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「法務の知識を活かして副業できるって聞いたけど、実際どうなの?」
「スキルアップやキャリアの幅も広がるって本当?」
副業解禁が進む今、法務職でも本業以外の活躍の場を広げたいと考える方が増えています。とはいえ、就業規則や守秘義務など、不安も尽きませんよね。
この記事では「法務職の副業」について徹底解説します。スキルや実績の活かし方や案件の探し方、注意点をまとめました。法務の未来を広げたい方は参考にしてみてください。
法務の副業は可能?現状と注目される背景
近年、副業に対する関心が高まり、法務職でもその波が押し寄せています。なかでも20代~40代の社会人法務担当者の間では、副業をキャリアアップや収入増につなげたいというニーズが顕著です。
以下で、副業に関する現状と注目される理由を分かりやすくお伝えします。
副業解禁の流れと法務の現状
法務職でも副業ができるケースは確実に増えています。背景にあるのは、働き方改革関連法の成立と、政府が掲げた「副業・兼業の促進」方針です。
従来、副業は就業規則で禁止されているケースが多く、コンプライアンスを重視する企業の法務部門では慎重な姿勢が目立ちました。しかし現在では、大企業を中心に副業解禁を明文化する企業が増加中です。企業側も「社員のスキル向上」や「柔軟な働き方の支援」といった観点から副業に前向きになりつつあります。
副業が注目される理由とキャリアへの影響
法務職の副業が注目されているのは、単に収入を増やせるからだけではありません。スキルアップ、専門性の深化、人脈の拡大といった、キャリア形成における多様なメリットがあるからです。
たとえば、契約書レビューやリーガルチェックの副業を通じて、異業種の案件に関わることで実務対応力が向上します。中小企業の法務顧問として活動すれば、経営目線やビジネス感覚が磨かれるなど、本業では得られない経験ができるでしょう。
さらに、副業をきっかけに「フリーランス法務」として独立したり、スタートアップのインハウス法務へ転職したりと、キャリアの可能性が大きく広がるのも大きな魅力です。副業は、法務職の将来を柔軟にデザインできる実践的な手段といえるでしょう。
法務が選べる主な副業の種類
法務職が取り組める副業は、どれも法務知識を軸にした業務であり、本業での経験がそのまま副業に活きる点が特徴です。内容やメリットを具体的に紹介します。
契約書作成・リーガルチェックの副業
契約書業務は最も始めやすく、ニーズも多い法務副業のひとつです。
企業や個人事業主が契約書のドラフトやレビューを外部に依頼するケースは年々増加しています。とくにスタートアップやスモールビジネスでは、社内に法務部がないことも多く、外部の専門家にサポートを求める傾向があるでしょう。
始める際には、自身の実務経験を活かし、クラウドソーシングサイトや専門の副業マッチングサービスで案件を探すのが一般的です。ただし、就業規則で副業が制限されている場合や、元の勤務先と関わる内容には注意が必要でしょう。
法務コンサル・社外相談窓口
実務経験が豊富な方におすすめなのが、法務コンサルタントとしての副業です。中小企業やスタートアップなど、社内法務が整っていない企業では、外部のプロに法務相談を依頼するニーズがあります。
このような役割を「社外法務顧問」として担うことで、経営に近い視点で法務を考える力が身につきます。報酬も比較的高めで、長期契約につながる可能性もあるでしょう。
注意点としては、非弁行為(弁護士でない者が報酬を得て法律事務を行う行為)に該当しないよう業務内容を明確にしておく必要があります。顧問契約書を交わすことや、守秘義務を徹底することも大切です。
執筆・セミナー講師・クラウドソーシング
法務の知識をわかりやすく伝えるスキルがある方には、執筆や講師業といった情報発信型の副業も魅力的です。
たとえば、以下のような形で活動できます。
- 法律メディアやビジネスサイト向けの記事執筆
- 企業向けコンプライアンス研修の講師
- クラウドソーシングでの法律系QA対応
これらは在宅で対応可能なケースも多く、副業として取り組みやすいのが利点です。また、発信実績がポートフォリオとなり、本業での評価や転職時のアピールにもつながります。
副業初心者には、まず法律系クラウドソーシング(ココナラ、クラウドワークスなど)で小さな業務から始めるのがおすすめです。継続的に取り組むことで、自分の得意領域を活かしたブランディングも可能になります。
法務副業のメリットと注意点
法務職が副業を行うことで得られる利点は非常に多くありますが、その一方で慎重に考慮すべきリスクも存在します。以下で、法務副業のメリットと注意点をみていきましょう。
【メリット】スキルアップ・収入増・人脈拡大
法務職の副業では、業種や業界を超えた案件に携わることで、応用力や柔軟性が格段に磨かれます。たとえば、契約書レビューを通じて、これまで触れたことのない商習慣に出会ったり、コンサル業務を通じて経営の視点を得られたりと、視野が大きく広がるでしょう。
また、副収入が得られる点も大きな魅力です。週数時間の活動で数万円〜数十万円の収入を得ている実例もあり、経済的な安心感に直結します。
