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中小企業の総務は大変?業務内容・年収相場・キャリアパスを徹底解説

シンカキャリア編集部

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更新日:2025/06/20

中小企業の総務職の実態や年収相場、よくある課題、キャリアアップの方法を徹底解説します。年収を上げるためのスキル戦略や転職成功のポイントも解説。総務として今後どう成長すべきか悩んでいる方は必見です。

目次

「中小企業の総務って、結局どこまでやればいいの?」総務職の業務範囲は、実はとても広く、企業の土台を支える重要なポジションです。しかし、現場では「何でも屋」になりがちで、自分の評価やキャリアに不安を抱える方も多いのではないでしょうか。
この記事では、こうした悩みを抱える中小企業の総務職に向けて、実際の業務内容や評価されるポイント、キャリアアップのヒントを詳しく解説していきます。

中小企業の総務の役割と業務範囲

中小企業の総務は「会社を支える縁の下の力持ち」です。経理や法務専任がない中小企業では、総務がこれらすべてをまとめて担当するケースが多く、柔軟な対応力と幅広い知識が求められます。限られた人員で社内環境を整え、業務の円滑化を支える存在です。以下で詳しく役割や業務範囲をみていきましょう。

労務管理

勤怠管理、給与計算、社会保険手続きなど労務管理が、総務の業務となる場合があります

多くの中小企業では、タイムカードの集計から給与計算まで総務が一貫して担います。それに加え、社会保険や年末調整などの行政手続きも必要です。
たとえば「月末までに社員全員の勤怠をまとめ、翌月◯日までに給与振込手続きを完了する」といったスケジュール管理が典型的です。専用システム導入で作業時間が1/3になった企業もあります。

経理業務

経費精算・会計処理・予算管理も総務の仕事です。

日常的には社員から提出された領収書をチェックし、システムへ入力・承認・支払手続きを行います。また、月次決算として収支をまとめ、来期の予算案を社長に提案します。
経費削減に直結するため、ミスなく処理するスキルと全体を俯瞰する視野が必要です。

法務・コンプライアンス

契約書管理や法令順守の確認も、中小企業の総務の重要な業務です。

中小企業では法務専任がいないため、総務が契約書の内容チェック、更新期限の管理、関連法令の改正確認を担う場合があります。たとえば「契約期間・支払い条件・改訂条項は必ず確認」などのチェックリストを用意し、リスクの未然防止につなげます。

庶務・環境整備・窓口対応

中小企業の総務は、オフィス環境から来客・電話・郵便対応まで幅広く担当します。

備品・施設の管理では、コピー用紙や文具の発注、空調・清掃業者の調整など、社員が働きやすい環境を維持します。加えて、来客応対・電話取り次ぎ・郵便物対応といった窓口業務も日常の一部です。
年1回の防災訓練や社員旅行など社内イベントの企画を行い、社員の働きやすさと会社の雰囲気づくりを支える業務を担う場合もあるでしょう。

中小企業の総務が直面する主な課題

ここからは、中小企業の総務職が直面する課題について紹介します。これらは総務業務の質と効率に直接影響するため、会社全体の持続成長にも関わるでしょう。

人員不足と業務の多様性

中小企業では、総務部門が少人数体制であることが多く、労務・経理・庶務など幅広い業務を兼任するケースが一般的です。そのため、担当者一人あたりの負担が大きく、突発的な業務や繁忙期には対応しきれない状況に陥ることもあります。

また、後任への引継ぎが難しくなるなど、長期的な組織運営の面でもリスクが生じやすくなります。

限られた予算とリソース

中小企業の総務にはコスト制約がつきものです。たとえば、業務効率化のためのシステム導入や外部サービスの活用を検討しても、予算の都合で見送らざるを得ないケースが多く見られます。

結果として、手作業や旧式の方法に依存せざるを得ず、業務の非効率や人的ミスのリスクが高まります。限られたリソースの中で最大限の成果を求められるのが現状です。

専門知識の不足と業務の属人化

専門職の人材を確保しづらい中小企業では、労務や法務、経理などの知識を持つ人が少ない傾向にあります。そのため、経験豊富な一部の社員に業務が集中し、属人化が進行しやすくなる可能性があるでしょう。

これにより、退職や長期休職といった事態が発生すると、業務の停滞やミスが発生しやすくなります。組織としてのリスク管理やナレッジ共有が急務です。

デジタル化・アウトソーシングへの対応

総務業務の効率化のため、クラウドツールの活用やアウトソーシングの導入を検討する場合もあるでしょう。しかし、勤怠管理や給与計算の自動化によって作業時間を短縮できる一方、システム選定や導入には一定の知識と初期投資が必要です。

また、外注化には情報漏洩などのリスクも伴います。導入の目的とコスト、社内体制とのバランスを慎重に見極めることが求められるでしょう。

中小企業総務の年収相場と特徴

中小企業の総務職の平均年収は、概ね300万円〜400万円前後とされていますが、地域や業界によってばらつきがあります。大企業では500万円〜600万円台も見られるため、企業規模による差が大きいのが特徴です。また、業務の幅が広い場合や専門性が高い場合には、年収が上乗せされるケースもあります。

年齢・役職・性別による年収の違い

年収は年齢や役職、性別によっても大きく異なります。年代別の年収の目安は以下のとおりです。

20代

300万円前後

30代

400万円台

40~50代

500万円以上

役職では主任や係長で500万円、課長以上で600〜800万円台が目安となるでしょう。また、調査によっては女性総務職の年収は男性よりも100万円程度低い傾向もあり、ジェンダーギャップの課題も残っています。

