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「経団連」という名前をメディアで目にはしている人は多いと思いますが、その団体の詳細や活動内容について把握していない方もいるのではないでしょうか。
この記事では、経団連がどのようなところで何をしているのかについて解説します。経団連の基本について、役割や取り組みを見ていきましょう。
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経団連とは
「経団連」の正式名称は「日本経済団体連合会」で「経済同友会(同友会)」「日本商工会議所(日商)」と並ぶ日本における経済三団体の一つです。
経団連は、2002年に「経済団体連合会」と「日本経営者団体連盟」が統合された総合経済団体で、東証1部上場企業を中心に構成されています。自民党の支持母体の一つとしても知られ、経団連の動向や発言は政治の世界に強い影響力を持っているのも特徴です。
参考:経団連
役割
経団連の主な役割は、総合経済団体として日本の経済を元気にすることです。経団連は終戦直後、戦争で焦土化した日本の再建を目的に結成されました。国を豊かにするには活発な企業活動を原動力とし、人々の知恵を結集して日本を再建するという決意の下、個別の企業や団体の利害を超えて産業界が集結し設立された団体です。
具体的には、企業や団体など、経済界の意見を取りまとめ、着実に実現できるよう政府や行政に働きかけています。企業や団体のほか、労働組合や市民を含む幅広い関係者と対話を進めて、地域や個人の活力を引き出し、個々の企業や個別業界の利益を高めるのではなく、日本経済の発展と国民生活の向上に貢献しています。
構成
経団連は日本を代表する総合経済団体で、国内の東証一部上場企業を中心として構成されている団体です。
経団連を構成しているのは、日本の代表的な企業1,512社と、製造業やサービス業など主要な業種別全国団体109団体、地方別経済団体47団体などです(2023年4月1日現在)(※1)。
(※1)参考:一般財団法人 日本経済団体連合会「経団連とは」
活動
経団連の活動とは、企業や団体など、経済界の意見を取りまとめ、政府や行政に対して提言を行うことです。活動の表舞台に立つのは、経団連会長をはじめとする加盟企業のトップですが、企業の意見のとりまとめや国内外の対外交渉の窓口を務めるのは経団連事務局の総勢228名(嘱託含、2023年4月1日現在)(※2)の少数精鋭の組織で行っています。
また、会員企業が社会からの信頼を得られるよう、企業行動憲章を定めるとともに、遵守するよう働きかけているのです。
さらに、国内だけでなく、国際的な問題の解決や経済関係の緊密化にも取り組むため、各国政府や経済団体との対話も行っています。
(※2)参考:経団連「Keidanren Annual Report 2023」
経団連でよくある質問
経団連の概要については理解できたと思います。ここからは経団連でよくある質問について解説します。
日本経団連の「1%(ワンパーセント)クラブ」とは?
「1%クラブ」は経団連が1990年に設立した会員組織です。1%クラブの会員は、経常利益や可処分所得の1%相当額以上を、自主的に社会貢献活動に支出することを目指す企業や個人です。現在は、独立した任意団体ではなく、経団連企業行動・SDGs委員会の下部に「経団連1%クラブ」として位置づけて運営されています。
1%クラブは、会員向けに寄付や社会貢献に関する情報を提供し、企業の実務担当者同士の知見の共有や、共通課題の検討をする場として運営されています。同時に一般の人に、企業の社会貢献活動への理解を深めてもらうための取り組みもしているのです。
また、より有効な社会貢献活動をするために、企業やその社員と市民活動団体をはじめとするNPO(民間非営利組織)を結び付けるコーディネートも行っています。
1%クラブには、経団連会員企業を中心に、227の法人、グループ並びに854の個人が所属しています。(2016年8月時点)(※3)
(※3)参考:経団連「1%(ワンパーセント)クラブのご紹介」
日本経団連の企業行動憲章とは?
日本経団連の「企業行動憲章」とは、経団連の会員企業や団体に対して、経団連が遵守を求める行動原則で、旧経済団体連合会が1991年に制定しました。国内外を問わず、人権を尊重し、関係法令、国際ルールとその精神を遵守して、社会的良識をもって、持続可能な社会の実現に向けて自主的な行動をすることを求めています。
その後、企業行動憲章は5回の改定が行われ、直近では2017年に持続可能な社会の実現に向けて「Society5.0forSDGs」を柱に、全面改訂されました。持続可能な社会の実現が企業の発展の基盤であるとし「サスティナブルな資本主義」への転換を加速させ、よりいっそう、Society5.0jの実現を通じSDGsの達成に向けた行動を促しています。同時に、達成のためには、ESGと言われる環境、社会、ガバナンス(企業統治)を考慮した経営の推進をすることも促しています。
経団連の主な企業会員とは?
経団連に加盟している企業は、国内の東証一部上場企業を中心として構成されています。代表的な企業の一部を抜粋すると、以下の企業が挙げられます(※4)。
* 旭化成(株)
* アサヒグループホールディンクス(株)
* (株)日立製作所
* (株)みずほファイナンシャルグループ
* 住友化学(株)
* 東京海上ホールディングス(株)
* 日本製鉄(株)
* パナソニックホールディングス(株)
* 三井物産(株)
* 三井不動産(株)
(※4)参考:経団連「日本経済団体連合会 会長・副会長」
日本の三大経済団体は?
日本の三大経済団体は、「日本経済団体(経団連)」「経済同友会(同友会)」「日本商工会議所(日商)」です。
経団連は大企業が会員となり、企業や団体の意見を取りまとめて、政府や行政に働きかけて日本の経済を豊かにすることを目的としています。
経済同友会は企業の経営者が個人として参加しているのが特徴です。国や県などからの補助金はもらわないかわりに、なにものにもとらわれず幅広く先見的な視野で、目まぐるしく変わる国内外の諸問題について考えたり、議論して政策提言を行っています。
日本商工会議所は全国の中小企業や大企業が所属している公共経済団体です。全国にある各地の商工会議所と連携・協力して、国内外の経済団体と提携し、中小企業の活力強化と地域経済の活性化に取り組んでいます。
経団連会長は?理事・監事も紹介
経団連は会長・理事1名、副会長・理事17名、副会長・事務総長・代表理事1名、専務理事・業務を執行する理事 2名、常務理事・業務を執行する理事4名、監事2名で構成されています(2023年11月25日時点)(※5)。
理事
* 会長・代表理事: 十倉 雅和
* 副会長・理事 :佐藤 康博、菰田 正信、安永 竜夫、東原 敏昭、橋本 英二、津賀 一宏、南場 智子、小路 明善、永野 毅、遠藤 信博、小堀 秀毅、永井 浩二、筒井 義信、垣内 威彦、泉澤 清次、野田 由美子、亀澤 宏規
* 副会長・事務総長・代表理事:久保 田政一
* 専務理事・業務を執行する理事:藤原 清明、井上 隆
* 常務理事・業務を執行する理事:原 一郎、長谷川 知子、岩村 有広、岩崎 一雄
監事
* 監事 :内田 晴康、土岐 敦司
(※5)参考: 一般社団法人 日本経済団体連合会「一般社団法人 日本経済団体連合会 理事・監事」
経団連は日本の経済を元気にする団体
経団連は日本の経済を元気にすることを目的に、大企業が会員となり、政府や行政への働きかけをしている団体です。終戦直後から日本の経済の立て直しのために、個々の企業や個別業界の利益を高めるのではなく、日本経済の発展と国民生活の向上に貢献してきました。
現在の日本経済は、経団連の取り組みがあって成り立っているともいえるでしょう。