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法務部に向いている人の特徴とは?やりがいや必要なスキルを解説

シンカキャリア編集部

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更新日:2024/07/18

「法務職に興味があるけど、自分は法務の仕事に向いているのだろうか」「未経験で法律の知識もないけど、法務に転職できるのか知りたい」。本記事では、こうした法務への転職に悩みを抱える人や法務部で働く人に向けて、法務に向いている人の特徴や仕事内容、業務に役立つ資格などを解説します。自分の適性や必要なスキルを理解し、理想の転職を成功させましょう。

目次

「法務職に興味があるけど、自分は法務の仕事に向いているのだろうか」「未経験で法律の知識もないけど、法務に転職できるのか知りたい」。

本記事では、こうした法務への転職に悩みを抱える人や法務部で働く人に向けて、法務に向いている人の特徴や仕事内容、業務に役立つ資格などを解説します。自分の適性や必要なスキルを理解し、理想の転職を成功させましょう。

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法務とは?

法務とは、法律や司法にまつわる業務や職種のことです。法務にはさまざまな種類があり、企業にまつわる法務は「企業法務」と呼ばれます。企業法務を担う法務部は、組織の「法の番人」として企業の健全な運営に重要な役割を担っています。

企業法務には「臨床法務」「予防法務」「戦略法務」の3種類があり、それぞれの役割は以下のとおりです。

企業法務の3つの種類

説明

臨床法務

企業に法的なトラブルが「発生した際」に対応する。
(例:不祥事が発覚した際の対応など)

予防法務

企業での法的なトラブルを「未然に」防ぐための対策をする。
(例:損害賠償のリスクを想定した契約書の作成など)

戦略法務

法律の専門知識を企業の経営戦略に活用する。
(例:経営陣からの新規事業の相談対応など)

法務に向いている人の特徴

法務は法的側面から企業を守り、利益追求を担う部署です。法務に向いている人の特徴は以下のとおりです。

法務に向いている人の特徴

  • 几帳面でコツコツ作業ができる人
  • 学習意欲の高い人
  • 正義感の強い人
  • コミュニケーション能力が高い人
  • 危機管理意識の高い人

几帳面でコツコツ作業ができる人

几帳面できっちりした性格の人や、コツコツ細かい作業ができる人は法務に向いています。法務担当者には、契約書のすみずみまで気を配れる几帳面さが求められるからです。

たとえば法務部の業務に、契約書に法令違反がないか確認する「リーガルチェック」があります。文言のわずかなニュアンスの違いが企業に多大な不利益をもたらす可能性もあるため、法務の責任は重大です。

こうしたプレッシャーのかかる業務も、几帳面にコツコツ処理できる人は法務部で重宝されるでしょう。

学習意欲の高い人

法務担当者には法律の知識を有しているだけでなく、新たな関連知識を自主的に習得し続ける学習意欲が求められます。

なぜなら、法務の土台となる法令は頻繁に改正されており、適切な業務遂行のためには最新の法律情報を常にキャッチアップする必要があるからです。

近年は業務の多角化やグローバル化など、社会情勢の変化に伴って企業法務に求められる業務領域も拡大しています。書籍や論文、セミナーなどを活用して情報収集を行い、自己研鑽に努めましょう。

正義感の強い人

日頃からルールやモラルを重んじる正義感の強い人は、法務に適性があるといえます。企業の信用や従業員を守るためには、社内のどんな不正や粉飾も許さず、正しい判断を下す強い意思が求められるからです。

たとえ企業の不利益になることや上層部の指示であっても、不祥事の隠蔽や数字の改竄など法に触れることは決してあってはなりません。法務は国が定めた法律に基づいて業務を行うため、日頃から細かいルールもきちんと守る正義感の強い人が向いているでしょう。

コミュニケーション能力が高い人

法務では、臨機応変に対応できるコミュニケーション能力が求められます。社内外のさまざまな立場の人と交渉や利害の調整を円滑に進める必要があるからです。

たとえば業務委託契約を結ぶ場合、まず社内の総務部や経理部などの部署と契約内容や費用について相談し、その後に業者と契約の手続きを進めていきます。また、訴訟やトラブルが発生した際にも適切に対応しなければなりません。

よって法務では円滑なコミュニケーション能力が重要と言えるでしょう。

危機管理意識の高い人

法務ではあらゆる事態を想定し、トラブルやリスクを未然に防ぐための危機管理意識が非常に重要です。

たとえば契約書類の「免責条項」は、契約上起こり得るさまざまなトラブルを予想し、損害賠償の責任の所在を明確にするものです。法務では、どのようなケースでどのような問題が起こり得るか、それぞれのリスクに対し適切に備えておかなければなりません。

こうしたリスクマネジメントが得意な危機管理意識の高い人は、法務に適性があると言えるでしょう。

法務の仕事内容は?

