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キャッシュフロー計算書(C/F)とは?把握する意味や読み方を紹介

シンカキャリア編集部

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更新日:2024/07/11

キャッシュフロー計算書は、会社が保有している現金(キャッシュ)の流れを表す財務諸表の一つです。この記事では、キャッシュフロー計算書の概要や見方、ほかの財務諸表との関係などについて詳しく解説しています。キャッシュフロー計算書は経理担当者だけでなく、中小企業の経営者や個人事業主の方も把握することが重要ですので、ぜひ参考にしてください。

目次

キャッシュフロー計算書は、会社が保有している現金(キャッシュ)の流れを表す財務諸表の一つです。この記事では、キャッシュフロー計算書の概要や見方、ほかの財務諸表との関係などについて詳しく解説しています。

キャッシュフロー計算書は経理担当者だけでなく、中小企業の経営者や個人事業主の方も把握することが重要ですので、ぜひ参考にしてください。

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キャッシュフロー計算書(C/F)とは

キャッシュフロー計算書とは、会社で実際にどのようにお金が動いたかという現金の流れを把握するための決算書類のことをいいます。英語では、「Cash Flow Statement」といい、この頭文字をとって、「C/S」と呼ばれます。企業の活動には、大きく分けて「営業活動」「投資活動」「財務活動」の3つがあります。

キャッシュフロー計算書で把握する現金(キャッシュ)は、現金あるいは、ほとんど現金として扱うものを指します。たとえば、普通預金や当座預金、流動性の高い3カ月以内に満期が到来する定期預金、3カ月以内に償還日が来るような公社債投資信託などです。

キャッシュフロー計算書は、上場企業以外は作成を義務づけられていませんが、現金が不足していたり、金融機関からの融資を多く受けていたりする場合には資金繰りの状況が分かりやすくなります。

黒字倒産という言葉があるように、利益は出ているが手元に現金がなくなって仕入代金などが支払えなくなり、倒産にいたってしまうことがあります。

たとえば、売上代金を顧客がクレジットカードで支払った場合、売上・利益では支払いのタイミングで計上されますが、会社には現金が後追いで入ってきます。その状態で仕入代金の支払いの必要があったとしても、手元に現金がなければ支払うことができず支払い不能の状態になってしまいます。

こうした事態を避けるためには、現金預金の残高の動きを常に把握しておく必要があります。

キャッシュフロー計算書と損益計算書の関係

キャッシュフロー計算書と損益計算書は会社の財務情報を異なる視点から提供し、互いに保管する重要な財務諸表です。

損益計算書は、ある一定期間内の収益と費用を示し、会社の純利益を計算します。キャッシュフロー計算書は現金の動きを記録し、現金の調達と支出を示します。

  • 損益計算書の税引前当期純利益は、キャッシュフロー計算書の機首残高の値となる。

損益計算書では営業利益が出ているのに、営業活動によるキャッシュフローが赤字の会社があったとします。これは、売掛金の回収が遅れていたり在庫が社内に溜まっていたりといった状況が考えられます。

したがって、損益計算書で営業利益が出ているのに、営業活動によるキャッシュフローがマイナスなら、早急にその原因を調べる必要があります。

このように、キャッシュ・フロー計算書は、損益計算書を補完する役割を果たしているのです。損益計算書は、利益を稼ぐ力を表したもの、キャッシュ・フロー計算書は現金を稼ぐ力を表したものということができます。

キャッシュフロー計算書と貸借対照表の関係

キャッシュフロー計算書と貸借対照表の関係は深く関係しています。貸借対照表では、決算日時点でどれくらい会社にお金があるかを表しています。一方、キャッシュフロー計算書では、現金がどのような原因でどれくらい変動したかを表しています。

  • 前期の貸借対照表の現金の増減額は、キャッシュフロー計算書の期首残高の現金の増減の数値となる
  • 当期の貸借対照表の現金の増減額は、キャッシュフロー計算書の期末残高の現金の増減の数値となる

