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マイナンバー制度が導入されるようになり、マイナンバー実務検定が新設されました。比較的新しい資格なので「初めて聞いた」「知らなかった」という人も多いかもしれません。しかし、人事や労務系などマイナンバーを取り扱う可能性のある事務職には必須の資格です。
この記事ではマイナンバー実務検定がどのような資格で、取得するとどんなメリットがあるのか、試験の概要や対策方法などについて解説しています。マイナンバー実務検定を取得すると就職・転職にも有利ですので、ぜひチャレンジしてみてください。
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マイナンバー実務検定とはどんな資格なのか?
マイナンバー制度の内容や、制度に関する法律、個人情報保護法などを学び、マイナンバーを適切に取り扱うためにできた資格です。1級から3級まであり、誰でも受験が可能です。
3級は一般的な知識が多く、学生から主婦まで幅広く万人向けで、1級・2級は企業や官公庁でマイナンバーを実際に扱う業務に携わる人が対象になります。合格点は各級とも正答率70%で、難易度は級によって変わりますが、3級であれば難易度はあまり高くありません。
具体的な試験の情報や出題範囲は以下の通りです。
基本情報
主催者 | 全日本情報学習振興協会 |
資格の種類 | 民間資格 |
受験資格 | 特になし、何級からでも受験可 |
試験日程 | 6月、9月、12月、3月頃の年4回 |
試験会場 | 札幌、仙台、東京、横浜、埼玉、千葉、名古屋、大阪、京都、神戸、福岡、 |
試験時間 | 1級:120分 |
受験料 | 1級:11,000円(税込) |
10名以上の同時申し込みは団体割引が適用されます。
10~19名:8%割引、20~99名:10%割引、100名以上:15%割引
出題形式と試験範囲
1級、2級、3級があり、いずれもマークシート形式で行われます。
級別の試験範囲は以下の通りです。
3級 | 2級 | 1級 |
---|---|---|
番号法成立の経緯や背景 | 番号法成立の背景と概要 | 番号法成立の背景と概要 |
番号法の概要 | 第1章(総則) | 第1章(総則) |
個人と番号法 | 第2章(個人番号) | 第2章(個人番号) |
民間企業と番号法 | 第3章(個人番号カード) | 第3章(個人番号カード) |
地方公共団体・行政機関・独立行政法人等と番号法 | 第4章第1節(特定個人情報の提供の制限等) | 第4章第1節(特定個人情報の提供の制限等) |
番号法のこれから | 第4章第2節(情報提供システムネットワークによる特定個人情報の提供) | 第4章第2節(情報提供システムネットワークによる特定個人情報の提供) |
罰則 | 第5章(特定個人情報の保護) | 第5章(特定個人情報の保護) |
特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編) | 第6章(特定個人情報の取扱いに関する監督等) | 第6章(特定個人情報の取扱いに関する監督等) |
関連法令等(施行令、施行規則、個人情報保護法等の番号法に関連する箇所) | 第7章(法人番号) | 第7章(法人番号) |
第8章(雑則) | 第8章(雑則) | |
第9章(罰則) | 第9章(罰則) | |
附則 | 附則 | |
特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編) | 特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編) | |
関連法令等 | 特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(行政機関等・地方公共団体等編)※ | |
金融業務における特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン ※ | ||
関連法令等 |
※1級はこの2つのガイドラインからそれぞれ5〜10問程度出題される見込みです。
2級以上の合格者で個人情報保護実務検定1級合格者は個人情報保護士として認定されます。1級もしくは2級合格者はマイナンバー実務士会に入会できます。
マイナンバー実務検定を受験するメリット
