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損金経理を適切に行って税金対策をしよう|損金経理が必要な項目と要件を紹介!

シンカキャリア編集部

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更新日:2024/10/25

経理の仕事をするうえで避けては通れない業務に損金経理というものがあります。損金経理をしっかり行うことで税金対策にもなりますが、正確に行わなければ税務調査などで思わぬ追徴課税が発生する可能性があるため、損金経理の概念についてよく理解しておく必要があるでしょう。 この記事では、損金経理の意味や必要になる具体な場面、損金経理ができない項目などを詳しく説明します。

目次

経理の仕事をするうえで避けては通れない業務に損金経理というものがあります。損金経理をしっかり行うことで税金対策にもなりますが、正確に行わなければ税務調査などで思わぬ追徴課税が発生する可能性があるため、損金経理の概念についてよく理解しておく必要があるでしょう。

この記事では、損金経理の意味や必要になる具体な場面、損金経理ができない項目などを詳しく説明します。

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損金経理ってそもそも何?

損金経理とは税法上(法人税)で使われる言葉で、法人がその確定した決算において費用又は損失として経理することであると法人税法で定義されています。

法人税は企業が得た利益(益金)に対して課税される税金ですが、利益を上げるために必要となった費用を損金として利益(益金)から差し引くことができるのです。この処理を損金経理といいます。

損金経理をおこなうことで課税対象となる利益(益金)の金額を減らすことができるため、結果的に税金が安くなります。正しく納税するために損金算入をおこなう必要がありますが、逆に言えば損金経理をしていないと、法人税を申告する際に申告調整を行なっても損金として認められず、税金が高くなってしまいます。

法人税を抑えるためにも適切に損金経理を行う必要があるのです。

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損金の意味とは

損金とは文字の通り、会社が損をして失ったお金のことを意味します。

会社が事業を営むうえで発生する支出であるという意味では、費用や経費と混同されがちな言葉ですが、費用・経費とは明確に意味が異なります。

損金は税法で使われる言葉であるのに対し、費用は会計上で使われる言葉として区別されます。

会計上では「費用」として会社の支出として計上できても、税法上は必ずしも「損金」として計上できないケースがあるということです。つまり費用と損金では会社の経費として認められるかどうかという点で違いがあります。

例えば、会計上は役員への給与を費用として計上できても、税法上ではある一定の条件を満たした役員給与でなければ損金として計上できません。

また税法上の利益のことを益金といい、会計上は収益という言葉で区別されていることも知っておくといいでしょう。

企業会計と法人税務の違いを理解しよう

このように損金と費用は似たような意味合いでありながら、使われる分野が異なるため、意味の違いを正確に理解しておく必要があるでしょう。

会計上・税法上で言葉の意味の違いを解説してきましたが、そもそも企業会計と法人税務の目的の違いはご存知でしょうか?両者には以下のような違いがあります。

  • 企業会計の目的:利害関係者に経営成績を報告すること
  • 法人税務の目的:適切な税額を計算すること

このように目的が異なるために、利益の考え方・計算方法にも違いがあるのです。

経理・会計上の利益

経理・会計上の利益は以下のように計算することができます。

【経理・会計上の利益】

会計上の利益 = 収益 – 費用

会計上の費用は、簿記のルールに則っていれば全額が費用として認められます。

法人税法上の利益

一方で法人税法上の利益は以下のように計算することができます。

【法人税法上の利益】

課税所得 = 益金 – 損金

法人税法上の損金は、項目によって要件が定められており、一部もしくは全額が認められないことがあります。

このため会計上は利益が0円だからという理由で、法人税は発生しないと勘違いしてしまうケースがあるのです。税金計算の段階では、損金として認められなかったものに対して課税され法人税が発生することになります。

損金経理が必要になるのはどんな時?