さらに、業務を通じて社外の経営者や士業と関わることができ、人脈も広がります。このようなつながりが将来的な転職や独立の際に有利に働くケースも少なくありません。
副業は単なる「副収入の手段」ではなく、次のステージに進むための「キャリア資産」となるのです。
【注意点】副業規定・守秘義務・非弁行為など法的リスク
副業を始める前に必ず押さえておきたいのが「法的リスクの回避」です。法務職は扱う情報の機密性が高く、副業によって信用を損ねたり、法に触れてしまったりするリスクもあります。代表的な注意点は以下の3つです。
- 副業規定の確認
会社によっては副業を原則禁止している場合もあります。就業規則に「届け出制」や「承認制」の記載があるか確認しましょう。 - 守秘義務の遵守
前職・現職の情報を副業で流用することは絶対に避けるべきです。契約書やメール文面のテンプレートを使う際にも、出所や利用目的に注意が必要です。 - 非弁行為に該当しないようにする
弁護士でない限り、法律相談や代理業務など、報酬を得て「法律事務」を行うことは非弁行為にあたります。明確な線引きを行い、必要に応じて専門家と連携することが重要です。
副業を継続的に行うためには、まず「守るべきルール」を明確にし、リスクマネジメントを徹底する姿勢が求められます。
法務副業を始めるためのステップ
副業に挑戦したいと思っても、「何から始めればいいかわからない」と感じている方は少なくありません。ここでは副業開始までの流れを解説します。
副業案件の探し方と情報収集
法務系副業の案件を見つけるには、以下の3つの方法が有効です。
- クラウドソーシングサイトの活用
- 法務特化型副業マッチングサービス
- 知人・社外ネットワークからの紹介
また、副業に取り組んでいるほかの法務職の体験談を読むことで、報酬相場や注意点の情報を得やすくなります。案件獲得を急ぐよりも、まずは信頼できる情報源からマーケット感覚をつかむことが重要です。
必要なスキル・実績と契約・報酬のポイント
副業に必要なスキルは「実務経験の言語化」です。法務副業では、資格よりも「どんな業務ができるか」「どんな案件をこなしてきたか」が重視されます。とくに以下の点を明確にしておくと案件獲得に有利でしょう。
- 担当した契約類型(NDA、業務委託、売買契約など)
- 業界や事業フェーズ(ベンチャー、外資、上場企業など)
- 成果事例や業務改善の経験
また、契約書のやりとりや報酬交渉も重要なポイントです。副業では個人と法人の取引になることが多く、以下の点に注意してください。
- 契約内容(業務範囲・納期・成果物の著作権など)を明文化する
- 守秘義務・再委託禁止・報酬支払条件なども確認する
- トラブル防止のため、口約束は避け、メールや契約書で記録を残す
報酬相場は業務内容によって異なりますが、1案件あたり1〜5万円の報酬が目安です。経験を積むことで単価アップやリピート依頼も期待できるため、誠実な対応と丁寧な成果物の提供を心がけましょう。
法務副業でキャリアアップ・独立を目指すには
法務副業は、単なる収入源にとどまらず、キャリアの可能性を広げる手段としても注目されています。とくに、将来的に転職や独立を考える法務担当者にとって、副業での経験は大きなアドバンテージとなるでしょう。以下で副業をキャリアアップや独立に活かす方法を詳しく紹介します。
副業経験を本業や転職・独立に活かす方法
新たな業界やビジネスモデルに触れることで、汎用性の高い判断力や問題解決力が身につきます。これらは本業の法務業務にも波及し、社内での評価アップにつながるケースもあるでしょう。
また、転職市場においても「社外で通用する力」を持つ人材として評価されやすくなります。たとえば、以下のような副業経験は履歴書・職務経歴書で明確な強みになるでしょう。
- 自分で案件を獲得し、納期・品質を守って対応した実績
- クライアントとの折衝や、業務プロセスの構築経験
- 特定業界に特化した法務支援(例:IT、医療、建設など)
小さな案件から着実に実績を積み、自分の「専門領域」を持つことで、独立のハードルは確実に下がります。
副業・転職支援サービスの活用法
法務副業をキャリア形成に活かすには、支援サービスの活用も非常に有効です。
副業を通じたキャリア設計に悩んだときは、エージェントやコミュニティに相談してみるのもおすすめです。客観的なアドバイスを得ることで、自分では見えていなかった選択肢に気づくこともあります。
また、副業支援サービスを活用することで、契約書のひな型や税務対応の情報を得ることもでき、副業をより安心して継続できます。
副業を通じて法務キャリアの未来を切り拓こう
副業を通じて得られるのは収入だけでなく、スキルの深化や新たな人脈、キャリアの広がりです。一方で、非弁行為や守秘義務といったリスクにも注意が必要でしょう。就業規則の確認や契約内容の整理を怠らず、信頼を積み重ねる姿勢が成功のカギとなります。
副業は、法務職が組織の枠を越えて活躍するための第一歩です。これからの時代、自ら選び取るキャリア形成の手段として、副業の可能性を見つめ直してみましょう。
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