企業の法律関連の仕事を担う法務には、どのような業務があるのでしょうか。法務の業務は多岐に渡りますが主に以下のようなものがあります。

法務の主な仕事内容

  • 社内の法律相談
  • 契約法務
  • 社内規定の整備
  • トラブル対応
  • 法的手続きに関する業務

社内の法律相談

法務部は社内の「法律に関する相談窓口」として、経営陣から一般社員までさまざまな立場の人から相談を受けます。あらゆる相談に対応するため幅広い法律知識が必要です。

たとえば社内ハラスメントなどの相談を受けた際には、法務は相談内容に法的リスクがあるか判断し、場合によっては事業部や顧問弁護士などに解決策の提案や報告をします。また、法務では相談内容を社内規定や社内研修に取り入れることで、トラブルの再発防止や類似したリスクの回避に努めています。

契約法務

法務の代表的な仕事の一つが「契約法務」です。企業が取引先と交わす契約書の作成や審査、締結などを行い、法的に問題ないか、自社に不利益な内容でないかを精査します。

契約法務において適切な判断を下すにあたり、以下のような観点が重要です。

契約法務で求められる観点

  • 取引上のリスクを最小化する
  • 自社の利益を最大化する
  • 契約を締結した取引先と継続的な取引関係を築く

法務担当者は法律や自社の利益だけでなく、取引相手の状況や利益も考慮する多角的な視点が求められるでしょう。

社内規定の整備

社内規定とは、会社が独自で定めた社内ルールです。会社の社内規定は、法務部が作成・整備を行います。さまざまな価値観や考え方を持つ従業員をまとめ、社内秩序を統制し、業務を効率化するために作成されます。

社内規定は「就業規則」のように法律で作成を義務付けられているものと、それぞれの会社が必要に応じて独自で設けるものがあります。どちらも法律に違反する内容であってはならないため、法務によるチェックが必要です。

トラブル対応

社内外で発生したトラブルや紛争への対応も法務の仕事です。企業活動において、顧客からのクレームや社内の不正会計処理、従業員のハラスメント行為などさまざまなトラブルが発生します。法務部が単独で対応することもありますが、訴訟など大きな紛争事案では外部弁護士と連携して対応にあたるケースもあります。

トラブルによる自社の損害拡大を防ぎ、不利益を最小限に抑えるためにも、迅速かつ適切な対応が求められる重要な役割と言えるでしょう。

法的手続きに関する業務

法務部は、法令や定款のルールに則ってさまざまな法的手続きを行います。あらゆる事業活動は法律と切り離せない関係にあり、スムーズに進めていくためには法務の正しい法律知識が不可欠だからです。

具体的には、会社法などの知識をもとに株主総会や取締役会の開催、子会社の設立や株式の新規発行など、重要な機関の運営に関わるサポート業務を行います。こうした業務は「機関法務」とも呼ばれ、手続きに不備があれば経営の根幹を揺るがす大きな問題に発展するリスクがあるため非常に重要な業務です。

法務のやりがいとは?

専門性が高く、難しい法的問題を扱う法務には以下のようなやりがいがあります。

  • 法律の専門家としての評価を得られる
  • 課題の解決やサポートができる
  • 新しい知識が身につく/自分の知識が深まる
  • チームでさまざまな課題に取り組める

法律の専門家としての評価を得られる

法務の仕事には、法律の専門知識が不可欠です。大学の法学部や司法試験などで法律を学んだ方は、習得した専門知識を存分に活かせるため大きなやりがいになるでしょう。

法務の主な業務

  • 契約書の確認・作成
  • 株主総会の対応
  • 社内規定の作成・整備
  • 法的トラブル・紛争への対応

上記のような法務の業務には法律の知識を駆使して対応するため、単に法律に詳しいだけでなく「法律を実務で使いこなす専門家」として高い評価を得られるでしょう。

課題の解決やサポートができる

企業活動における課題を解決したり、さまざまな部署の仕事を法的側面からサポートできるのも法務のやりがいの一つと言えます。

法務では常に法的リスクを最小限に抑え、利益が最大化するよう考慮しながら契約書の作成や交渉を行います。たとえば、新規事業の立ち上げの際に法務が積極的に関わり効率や利益を高めることで、企業の成長のバックアップが可能です。

