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法務経験者を採用するには?求められるスキルや資格を解説

シンカキャリア編集部

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更新日:2024/07/11

法務職には、専門性と幅広い能力のバランスが求められるため、多くの企業が経験豊富な人材を採用したいと考えていることでしょう。今回は、企業の採用担当者や経営者向けに、法務職採用において求められるスキルや資格、転職エージェントを利用するメリットを紹介します。

目次

法務職には、専門性と幅広い能力のバランスが求められるため、多くの企業が経験豊富な人材を採用したいと考えていることでしょう。今回は、企業の採用担当者や経営者向けに、法務職採用において求められるスキルや資格、転職エージェントを利用するメリットを紹介します。

法務で採用したい人のスキルは?

法務職にはどんな人が向いているのでしょうか?企業にとって重要な役割を担う法務職には、法律知識があり、経験者であることが望ましいでしょう。ここでは、法務職向きの候補者に求められる6つのスキルを解説します。

専門的な法律知識

法務の業務には、法律や規制に関する専門的な知識が必要です。企業内には、さまざまなリスクが顕在化しており、作成した契約書の内容に問題がないか、リスクはないかなど、ビジネス目線だけではなく、法的な視点で検証・チェックできる能力が求められます。

リスクを避けるためには、契約書のレビュー・ドラフトの作成能力はマストで、オンライン・オフライン全般の書類作成能力が必要でしょう。

また、法律は一度学べば終わりではありません。日々情報が変化していくなかで、知識のアップデートが必須です。弁護士などの資格を有していなくても、できれば法学部出身のように法律を学んできた方の採用を検討しましょう。

コンサルティング・コミュニケーションスキル

法務職には、法律相談があった場合は課題を分析し、解決策を提案するコンサルティングのスキルが求められます。経営者や他部署から法律相談を受けて、ビジネス戦略や課題解決策などを提案するのも、法務部の業務の一環です。

また、業務を円滑に進めるためには、高いコミュニケーションスキルも必要です。法務の知識は難しい内容が多く、一般的には理解に時間を要します。他の部署の社員にむけて、理解しやすいようにアドバイスしたり、プレゼンテーションしたりといったことができれば、効率的に業務を進められるはずです。

社内だけでなく顧客や取引先といった社外対応もあるため、より円滑なコミュニケーションを取れる方が法務職には望ましいでしょう。

リスクマネジメント能力

急なトラブルが発生した際、迅速かつ適切に対処することも、法務で必要とされるスキルの一つです。法務の担当者として、急な状況でも冷静さを保ち、企業の将来を見据えた意見を提供するリスクマネジメント能力が求められます。

法務職が対処する事案は多岐にわたりますが、社内規則に関連する法令違反や労働法に関連するトラブルなどがあります。また、他の企業や取引先との契約に違反があった場合も対処しなければなりません。

社内外の業務において、将来起こり得る法律トラブルを未然に防ぐためにも、また急なトラブルに適切に対処するためにも、高いリスクマネジメント能力を有する候補者が最適です。

他部署の知識や管理能力

法律の知識だけでなく、会計、税務などの法律以外の分野にも精通している必要があります。法律以外の分野にも精通することで、ビジネス全体の状況やリスクを法的視点から正しく評価し、適切なアドバイスを提供できるからです。

ビジネスは単なる法的な枠組みだけでなく、財務や税務など多岐にわたる要素が影響を与えます。そのため、法律の知識をふくめ、幅広い知識が必要です。

優秀な法務担当者として採用するかどうかの判断として、法律知識以外の管理部門の知識や経験などにも注目すべきでしょう。

英語力

TOEIC600~800程度の実力を有する候補者は、法務職にふさわしいスキルがあるといえます。企業によって要求される英語力は異なりますが、特に、外資系・大手企業では一定のレベル以上の語学力は必須です。

法務職においては、国際的な契約や取引が日常的に発生するため、能力が高ければ英文契約書のレビューやドラフト作成などの業務をより効率的に進められるでしょう。TOEICのスコアは、コミュニケーションやグローバルなビジネス環境での適応能力を示しています。英語の資格を持つ人材がいることで、海外の取引先との契約交渉や英文契約書の処理などで役立つ可能性が高まります。

ただし、TOEICのスコアは一つの目安となり得ますが、英文契約の経験があるなど実務で培ったスキルを持つ候補者であれば、より適しているといえるでしょう。

勤務先(転職先)の業界知識

各業界において、適用される法律や生じるリスクの性質は異なります。候補者が勤務先(転職先)の業界知識を有していれば、それだけで即戦力としての価値が高まるはずです。

また、候補者が業界知識を持っていると、入社後の研修や教育の時間も削減できます。既存の知識があるため、新しい環境に適応するスピードが速まり、業務に迅速に取り組むことが可能になるからです。研修や教育時間の削減は、効率的な業務遂行に直結し、組織全体の生産性向上につながります。

これは企業としては大きな利益となり、業界知識を持つことは転職者にとっても企業にとっても双方にとって利益をもたらす重要な要素でしょう。

法務職に向いている人の特徴は?

