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「総務の仕事は評価されにくいうえに、頼まれごとばかりで疲れてしまう」と感じている方もいるでしょう。総務の仕事は多様な業務をこなす一方で、見えにくい悩みやストレスも多いものです。
この記事では、現場でよく聞かれる「総務のあるある悩み8選」とその解決策を紹介します。リアルな現場の声をまとめたので、ぜひ最後までご覧ください。
総務の仕事とは?
総務は「社内のすべてを円滑に動かすための土台を支える存在」です。業務は幅広く、おもに以下のような内容が含まれます。
- オフィスや備品の管理
- 社内イベントや社内報の企画・運営
- 勤怠・労務・福利厚生に関する各種手続き
- 来客・電話対応、郵便物の管理
- 会社の規程整備や契約書の管理など、管理部門としての法務的業務の一部
総務は、他部署の業務がスムーズに進むように環境を整え、社内の人々が安心して働けるようサポートする「縁の下の力持ち」です。
成果が目に見えにくい分、評価されづらいこともありますが、その存在がなければ企業活動は成り立ちません。多岐にわたる業務を柔軟にこなし、全社の潤滑油となるのが総務の役割といえるでしょう。
▼総務の仕事について詳しくはこちら
総務の仕事でよくある悩み8選
総務は「なんでも屋」として多岐にわたる業務をこなす一方で、特有の悩みやストレスを抱えがちです。ここでは現場の声をもとに、総務担当者が直面しやすい「あるある」な8つの課題を紹介します。
1、電話・来客対応で業務が中断しやすい
総務は電話や来客の対応があり、本来の業務に集中しにくいという悩みがあるでしょう。外線電話や突然の来客対応は、突発的かつ優先度が高いため、スケジュール通りに作業を進めることが難しくなります。
人員が限られる小規模組織では、担当者が常に待機する体制になり、業務効率の低下を招きがちです。
2、勤怠管理や給与計算などミスが許されない業務のプレッシャー
総務の中でもとくに神経を使う業務が「数字」に関わるものです。
勤怠情報や給与計算は、わずかな入力ミスでも従業員からの信頼を損ないかねません。締切日が決まっているため修正も容易ではなく、精神的なプレッシャーを強く感じやすい業務といえます。
勤怠管理システムの導入やダブルチェック体制の整備により、ミスのリスクを抑えることが求められます。
3、他部署からの頼まれごとや雑用が多い
総務は「なんでも屋」として他部署からの依頼や雑用が多く、業務範囲が広がりやすいことが悩みです。「誰に頼めばいいか分からないこと=総務に頼む」という文化が根づいている企業では、業務の幅がどんどん広がります。結果として、業務の優先順位がつけづらくなり、重要業務が後回しになることもあるでしょう。
業務依頼のルール化や、対応できる業務範囲の明確化によって、負担の偏りを防ぐことが可能です。
4、書類作成や提出・訂正依頼の手間がかかる
総務は「社内の書類係」としても機能しており、これが大きな手間となります。
年末調整や入退社手続きなど、関係部署とのやり取りが多い業務では、必要情報が遅れて届いたり、訂正依頼が発生したりする場合もあるでしょう。そのたびに進行中の作業を中断せざるを得ず、ストレスと時間的ロスを生む原因になります。
オンライン申請ツールや自動入力機能のある書式の導入で、手間とやり取りを最小限に抑えることが可能です。
5、社内イベントや急な対応への参加が多い
社内イベントの幹事や急な冠婚葬祭対応など、本来業務以外の仕事も多く発生します。
たとえば、懇親会や社員旅行の企画・運営、社内での慶弔関連の手配などは、突発的に発生することが多く、通常業務のスケジュールを圧迫します。準備や当日の運営にも労力がかかるため、残業や休日対応が発生するケースもあるでしょう。
タスク分担やイベント専用のチェックリストを活用し、再現性のある体制づくりを目指すことが重要です。
6、成果が見えにくく評価されづらい
総務の仕事は成果が数字で見えにくく、他部署からの評価や社内アピールが難しいと感じる方が多いです。
他部署と違い、売上や件数などで数値評価される業務が少なく、評価基準が曖昧になりがちです。これにより、いくら工夫や改善をしても「当然のこと」と捉えられ、評価に結びつかないことがあります。
業務改善の成果を社内報や月次報告などで「見える化」する取り組みが、評価向上の一手となるでしょう。
7、業務の属人化が進みやすい
担当者ごとに業務が分担されやすく、特定の人に仕事が集中してしまうことで効率が下がりやすいです。
「この仕事は〇〇さんしか分からない」という状態は、属人化の典型です。マニュアルや引き継ぎ資料が整っていない場合、担当者が休んだり退職したりすると、業務が止まるリスクがあります。また、特定の人に業務が集中することで、過重労働にもつながりかねません。
