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経理と会計は何が違う?業務範囲の違いからそれぞれに必要なスキルまで解説

シンカキャリア編集部

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更新日:2024/10/25

経理と会計では似ている部分もありますが、業務の目的と内容が異なります。転職を考えている人は、自分はどちらが向いているのかと迷っている人も多いのではないでしょうか。本記事では、経理と会計、それぞれの業務の内容を説明します。必要なスキル、向いている人についての説明をしますので、転職先を検討する際に役立ててください。

目次

経理と会計では似ている部分もありますが、業務の目的と内容が異なります。転職を考えている人は、自分はどちらが向いているのかと迷っている人も多いのではないでしょうか。

本記事では、経理と会計、それぞれの業務の内容を説明します。必要なスキル、向いている人についての説明をしますので、転職先を検討する際に役立ててください。

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経理の主な業務内容と業務の流れ

経理の業務の中には、会計に関わる業務も多く、それが両職種の違いを分かりにくくしています。まずは経理の業務内容を知るため、具体的な業務内容と経理業務の一般的な流れをみていきましょう。

会計業務

経理の業務の大きな部分を占めるのが、会計に関する業務です。会計は「財務会計」「管理会計」に大別され、日々のお金の動きを管理します。そのお金の出入りを取り扱い、管理するのが経理です。

会計に関する業務には、日々の経費精算や仕入の支払い、売掛入金の確認、現金と預貯金の管理などがあります。出入金を仕訳帳に記入する業務、小口現金の管理、請求書や領収書の発行業務なども重要な業務です。決算時には、会計の基盤となる財務諸表を作成します。

予算・決算業務

経理は、会社の予算管理を行います。経営や財務、会計と連携し、資金と照らし合わせながら各事業部の予算を決定しその実行管理をします。経理は会社の資金を把握し管理していますので、予算の策定と管理に重要な役割を果たします。

年度ごとの決算も経理の業務です。日々のお金の管理により作成した仕訳帳と総勘定元帳から、「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」の財務三表を作成し、決算報告書を仕上げます。財務諸表は会社の財務状況を把握するために重要で、財務担当や経営陣が会社の中長期の見通しを予測し計画する根拠となるものです。

資金管理業務

会社の資金全体の管理も経理の業務です。資金管理では、各部署から求められる小口現金の支払いと伝票処理と毎日の出納業務が主要な業務です。資金の動きは仕訳帳に記入し、総勘定元帳に転記します。この業務により、現在の会社の資金を正確に知ることができます。

会社の資金は、事業を行うための経費や備品購入、仕入に関わる大事なリソースですので、使える資金を把握することは事業継続の重要事項です。また、経理では、会社の資産を金額に換算する減価償却の業務も担当します。車やPCなどが対象となり、毎年の決算で資産価値から償却分を差し引く作業を行います。

給与計算業務

従業員の給与計算は、経理の重要な職務の一つです。大企業では人事部の労務管理が担当し、中小企業やスタートアップでは経理が担当することが多いです。

雇用契約、給与規定に則って従業員一人ひとりの給与を算出します。労働時間、時間外労働を正確に計算し各種手当も算出します。その後、給与総支給額から社会保険料や所得税、住民税など必要な金額を控除し、給与振り込みを行います。合わせて納税、保険の支払いを行います。

年次業務では賞与の算出と支払いも行います。年末に行う年末調整も大きな仕事です。

経理の業務の流れ

経理の業務は多岐にわたり、取引先や仕入先のすべてと従業員全員を対象にしますので、種類も量も膨大になります。それらを日次業務、月次業務、年次業務として処理していかなくてはなりません。

日々の業務は、小口現金を確認し用意、交通費から会議費などの経費精算や物品購入代金の精算を行います。また、売上金、仕入金などの伝票処理と仕訳帳への入力、出納業務も行います。

月次では、給与計算と振り込み、税金・保険料の支払いが大きな仕事で、月末は繁忙期です。また、月次決算も行います。

年次では、賞与の算出と支払い、年末調整があります。また、決算の準備、財務諸表の作成、株主総会用の開示資料作成、会計監査の準備など年末、年度末からの数ヶ月にわたり忙しくなります。

会計の主な業務内容と業務の流れ

会計は、会社全体の資金・資産の状況を把握し管理する業務です。会計担当者は、主に、売上と仕入の資金を整理し管理します。会社全体の資金の増減を記録し、最終的に資産状況をとりまとめます。