大企業との比較と年収に影響する要素

総務職の年収は、大企業と中小企業で明確な差が見られます。大企業では年収600万円前後が期待される一方、中小企業では400万円前後にとどまる傾向です。この差は、業務範囲の違いや福利厚生、評価制度の整備度合いにも起因しています。

また、年収はスキル・保有資格・担当領域・業界業種など複数の要素で変動します。年収を上げたい場合は、自分の強みを明確にして交渉や転職に臨むことが重要です。

中小企業総務で年収を上げるポイント

年収アップを実現するには、自身の業務範囲やスキルをどう広げていくかがカギとなります。総務職の枠にとらわれず、専門性と戦略性を身につけることが重要です。以下で詳しく紹介します。

人事・経理・労務など複数業務を兼務して専門性を高める

中小企業の総務職は、業務の幅が広い反面、それを活かすことで「高く評価される人材」に成長できるでしょう。とくに人事・労務・経理といった機密性や専門性の高い領域に積極的に関わることで、マルチなスキルセットが身につき、年収アップにも直結します。

たとえば、労務だけでなく給与計算や会計仕訳まで担えるようになれば、企業からの信頼度が高まり、ポジションアップのチャンスも広がります。業務ごとの背景や全体フローを理解しながら動ける人材は希少性が高く、他社からも重宝される存在となるでしょう。

資格取得やスキルアップで市場価値を高める

専門資格の取得は、スキルの証明として年収交渉や転職時に大きな武器になります。総務職においては、社会保険労務士や日商簿記2級、衛生管理者、給与計算実務能力検定などが代表的です。また、近年ではITスキルの習得も重要視されており、クラウド型の勤怠・会計ツールやチャットボットなどの活用スキルが求められています。これらを活かして「業務を改善できる人材」として評価されれば、年収だけでなく職域の拡大にもつながるでしょう。計画的に学び、成果を可視化することで、着実なキャリアアップが可能となります。

管理職やリーダー職を目指してキャリアアップする

総務職で年収を上げたいなら、管理職やチームリーダーなど責任あるポジションを目指すことが有効です。部下を持ち、業務マネジメントを担う立場になることで、基本給や役職手当が上乗せされるケースがあるでしょう。

たとえば、課長クラスになると600万円以上、部長クラスでは800万円超も現実的な水準となります。また、意思決定に関与できる立場になれば、自らの裁量で組織を改善しやすくなり、業務効率化や人材育成の成果を通じてさらなる評価を得ることも可能です。キャリア目標を明確に持ち、上司や経営層との信頼構築にも注力しましょう。

転職や企業規模の見直しで年収アップを狙う

現在の企業で限界を感じる場合、より条件の良い企業への転職も検討しましょう。たとえば、成長中のベンチャーや資本力のある中堅企業、大手企業では、同じ職種でも待遇が大きく異なることがあります。

さらに、業界によっても年収水準は異なり、IT・医療・インフラ系などの業界では管理部門の年収が比較的高く設定されています。自分の経験やスキルがどの市場で評価されるかを見極め、転職エージェントなどの支援も活用しながら戦略的に動くことが重要です。職場環境と報酬のバランスを見直すことが、年収アップへの最短ルートになる場合もあります。

中小企業総務の経験を活かしたキャリアパス

総務としての経験は、社内外問わず幅広い分野に応用可能です。組織全体を支えてきた視点と実務力は、次のステージでも必ず強みになります。

同じ企業内で管理職や責任者を目指すキャリアパス

ひとつの企業で経験を積み、総務部門の責任者や管理職へとステップアップするのは堅実なキャリア形成の道です。業務の全体像を理解し、社内の信頼を得た人材は、昇進や待遇改善の対象になりやすくなります。

たとえば「課長代理→課長→部長」と段階的に昇格することで、年収も数十万円〜数百万円単位で上昇するケースもあるでしょう。とくに人事制度の整備や業務改善提案などに主体的に取り組めば、経営層からの評価も高まりやすくなります。安定的にスキルと評価を積み重ねたい方に向いている選択肢です。

他部門(人事・経理・営業など)へのキャリアチェンジ

総務職で培った幅広い知識と調整力は、人事・経理・営業といった他部門にも応用可能です。たとえば、人事異動や労務対応の経験があれば人事部門、会計ソフトの操作や仕訳経験があれば経理部門にキャリアチェンジしやすくなります。

また、社内の多部門と関わってきた対人スキルは、営業やカスタマーサポートでも高く評価されます。中小企業ならではの「何でも対応する力」は、実は他職種でも即戦力となる貴重な資質です。キャリアに迷ったら、過去の業務棚卸しから自分の得意分野を再確認することが出発点になります。

他社や大企業・成長業界への転職・キャリアアップ

中小企業で総務を経験した人材は、成長業界や大手企業でも歓迎される傾向にあります。業務の全体像を把握し、多岐にわたるタスクを一人で回してきた経験は、柔軟性や自律性の高さとして高評価につながるでしょう。たとえばIPO準備中のベンチャー企業や、急成長中のSaaS企業では、少数精鋭でバックオフィスを支えられる人材を求めています。

業界を変えるだけでも年収や働き方が大きく改善されるケースもあります。視野を広げて自身の価値を再定義し、市場での強みを活かした転職を検討することが、キャリアを加速させるきっかけになるでしょう。

中小企業の総務からのキャリアアップの成功には転職エージェントが鍵

中小企業で総務として経験を積んできた方が、キャリアアップや年収向上を実現するためには、転職エージェントの活用が非常に有効です。スキルを客観的に整理し、適性や志向に合ったポジションを提案してもらえるほか、非公開求人や年収交渉など個人では得られないサポートも受けられます。自分の市場価値を最大限に引き出し、より良い環境への一歩を踏み出したい方は、ぜひSYNCAまでお気軽にご相談ください。

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