損金経理には要件があり、一定の取引において要件に基づいて損金経理を行わなければ、損金として計算することができません。例えば以下のような項目では損金経理が必要です。

【損金経理が必要な項目の例】

  • 減価償却資産の償却費
  • 役員退職金

減価償却資産の償却費

減価償却とは、資産は長期にわたって使用されるものであってその資産価値は年々減っていくという考え方です。 減価償却費として経費計上する場合、毎年分割して計上することになります。

例えば製造業において1000万円設備を導入した場合に、減価償却という概念がなく一括で計上してしまうと、その年の利益は1000万円低くなり、場合によっては経営が傾いているなどと判断される可能性があり、銀行などからの融資を止められてしまうかもしれません。こうしたことを防ぐために減価償却という概念が存在します。

この減価償却費も税法上では上限が定められており、上限を超えての計上はできません。仮に損金経理をせずに申告してしまうと、上限を超えた部分は損金として認められず、認められなかった分に課税されることとなります。

例えば事業用の車を新車で240万円で購入した場合、耐用年数は6年のため、1年に計上できる減価償却費用は40万円です。これを仮に税金を安くしたいからと60万円を損金として計上して申告しても、上限を超えた20万円分は損金として認められず、この分課税額が上がることになります。

役員退職金

役員退職給与に関しても損金経理をする必要があります。役員退職給与を損金参入するためには、以下の要件を満たす必要がある点に注意しましょう。

【役員退職金を損金算入するための要件】

  • 損金算入する時期
  • 役員退職金の支払い方法

損金算入する時期

役員の退職金を損金算入するためには、以下のタイミングで損金算入する必要があります。

  • 株主総会で役員退職金を決める決議をした事業年度
  • 役員退職金を支払った事業年度

株主総会で退職金を決定した年と役員の退職金を支払う事業年度は必ずしも一致しないため、どちらか都合の良い方を選択することができます。

役員退職金の支払い方法

役員退職金を損金算入する場合は、原則として一括で支給していることが条件です。

株主総会で合理的な理由に基づいて決定された場合に限り分割払いでも、損金として認められることがあります。あまりに長期にわたる分割払いになると退職年金とみなされ、事業年度ごとの算入となり税金対策としては微力なものになってしまう点には注意が必要です。

また税金対策に不当に高額な役員退職金を支払うと、損金とみなされないことになるため、妥当な金額を設定するようにしましょう。

損金算入ができない可能性がある費用

損金として算入する際に気をつけたほうがいい項目について紹介します。

【損金参入できない可能性がある項目】

  • 役員報酬
  • 接待交際費用
  • 寄付金
  • 税金

役員報酬

役員報酬を損金として算入するためには以下の条件を満たす必要があるため、注意しましょう。

  • 毎月定額であること
  • 金額の変更は年に1回まで
  • 金額の変更は決算後3ヶ月以内

これらの条件を満たしていない役員報酬は損金算入できません。

接待交際費用

接待交際費は、基本的に損金算入ができません。ただし以下の場合は例外的に算入が認められます。

  • 1人5,000円以内の会議費用
  • 資本金1億円以下の企業:800万円までの社外飲食接待費
  • 資本金1億円以上の企業:半額までの社外飲食接待費

寄付金

寄付金は損金算入ができますが、上限額が以下の通り定められているため、上限額を超えないように損金経理する必要があります。

寄付金の損金算入上限:資本金の額÷400 + 所得の金額÷40

税金

税金には損金算入できるものとできないものに分かれています。

損金算入できない税金

  • 法人税・地方法人税
  • 延滞税
  • 罰金
  • 所得税・復興特別税

損金算入できる税金

  • 酒税
  • 事業税
  • 事業所税
  • 不動産取得税
  • 固定資産税

まとめ

損金経理は企業で経理業務をおこなううえで重要な役割を持っている業務です。 減価償却費や役員退職金など損金経理をする必要がある項目に対しては、正確に損金経理しなければ思った通りの税金対策ができません。会計上と税法上では経費となる項目の扱いが異なるため、しっかりと両者の違いを理解して損金処理を行いましょう。

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