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経理のキャリアに挑戦しようと考えている方々の中には、自身が経理の業務に適しているかどうかを知りたいと思う方もいるでしょう。同様に、現在経理職に従事している方々でも、将来のキャリアの不安を感じることがあるかもしれません。
この記事では、経理の職務に適していない人や経理のポジションを離れる理由、さらにはミスマッチを避ける方法についてまとめています。ぜひ、参考にしてみてください。
経理の仕事とは
経理の仕事は、企業が事業を展開する過程で生じるお金の流れを収集し、適切に管理・記録することです。これには、過去に発生した入出金など、そして現在進行中のお金の動向などを管理します。
具体的な仕事内容としては、以下のようなものがあります。
【経理の仕事内容】
- 現金の管理
- 預金の管理
- 手形の管理
- 仕入れ管理
- 買掛金の管理
- 売り上げ管理
- 売掛金の管理
- 小切手の管理
- 請求書・領収書の発行
なお、企業の規模に応じて業務の範囲は変わります。大企業では取り扱うお金の金額や関わる部署が広いため、業務を細分化して担当することが一般的です。中小企業やベンチャー企業では少ない人数で業務に取り組み、場合によっては総務や人事なども兼務することがあります。
経理はお金を取り扱うため、責任のある専門的な仕事であり、やりがいを感じることができるでしょう。
経理の職を離れる理由
経理の仕事が合わないと感じ、転職を考える際の動機についてまとめます。一般的な理由は以下のとおりです。
【転職を考える理由】
- 給料が予想よりも低い
- 幅広い人間関係がしんどい
- もっと責任のある仕事がしたい
- 大きなミスをしてしまい肩身が狭い
これらの理由を1つずつ詳しく見ていきましょう。
給料が予想よりも低い
報酬が予想していた水準よりも低い場合、モチベーションが下がることがあります。経理職の年収相場は調査によりわずかに異なりますが、一般的には400万円前後から450万円前後です。
経理は個人の業績を評価するのが難しく、営業のように成果給を導入することが難しい側面があります。このため、経理部の給与は勤続年数に合わせて上昇することが一般的であり、初めから高い年収を期待することはあまりありません。
幅広い人間関係がしんどい
経理はさまざまな部署と関連があります。各部署の給与、お金、資材の記録と管理を行うためです。このため、幅広い部署の人とのやりとりが多くなります。
さまざまな人との接触や、交渉、調整などが多く、それに伴って疲れが生じることもあります。その結果、「人間関係に疲れてやめたい」という思いに至ることがあるでしょう。
もっと責任のある仕事がしたい
もっと責任がある仕事にチャレンジしたいと感じ、経理職を離れたいと考える理由になることもあります。大企業では、前述の通り業務が細分化されていることが多いです。
そのため、望むような業務を担当できない場合や、単調な業務しかやらせてもらえない場合もあります。こういった業務から脱するために、より責任のある仕事を追求したいという欲求が強くなり、転職を考えることもあるでしょう。
経験を積むには、中小企業やベンチャー企業が向いているかもしれません。
大きなミスをしてしまい肩身が狭い
重要なミスを犯してしまい、肩身が狭くなり、仕事をやめたいと感じることもあります。経理では、小さなミスが大きな問題に発展することがあるのです。
たとえば、インターネットバンキングで誤った受取人に送金してしまう、金額を誤って入力するなどが考えられます。作業自体のミスは小さいかもしれませんが、その結果生じるトラブルは非常に深刻です。
経理部に向いていない人の特徴
経理部に向いていない人、合わない人の特徴についてまとめます。以下のような特徴があります。
【経理に向いていない人の特徴】
- 数字に対して苦手意識がある人
- 同じ作業の繰り返しが苦手な人
- コミュニケーションを取るのが苦手な人
事務職の経験がある人でも、経理と他の職種には異なる要素が存在します。場合によっては経理に合わない場合もあるため、注意が必要です。それぞれの特徴について順に詳しく見ていきましょう。
数字に対して苦手意識がある人