会計帳簿の作成

経理で作業する「仕訳帳」とともに申告に必要な主要簿である「総勘定元帳」を作成します。補助簿である「現金出納帳」「仕入帳」「売上帳」「支払手形記入帳」「売り助金元帳」なども作成し、会社のお金の出入りを把握します。

経理担当者が各帳簿の作成を担当し、会計担当者が会計基準に則りチェックと修正を務めるという会社もあります。

会計情報の集計

会計情報の集計では、各帳簿から、売上、利益、仕入金などの情報を抽出・分析し集計します。会計には会社に義務付けられている「財務会計」と、経営のために任意で行う「管理会計」の2種類があります

「財務会計」は、株主や銀行、投資家などステークホルダーに対し、会社の資産、負債など財務状況を伝えるためのものです。これは決まった書式で作成しなければなりません。また、会計基準に則って帳簿と決算報告書を作成する必要もあります。「管理会計」は、経営者や経営企画に対し、会社の財務状況を伝えるためのものです。こちらは任意の書式で作成します。資金の流れだけでなく、従業員の労働時間、残業時間などを対象とすることもあります。経営陣や経営企画は、「管理会計」をもとに経営計画や予算の策定、事業展開を検討します。

税務申告の準備

税務申告は、決算日から2ヶ月以内に行うことが義務付けられています。申告が必要な法人の税金には、法人税、法人住民税、法人事業税、消費税の4つ。決算日が3月31日ならば、5月31日までに申告と納税を行うことになります。

法人税の申告には決算報告書が必須ですので、この間は税務申告に必要な書類とともに決算報告書を作成し、監査と株主総会の承認を終える必要があります。

会計では、期末までの記帳をすべて完了することが必要です。そのため日頃の取引の記帳が重要になります。また、決算整理事項(事業年度をまたぐ取引を今期と来期に分けること)を確認して帳簿を修正したり、在庫を確認・点検する棚卸しを行う、などの業務も発生します。

会計監査の支援

大企業(B/Sの資本金5億円以上、またはB/S負債の部合計が200億円以上の株式会社)の場合、決算書類に対し監査人による会計監査が必要です。監査は、監査法人や公認会計士事務所など第三者が担当します。

監査での確認事項は、「現金・預貯金などの残高確認」「売掛金・買掛金の残高確認」「貸付金の確認」「受取手形の実査」「支払手形の確認」「在庫棚卸」「固定資産の実査」です。監査人からの質問への対応や、必要な資料の提出に協力し、監査を無事に終えることも会計担当者の仕事です。

予算の策定と管理

会計は、次年度の事業予算の策定において、資金面からの管理を行います。会計担当者は、各部門が策定した予算をとりまとめ、集計・合算により全社の予算を策定します。その際、企業が目標とする利益の金額を定めることが必要です。利益目標は、営業利益または経常利益をベースに考えます。

利益予算が決定したら、固定費の予算策定をします。固定費では、人件費が大きく予算に影響しますので各部署が計画している人員計画を綿密に検討し、調整しなければなりません。また、各部門の固定資産からの減価償却費の算出、その他、家賃、通信量、保険料などを算出し全社の予算を考えます。その後、売上予算を検討し、毎月の目標金額を決定します。

予実管理は、予算と実績を管理することです。確定したお金の出入りについて管理することになりますので、会計部門の業務になります。会計では仕入費用や売上の実績をまとめ決算書の作成を行います。

会計の業務の流れ

会計の業務の流れは、経理の業務と深く関わります。日常的な作業は経理が中心で行い、決算、予算策定の業務は会計が担当します。

決算では、経理が作成した帳簿と財務諸表をもとに、会計担当者が「財務会計」を行います。経営判断に必要な仕入、売上、利益、労働時間などの数値をまとめた「管理会計」も、会計担当者の職務です。

決算書をまとめた後、会計担当者は、外部監査への対応をしなくてはなりません。決算が無事に終了すると、次年度の予算を資金面からとりまとめる業務に入ります。予算策定と予実管理に向け、会計担当には、各部署ならびに経営側との連携が必要です。

経理と会計のそれぞれのやりがい

経理と会計は重複するところも多く似た業務ですが、それぞれに異なるやりがいがあります。日々のコツコツとした業務での正確性と適切な処理が求められる経理、財務諸表から会社の経営状況に関わる数字を分析する会計、それぞれのやりがいを説明します。

