方法

衛生管理者試験に合格するために必要な勉強時間の目安は、次のとおりです。

| 資格の種類 | 必要となる勉強時間の目安 | 1日1時間勉強する場合に必要な期間 |

資格の種類

必要となる勉強時間の目安

1日1時間勉強する場合に必要な期間

第一種衛生管理者

100時間程度

3ヶ月程度

第二種衛生管理者

60時間

2ヶ月程度

通信講座で学ぶ方法もありますが、独学で試験に合格する人もいます。効率のよい勉強方法の一例を、以下にご紹介します。

【効率的な勉強方法の例】

1. 「テキスト」と「過去問題集」を用意する

2. 「テキスト」をざっくり読んで過去問を繰り返し解く

3. 科目ごとの頻出項目を集中的に勉強する

衛生管理者にはどんな人が向いている?

衛生管理者に向いているのは、どのような人なのでしょうか。衛生管理者の仕事内容をふまえると、次のような人が向いているといえます。

【衛生管理者に向いている人】

  • 人の役に立つことが好きな人
  • まわりがよく見える人
  • コミュニケーション力が高い人

まず、従業員の健康を守るという大きな役割がある衛生管理者は、人の役に立つことが好きな人に向いているといえます。自分の仕事が誰かのためになっていることを誇りに、意欲的に業務に取り組めるはずです。

また衛生管理者の仕事は幅広いため、様々な仕事をこなしながら従業員の変化や危険な場所などに気がつくことができる「視野の広さ」が求められます。

職場で困っている従業員に寄り添い具体的な策を示すことができる、コミュニケーション力が高い人も向いているといえるでしょう。

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まとめ

労働者の健康を守る衛生管理者が担う業務はやりがいが大きく、将来性もある仕事といえます。衛生管理者になるためには免許の取得が必要であり、免許の種類は第一種と第二種に分かれています。取得する免許の種類によって対応できる業種の範囲や試験の難易度などに違いがあるため、就きたい仕事に必要な免許を確認するようにしましょう。人の役に立つことが好きな人をはじめ、まわりがよく見える視野の広い人やコミュニケーション能力が高い人は、スキルを発揮しやすい仕事といえます。 衛生管理者に興味がある場合は、ぜひ免許取得を目指してみてください。

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