このように、キャッシュフロー計算書と貸借対照表の両者は結び付いており、貸借対照表の変化はキャッシュフロー計算書に影響を与えます。組み合わせて分析することで、企業の資金繰りと財務の健全性を詳細に理解することができます。

キャッシュフロー計算書(C/F)が把握する意味

キャッシュフロー計算書を作る目的はお金の出入りの管理です。現金がどれくらいあるのかどうかは、以下の計算式で求めることができます。

 期末のキャッシュ残高 = 期首のキャッシュ残高 ± 期中のキャッシュ増減額

会社が現金の収支を計画し、管理することをキャッシュフロー管理といいますが、キャッシュフロー管理をするメリットとして以下のようなものがあります。

  • 資金繰りの管理が行える:収入と支出の調整を行い、資金不足を防ぐことができる
  • 手持ちの現金が増える:突発時の対応や、追加の投資を行うなど緊急の資金調達が不要になる
  • 債権者との信頼構築:金融機関等からの資金調達を円滑にする

財務諸表を作成する目的は、会社の利害関係者(株主、取引先、従業員など)に会社の経営状態を報告することです。

損益計算書では利益が出ていても、実際のところのキャッシュが増えているとは限りません。たとえば、損益計算書上、1億円の儲けがあったとしても、その1億円の入金予定が1年先であったとすれば、その会社は資金繰り次第で倒産する可能性があるからです。

キャッシュフロー計算書では、貸借対照表や損益計算書だけでは把握しきれないお金の流れを見ることができます。

総じて、キャッシュフロー計算書は、会社の財務健全性や資金繰り、戦略的な意思決定、税務管理などを行うために重要です。

キャッシュフロー計算書(C/F)の読み方

キャッシュフロー計算書は企業の現金の出入りを示す財務諸表のひとつです。通常、「営業活動」「投資活動」「財務活動」の3つの区分から成り立ちます。ここでは、各部門について解説します。

営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローとは、企業の営業活動によって出入りした現金の動きが記載されています。たとえば、商品を販売して手に入れた現金や、材料を仕入れるために支払った現金、広告宣伝費などの販管費の支払いの際に支払った現金がこれにあたります。

プラスの場合

マイナスの場合

本業での業績が良く、しっかりと現預金が回っている状態。キャッシュが潤沢であることを表している。

在庫が過大であったり、売掛金に不良債権があったり、何らかの問題があることを示している。資金的に不安定な状態であることを表している。

営業キャッシュフローは、会社がビジネス運営にどれだけの現金を生み出しているかを示し、資金繰りの健全性を評価するために役立ちます。

直接法

キャッシュ・フロー計算書には、直接法と間接法の2つの表示方法があります。まず直接法とは、営業収入、原材料または商品の仕入による支出など、主要な取引ごとにキャッシュフローの総額を表す方法です。

営業キャッシュフローを直接法で表すと以下のとおりになります。

直接法

営業収入

商品の仕入等支出

人件費支出

その他の営業支出

営業活動によるキャッシュフロー

間接法

間接法は、損益計算書をもとに営業キャッシュフローを計算する方法です。損益計算書における「税引前当期純利益」から調整項目を加減して計算します。営業キャッシュフローを間接法で表すと以下のとおりになります。

間接法

税引前当期純利益

減価償却費

売上債権の増加

仕入債権の増減

法人税等の支払

営業活動によるキャッシュフロー

キャッシュフロー計算書の間接法は、企業のキャッシュの流れを理解し、資金調達や運用に役立ちます。

投資キャッシュフロー

投資キャッシュフローとは、企業の投資活動によって現金などがどのように出入りしたかを示しています。具体的には、新しい設備や不動産の購入、ほかの企業の株式や債権の取得、また資産の売却などの取引などが含まれます。

投資や成長企業が先行投資をして現金を支払ったのであればマイナスになり、設備や株を売却して現金を得たのであればプラスになります。

会社が成長するには設備投資は必須であるため、一概にマイナスだから悪いというわけではありません。むしろ、積極的に投資を行っているといえます。投資キャッシュフローで見るべきポイントは、営業活動や財務活動によって流入した現金を投資して、事業拡大の動きが取れているかどうかになります。投資キャッシュフローが大幅にプラスである会社は、事業を縮小しようとしていると捉えることができる場合もあります。