業務プロセスを文書化し、定期的に棚卸しを行うことで、属人化の解消を図ることができます。
8、人手不足で一人あたりの負担が大きい
バックオフィス部門は、企業成長に対する即効性が見えにくいため、採用が後回しになりがちです。
その結果、少人数で膨大な業務を抱えることになり、一人あたりの負担が過剰になります。さらに、繁忙期には残業が常態化し、モチベーション低下や離職の原因にもつながりかねません。
業務の一部を外部委託する、システム化して自動処理に置き換えるなど、負担軽減策を早めに検討する必要があるでしょう。
総務の仕事でやりがいを感じる瞬間
総務の仕事は目立たないことが多いですが、確かなやりがいがあります。現場の総務担当者からよく聞かれる「やっていてよかった」と感じる瞬間は以下のとおりです。
- 社内から「ありがとう」と感謝の言葉をもらえたとき
- イベントや制度づくりが社員の満足につながったとき
- トラブルを事前に防ぎ、業務が円滑に進んだと実感できたとき
- 業務効率化や改善が上司に評価されたとき
- 新人や後輩がスムーズに業務をこなせる環境を整えられたとき
日々の小さな積み重ねが組織全体を支えていると実感できる点に、総務ならではの達成感があります。
▼総務のやりがいについて詳しくはこちら
総務の「あるある」問題を解決するための工夫・ツール活用
総務の「あるある問題」は「仕組み」と「ツール」で大幅に軽減できます。ここでは、実際に現場で活用されている対策例をみていきましょう。
ITツールを活用した業務効率化の工夫
情報の「探しにくさ」や「属人化」は、システム整備で解決できることが多いです。情報を一元管理できるITツールや検索性の高いシステムを導入すれば、業務の効率化ができるでしょう。
社内文書や手続きの管理には、クラウド型の文書共有システムやワークフロー管理ツールが有効です。また、問い合わせ対応履歴を蓄積・検索できるFAQツールを導入することで、何度も同じ質問に対応する手間を省けます。
ツールの導入により業務の透明性を高め、誰でも同じ情報にアクセスできる環境を整えられるでしょう。
RPAやクラウドサービスによる自動化・省力化
RPAやクラウド型業務改善ツールを活用することで、契約管理や申請業務などの定型作業を自動化し、作業負担を軽減できます。
たとえば、勤怠データの取りまとめや、経費精算、定期レポートの作成など、手順が決まっている業務はRPAでの自動化が可能です。また、勤怠管理や給与計算、申請フローなどは、クラウド型の業務管理ツールを活用することで、人的ミスや手戻りを減らすことができます。
最初は小さな業務から自動化を進めるのが成功のコツです。
アウトソーシングやBPOの活用事例
業務量や専門性の観点から、すべてを社内で完結するのは非効率です。給与計算や年末調整、労務手続きなどは、信頼できる外部サービスに委託することで、社内リソースを重要業務に集中させることができます。また、庶務業務の一部をBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)で委託し、標準化された高品質な業務運営を実現している企業もあります。
外注化のメリットは以下のとおりです。
- ノンコア業務の負担が軽減する
- 法改正に迅速に対応できる
- 業務の属人化リスクを回避できる
「すべてを抱え込まない」ことが、持続可能な総務業務の第一歩といえるでしょう。
オフィス環境や福利厚生によるストレス軽減策
働く環境を少し変えるだけで、ストレスやモチベーションは大きく変わります。
たとえば、観葉植物の配置や照明の調整、リフレッシュスペースの整備といった小さな取り組みが、気持ちの切り替えを促すでしょう。さらに、おやつタイムや仮眠スペース、ストレッチタイムなど、心身の緊張をほぐす制度も有効です。
具体的な工夫例としては以下のとおりです。
- オフィスにグリーンを取り入れる
- 短時間の休憩タイムを制度化
- 緊張緩和につながるBGMの導入
- 社内チャットでゆるめの雑談部屋をつくる
こうした工夫は、「働きやすさ」をつくる土台であり、結果として離職防止にもつながるでしょう。
総務の「あるある問題」に悩んだら転職エージェントの活用も
総務の仕事にやりがいを感じながらも、評価されにくさや業務の過多に悩んでいる方は少なくありません。もし「このままでいいのか」と迷いが生じたら、転職エージェントに相談するのも有効な選択肢です。
SYNCAなら、あなたの経験や希望に合った職場をご紹介します。非公開求人の提案や応募書類の添削、面接対策まで丁寧にサポート。総務のスキルを活かしつつ、より働きやすい環境を見つけたい方はぜひご相談ください。
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