法的な「縁の下の力持ち」として企業や従業員を守り、貢献できるのが法務のやりがいと言えるでしょう。

新しい知識が身につく/自分の知識が深まる

法務の土台となる法律は頻繁に改正されます。最新の法律知識を学び続けるため、法務担当者は必然的に法律に関する新たな知識を身に付けられるでしょう。

また、法務は契約や事業の内容に合わせて関連法規やリスクへの対処法も臨機応変に変えていく必要があります。契約の交渉や経営陣へのプレゼンテーション、顧問弁護士との連携など、実務を通して自分の法律知識をより深く・幅広く理解できるようになり、法務担当者としての成長を実感できるでしょう。

チームでさまざまな課題に取り組める

法務の業務ではチームワークが重視されます。なぜなら、課題解決や契約締結までの手続きなどで他部署と連携したり、社外の弁護士や税理士などと協力して案件を担当する機会が多々あるからです。

たとえば新規事業の立ち上げにおいて、法務部は営業部や総務部、経理部などの部署と連携しながら契約や事業の内容について法的な観点から検討します。

このように関連部署と意見交換しながらチームで課題に取り組み、より良い結果を生み出すことでやりがいが感じられるでしょう。

法務になるために活用できるスキル・資格6選

法務職に就くために必須の資格は特にありません。ですが、法務では法律の知識と実務経験が重視されますので、法律関連の資格を取得すると転職や実務に役立つでしょう。法務への転職を目指す方は、ぜひチェックしてみてください。

弁護士

弁護士は、法律関連資格の頂点にして合格率3〜4%という最難関の国家資格です。弁護士になるには法務省が主催の司法試験に合格し、その後約1年間実施される司法修習を終了する必要があります。なお、現行の司法試験(本試験)の受験には、以下のどちらかの「受験資格」が求められます。

司法試験(本試験)の受験資格(※受験にはどちらか1つが必要)

  • 法科大学院課程を修了する
  • 司法試験予備試験に合格する

近年では企業に勤める「企業内弁護士」も増加傾向にあり、キャリアパスの1つになっています。

司法書士

司法書士は法務省が実施する国家資格です。「街の法律家」「登記のスペシャリスト」とも呼ばれる司法書士は、不動産の登記や裁判所に提出する書類作成など、司法や法律に則ってさまざまな手続き業務を行います。

司法書士の平均合格率は例年3〜5%前後となっており、弁護士と並ぶ最難関国家資格の1つです。

一般企業に勤める司法書士は多くありませんが、法律や司法に関する高い専門性を有するため企業法務のパートナーとして重宝されるでしょう。

行政書士

行政書士は国家資格であり、「示談書」や「告訴状」など、行政へ許認可申請が必要な場合の書類作成や、官公署に届ける書類に関する相談業務などを行う法律の専門家です。

難関資格ではありますが、平均合格率は10%前後のため法律系の資格の中では比較的難易度が低いと言えます。行政書士の資格を取得すれば法務系職種への転職に役立つほか、法務部で実務経験があれば評価が高まり、キャリアアップや開業に有利になるでしょう。

個人情報保護士

個人情報保護に関する正しい理解と知識を習得し、個人情報を適切に運用・管理するスキルを証明する民間資格です。全日本情報学習振興協会が主催しており、平均合格率は37.3%程度ですので十分に勉強して臨めば合格できる難易度と言えるでしょう。

ニュースでもよく取り上げられる「サイバー攻撃」や「個人情報漏えい事件」などから認知度が高まっている資格です。近年では、社員教育の一環で団体受検を実施する企業も増えています。

ビジネス実務法務検定

東京商工会議所が主催する、ビジネスの業務上必要な法律の実務知識を問う民間資格です。法務部門はもちろん、営業や総務、人事などあらゆる職種に通用する実務レベルの法律知識を正しく習得できます。

ビジネス実務法務検定には1級から3級まであります。1級を取得すると法務への採用選考時に有利になりますが、平均合格率は20%前後と国家資格なみの難易度です。

転職だけでなく、法務担当者としてキャリアアップしたい方にもおすすめの資格です。

ビジネスコンプライアンス検定

あらゆる業務に必要な、コンプライアンス(論理法令遵守)に関する知識や能力を判定する資格です。コンプライアンス検定委員会が主催する民間資格で、初級と上級があります。平均合格率は初級と上級を総合して60%前後と、難易度はさほど高くありません。

コンプライアンスの知識は、法務やコンプライアンス担当者だけでなくすべてのビジネスパーソンに求められます。取得すると他業種への転職の際にも良いアピールになるでしょう。

法務についてよくある質問

ここからは、法務への転職を考えるうえで生じる疑問について、以下のとおり解説します。

法務について良くある質問

  • 法務の年収は?
  • 未経験でも転職できる?
  • 法務の仕事はきつい?
  • 法務に将来性はある?
  • 「自分は法務に向いていない」と悩む時は?