法務職は、大企業や中小企業、すべての企業にとっても欠かせない存在です。法務の業務を適切に行うには、どのような適性が求められるのでしょうか?法務職に向いている人の特徴を5つ解説します。

学習意欲が高く分析能力・情報収集能力がある

法改正への対応などの業務を行うには、勉強・調査のスキルが不可欠です。そのため、学習意欲が高く、分析・情報収集能力がある人は法務職に向いています。

法律は社会や経済の変化に応じて頻繁に変化するため、法務職は常に最新の法的知識を継続的に学習・更新しなければなりません。最新の法律や規制の変更を把握できないと、法的要件に適合せず、コンプライアンス違反が発生する可能性があるからです。

学習意欲が高い人は、法律の変化に迅速に対応し、組織やクライアントに適切なアドバイスを提供できるでしょう。また、法務職では複雑な法的問題や紛争を解決するため、高い分析能力が求められます。法的に重要な情報を見つけ出し、それを的確に判断するためには、情報収集能力も欠かせません。

コミュニケーション能力や共感力が高い

ほとんどの職種で求められるコミュニケーション能力や共感力の高さは、法務職でも必要です。コミュニケーションスキルが低いと、意思疎通が困難になり、情報や指示が正確に伝わらない可能性があります。優れたコミュニケーション能力があれば、法律相談などの場面で、社員や顧客などのニーズや要望を理解しやすくなるでしょう。

さらに、トークスキルが高い人は、的確に情報を伝える能力があり、クライアントの要望や状況を適切に把握できます。また、法務職では関係者の意見や事情を正確に把握することが重要なため、相手の意図や要望を理解できるように、ヒアリングスキルが高い人も採用すべき人材です。

単調な仕事をコツコツと行うのが好きな人

単調な仕事をコツコツと丁寧に進めることが好きな人は、法務職に向いているといえるでしょう。法務の業務では、契約書や法的文書の作成、確認が日常的に行われます。これらの作業は、内容に間違いがないように丁寧に確認し、コツコツと作業を進めなければなりません。しかし、単調な仕事が苦手な人はミスやエラーが増加する可能性があります。仕事への苦手意識が、仕事に取り組む意欲の減少や成果の低下にもつながりかねません。

単調ながらも正確さと精密さを重視する人は、法的文書の作成やチェックに適しています。コツコツと単調な仕事を進める態度は、信頼と安定感を表し、こうした人材を積極的に採用することで、組織全体の信頼度も向上するでしょう。

細かいルールも守る「真面目さ」のある人

法務職においては、細かいルールや法的規制を順守することが求められます。ルールに従うことで、企業は法的リスクを最小限に抑え、経済的損失や企業の評判への悪影響を防ぐことができるからです。法的規制を遵守しないことは、法的なリスクや法的制裁を招き、企業の信頼性や評判に損害を与える可能性があります。また、真面目さが欠けると、仕事の遅延や遅刻が発生し、法務部全体の効率が低下しかねません。

日常の行動で遅刻をしないなど、基本的なルールを守れるような真面目さが窺える人は、法務職における最低限の要件を備えているといえるでしょう。

ネットリテラシーが高い人

インターネットを適切に正しく使いこなす知識や能力がある人は、法務職のみならず、ほとんどの職種で採用するべきでしょう。ネットリテラシーが高い人は、インターネットを活用して法的情報や先行事例を効率的に収集できます。これにより、法的判断や戦略の策定に役立つ情報をスピーディに取得し、適切な分析が可能です。

一方で、ネットリテラシーが低いと、正確な情報の選別や適切な判断が難しくなる可能性があります。誤った判断や誤解を招き、その結果、法的意思の決定に影響を与えてしまうかもしれません。

近年では、ネット上での風評被害防止への対応に力を入れている企業も多くみられます。インターネット上のトラブルを回避するためにも、ネットリテラシーが高い人を採用するべきです。

法務経験者のなかでとくに市場価値が高い人材の特徴

法務経験者といっても、市場価値が高い人から低い人までさまざまです。ここでは、法務経験者の中でとくに市場価値が高いとされる人材の特徴を4つ解説します。

経験年数については3年以上が目安

3年以上の実務経験があると、法律や法的手続きに関する幅広い知識や経験を身につけていると考えられます。実務経験を積んでいることから、法的な問題に対する実務能力が高いと期待されるでしょう。また、これまでの経験から得た教訓を活用し、過去のエラーやリスクを最小限に抑える能力が高い傾向にあります。

一方で、経験が3年未満の場合は、若手法務部員としての立ち位置になります。主に契約書の審査など基本的な業務が中心となるため、ポテンシャルを見極めながら、採用の判断を行うことが重要です。経験年数に基づくポジショニングを考慮しつつ、適切な役割と期待される能力を考え、採用するかどうかの判断をしましょう。

企業法務、コンプライアンス実務経験2年以上

近年、企業経営においてリスクマネジメント、特にコンプライアンスの重要性が増しています。法務経験者の中でも、企業法務やコンプライアンスの実務経験がある候補者は、業務において即戦力となるでしょう。