投資キャッシュフローは、会社の長期的な戦略と財務の健全性を評価する指標になります。

財務キャッシュフロー

財務キャッシュフローとは、会社が資金調達と借入金の返済で現金がどのように出入りしたかを示しています。具体的には、禁輸機関からの借入または返済、株主への配当、債務の発行または返済、株式の発行または買戻しなどが含まれます。

プラスであれば、会社が自己資本を増やすことや債務を返済する余裕があることを示し、マイナスであれば、新たな資金調達が必要であることを示す可能性があります。

財務キャッシュフローは、会社が財務政策やリスク管理戦略を評価するのに役立つ指標となっています。

フリーキャッシュフロー

フリーキャッシュフローとは、事業活動や設備投資に必要なお金を除いた、会社が自由に使うことができる現金の額を示します。キャッシュフローの計算式は複数通りありますが、代表的な計算式は以下のとおりです。

フリーキャッシュフロー = 営業キャッシュフロー - 投資キャッシュフロー

フリーキャッシュフローは、経営を安定させるために欠かせない資金です。プラスであれば、会社は現金を生成し、新たな投資や債務の返済に利用できます。一方、マイナスであれば、資金調達が必要であることを示す可能性があります。

フリーキャッシュフローは、会社の成長機会、借入金返済、配当支払いの持続可能性を評価するために重要な指標です。

キャッシュフロー計算書(C/F)のチェックポイント

キャッシュフロー計算書を見るときには、「営業活動」「投資活動」「財務活動」の3つのキャッシュフローを総合的に判断することが重要です。ここでは、キャッシュフロー計算書の具体的な見方について解説します。

キャッシュフロー計算書のパターン分け

キャッシュフロー計算書には、3種類があり、それぞれプラスとマイナスにわかれています。8つのタイプによる分類がされますが、代表的な6つのパターンを紹介します。

名称

営業C/F

投資C/F

財務C/F

内容

健全型

+

-

-

企業のあるべき姿のひとつ。本業で得た資金を、投資や借入金の返済にあてている状態。

積極型

+

-

+

事業拡大中の企業に多い。本業で得た資金を投資に回す一方、金融機関からの借入れで積極的に設備投資をおこなっている会社と考えられる。

改善型

+

+

-

事業を縮小しようとしている企業に多い。本業と資産売却で得た資金を返済に充てている。投資活動が行われていない状態で、事業が縮小されていると考えられる。

勝負型

-

-

+

資金繰りが厳しい企業に多い。本業での資金が流出している中、借入金等の資金調達で得た資金を投資に充てている状態。ベンチャー企業に多い。

衰退型

-

+

-

本業で資金が流出しており、固定資産等の売却で得た資金等で、借入金の返済を行っている状態。リストラフェーズの会社である可能性がある。

救済型

-

+

+

かなり厳しい企業に多い。本業で資金我流しぅつしており、固定資産等の売却を行っても資金が足りず、追加で借入をしている状態。深刻な状態の会社とみられる。

参考:『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方 』

キャッシュフロー計算書(C/F)を用いて、現金の流れを明確にしよう

キャッシュフロー計算書は、会社の財務諸表のひとつで、現金の出入りを記録し、会社の経済的健全性を評価するための重要な書類です。キャッシュフロー計算書は3つの主要な部門から成り立っています。

  • 営6+-1業活動キャッシュフロー
  • 投資活2動+キャッシュフロー
  • 財務活動キャッシュフロー

キャッシュフローの理解と読み方は、企業の持続可能性や財務の健全性を評価するために不可欠です。現金収支を把握し、フリーキャッシュフローを計算することは、投資家や債権者にとって会社の評価に大きな影響を与えます。

また、貸借対照表や損益計算書からは読み取れない現金の流れを見ることができるため、貸借対照表や損益計算書とあわせて活用してみてください。

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