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「貴社」と「御社」は、どちらを使うべきか迷ってしまいがちな言葉です。メールを送る際にどちらを使うのが適切か迷い、手が止まってしまったという人もいるのではないでしょうか。
この記事では「貴社」と「御社」の違いや使い分けの方法、間違えた時の対処法などについて解説します。ビジネスの基本ですので、しっかりマスターして今日から使ってみてください。
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貴社と御社の違いとは
「貴社」と「御社」はどちらも相手の会社を敬う言葉であり、同じ意味を持っています。主にビジネスにおいて取引先やお客様などの相手先企業を呼ぶ際に使用される表現です。意味は同じですが、この2つは使用するシーンによって使い分けされています。
「貴社」は書き言葉(文語)、「御社」は話し言葉(口語)として用いるのが一般的です。
相手企業への書類やメールで使用する場合は文語である「貴社」を、面接や電話でやり取りするときは「御社」を用いるのが基本です。
メールでは「貴社」を使うと覚えておきましょう。
貴社と御社の使い方
こちらでは「貴社」と「御社」の正しい使い方や、例文を紹介します。また、なぜ使い分けが必要なのか、理由についても解説します。
貴社の使い方と例文
「貴社」は取引先などの社外に当てて差し出す文書や書類、メールなどで用いるのが一般的です。
「貴社」には「記者」「帰社」「汽車」などの同音異義語があり、会話中にどれを指しているのかわからなくなる可能性があるため、文語が良いとされています。そのため、使用する際には漢字を間違えないように注意しましょう。
以下で転職活動やビジネスシーンで使える「貴社」の例文を紹介します。
- 明日10時に貴社の○○オフィスにお伺いします。
- 来週、貴社に納品する予定の××ですが、準備が整いましたので明日お持ちします。
- 貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。
御社の使い方と例文
「御社」は口語・文語ともに使える言葉ですが、主に口語で使うのが一般的です。取引先企業との会議の席や面接などの対面だけでなく、電話での対応にも用いられます。メールでは基本的には「御社」は使いません。
以下で転職活動やビジネスシーンでの「御社」を使った例文を紹介します。
- 御社○○様宛にメールを送付させていただきました。
- ××の件でアポイントをお願いしたく、御社に連絡いたしました。
- 御社の企業理念に共感し、応募いたしました。
貴社と御社を使うときの注意点
「貴社」と「御社」はビジネスシーンで多用される言葉ですが、使用するときは以下の点に注意が必要です。
二重敬語にならないようにする
「貴社」や「御社」はそれ自体が敬語表現ですので、「貴社様」「御社様」などと「様」をつけるのは間違いです。「様」をつけると二重敬語になり、丁寧に言ったつもりでもかえって良くない印象を与えてしまいます。
相手に失礼にならないように、正しい使い方をマスターしましょう。
一般企業でない場合には違う呼称を使う
「貴社」「御社」は相手の会社を呼ぶ際の敬語表現ですが、「一般企業」以外は異なる呼び方を用いる必要があります。それぞれの呼称を把握し、使い分けできるようにしておきましょう。
銀行 | 御行/貴行 |
信用金庫 | 御金庫(御庫)/貴金庫(貴庫) |
郵便局 | 御局/貴局 |
病院 | 御院/貴院 |
役所・庁 | 御庁/貴庁 |
省 | 御省/貴省 |
組合 | 御組合/貴組合 |
協会 | 御協会/貴協会 |
学校 | 御校/貴校 |
学園 | 御学園/貴学園 |
学院 | 御学院/貴学院 |
「貴社」「御社」の使い分けと同様に、メールや書類などの文語では「貴」、会議や面接など口語では「御」が付くと覚えておくとよいでしょう。送付する前に相手先企業に応じた正しい使い方ができているか、確認するよう心がけましょう。
貴社と御社の使い方を間違えた場合の対処法
メールで「御社」を使ってしまった、など間違えた場合でも訂正のメールを送る必要はありません。次回のメールで修正すれば問題ないでしょう。書き間違えたからと言って就職や転職で不利になることもありません。
口頭での場合も同様で、会話中に「貴社」を使ったからと言って話の流れをさえぎって訂正する必要はなく、次のタイミングから「御社」を使うようにすれば問題ないでしょう。
ただし、公的な書類などに「貴社」ではなく「御社」を使ってしまった場合には、修正して差し替えた方がよい場合もあります。
自分の会社の呼び方とは?
相手の会社に対しては「貴社」「御社」を使用しますが、自分の在籍する会社のことは「当社」「弊社」などを使用します。
「当社」は社内向けの呼び名であり、従業員間などで用います。「弊社」はへり下った表現で、取引先やお客様など自社よりも高い位置づけにある、社外の人と話すときなどに使用します。こちらは口語や文語の使い分けはありません。
ただし、同業他社と自社を比較するときや交渉などでは、あえて「当社」を使う場面もあります。
「貴社」と「御社」を正しく使い分けよう
一般的に、「貴社」は書き言葉、「御社」は話し言葉として用いられています。ですので、メール中で書くときは「貴社」を使うのが基本です。誤って「御社」を使っても大きな失敗にはなりませんし、訂正も不要です。
「貴社」「御社」ともビジネスシーンではよく使われる言葉ですので、ビジネスマナーを身につけていると相手に伝えるためにもしっかり区別して使用しましょう。