法務にはさまざまな分野があり、その中でも企業に関連する法務を「企業法務」と言います。企業活動におけるトラブルを未然に防ぎ、新規プロジェクトやM&Aのサポートなどが主な業務です。企業法務やコンプライアンスの分野での専門知識と実務経験があれば、法的な課題やリスクを適切に把握し、解決策を提供する能力が期待されます。

非定型業務の経験がある人

法務職では、進め方が決まっている定型業務のほかにも、業務の進め方が定まっていない非定型業務が多くあります。たとえば、法改正があった場合、社内の手続きや規則、ルールの変更、および社内への周知などを実施する必要があります。急なトラブルや法改正への対応などの経験者であれば、適切に対応し、トラブルを解決に導く能力があるといえるでしょう。

さまざまな変化に敏速に対応できる人材は貴重です。定められた業務をただこなすのではなく、自ら考え行動できる人材を積極的に採用しましょう。

法務部のマネジメント経験者

法務経験者の中でマネジメント経験が豊富な人材は希少です。そのため、同条件の候補者が現れた際には積極的に採用を検討しましょう。法務経験者が希少なのは、一般的な管理職に求められるマネジメント能力やリーダーシップスキルに加えて、法務職特有の専門知識などが必要とされるからです。

法務部のマネジメント経験者は、チームリーダーとして、社員をまとめる能力にも長けていると考えられます。人材育成や評価システムの設計、経営陣への法的問題の提示とそれに対する解決策などの経験があればなお良いでしょう。

法務採用に転職エージェントを利用するメリット

社内で法務担当者を採用するには、法律知識や経験を持っている人を選ぶのが良いでしょう。また、社外で候補者を選定する場合には、転職エージェントを利用するのも一つの方法です。

ここでは、法務採用に転職エージェントを利用する4つのメリットを解説します。転職エージェントを有効に活用し、優秀な人材を採用しましょう。

①異業種などさまざまな人材にアプローチできる

転職エージェントには、さまざまな分野で活躍されてきた求職者が登録しており、自社とは異なる業種で活躍していた人たちへのアプローチが可能です。他業種で活躍していた実績があれば、自社の即戦力となるでしょう。

しかし、他業種で活躍していた求職者が自社に興味を持つ可能性は高くありません。その際に便利なのが転職エージェントです。企業が募集しているポジションに必要なスキルや経験、資質などを理解した上で、他の業種や異なる職種で成功している人にもアプローチできます。

当初、自社への応募を考えていなかった別の分野で活躍してきた求職者に対してもアプローチできるので、企業が「優秀な人材」を採用する確率が高まるでしょう。

②条件にあった人材にアプローチできる

転職エージェントでは、専門アドバイザーが求職者の要望や適性に基づいた求人情報を提供します。このため、求職者と企業側のニーズを調整し、適した人材の紹介が可能となり、ミスマッチを防ぎつつ、採用の可能性の高い人材に効果的にアプローチできるでしょう。

他の企業にとって優れた人材であっても、自社で必要とされる人材と一致するとは限りません。転職エージェントは、求職者のキャリアやスキル、志向などを綿密に把握しています。企業が求める条件や要件に適した人材をエージェントが選別し、アプローチすることで、企業側の採用担当者の時間と労力を節約することができるのです。

③成功報酬型の料金体系で費用を抑えられる

優秀な人材が短期間で集まることは望ましいですが、現実的には厳しいでしょう。転職エージェントは、多くが成功報酬型の仕組みを採用しており、採用が確定してから費用が発生するシステムです。このため、他の採用チャネルと比較して費用が抑えられる傾向にあります。

求人サイトなどの求人メディアを利用する際、費用は先行投資型が多く、広告掲載にコストがかかります。転職エージェントを利用する際、企業は「こんな候補者がいれば紹介してほしい」といった具体的な要望を転職エージェントに伝えます。そして、希望者が現れた場合のみ選考に進めることになるので、費用を抑え、効率的な採用活動を進めることができるのです。

④効率的な採用活動が可能

転職エージェントは、多くの求職者が利用するプラットフォームです。企業が転職エージェントに登録することは、多くの求職者に認知してもらい、効率的な採用活動につながる可能性が高まります。

さらに、転職エージェントを利用することで、自社の採用ホームページを作成するための時間や、各地域での転職フェアへの参加といった手間を省くことが可能です。これにより、採用担当者は応募者の選考など、本来のコア業務に集中する余裕が生まれるでしょう。

法務経験者採用のポイントと転職エージェントの活用

法務職では、法律知識やコミュニケーション能力など幅広いスキルが求められます。同時に、企業の規則やコンプライアンスへの理解も不可欠ですが、優れた人材を採用するのは容易ではありません。このような際、転職エージェントの利用が有用な選択肢となります。

採用の成功には、自社の採用ニーズに適した人材紹介サービスを選択することが重要です。法務職の経験者を募集する際には、WARC AGENTのような管理部門で強みを持つエージェントが適しています。優れた法務人材を採用するためにも、効率的に採用活動が行える転職エージェントを積極的に活用しましょう。

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