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公認不正検査士(CFE)は不正対策の専門家|難易度や資格試験を解説

シンカキャリア編集部

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更新日:2024/07/11

近年、企業の不正防止や不祥事防止のための取り組みに注目が集まってきています。それに伴い需要が高まっているのが「公認不正検査士」です。公認不正検査士とは、不正対策強化の専門家であり、国際的な資格のことを言います。今回は、公認不正検査についてもっと知りたいと考えている方や、資格を取得してキャリアアップを目指したいと考えている方に向け、公認不正検査士について解説します。試験内容や難易度、試験合格までの手順も解説するので、資格取得を考えている方は参考にしてください。

目次

近年、企業の不正防止や不祥事防止のための取り組みに注目が集まってきています。それに伴い需要が高まっているのが「公認不正検査士」です。公認不正検査士とは、不正対策強化の専門家であり、国際的な資格のことを言います。

今回は、公認不正検査についてもっと知りたいと考えている方や、資格を取得してキャリアアップを目指したいと考えている方に向け、公認不正検査士について解説します。試験内容や難易度、試験合格までの手順も解説するので、資格取得を考えている方は参考にしてください。

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公認不正検査士(Certified Fraud Examner)とは?

公認不正検査士(CFE)は、不正対策強化のエキスパートであることを示す国際的な資格です。

不正には、不正を犯す「動機」「機械」不正行為の「正当化」という、3つの要因があるといわれています。これらの要因に対する理解を深め、疑惑が生じたときに直ちに対処できるスキルを身に付けるのが、公認不正検査士の資格取得目的です。

公認不正検査士が社内にいれば、企業は不正を未然に防げるため、経営者や監査法人から注目されている資格といえます。

公認不正検査士協会の会員のみに与えられる資格

公認不正検査士の資格は、公認不正検査士協会の会員のみに与えられる資格です。

公認不正検査士協会とは、本拠地をアメリカに構える不正調査のエキスパートとして世界中で認知されています。公認不正検査士は、不正検査士協会が定めた厳しい認定基準をクリアし、不正対策のあらゆる分野に対して高い専門性を身に付けた専門家の証です。

不正に関する重要な4つの分野について豊富な知識を有するため、市場価値の高い人材を目指せる資格として非常に注目を集めています。

日本では、2005年に一般社団法人日本公認不正検査士協会が導入されました。加入人数は2,400人程度で、そのうち公認不正検査士の資格を有している人は1,700人程度です。

主な業務は不正の防止、発見、抑止

公認不正検査士の主な業務には、以下のようなものがあります。

  • 記録から不正を検査する
  • 従業員による横領、汚職、利益相反、保険詐欺などを調査する
  • 組織のデータや取引記録、財務諸表を分析する
  • 文書や帳票から不正の兆候を見極める
  • 不正疑惑のある人物や証人と面談する
  • 報告書を作成する
  • 調査結果を報告する
  • 法廷で証言をする
  • 訴訟を支援する
  • バックグラウンドを調査する
  • 会計記録の復元をする

不正を防止するために、データや財務諸表の分析、証人面談などを実施します。また、面談や分析を行った結果を報告するための、報告書作成など幅広い業務を担う役割があります。

必要とされる知識

公認不正検査士には、4つの知識が必要だといわれています。以下では一つずつ必要な知識について解説をします。

  1. 会計知識
  2. 財務分析の基本や監査の基本知識、応用力等が必要です。財務諸表等を分析し、隠ぺいや改ざんがないかを確認するために活かせます。
    • 法律知識

    不正検査を実施する上で、気を付けなくてはいけない法的要素の理解が必須です。法律知識がないままでは、不正を見抜くことはできません。

    • 犯罪心理学

    なぜ不正を犯すのか、その要因になる心理的根拠を知ることで、不正防止につなげられます。

    • 調査手法

    不正を発見した際、どのように調査をすれば正しく不正疑惑を解明できるか手法を知る必要があります。

これらの4つの知識は、公認不正検査士の試験でも出題される内容です。合格のためには、4つの知識を正しく理解しましょう。

公認不正検査士の難易度

公認不正検査士の合格率は非公開になっているため、正確な難易度はわかりません。

ただし、公認不正検査士協会の日本支部である一般社団法人日本公認不正検査士協会の個人会員数は2,419人(※1)であり、そのうち1689人が公認不正検査士の資格を保有しています。法人会員は、2021年時点で68社だと判明しているため、年々合格者が増えていることが伺えます。