経理業務のやりがい

経理は、仕訳帳、総勘定元帳という重要な帳簿の記帳を担当し、会社のお金の流れを把握し管理する仕事です。注意力と集中力が必要な毎日の業務の積み重ねが、決算につながり会社のお金の流れを見える化します。

経理は、経営判断に重要な役割を果たす仕事であり、経費節約や仕入の削減などを提案する立場です。会社の業績や成長に貢献できることがやりがいになるでしょう。新しい知識やスキルを身につけると、担当可能な分野が広がりますので、自己成長とキャリアアップを実感できることもやりがいの一つです。

会計業務のやりがい

会計は、会社のお金の動きを多角的に分析し、財務状況を把握する仕事です。企業全体を資金の面で俯瞰できることは大きなやりがいに繋がります。

また、事業推進や経営計画に対する提案を、資金と資産の面から行う重要な職務でもあります。会計からの提案は客観的な数値がベースですので、経営層の納得も得られ感謝もされるでしょう。会計担当者は、管理会計で資金と資産の状況を明らかにし、財務分析を行うなど、経営判断を支える重責を担いますのでやりがいは大きいです。

経理と会計で必要なスキルや資格の違い

経理も会計も専門的な業務です。そのため、専門分野のスキルと知識が求められます。経理・会計への転職を考えているのであれば、資格取得も目指しましょう。資格を持つことで、即戦力になる実務執行能力を認められますので、未経験の方にもチャンスが生まれます。

経理に必要なスキルや資格

経理は、簿記の知識と技能が必要です。また、Excelなどビジネスソフトの高度なスキルと、会計ソフトや基幹システムの経験も問われます。集中力と注意力、数値に対する正確さと処理の適切さも必要で、コツコツと仕事を処理する根気強さも求められます。経理に役立つ資格は、以下の通りです。

  • 日商簿記検定2級以上
  • 経理・財務スキル検定(FASS検定)
  • ファイナンシャル・プランニング技能士

また、ExcelやWordというマイクロソフト社のOfficeのスキルを証明するMOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)なども転職時には有効です。

参考:FASS検定(経理・財務スキル検定)とは?概要やメリット、転職での活かし方

会計に必要なスキルや資格

会計は、財務分析を行いますので、会計の知識とノウハウが必要です。金融についての知識とビジネス関連の知識、経営についての知識も求められます。ファイナンスや税務に関する資格があると有利です。

  • ファイナンシャル・プランニング技能士
  • 公認会計士
  • 税理士
  • 米国公認会計士(U.S.CPA)
  • 国際会計検定(BATIC)

経理と会計それぞれで向いている人の特徴

経理、会計ともに、数値に対する正確さと処理の厳密性が求められます。業務の範囲と種類が異なりますので、性格や長所として求められるものも違います。どんな人が向いているかを説明します。

経理業務に向いている人の特徴

経理に求められるのは、毎日数時間にわたる細かい入力と確認の作業に耐えられることです。地道な努力をコツコツと積める性格と、数字の扱いが好きな人、正確な仕事に達成感を感じられる人などが向いています。

また、他部署の担当者への確認や提案などの機会が多いため、高度なコミュニケーションスキルと調整力も必要です。日々の定型業務を根気強く継続できる力、そして新しい知識やスキルの習得に貪欲な向上心が求められます。

会計業務に向いている人の特徴

会計業務には、経済やビジネスモデル、経営の知識が必要です。財務諸表から課題と問題点を発見できる分析力も必須でしょう。論理的思考、経営戦略の知識、数値分析能力、改善プランの策定能力が求められます

また、関連する法令、規則の知識も必要です。コンサルティングファームでの経験や会計事務所の経験はとても役立ちます。

経理・会計の特徴を理解し自分の得意分野へ転職しよう

経理と会計はその業務の範囲が違います。会計業務には経理で行う作業や業務も含まれ、経理が日々積み重ねた正確な数値入力の結果が、会計の「財務会計」「管理会計」という職務を支えます。

どちらも、お金の面から会社全体を俯瞰し管理する仕事ですので、やりがいもあります。経理に向いているか、会計に向いているかをしっかりと検討し、それぞれに有利な資格も計画的に取得しながら、得意な職務を目指して転職活動をしましょう。

未経験の方も含め管理部門への転職のためには、実際の求人に多く触れて必要とされているスキルや経験、資格についてリサーチすることも必要です。管理部門専門の転職サイト・SYNCAには、勢いのあるスタートアップから、中小企業、大企業まで、好条件の求人が満載です。転職を有利に進めるためにも、参考にしてはいかがでしょうか。

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