マイナンバー実務検定を取得すると、直接業務に携わらない人にとっても役立つことがあります。主なメリットを見ていきましょう。
情報漏洩のリスク回避
マイナンバーは行政の手続きの円滑化や、税金・給付金などのお金の流れをわかりやすくする制度です。しかし、管理の際に情報漏洩する危険がないとは言い切れず、取り扱いには十分注意しなくてはなりません。
マイナンバー実務や個人情報保護の知識を持つ取得者がいることで、企業の情報漏洩のリスクが回避されやすくなるメリットがあります。また、個人的にもマイナンバーを不適切に利用されるような事件に巻き込まれたり、プライバシーを侵害されるのを回避することができます。
個人番号の管理業務を行える
企業や団体でマイナンバーを取り扱う担当者は、マイナンバー制度の目的や仕組みを理解していなくてはなりません。マイナンバー実務検定の受験勉強を通してマイナンバーの利用と保護に関する知識が身につくので、自信を持って携わることができるようになるでしょう。
資格を取得すると職場でマイナンバー制度に関する研修講師として活躍することもできるようになります。2級や1級を持っていると企業や団体で指導的な立場で個人番号の管理業務を行え、情報保護のプロとして評価されるでしょう。
就職活動でのアピール
試験は誰でも受けられますので、学生のうちに取得しておくと就職活動でのアピールポイントにもつながります。不適切なインターネット利用や情報管理に関心があり、セキュリティ意識の高さを持っていることをエントリーシートや面接でアピールできるからです。
マイナンバー実務検定取得者は、マイナンバーや個人情報保護の知識が豊富とみなされ、企業をリスクから守る存在として一目置かれることでしょう。
マイナンバー実務検定の勉強法
マイナンバー実務検定は独学でも合格は可能です。1級や2級の場合は法律に関する専門知識が必要となるため、対策講座を利用すると効率よく取得できるでしょう。
対策講座
受験対策でおすすめなのは、試験の主催者である全日本情報学習振興協会の「マイナンバー実務検定SMART合格講座」です。スマートフォンやパソコン・タブレットでいつでもどこでも学べるので、忙しい中でも勉強時間を捻出したい人にピッタリです。
この講座では、基礎から合格レベルまでの要点や重要ポイントを、動画で好きなように分割して学べます。実践力をつけるための答練では1問ごとに講師が丁寧に解説を行います。仕上げには実際の試験と同じ時間、同じ問題数の模試を通して実力をチェックできるようになっています。
参考書
参考書も全日本情報学習振興協会から発行されているテキストや過去問題集を使うと良いでしょう。2級、3級を受験するなら「マイナンバー実務検定公式テキスト」がおすすめです。マイナンバー制度や個人情報の適切な取り扱いについてしっかり学ぶことができます。
理解度の確認には過去問題集を使いましょう。過去の試験問題を厳選した「マイナンバー実務検定精選過去問題集2級・1級」が一押しです。実際の試験問題数の2回分が収録されており、解説も充実していますので、試験対策に大いに役立ちます。
法律およびガイドライン
試験範囲にはマイナンバーや個人情報に関わる法律が含まれています。3級受験の場合はテキストを読んだり、対策講座を視聴することでほぼ対応できるでしょう。
2級の場合は基本的な部分はテキストや対策講座で学び、法律の条文、ガイドライン、附則などは一通り読んで、概要をつかむことが推奨されています。
1級の学習では、2級の学習に加え「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(行政機関等・地方公共団体等編)」「金融業務における特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン 」の概要もつかんでおきます。この2つからそれぞれ5〜10問程度出題される見込みです。
マイナンバー実務検定を取得して、仕事や生活に活かそう
マイナンバー実務検定では、個人番号や個人情報を取り扱うために必須の知識を学ぶことができます。取得すると個人情報に関わるあらゆる職種でアピールでき、就職の際も有利になるなどメリットも多くあります。
試験の難易度は低めで、独学でも合格を目指せる資格です。関連する業務に携わらない場合であっても身につけた知識は普段の生活や職場で活かすことができますので、ぜひこの機会にチャレンジして実践的なスキルを身につけましょう。