受験者の中には、公認会計士合格者や内部監査の経験がある方が多いです。ただし、公認不正検査士と同様の資格である内部統制評価指導士や内部監査人に比べると比較的難易度が低い資格だと言えるでしょう。理由は、他の資格に比べて受験資格が緩い点や受験しやすい点、さらに受験対策用のテキストなどが明確にされているため、勉強しやすいからです。

こういった状況から、公認不正検査士の資格難易度は、勉強をしっかりすれば取得できるレベルだと推測できます。

(※1)参考:一般社団法人日本公認不正検査士協会

公認不正検査士(Certified Fraud Examner)のキャリアは?

公認不正検査士は、さまざまな職種やフィールドで活躍できます。会計不正を見抜く会計士や不正取引を調査する捜査官、懲戒処分や訴訟対応をする弁護士など、あらゆるキャリアを選択できるでしょう。

以下では、公認不正検査士の主なキャリアを紹介します。キャリア選択の参考にしてください。

BIG4監査法人

BIG4監査法人とは、以下の4つを示します。

  • PwCあらた有限責任監査法人
  • 有限責任 あずさ監査法人
  • 有限責任監査法人トーマツ
  • 新日本有限責任監査法人

もちろん、上記4つ以外の監査法人である中小や準大手でも不正・コンプライアンス関連の業務は行っています。しかし、専門の部署がありコンスタントにプロジェクトを受注している法人は多くないため、公認不正検査士が必要とされる機会はBIG4と比べるとあまり多くはないと認識しておきましょう。

入社後から公認不正検査士のスキルを活かしながら不正・コンプライアンス関連の業務に携わりたいと考える方は、BIG4監査法人をオススメします。

BIG4監査法人系FAS

BIG4監査法人系FASには、以下のようなものがあります。

  • PwCアドバイザリー合同会社
  • 株式会社KPMG FAS
  • デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
  • EY トランザクション・アドバイザリー・サービス株式会社

FASはFinancial Advisory Serviceの略です。

上記の監査法人やその系列のFASでは、ガバナンス・リスク・コンプライアンス領域(GRC)やフォレンジック領域(不正調査)の業務を担います。

CRGは、「規制や法令への対応」や「不正の予防」など、その名称の通り、ガバナンスやコンプライアンス、リスク管理をメインとした業務です。不正調査は、「不正調査」や「不正に関する係争対応」などのアドバイザリーなどをメインとした業務だと認識しておきましょう。

公認不正検査士(Certified Fraud Examner)の資格取得の流れ

ここまで読んできて、公認不正検査士について理解ができたでしょうか。最後は、公認不正検査士の資格を取得するための流れについて解説をします。

公認不正検査士の資格に興味を持った方は、資格取得の流れを理解し、試験に挑戦してみてみましょう。

受験資格

公認不正検査士の受験資格は以下です。

  • 受験申請時点ならびに試験実施日時点で、個人会員または法人会員所属員であること。
  • 受験申請時点で40点以上の資格点数 を有すること。(表参照)
  • 4年制の大学を卒業して学士の学位がある方(資格点数40点) は、受験資格あり。
  • 不正対策関連の業務経験が8年以上ある方 (常勤経験年あたり5点×8年=40点) は、受験資格あり。

資格・経験

資格点数

証明書類

短期大学士、準学士、または、同等の学位(学士の学位で資格点数を加算する場合は使用不可)注:日本国内の教育機関に限る。海外の教育機関は個別に確認が必要。

20点

英文の卒業証明書(英文の学位授与証明書も可)(いずれも原本に限る)(学位授与証書・卒業証書は不可)

学士、または、同等の学位

40点

修士、または、同等の学位

+5点

英文の修了証明書(英文の学位授与証明書も可)(いずれも原本に限る)(学位授与証書・修了証書は不可)