数字に自信がなく、不安を感じる人は経理に向いていないことがあります。経理の仕事は日々数字を扱います。しかも、その数字は取引の支払いや税金、給与などのお金です。当然、仕事をこなすうえでの責任も大きくなります。
数字のミスを避けながら業務を進め、自分のミスに気付く能力や意識が求められます。これが得意でない人は、経理の仕事には向いていません。仕事を進める中でストレスを感じてしまうでしょう。
同じ作業の繰り返しが苦手な人
同じ作業を繰り返すのが苦手な人も、経理には向きません。経理の仕事は、データ入力や伝票処理など同じ作業の繰り返しが中心です。外出の機会が少なく、通常はデスクワークが中心です。さらに、決算期や月次の給与計算時などは残業が続くことも多いです。同じ作業を繰り返し、長時間にわたって集中して行う必要があります。
変化のある仕事を望む人やルーチンワークが苦手な人には、経理の仕事は向いていないかもしれません。
コミュニケーションを取るのが苦手な人
コミュニケーションを取るのが苦手な人も経理に向いていない可能性があります。経理は他の部署との連絡が多いことはすでに述べた通りです。相手とのコミュニケーションスキルが一定レベル以上必要です。
特に財務管理よりも会計管理のポジションの場合、他部署とのやり取りが多いです。さらに、相手にとって都合の良い内容ばかりではありません。コスト削減や売上増加のお願いなど、調整や交渉が多くあります。このような状況ではコミュニケーションスキルが重要であり、コミュニケーションを取るのが苦手な人は経理に向いていません。
経理職でのミスマッチを防ぐにはどうすればいい?
経理職でミスマッチを防ぐためにできることについて紹介します。具体的には以下のような方法があります。
【経理職でのミスマッチを防ぐ方法】
- しっかりとした自己分析を行う
- 転職先をよくリサーチする
- 転職サイトのアドバイザーに相談する
自己分析と転職先のリサーチを深く行うことで、経理職でのミスマッチを未然に防ぐことができるでしょう。それぞれについてついて紹介していきます。
しっかりとした自己分析を行う
しっかりとした自己分析を行うことで、ミスマッチを防ぐことができます。自己分析には、自分が本当に望むこと、向いている仕事、自分自身と深く向き合わなくてはなりません。
転職を検討する際には、今の仕事に対する不満が多いでしょう。しかし、その時の感情に振り回されずに客観的な自己分析を行うことが重要です。客観的な自己分析を行うためには、自覚していない自分の傾向や特徴を把握することが必要です。
具体的には、過去の業務経験を振り返ります。そして、そこから得たスキル、喜びや達成感を感じた瞬間、ストレスや困難を経験した場面を書き出していきましょう。こうした分析で、自分でも気付いていなかった価値観や傾向を明らかにします。客観的な視点で行いましょう。
転職先をよくリサーチする
転職先の詳細なリサーチを行うことで、合う・合わないを前もって正確に判断することができます。高い給与だけが向いている職場を示すわけではありません。給与や休暇日数も重要ですが、表面的な条件にとらわれずに判断するべきです。
転職を考える前に、将来性や具体的な仕事内容、社風などをリサーチしましょう。入社後のマッチ度に影響を与えるポイントです。欠員募集なのか増員なのかといった募集の背景なども参考になります。
求人広告の内容だけでなく、面接時に直接質問して詳細を確認することをおすすめします。特に、配属予定の部署の上司に話を聞くことで、より具体的な情報を得ることができるでしょう。
会社の雰囲気や社風に関しては、口コミだけでなく、社員の投稿や公式SNSアカウントをチェックして確認することもできます。
転職サイトのアドバイザーに相談する
転職サイトのアドバイザーに相談することでも、ミスマッチを減らすことが可能です。アドバイザーは、転職の必要性や自分に向いている仕事についてアドバイスをしてくれます。特に未経験の業界の場合は、その業界や企業に関する情報を提供してもらえるでしょう。また、履歴書の書き方や面接の受け答えなど、具体的なノウハウや知識も豊富です。
最新かつリアルな情報を入手できるため、自分に合った企業探しに役立ち、採用のチャンスも高まります。
経理の道を選ぶ前に自己分析と意思決定
経理には向き・不向きもあり、経理の職から離れる理由もある程度傾向があります。自分がそれに当てはまるかをよく考えて、経理の仕事を目指すかどうか決めましょう。