法務の年収は?

法務の平均年収は約544万円(※1)です。国税庁による令和3年の調査(※2)によると、日本の平均年収は443万円であることから、法務の年収は平均より100万円ほど高い水準にあると言えます。

(※1)法務の仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)求人ボックス(令和5年5月算出)

(※2)令和3年分 民間給与実態統計調査 国税庁「概要」

さらに、法務経験を5〜10年ほど積んだ管理職クラスの平均年収は以下のとおりです。

法務の管理職クラスの平均年収

  • 課長クラス:600〜900万円
  • 部長クラス:1,000〜1,300万円

あくまで目安ではありますが、法務は順調にキャリアを積めば高い年収が期待できる、有望な職種と言えるでしょう。

未経験でも転職できる?

結論として、未経験でも法務への転職は可能です。しかし、法務は高い専門知識や実務経験が重視される職種のため、未経験からの転職は難しいと言えます。

新卒や第二新卒(25歳前後)であれば未経験でもポテンシャルが評価されますが、30代以降では「即戦力」を期待されるため転職の難易度はさらに高くなるでしょう。

まずは総務や人事など別の職種で入社してから、法務部への配属を狙うのも方法の一つです。まずは法務に不可欠な法律系の資格取得から始めましょう。

法務の仕事はきつい?

法務部の仕事がきつかどうかは、企業から求められる役割や業務範囲、社内体制などによって異なります。

処理する契約書の数に比例して負担も増えますし、海外企業との取引があれば外国法のチェックが発生したりと業務範囲も広がります。また、適切な法的判断をするために、頻繁に改正される法律の知識を常にアップデートする必要もあるでしょう。

企業によっては法務部が総務部などの業務を兼務するケースもあります。目指す企業の社内体制を事前にチェックしましょう。

法務に将来性はある?

法務は企業にとって必要不可欠な部署であり、将来性も豊かといえます。近年のSNSの発達や労働者の権利意識の高揚で企業の法的リスクは増しており、あらゆるリスクを想定して防止する法務の重要性も高まっているからです。

また、各業界で導入が進む機械化やAIツールは法務の仕事にも登場してきています。ですが法務の業務は多岐に渡り、複雑な訴訟の対応や労使間トラブルなど、人の感情が絡む事案の解決には実務経験の豊富な法務担当者が今後も求められるでしょう。

「自分は法務に向いていない」と感じるときは?

「法務部に配属されたけど、専門知識や実務経験がない自分にやっていけるのか」「法務部で業務をこなしているけど働きづらく感じる。向いていないんじゃないか」。

現在あなたが法務部で働く中で、こうした悩みを抱えているかもしれません。

知識や実務に自信がないなら、まずは法務の基礎となる「民法」をしっかり学び、法的問題に的確な判断をするための「リーガルマインド」の習得から始めましょう。また、法務部のあり方は、企業における立ち位置や役割、社内体制などによって異なります。法務そのものに適性があっても、そうした理由で違和感を覚えることもあるでしょう。

このように「法務に向いていない」と感じるのは自身の専門性を高めたり、所属する組織を変えたりすることで解決できる可能性があります。時には転職も視野に入れつつ、信頼できる上司や外部の転職エージェントなどに相談してみましょう。

法務に向いている人の特徴を確認し、転職を考えてみよう

この記事では法務に向いている人の特徴について、法務の仕事内容ややりがい、関連する資格などを中心に解説しました。

法務の仕事には几帳面で学習意欲の高い人、正義感や危機管理意識が強く法令遵守を徹底できる人が向いています。また、未経験から法務に転職するのは困難ですが、法務関連の資格を取得するなどの方法で目指すことも可能です。

まずは法律の知識を身に付け、転職を希望する法務部の情報収集から始めましょう。法務の仕事を探すなら、管理部門に特化した転職サイト「SYNCA」がおすすめです。

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