博士、または、同等の学位

+10点

参考:一般社団法人日本公認不正検査士協会

受験科目と試験内容

試験内容は4つの分野で構成されています。それぞれの分野で合格点以上をクリアしなくては、公認不正検査士の資格合格はできません。

以下でそれぞれについて、解説をしています。しっかり内容を理解し、合格を目指してください。

財務取引と不正スキーム

一つ目は、.財務取引と不正スキームです。

以下の内容で構成されています。

  1. 会計
  2. 財務分析の基本
  3. 監査基準の概要
  4. 各種不正スキームに関する知識など

4択もしくは2択問題で構成されています。出題数は2時間の試験時間で125問です。

75%以上の正答率、94問以上の正解で合格となります。

法律

二つ目は、法律についてです。

以下の内容で構成されています。

  1. 法制度の概要
  2. 不正に関する法律
  3. 調査における個人の権利
  4. 訴訟手続き
  5. 雇用・IT関連法など

財務取引と不正スキーム同様で、4択もしくは2択問題で構成されています。出題数は2時間の試験時間で125問です。

75%以上の正答率、94問以上の正解で合格となります。

不正調査

三つ目は、.不正調査についてです。

以下の内容で構成されています。

  1. 書類証拠の取り扱い
  2. 面接調査
  3. 情報源の活用
  4. 不正取引の追跡調査
  5. 調査報告書作成のポイントなど

こちらも、財務取引と不正スキーム同様で、4択もしくは2択問題で構成されています。出題数は2時間の試験時間で125問です。

75%以上の正答率、94問以上の正解で合格となります。

不正の防止と抑止

四つ目は、不正の防止と抑止についてです。

以下の内容で構成されています。

  1. 人間行動の理解
  2. 犯罪原因論
  3. ホワイトカラー犯罪
  4. 職業上の不正
  5. 不正防止プログラム
  6. 不正検査士の倫理など

こちらも、財務取引と不正スキーム同様で、4択もしくは2択問題で構成されています。出題数は2時間の試験時間で125問です。

75%以上の正答率、94問以上の正解で合格となります。

受験方法

公認不正検査士を受験するには、期日内までに願書の申し込みが必須です。

【願書申込期間】

▼会場受検

  1. 3月上旬~4月上旬頃まで
  2. 9月上旬~10月中旬頃まで

▼CBT

・随時

【試験日程】

▼会場受検

  1. 6月中旬頃の2日間
  2. 12月上旬頃の2日間(年2回)

▼CBT

・随時

受験料

初回のみ、4科目分の受験料支払いは一括が条件とされています。

  • 個別で受験される場合(初回受験)

公認不正検査士の資格試験を受験するには公認不正検査士協会の会員になる必要があります。事前に入会手続きをしてから申し込み用にしてください。

  • 公認不正検査士協会にすでに入会済みの受験者(初回の受験)

個人会員:27,500円(受験登録料:5,500円(税別) + 科目受験料:5,500 円(税別) × 4科目)
法人会員:22,000円(受験登録料:免除 + 科目受験料:5,500 円(税別) × 4科目)
※法人会員特典として、受験登録料は免除されます。

  • 2回目以降の受験の方

5,500円(各受験科目ごと)

受験2回目、3回目の方は、受験科目分の受験料のみの支払いが可能です。1科目5,500円のため、必要な科目のみ支払うようにしましょう。

公認不正検査士(CFE)に認定

公認不正検査士の認定を受けるには、試験合格以外にも手続きが必要です。

  1. CFE 資格試験に合格する
  2. 法人会員所属員の方 または 会員期限切れの場合
  3. 日本公認不正検査士協会マイページより入会手続きをする
    日本公認不正検査士協会マイページより公認不正検査士の資格認定申請を行う
  4. 必要書類 ( 資格点数 50 点を証明する書類 + 推薦状 (3 通) + 顔写真 ) を日本公認不正検査士協会に送付

書類郵送後は、日本公認不正検査士協会から本部の認定委員会へ申請され、委員会の審査を経て公認不正検査士の資格が認定されます。資格が認定されるまでには、本部での審査を含めて、書類提出から 2〜3 か月かかる場合があるため、急ぎの方は余裕をもって受験するようにしましょう。

参考:一般社団法人日本公認不正検査士協会

公認不正検査士の資格取得で、キャリアアップを目指そう

公認不正検査士は、不正や隠ぺいを防止するための知識があることを証明する国際的な資格です。企業経営において、不正や不祥事はあってはならない事態であり、これを未然に防ぐ公認不正検査士の需要はますます高くなっています。試験の合格率は公開されていませんが、年々合格者が増えているのは間違いありません。

試験内容である4つの分野をしっかり勉強すれば、必ず合格できます。今回の記事で、公認不正検査士に興味を持った方は、積極的に試験に挑戦してみましょう。

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